テスト問題批判

 国語の学習で、少し前にお伝えした「春のくまたち」が終わりました。この学習は、ほとんど内容を読み取る学習はしませんでした。した学習は音読と視写だけです。この2つだけを徹底的にやり、学習を終えたわけです。
 昨日テストをしました。音読と視写だけで一体どれだけの点数がとれるものなのでしょうか。みなさんはどう予想されますか。
結果は平均94点という高得点でした。今回は特に男子ががんばり、男子だけの平均点はなんと97点です。すばらしいことだと思います。
 この結果は何を示しているのでしょうか。

文章をスラスラ音読することができれば、基本的な内容はほぼ理解できる。

という事実です。
 いろいろな文章を読み慣れ、初めて接する文章でもある程度スラスラ音読できるようになれば、低学年での「文章を読む力」はクリアーしたと言っても過言ではありません。それほど音読する力というのは大切なのです。これからも是非励ましてあげてください。

 さて、結果はすばらしかったテストですが、私には1つ「あれ?」と思わされた問題がありました。
 まず、テストの中で抜粋されている教材文を示します。

そらが明るくまぶしくて、足のうらがくすぐったくて、子ぐまたちはくふくふわらいます。
かあさんは木にのぼります。なんてじょうずなこと。ほら、もう、あんなにたかいところ。あおぞらにゆれるこぶしの花をたべています。
子ぐまたちにも、
「さあ、おたべ。」
とおとしてやります。
子ぐまたちは、もしゃもしゃ、ぺちゃぺちゃ、花をたべます。
子ぐまたちの上に、花はゆきのようにおちてきます。

テスト問題の3番に次の問いがあります。

子ぐまたちは、どんな気もちですか。一つに○をつけましょう。
( )木にのぼりたいな。
( )ゆきがふるといいのにな。
( )春がきてうれしいな。

 みなさんなら、どれに○をつけますか。
 2番目の選択肢である「ゆきがふるといいのにな。」というのは、どうやら違うらしいということはわかります。そして、おそらくは3つめの選択肢である「春がきてうれしいな。」が正解なのだろうなという予測もつきます。ただ、私は次のように思うのです。
「『木にのぼりたいな。』でもいいじゃないか!」
そう思いませんか。

子ぐまたちは、かあさんぐまが木に登っているのを見て、「ああ、ぼくたちも早く自分たちで登ってみたいな。気持ちよさそうだな。」という気持ちになった。

 これのどこが不自然なのでしょうか。ごく自然な想像であると思います。

 子ぐまたちの気持ちが文章中に描写されているのなら話は別です。しかし、文章中には直接描写されている部分はないのです。想像するしかないのです。ですから、答えが1つに限定できるはずはないのです。
 教師が授業中に「子ぐまたちは、どんな気持ちなんだろうね。」と問うことはあり得ます。ただ、それは子供たちがいろいろな友達の感想を聞き合うためです。1つの答えを出すためではありません。
 答えを1つに絞らなければならないペーパーテストでは上のような問いは成立しないと私は考えています。
 あまりに突飛な想像ではそれもまた困りますが、文章の流れに合ってさえいれば、あとは一人一人の想像は自由であっていいと思うのです。

 私の採点では、もちろん「木にのぼりたいな。」も正答にしました。

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