かさこじぞう(その1)

学習参観の時に「かさこじぞう」の学習をみていただきましたが、その後の学習の様子について書きます。
参観授業の後、難語句の意味を最後まで確認し、もう数回音読練習をしました。今ではかなりの子どもが上手に読めるようになっています。
物語のおおまかな内容については全員の子どもが理解することができているはずです。そこで次のように言いました。

このお話を読んでの感想を短くノートに書きなさい。

3分から5分くらいの時間で書いてもらったのですが、次のような感想を持っている子どもが数名いました。

○「じぞうさまも動くのかと思った。」
○「じょいやさ じょいやさというのがおもしろかった。」

2年生の子どもとしては無理もない感想なのかもしれません。また感想なのですから何を感じても何を思っても自由なはずです。しかし、この物語の主題にかかわるようなことではありません。そこで、あえてこれらの感想をとりあげて学習しました。

この感想を聞いて「いい感想だな」と思った人は○、「あまりいい感想ではないな」と思った人はノートに×を書きなさい。

ほとんどの子どもが×を書いています。ただ、理由はうまく言えませんでした。わたしは次のように話しました。

感想というのは感じたり思ったりすることですから、こういう感想を書いた人たちも間違いではないんですよ。ただ、じぞうさまが動くとか、じょいやさというのはこのお話の中で大切なことですか。(「違う」の声)そうだね。あまり大切なことではないね。このお話を読んで、「じぞうさまがしゃべるのか!」とか「じぞうさまって動くんだ!」なんて感じていてはダメなのです。お話をよく読んで、いい感想を持てるようにしようね。

一方、かなりの子どもがおよそ次のような意味のことを書いていました。

○「じいさまはじぞうさまにかさをかぶせてやって、やさしいと思いました。いいお正月をすごすことができてよかったと思います。」

こちらの方は物語の中心に関わる重要な点に触れています。ただ、まだ正確に読み取っているわけではないはずです。

「じいさまってやさしい」って感じたんだね。(これには全員が賛成しました。)では、あなたがたはどこを読んで「じいさまってやさしいな」と感じたのですか。教科書に線を引きなさい。

子どもたちが引いてきたのは次の箇所です。

ア「帰りには、もちこ買ってくるで。にんじん、ごんぼもしょってくるでのう。」

イ「年こしの日に、かさこなんか買うもんはおらんのじゃろ。ああ、もちこももたんで帰れば、ばあさまはがっかりするじゃろうのう。」

ウ「おお、お気のどくにな。さぞつめたかろうのう。」
じいさまは、じぞうさまのおつむの雪をかきおとしました。

エ「こっちのじぞうさまは、ほうべたにしみをこさえて。それから、このじぞうさまはどうじゃ。はなからつららをさげてござらっしゃる。」
じいさまは、ぬれてつめたいじぞうさまの、かたやらせなやらをなでました。

オ「そうじゃ。このかさこをかぶってくだされ。」
じいさまは、売りもののかさをじぞうさまにかぶせると、風でとばぬよう、しっかりあごのとろおでむすんであげました。

カ「おらのでわりいが、こらえてくだされ。」
じいさまは、自分のつぎはぎの手ぬぐいをとると、いちばんしまいのじぞうさまにかぶせました。

これらの箇所が出されたところで聞きます。

この中で2つだけほかのものと違うやさしさがあります。どれでしょう。

最初のうちはよくわからなかったようですが、「誰に対するやさしさですか。」というヒントで全員が理解しました。
「アとイはばあさまへのやさしさだけど、あとはじぞうさまへのやさしさだ。」というわけです。

そうだね。じいさまはばあさまにもじぞうさまにもやさしいんだね。でもこのお話の中で大切なのはどちらに対するやさしさですか。

もちろん物語の中心はじぞうさまです。そこで、次の時間からはウからエの「じいさまのじぞうさまに対するやさしさ」について考えていくことにして学習を終えました。
じぞうさまに対するじいさまのやさしさを子どもたちはどのように読み取っているのでしょうか。
〜以下次号へ〜

back