名画になるか?体重測定(その5)

この時間は「友達」を描き加えます。一人だけでもなかなかおもしろい絵になっていましたが、友達を描き加えることでまた違った感じになります。
子供たちは、「自分」を描いた後ですので「友達」は比較的抵抗なく描けるはずです。ある程度、子供に任せて描かせてみることにし、指示は最小限に抑えました。

今日は友達を描きます。友達は一人でも二人でもいいです。次の3つだけ注意して描きましょう。
1 自分よりも小さく描く。
2 自分とは違う向きの鼻にする。
3 手も自分とは違う手にする。
描く順番は「自分」を描いたときと同じです。では、描き始めなさい。

自分よりも小さく描くことが難しいようです。鼻を大きく描きすぎている子供が目につきました。
それでも、やはり1回「自分」を描きあげている自信からでしょう、苦労しながらも、かなりおもしろい「友達」に仕上げることができました。
子供たちの間をまわって歩きながら、スペースが空きすぎている子供には、「もう一人、ここに描いたらどう?」と声をかけていきました。
1時間のうちに、着色まで始めることができました。色作りも、かなりの子供が私の手を借りずに、自分で肌色を作れるようになったようです。
「友達」は小さいため、かなり筆の使い方が難しそうでしたが、どの子も結構がんばって着色していました。

さて、1年生の絵としては本当はここまででも十分なのですが、最後にバックを塗らせることにしました。
薄い色つきの画用紙でも使っていれば、バックは必要なかったのですが・・・。
バックの色は特に指定しませんでした。ただ、思いっきり薄くさせました。絵の具1、2に対して、水8、9くらいの割合です。
ここで失敗すると、今までの苦労が水の泡です。慎重にやらねばなりません。私のOKが出るまでは、塗らせませんでした。
色を指定しなかったにも関わらず、なぜか黄色係を選んだ子が多かったようです。
バックは大筆を使わせ、これも「絶対にこすらず、画用紙の上に置いていくようにしなさい。」と指示しました。

さて、これでやっと完成です。約7時間かかりました。どの子の顔にも満足そうな表情がうかがえます。
初めて挑戦した大作。しかも水彩です。大変だったでしょうが、本当によくがんばってくれました。途中で「もうやめよう。」などと言う子は一人もいませんでした。
明日の展覧会は、是非子供たちをほめる材料を見つけにいらしてください。子供たちがびっくりするほどほめちぎってやってください。お願い致します。

5回にわたって絵画「体重測定」についてお伝えしてきました。どんな感想を持たれたでしょうか。
「指示がいちいち細かいなあ、もっと自由に描かせてもいいのに。」
と思われた方もいらっしゃるのでしょう。
実は、私も3年くらい前までは「自由に描きなさい。」と言ってきたのです。ところが、ある研修会に参加したとき、酒井臣吾先生という校長先生がこんなことを言われました。

「子供たちに、『自由に描きなさい』などというのは陰湿ないじめである。子供たちは自由に描けと言われてもどう描いていいかわからないのだ。どう描けばよいのかを具体的に教えてやらなければ、子供たちはいつまでたっても絵が描けるようにはならないよ。」

その通りだと思いました。
私の腕が未熟なため、「どう描けばよいかを具体的に教えてやる」ことはなかなかできませんでしたが、子供たちのがんばりで、作品の方はおもしろいものがたくさんできたように思います。

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