さけが大きくなるまで(その2)

子どもが授業を超えた日

通常、わたしがする授業は下のアの図のようになります(略)。つまり、わたしが指導した内容と子どもたちの学習内容を比べると、指導したことすべてが子どもの学習内容にはならないのです。わたしの指導技量が未熟なため、子どもたちの学習内容になり切らない部分が出てくるわけです。
それが、わたしでも時々授業がうまくいくときがあります。そんな時にはイのような状態になります。つまり、わたしが指導したことがすべて子どもの学習内容になるのです。
ところが、この間の国語の時間、ウのような状態が生まれました(略)。わたしが指導しようとしたことを子どもたちがはるかに乗り越えて学習をしたのです。授業をしながら、わたしはゾクゾクしてきました。
そのときの様子をお伝えします。

前号でお伝えした「さけが大きくなるまで」の学習の続きです。(前号に載せた本文を参照しながらお読みください。)この時間にわたしが指導しようとしたことは、

二つ目の問題「さけはどのようにして大きくなったのでしょう。」の答えは何段落目に書いてあるのかわからせる。

ということでした。このことをわからせた上で次の時間からはさけが大きくなっていく様子を詳しく読み取らせていこうと考えていたのです。
子どもたちに問いました。

きょうは、二つ目の問題の答えが何段落目に書いてあるのかを考えるのでしたね。みんな自分の考えがノートに書いてあるね。さあ、何段落目ですか。

子どもたちの答えは分かれました。
「3、4、5段落目」「4、5段落目」「3、4、5、6段落目」「3、4、5、6、7段落目」という4つの考えが出されたのです。

これは絶対におかしいという考えはありますか。

勇起くんが次のように発言しました。
「『7段落目』というのはおかしいと思います。なぜなら、7段落目には『ぶじに生きのこって大きくなったさけは』と書いてあるから、7段落目ではもう大きくなっています。だから7段落目には『どのようにして大きくなったのか』は書いてありません。」
この考えを聞いて、ほとんどの子どもがうなずいています。これはすごいと思いました。『大きくなった』という完了の形の文を正確に読み取っています。文を根拠にしていますから他の子どもへの説得力があります。全員に受け入れられました。
この勇起くんの発言で「3、4、5、6、7段落」という考えはつぶれました。残るは3つです。
わたしから次のように言いました。

次に3段落目について考えてみよう。3段落目に「どのようにして大きくなったのかが書いてあれば「4、5段落目」という考えはまちがいであることがわかるね。

〜次号へ〜

back