繰り上がりのあるたし算(その2)

前号で、9+3の計算を学習するのに右のようなタイル図を使ったことをお伝えしました。
本箱に入っている本の数を求める問題です。本の代わりにタイルを使って図にしたのです。

もう一度、問題文を紹介します。

上の本だなに本が9さつ、下の本だなに本が3さつはいっています。
本は、ぜんぶでなんさつありますか。

子供たちは繰り上がりのある計算方法を学習していませんので、「9+3」のままでは答えを出せません。(もっとも、タイルの数を数えれば答えは出せますが・・・)
そこで、子供たちに
「この計算は、どうしたらできるようになるだろうね。」
と尋ねてみました。
子供たちには、机の上に準備してあるタイルを見ながらじっと考えています。なかなかいい考えが浮かばないようです。
なかには、この程度の計算など、できるようになっている子供もかなりいるのですが、「なぜ、そうなるのか」を説明するとなると難しいのです。
そんな時、和美さんが手を挙げ、次のような式を黒板に書いてくれました。
9+1+2=12
見ていた子供たちの中から、
「あっ、わかった!」

という声が聞こえてきました。ただ、大多数の子供たちはまだ、ポカンとしています。「3を1と2にわける」ということがわからないのです。
わかっている子もうまく説明することができません。
そこで、私が代わって説明しました。

9+3の計算をするには、まず10の缶詰を作ります。上の本棚には本が何冊入っているのですか。(9冊!)そうです、9冊ですね。10の缶詰を作るにはあと何冊あればいいですか。(1冊!)そう、あと1冊で10ができますね。
ですから、下の本棚から1冊だけ上の本棚へ引っ越します。そうすると、上の本棚には何冊入っていることになりますか。(10冊!)そうだね。下の本棚は?(2冊!)そうです。3冊あったところから1冊上へ引っ越したのだから、2冊になりますね。
上の本棚に10冊、下の本棚に2冊、本は全部で何冊になりますか。

これでわかるようになります。9+3のままではできないので10+2の形へ変えてしまうのです。10+2の計算なら子供たちはできます。
上の説明はもちろん口でしただけではわかりません。黒板の上でタイルを動かしながら説明しました。

子供たちにも机の上にタイルを準備させ、実際にタイルを操作させてみました。
1年生は自分で実際にやってみないことには理解できません。
また、「理解する」ことと「できる」ということも違うものです。上の説明を理解できても計算ができることはまた別問題なのです。ですから練習問題をさせる必要があります。
次の15問をノートにやらせ、できた子供からノートを持ってこさせました。

9+3  9+2  9+4  9+5  9+7
9+6  9+8  2+9  4+9  5+9
3+9  8+9  6+9  9+9  7+9

タイルを動かしながら、どの子もがんばっていました。

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