きつねのおきゃくさま(その13)

【11時間目の続き】

きつねは、命をかけてひよこたちのために戦ったのです。そのために傷ついても全然恥ずかしくはないはずです。きつねが恥ずかしそうに笑ったのはそんな理由ではありません。
1場面から3場面まではきつねはひよこたちを食べようと考えていましたね。そんな自分を恥ずかしいと思ったのではないですか。

本当は子供たちから出してほしかったのですが、私の方から上のように話しました。これを聞いた子供たちはみんな「そうか。」と言って納得していました。

次はいよいよ最後の場面です。4場面の勉強をしているときに問題となったところです。

「そして、せかい一やさしい、親切な、かみさまみたいな、そのうえゆうかんなきつねのためになみだをながしたとさ。」

この一文です。ほとんどの子供たちは「この一文があるから、4場面できつねはもう食べようという心から、守ろうという心へ変わったのだ。」と主張していました。
つまり、4場面を読んだだけでは「ひよこたちを守るために戦った」のか、「おおかみにとられたくないから戦ったのか」という決め手がなかったのが、最後の場面を読むとわかるというのです。
「きつねの心を知っているはずの話者がこう言っているのだから、きつねはもうひよこたちを食べようと思っているわけがない。」
というわけです。

ここまで学習したところで、もう一度子供たちに尋ねました。

では、きつねが「食べようという心」から「守ろうという心」へ変わったのはどこなのですか。

子供たちから出されたのは次の3つです。

A. 「いや、まだいるぞ。きつねがいるぞ。」
 きつねはとび出した。
B. 「いや、まだいるぞ。きつねがいるぞ。」
C.きつねはとび出した。

みんな同じ所をいっています。AはBとCを一緒にした考えです。
理由を尋ねると、AもBもCもほぼ同じ理由が返ってきました。

○「おおかみが下りてきて、ひよこたちを食べようとしていたから、きつねは守ろうと思って、『いや、まだいるぞ。きつねがいるぞ。』と言ったのだと思います。そして、とび出したのだと思います。」
○1場面から3場面までできつねの心はだんだん変わってきたけど、まだ食べようという心はあって、それが4場面でおおかみがひよこたちを襲おうとしたところで「守ろう」という心に変わったのだと思います。

ここで私は不思議に思いました。「いや、まだいるぞ。きつねがいるぞ。」はきつねが言った言葉か、おおかみが言った言葉か、意見が分かれていたはずなのです。そのことを子供たちに確認してみると、今度は全員が「これは、やっぱりきつねが言った言葉だ。」と言います。最後の場面まできつねの心の動きを勉強してみて、考えが変わった子供が多かったのでしょう。
さて、これで「きつねの心の様子」を読み取っていく学習はほぼ終わりました。次の時間は「きつね」に手紙を書いてもらうことにしてあります。子供たちが書いた手紙は次号で紹介致します。

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