「草」(その2)

 草

なかもとくに子

草って強いな
だって、何もしないでも、
すくすくのびている。
草は、
自分で自分をそだてている。

「草」と対比されているものは何か。

これが問いでした。子どもたちが発表してきた「花」「人間」「自分」のうち、どれがよいのでしょうか。前号でお伝えした話し合いの様子の続きをお伝えします。
3つのうち、最初に「花」に反論が集中しました。「草」とどのように対比されているのかがわからないという反論です。「花」という答えを発表してくれた子どもは「花には花びらがあるけれども、草には花びらがない」と答えたのですが、それに対し、「この詩の中で話者はそんな対比をしているわけではない。」「この詩には関係ない。」ということで、つぶされました。「花」と答えた子どももこれで、納得したようでした。
残るは「人間」と「自分」です。これを検討させる前に、まずどんな対比なのかはっきりさせてみることにしました。次のように指示を出したのです。

「草」と「人間」、あるいは「草」と「自分」はどのように対比されているのですか。ノートに書きなさい。

約5分後、子どもたちから次のような対比が発表されました。

詩をしっかりと読んで、対比を見つけ出しています。
続いて、類比も考えさせました。

「草」と「人間」「自分」には一つ大切な類比がありますね。それは何ですか。

孝征くんが、「両方とも生き物」という答えを出してくれました。ここまで学習したところでもう一度、「草」と対比されているのは「人間」なのか「自分」なのかを聞いてみました。子どもたちの反応は「人間」が圧倒的です。どちらも間違いではないと思いますが、私は次のように話をしました。

「人間」でも「自分」でも間違いではないと思いますが、先生は「自分」だろうと考えてます。なぜなら、作者のなかもとさんが草と比べたのは他人ではなく、自分自身だろうと考えるからです。でも、自分を含めて「人間」だという考えもあるでしょうから、どちらも間違いではありません。

最後に「学習のまとめ」を書いてもらいましたので、紹介します。

あやこ

この詩は、草と自分を対比して書かれている。
どんな対比か。
草は強いけど、自分は弱い。草は何もしないでもすくすくのびているけど、自分は何かしてもらわないとすくすくのびない。草は自分で自分をそだてているけど、自分は人の力をかりないと生きられない。
「自分」という詩を書いてみる。

自分
自分って弱いな。
だって、何かしないと
すくすくのびない。
自分は、
人の力をかりないと生きられない。

話者(作者)は草と自分をこのように対比して書いているのだ。
つぎに類比を考えてみる。草と自分の類比は同じ生きものということだ。
これらのことから、つぎのことがわかる。
草は、うえもしないところにかってにはえてくるし、何もしないでもすくすくのびている。だけど、自分は人の力をかりないと生きていけない。作者のなかもとくに子さんは、このように思って詩を書いたのだろう。

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