主なき物たち

■落し物
「先生、これ 落ちてました。」
毎日のように、落とし物が私のところへ届きます。鉛筆、消しゴム、クーピー、etc.
そのほとんどに名前がありません。
1年2組では落とし物について次のような処理をする事になっています。

1 名前が書いてある物は持ち主のところへ届ける。
2 名前が書いてなければ、近くの人に聞いてみる。
3 近くに持ち主がいないようならば、全体の場で聞いてみる。
4 それでも持ち主が見つからない物だけを教師のところへ持ってくる。

したがって、私のところへ届いた物にはほとんど名前が書いていないわけです。
私も一応念のために再度聞いてみます。その結果、持ち主が見つかる物は2割程度です。ほとんどは持ち主不明のまま、私の手元にたまってきます。
かくして、私の机の上には主なき物たちが住みつくようになりました。

■教科書
一日目
「先生、教科書を忘れました。」
「そうか、忘れちゃったか。明日はちゃんと持ってきてね。」
「ハイ。」
二日目
「先生、また教科書忘れちゃいました。」
「困ったね。帰ったらちゃんと時間表を揃えるんだよ。」
「ハイ。」
三日目
「先生、家に教科書がありません。」

■ノート
「では、ここからここまでをノートに視写しなさい。」と私。
「先生、ノートにもう書く場所がありません。」
「そうか、じゃあお家の人に言って買ってもらおうね。今日は、この紙を使っていなさい。」
この調子で三日間ノートがなく、わら半紙をもらい続けた子どもがいます。

■消ゴム
「この問題をノートにやりましょう。できた人から持ってらっしゃい。」
(しばらく経って)
「先生、できました。」
「ここが間違えているね。直してきてごらん。」
(又、しばらく後)
「先生、直してきました。」
間違えたところが、鉛筆で黒く塗りつぶしてあります。
「ちゃんと消しゴムで消しなさい。」
「消しゴム、持ってません。」

すべて、ここ1週間ほどの出来事です。
学校生活への慣れからでしょうか。緊張感がゆるんでしまっている子どもが目につきます。
ただ、成長したとはいえ、子どもたちは1年生です。まだ、お家の人の手が必要なのです。
例えば、次のようなことについて把握していらっしゃるでしょうか。

○筆入れの中に何本の鉛筆が入っているのか。
○ノートが後何ページでなくなるのか。
○いつ、時間表を揃えているのか。

「手を放せ、目を離すな。」
と言います。
お忙しいことは十分承知しています。承知した上でのお願いです。学習用具の点検をぜひしてあげて下さい。

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