伸ばす音

 昨日、国語で「伸ばす音」の学習をしました。

 「おじいさん」のいる人、手を挙げてごらん。はい、ではみんなで「おじいさん」と言ってごらんなさい。

 子供たちは、元気よく「おじいさん」と言います。そこで、

 こんどは、「お・じ・い・さ・ん」と区切って言ってごらんなさい。

と指示を出し、

 言ったとおりに、ノートに書いてごらん。

と言って書かせました。これはほとんど全員の子供が間違いなく書けました。黒板にも「おじいさん」と書きます。
 続いて、

 「おばあさん」も区切って言ってごらんなさい。

と言うと、「お・ば・あ・さ・ん」と言います。「おじいさん」と同じようにノートに書かせました。
 3人ほどが「おばさん」と書いていましたので、黒板に両方を書いて、その違いを比べました。これですんなり分かってくれたようです。

 「おかあさん」も区切って言ってごらん。

 子供たちは「お・か・あ・さ・ん」と言いながらノートに書いています。ここまでは、どの子も迷わずに正しく書けていました。しかし、問題はここからです。

 「おとうさん」と区切って言ってごらん。

 子供たちの口からは当然のように「お・と・・さ・ん」という発音が聞かれます。

 そうですね。では、ノートに書いてごらん。

 ほとんどの子供が間違うのではないかと思っていたのですが、ノートを見て回ったところ、次のような結果でした。

・「おとうさん」と正しく書けている子供 14人
・「おとおさん」と間違って書いている子供15人

 どっちが正しいんだろうね。

と聞いても、子供たちはまったく分からない様子です。これは説明するより仕方ありません。

 みんなこっちを見てごらん(教室に貼ってある五十音表に注目させます)。
 「お」の段をみんな伸ばして読んでみましょう。
 (おー、こー、そー、とー、のー、ほー、もー・・・)
 そうですね。日本語はね、「お」の段を伸ばして読むときには「お」と書かずに「う」と書くきまりになっているんです。

 子供たちは、分かったような分からないような顔をしています。無理もありません。例を挙げ、ノートに書かせてみました。

おとうと
いもうと
ようふく
がっこう
ろうか

 こんな例をノートに書かせた後、今度は子供たちに「お」の段を伸ばす音を探させました。

こうこう
ろうや
こうもり・・・

 たくさん出たのですが、一つ困ってしまいました。「こおろぎ」と発表した子供がいたからです。この言葉は例外です。これは「こうろぎ」とは書きません。どう説明したものかと困ってしまったのです。
 どうにも1年生に分かるように説明する自身がなく、こんなふうにお茶を濁してしまいました。

 「こおろぎ」も「お」の段を伸ばす音ですが、これはなんでか知らないけれど、「こおろぎ」と書きます。「こおり」なんかもそうです。日本語は難しいですね。そういうきまりになっているんです。

 子供たちは、
「ふうん、きっとエライ人が決めたんだね。」
と妙に納得していました。

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