一年生の文章作法

3学期に入ってから始めた「はてな帳」も早い子はすでに6冊目、文章もだいぶ上手に書けるようになってきました。
出してくれる子供たちの作文は毎日必ず目を通すことにしていますが、ほとんど添削指導はしていません。赤ペンで丸を付け、時々コメントをそえる程度です。
添削をしない理由は2つあります。
1つは私に時間的なゆとりがないということです。20冊近い子供のノートを全て添削し、その日のうちに子供に返すことは私の力では無理です。
2つめの理由は、添削しても子供たちの作文は良くならないということです。誤字脱字を直し、よりよい文章に書き直してやっても子供たちの作文は変わりません。
間違いを探して添削するよりも、少々の間違いには目をつぶり、思いっきりほめてやった方が確実に効果が上がるのです。

さて、「一人一人の添削指導はしない」と書きましたが、折に触れて全員を対象に作文指導をすることがあります。そんな時は1年生に見られがちな典型的な間違いを教え、直してやります。
例えば先日、子供たちの作文の中に次のような文章がありました。

わたしがテレビを見ていると、おかあさんがこういいました。
「ちょっと、おてつだいしてちょうだい。」
といいました。

どこがおかしいのかおわかりだと思います。そうです。同じことが重複して書かれているのです。
上の文章は次のA.Bどちらかに書き直されねばなりません。

A.わたしがテレビを見ていると、おかあさんがこういいました。
「ちょっと、おてつだいしてちょうだい。」

B.わたしがテレビを見ていると、おかあさんが、
「ちょっと、おてつだいしてちょうだい。」
といいました。

今の例は、述語が重複してしまった場合ですが、一番多いのは主語が重複してしまう場合です。次のようにです。

ぼくはテレビを見ながら、ぼくはおやつをたべました。

「ぼくは」はどちらか1回でいいわけです。
ところが、子供たちに主語や述語が重複している文章を示し、

どこが間違えているのですか。

と尋ねても間違いを指摘できる子供は数名しかいませんでした。それだけ鈍感に文章を書いているわけです。というより、子供たちは正しい文章を知らないのでしょう。こういうのは直してやらなければなりません。
このように全員に示してやると、添削指導するよりもずっと効果があるのです。同じ間違いを繰り返す子はぐっと減ります。
この時間の学習で子供たちは、

同じことを2回だぶらせて書いてはいけない。

ということを学んだのです。

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