一年生の文章作法(その5)

〜前号より〜

1 廊下に出た。
2 戸を開けて教室に入った。
3 咳払いをした。
4 子供たちの顔を見渡した。
5 椅子に座った。

これが私のしたことでした。たったこれだけを1年生がどれだけ膨らませて書くことができるのでしょうか。
実は、高学年を担任したとき2度ほど同じことをやったことがあります。書ける子は原稿用紙で3枚ほども書いてきました。1年生がどの程度書けるのかは私にとってもまったくの未知数です。子供たちへの挑戦でもあります。
レインボー学級の子供たちは頼もしく私の挑戦を受けて立ちました。
早速、子供たちの文章を紹介します。

先生がドアをバタンとしめて1年2組のきょうしつにトコトコと入ってきました。
そうして手をくんでゴホンとせきをしました。
そして、みんなを見まわしました。
いすにすわって、キューッと音がしました。
「なにをするのかなぁ」
とおもっていたら、
「おわり。」
といいました。
なんにもしゃべらないので、先生ってへんとおもいました。
また、先生は手をくみました。
先生はいすにすわりながらにやにやわらっていました。
ぼくは「へん」とおもいました。
先生はいつになってもにやにやしていました。
勇起

先生がガラーときょうしつのとをあけてろうかに出ました。
ちょっとすると、またきょうしつに入ってきました。
「オッホン」
とせきをしました。
そしてぼくたちのかおを見ました。
こんどは自分のいすにすわりました。先生がいすにすわるとキッと音がしました。
そして、先生が一人でぼうっとしていました。
そのあと、なんのにおいかわからないけど、いいにおいがしました。
「なに一人でぼうっとしているんだろう。」
とおもいました。

先生がろうかからとをガラガラあけて入ってきました。
トントンと音がしました。
そしてうごきませんでした。
うしろはこくばんでした。
うでをくんでいました。
しんとしていました。
なにをするのかとおもいました。
なんにもしゃべりませんでした。
めがねをしていました。
へんなにおいがしました。げえをするのかとおもいました。
そして、よく見ると、まんなかにいました。
そして、あるきました。いすにすわりました。
和美

予想以上に書いてくれたなぁというのが実感です。正直言って、原稿用紙の半分くらいであきらめるだろうと思っていたのです。それが、かなりの子が1枚を超えて書いてきてくれました。何回も何回も書き直して挑戦してきてくれました。
3人ほどの子供が3行程度でギブアップでした。仕方のないところだと思います。
一つ明らかになったことがあります。それは、毎日「はてな帳」を出してくる10名ほどの子供は何の苦もなさそうに原稿用紙を埋めてきたという事実です。
継続は力なり!

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