アレクサンダとぜんまいねずみ(その2)

前号では子どもたちが学んできた物語文読取りの一つの方法を紹介しました。では具体的にこの方法で「アレクサンダとぜんまいねずみ」という物語をどのように読み取るのでしょうか。学習の様子をお伝えします。

1.登場人物を考える
もうかなりの回数を読みこんでいる子どもたちにとっては、考えるまでもないことです。全員が把握しています。
「アレクサンダ」「ウイリー」「まほうのとかげ」の3人です。その他に家の住人「アニー」も出てきますが登場人物と言えるほどには活躍していません。

2.主人公を考える

きみたちは「アレクサンダ」「ウイリー」「まほうのとかげ」が登場人物だと言いましたが、この中で主人公は誰ですか。

子どもたちの答えは次の2通りに分かれました。
「アレクサンダ」(圧倒的多数)
「アレクサンダとウイリー」(少数)

子どもたちに問います。

主人公を決めるには、何を考えればいいのですか。

ここで、これまでの学習の成果が表れます。3つの答えが発表されました。

○物語の中で一番活躍しているのは誰かを考える。
○物語の中で一番出てくる回数が多いのは誰かを考える。
○話者が誰の心の中を見ているのかを考える。

この物語の主人公を考えるときに有効だったのは3つめの「話者の見え」でした。

話者にアレクサンダの心の中が見えているところを探してごらん。

これはたくさんあります。

○アレクサンダがほしかったのは一つ二つのパンくずだけ。
○でも、友だちが見つかってうれしかった。
○アレクサンダも、ウイリーが大すきになった。
○けれど、かくれ家のくらやみの中でひとりぼっちの時、アレクサンダはウイリーをうらやんだ。
他多数

続いて問います。

ではウイリーの心の中が見えているところを探してごらん。

子どもたちは見つけられませんでした。当然です。ウイリーの心の中が描写されているところはないからです。
主人公は「アレクサンダ」だということになりました。ですから今後の学習は「アレクサンダ」の心の動きに注目して読み取りを行っていくことになります。


3.主人公の心の動きを読み取る
主人公の心の動きを読み取るときに有効なのは「主人公の心情を対比する」という方法です。これもすでに何度となく学習してきていることです。

アレクサンダの心の対比を探してノートに書きなさい。

・アレクサンダはかなしそうに言った。
・だが、むらさきの小石は、一つもなかった。
・「ぼくも、ウイリーみたいなぜんまいねずみになって、みんなにちやほやかわいがられてみたいなあ。」
・「おそかった。」
かれは思った。おもい心で、かれは、かべの下のあなへもどりかけた。
・でも、友だちが見つかってうれしかった。
・いや、本当だ!むらさきの小石だ。
・「ぼくは・・・」
アレクサンダは、言いかけてやめた。そして、とつぜん言った。
「とかげよ、とかげ。ウイリーをぼくみたいなねずみにかえてくれる?」
・「とかげは・・・、とかげは、ほんとにやってくれた!」

子どもたちからは5つの対比が発表されました。(上図の通り)いいところに目をつけています。
対比されて書かれているところを探すことによって、主人公の心情の移り変わりを読み取ることができるのです。
〜次号へ〜


back