大きなかぶ(その4)

「大きなかぶ」4時間目です。
まず、全員を立たせ、

自分の早さでいいですから、1回読みなさい。読み終わった人は座ってもう1回読みなさい。

こう指示を出して、読ませました。早く座りすぎた子供(つまり、読むのが早すぎる子供)には、
「ちょっと早すぎます。もう少しゆっくり読みましょう。」
と注意を与え、遅すぎる子には、
「よし、がんばったね。」
とだけ声をかけました。早すぎる子にゆっくり読めというのは、そう難しい注文ではありませんが、つっかえながら読んでいる子に、「もっと、スラスラ読みましょう。」などと言うのは残酷なことだからです。

さて、この時間は次の部分をめぐって学習しました。

「あまい、あまいかぶになれ。
大きな、大きなかぶになれ。」

一人の子に読ませ、いつものように他の子に○×で評価させました。そして、×をつけた子に、「なぜ、×ですか。」と聞いていきました。
子供たちの答えは、
「声が小さかった。」
「息の吸い方がちょっとだった。」
「口の開け方が小さかった。」
の3通りでした。
つまり、子供たちは1学期に学習した「声の大きさ」「口の開け方」を評価基準にしているわけです。
この時間は、子供たちの評価基準をもう一つ増やすための学習です。
こんなふうに言いました。

「あまい、あまいかぶになれ。」
どっちの「あまい」を大きく読んだらいいのでしょうか。

手を挙げさせたところ、次のような結果になりました。
「最初のあまいを大きく読む」・・・21名
「後のあまいを大きく読む」・・・・・8名
半々くらいになるだろうと予想していたのですが、予想以上に「最初のあまいを大きく読む」という子が多いのにはびっくりしました。
ただ、これはまだ実際に読み比べて考えたわけではありません。友達の読むのを聞いたり、自分で読み比べたりすればおそらくもう少し違う結果になるはずです。
最初のあまいを大きく読む子、後のあまいを大きく読む子の中からかなり上手に読む子に代表して読んでもらいました。

1.「あまい、あまいかぶになれ。」
2.「あまい、あまいかぶになれ。」

どちらの子供も甲乙つけがたいほど、上手に読みました。
さて、代表の子供の読みを聞いた後でもう一度聞きました。

どちらを大きく読んだらいいですか。

さて、どうなったと思いますか。
「最初のあまいを大きく読む」・・・・・2名
「後のあまいを大きく読む」・・・・・27名

見事なまでの逆転劇です。念のために書いておきますが、最初のあまいを大きく読んだ子は、実に上手でした。「こんな読み方もあるんだな。」と私の方がびっくりするほどでした。
もちろん、どちらが正しいということは言えません。どちらも正しいのであり、それぞれの感性の違いです。しかし、問題を出した以上、私の考えも示す義務があります。

どっちの人も本当に上手に読んだね。どちらも間違いではありませんが、先生なら後の方を大きく読みます。ちょっと読んでみますね。
「あまい、あまいかぶになれ。」

私の精一杯の読みをしたのですが、子供たちが「うまい!」と思ったかどうかは定かでありません。

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