朝なの?夕方なの?

 右のページをご覧ください(略)。1年生の国語の教科書最初の2ページを印刷したものです。見ての通り、文字はまったく出てきません。これでどうやって学習するのでしょう。私は悩んでしまいました。何しろ、6年生担任の頃は小さな文字がいっぱいの教科書を使っていたのですから。

絵を見てお話づくりをする

というのが学習目標なのですが・・・。1年生を飽きさせることなく、45分の授業を組まなければなりません(ひらがなの学習を並行して行っていますので正格には30分ほどですが)。
 「絵を見てお話づくりをしましょう」ではあまりにも芸がありません。それに、きっと子供たちは「えっそんなのできないよ。どうすればいいの?国語って難しいんだな」と思ってしまうに違いありません。最初の学習でそう思わせてしまったら私の負けです。
 悩んだ末、こんなふうにやってみました。

季節は、春・夏・秋・冬のうち、いつですか。

 全員が「春」に手を挙げました。理由を聞くと
「だって、桜の花が咲いているよ。だから春だよ。」
との答え。「先生、つまらないことを聞かないでよ」といったところでしょう。
 そう思わせておいたところで、こう聞きました。

今は、朝なのでしょうか。夕方なのでしょうか。

 こう聞かれると、子供たちは何となく絵を見ているわけにはいかなくなります。真剣に見ざるを得なくなるのです。
 これは、意見がまっぷたつに割れました。
 夕方だという子が公発言します。
「ランドセルを担いでいる子たちが1年生だと思う。遊んでいるのはお兄さん、お姉さんたち。1年生は早く帰るから、これは夕方だよ。」
 それに対し、朝だという子は、
「保育所の子供たちがのぞいているよ。保育所の子たちはこれから保育所に行くんだよ。だから朝だよ。」
 結局、最後まで結論は出ませんでした。これは朝か夕方かを決めさせたくて問うたのではありません。この絵に対するイメージを大きく膨らませてほしかったのです。イメージが膨らめばお話づくりもしやすくなります。いや、「朝だ、夕方だ」と言い合っていること自体が既にお話づくりなのです。
 子供たちの言い合いが続き、私の方がストップをかけなければいけないほどでした。「この子たちはすごいな」と思わされた1時間でした。

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