かさこじぞう(その4)

前々号で書いた文章に間違いがありました。私が教科書の本文から抜粋した文章に誤りがあったのです。次の部分です。

「こっちのじぞうさまは、ほうべたにしみをこさえて、それから、このじぞうさまはどうじゃ。はなからつららをさげてござらっしゃる。」

上の文章のどこに間違いがあるのでしょう。わかりますか?恥ずかしながら、私は子どもに指摘されて初めて気がつきました。教科書から書き写している段階でも、自分で読み直している段階でも全く気がつかなかったのです。
聡美さんが指摘してくれました。レインボーを配り、子どもたちに読ませているときのことでした。
「先生、ここ間違えているよ。」
「え、どこ?」
彼女はレインボーと教科書を持って私のところへやってきました。
「レインボーには『ほうべた』って書いてあるでしょう。でも教科書には『ほおべた』って書いてあるよ。」
初歩的な仮名遣いの間違いです。見つけてきたのは聡美さんだけでした。間違えた自分を恥じながら、「聡美さんはすごい」と思いました。ほめました。他の子どもにも伝えました。
ひらがな一字ですが、正しい日本語を身につけていくためには大切な発見です。
と、聡美さんをほめまくりましたが、言われるまで気づかない担任はかなり情けないですね。反省・・・。

さて、文部省が示している学習指導要領によれば、国語科の目標は次のようになっています。

国語を正確に理解し適切に表現する能力を育てるとともに、思考力や想像力及び言語感覚を養い、国語に対する関心を深め国語を尊重する態度を育てる。

今の聡美さんも「国語を尊重する」姿の一つですが、もう一つ驚かされた例を紹介します。
麻菜美さんの日記です。それも1週間ほど前の日記で、「かさこじぞう」の学習に入ったばかりの頃の文章です。

しゅくだいの「かさこじぞう」を読んで気がついたんだけど五十ページの一行目に「ありましたと。」と書いてあるけど、よく考えてみたら「おりました。」のほうがいいんじゃないのかな。と思います。はじめ読んだときは、こんな細かいところは気がつかなっかったけど今日ははじめて気がつきました。よほど読む力がたりなかったことがよくわかります。
(これからも細かいところに目をつけていきたいなあ。)
と思っています。
麻菜美

教科書の本文を読んでいただくとすぐにわかるのですが、麻菜美さんが日記の中で言っているのは本文冒頭の次の部分です。
教科書に書いてあるとおり「ありましたと」がいいのか、麻菜美さんが言っているように「おりましたと」がいいのかはここでは問題ではありません。2年生の子どもがこのようなところにこだわって読んでいる姿に注目してもらいたいと思います。すばらしいとは思いませんか。
1回目の読みでこの部分に気づかなかった自分を省み、「よほど読む力がたりなかった」と書いています。そして、「これからも細かいところに目をつけていきたいなあ。」と言っているのです。たいしたものです。
読む力が足りないなど、とんでもない。麻菜美さん、あなたはすばらしい読む力を持っていますよ。

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