なんか変?

 国語で『たのしいがっこう』という学習をしています。教科書には、「たくさん さいた あか しろ きいろ」という文の隣りにチューリップが咲き乱れている絵と子供たちがそれを見ている様子が載せられています。
 黒板に次のように書きました。子供たちはまだ教科書を開いていません。

 たくさん さいた。(横に一本のチューリップの絵)

 子供たちの顔を見渡し、

 なんか変だね。どこが変ですか。

と尋ねました。すぐさま、たくさんの手が突き刺さるように挙げられ、
「だってチューリップが一つしか咲いていないよ」
と言います。

 どこを直せばいいですか。

 こう聞くと、香さんが
「チューリップをもっとかく」
と答えてくれました。そこで、私がもう一本チューリップを描き加え、
「これでいいですね」
と挑発すると、勇起くんが
「だめだよ。たくさんさいたと書いてあるのに、なんで二つしかないんですか。」
と反論してきます。
 私は、
「そうか、二つではたくさんとは言わないのか・・・」
と言いながら、もう一本描き加え、
「よし、これでOKだな!」
と自信に満ちあふれた顔で子供たちを見渡しました。
 もう、子供たちは大騒ぎです。
「先生、何をバカなこと言っているんだよ!」
と文句を言ってきます。
 私が10本ほどのチューリップを描き加えると、
「うん、それでいい!こんどはOK!」
とようやく納得しました。

 そうか、一本や二本では「たくさん」とは言わないんだね。

こう言って、一端安定させました。
 しかし、これではまだ終わりません。続いてこう尋ねてみました。

 今は、絵を直したよね。今度は文を直して正しくできるかな。

 黒板のチューリップを消し、また一本に戻しました。一年生には難しい問いです。すぐに手を挙げたのは3人ほどでした。
「もう少し時間をあげよう」
と言って待ちました。
 しばらくすると3分の2ほどの手が挙がり、あやこさんが次のように答えてくれました。
「いっぽん さいた。」

 これで、変じゃなくなりましたか

と聞くと、
「OK!」
という返事。
 しかし、玲奈さんが
「まだあるよ」
と言って、別な意見を出してくれました。どんな答えをしてくれたと思いますか。答えを聞いて、私はびっくりしてしまいました。私にはとても考えつかない答えだったからです。
「たくさん ちった。」
こう答えてくれたのです。

 すごいねぇ。それも変じゃなくなるよねぇ。

こう言って誉めました。
 楽しい一時間でした。

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