花いっぱいになあれ(その2)

この時間は第1場面の読み取り学習です。第1場面の本文は次の通りです。

ある日のことでした。
学校の子どもたちが、ふうせんにお花のたねをつけてとばしました。
「お花をうえましょう。お花をいっぱいさかせましょう。」
こういうおてがみもつけました。それから、みんなでいっせいに、
「花いっぱいになあれ。わあい。」
といって、ふうせんをとばしました。
ふうせんは、ふわふわとんでいきました。
あちらのいえや、こちらのいえでひろわれるまで、ふわふわとんでいきました。
そのふうせんの一つが、どうまちがえたのか、町をとおりぬけ、村をとおりぬけ、お山までとんできました。
さすがにくたびれて、ふわふわふわふわゆれながら、お山の中へおりてきました。それは、まっかなふうせんでした。

全員起立。1回読んだら座りなさい。読み終わった子は座って2回目に入りなさい。

こう指示を出して読ませました。最後の子供が座ったときには早い子は2回目も読み終わっています。読む早さにもだいぶ差が出てきているようです。
全員が着席したところで、声を揃えてもう1回読んでもらいました。声の張り、口の開け方、姿勢、強弱、抑揚、どれを問っても合格点がつけられるほど上手に読めるようになっています。
「すごい!150点だ。」
と言ってほめました。

昨日、第1場面は「学校の子どもたちが、ふうせんをとばした場面」ということになりましたね。風船は、どこからどこまでとんでいったのですか。

これが、私の出した最初の問いです。そう難しくはありません。これだけ何度も音読していれば簡単に答えられる問題です。子供たちも、
「そんなの簡単だよ!」
と口々に言っています。
最初は全員が答えられる問題にしておくというのも一つの手なのです。
答えはもちろん、
「学校からお山まで」
ということになります。

そうだね。学校からお山までとんでいったんだよね。

私はこう言いながら、黒板に下のような絵をかきました。

子供たちにもノートに絵を写させた後、問いました。

33ページの最後に「ふうせんは、ふわふわとんでいきました。」って書いてあるよね。これは誰が言っているの?

「話者!」
と子供たちは答えてきます。

話者は今、どこから見ているのですか。絵の中に目玉をかいてごらん。

子供たちの書いた目玉の位置は、次の2つに分かれました。

Aだとする子供が23人、Bだとする子が6人でした。
B派の今井和美さんが次のように理由を発表しました。
「Aから見ていたのでは、山にいるコンが見えないと思う。」
子供たちは話者はいつも同じ位置にいると思っているようです。この和美さんの意見で6人の子供がBに考えを変えました。
ところが、ここで淳くんがこんな発言をしました。
「ぼくはAだと思う。もし、話者がBにいるなら、『とんでいきました。』じゃなくて『とんできました。』になる。」
かなりの子が「あっ」という顔になりました。淳君の言っている意味が理解できたようです。
Aだということを全員が納得できたところで、その後に出てくる次の文に着目させました。
「そのふうせんの一つが・・・お山までとんできました。」
そうです。今度はBなのです。

物語の中では話者は自由に動くことができます。どこでもいけるのです。

こう説明して学習を終えました。

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