はたらく自動車

国語で「はたらくじどう車」という説明文の学習をしています。
これまで音読の練習に3時間使い、いよいよ本格的な読みとりの学習に入りました。
国語の教材文には、大きく「物語文」と「説明文」がありますが、私は「説明文の読み書き」が最も重要なのではないかと考えています。社会に出て、必要になる力は「物語文の読み書き」よりも「説明文の読み書き」だからです。
極端に言うなら、「物語文」の読み書きはできなくても困りません。しかし、「説明文の読み書き」ができないと困ることがたくさんあります。
では、「説明文」はどんなところで使われているのでしょうか。
身近なところでは「新聞」「薬の注意書き」「電化製品の取扱い説明書」等がすべて説明文で書かれています。これらが正確に読めないと、「世の中のことがわからなくなったり」「体が不調になったり」「電化製品が使えなかったり」するわけです。これは困ります。
また、仕事上、書く必要に迫られる書類はそのほとんどが説明文のはずです。人が読んでも意味が通じない文章しか書けないようではこれも困ります。
ですから、「説明文の読み書き能力」は是が非でも身につけなければならない力なのです。

前置きが長くなりました。「はたらくじどう車」の読みとり学習は次のようにして始まりました。
全文を一度一斉に音読した後、私が問います。

全部で、いくつのお話が書いてありましたか。

子供達の答えは4つに分かれました。
16個、17個、4個、5個
16個、17個と答えた子は、文の数を数えていました。まず、これは間違いだということで消えました。
したがって「4つか5つか」というに絞られます。
4つという子は、次のように言います。
「バスとキャリアカーとロードローラーとポンプ車の4つの自動車について書いてあるから」
ところが、この文章には序論のような形で「前書き」らしきものが書かれています。5つだと主張する子は「前書き」とか「序論」等という言葉はもちろんしりませんから、教科書を指さしながら必死に説明します。
「ここ、ここ!ここにも書いてあるだろ!」
聞いていた子も理解したらしく、結局5つだということで話がまとまりました。

この時間のメインは「前書き」の部分の読みとりです。
問いました。

「じどう車には、いろいろなものがあります。」と書いてありますが、「いろいろなもの」とは一体どんなものですか。

問い方が悪かったらしく、子供たちは悩み、「車のこと」「バスやキャリアカー」など様々な誤答を出してきましたが、あやこさんが教科書の文から次の箇所を見つけてきました。

A.人やものをはこぶじどう車
B.こうじにつかうじどう車
C.じけんがおきたときにつかうじどう車

(A,B,Cは、便宜上、私がつけた記号です。)

そうですね。では、バス・キャリアカー・ロードローラー・ポンプ車はそれぞれA,B,Cのうち、どれに入りますか。

これは、比較的簡単な問いでした。簡単に正解が出ました。
バス・・・A キャリアカー・・・B ロードローラー・・・B
ポンプ車・・・C
さらに問います。

みんなは、他にどんな車を知っていますか。

トラック、ダンプ、タクシー、救急車、霊柩車、清掃車、パトカーなどなど、たくさんの車が発表されました。
それぞれの車がA,B,Cのどの仲間に入るのかを確認した後、こんなふうに問いかけてみました。

先生は、レーシングカーが好きなのですが、レーシングカーはどの仲間ですか。

子供たちは、困ります。なにしろ、どの仲間にも入らないのですから。
たたみかけるように攻め込みました。

AでもBでもCでもありませんね。では、教科書には嘘が書いてあるのですね。

もちろん、嘘など書いてありません。教科書には次のように書いてあります。
「人やものをはこぶじどう車、こうじにつかうじどう車、じけんがおきたときにつかうじどう車などがあります。」

「など」という言葉に気づかせたかったのですが、子供たちがこれに気づいてくるまでに、なんと20分近くかかってしまいました。少し難しかったかも知れませんが、正確に読む癖をつけさせたかったのです。

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