アレクサンダとぜんまいねずみ(その3)

子どもたちは「対比」をすることによって、アレクサンダの心がどのように変わったのかを読み取ることができました。ここでききます。

今、みんなが発表してくれた対比の中で一番大切な対比はどれですか。

しかし、「一番大切な対比」というわたしの言い方が難しかったのか、ちょっと子どもたちの手には負えないようでした。そこでそれぞれの対比をわたしが次のように文章に直しました。

1「ぼくはあまりだいじにされない」とアレクサンダはかなしそうに言ったけれど、友達が見つかってうれしかった。
2むらさきの小石が見つからなくてがっかりしていたが、小石がみつかって喜んだ。
3ウイリーみたいなぜんまいねずみになりたいと思っていたアレクサンダが、ウイリーをふつうのねずみにかえようとした。
4重い心だったアレクサンダがウイリーを見て喜んだ。

そしてもう一度問いました。

この物語の中で一番大切な対比はどれですか。

今度は子どもたちにも考えやすい問いになったようです。全員が3だと言います。つまり、「ウイリーをうらやみ、自分もぜんまいねずみになりたいと思っていたアレクサンダが、最後にはウイリーを自分のようなふつうのねずみに変えたいと考えるようになった。」という変化が物語の中で一番重要なわけです。

アレクサンダの心はなぜ、このように変わったのでしょうか。今度は、「アレクサンダの心が変わった理由」を読み取っていくことになります。

ウイリーみたいなぜんまいねずみになりたいと思っていたアレクサンダが、最後はウイリーを自分みたいなふつうのねずみに変えたいと思うようになったね。アレクサンダの心が変わったのはどこなのですか。教科書に線を引きなさい。

発表してもらったところ、子どもたちの意見は3つに分かれました。

1.「かわいそうに、かわいそうなウイリー!」
2.「ぼくは・・・」
アレクサンダは言いかけてやめた。そして、とつぜん言った。
3.「とかげよ、とかげ。ウイリーをぼくみたいなねずみにかえてくれる?」

それぞれ、理由を発表してもらいました。
1の子どもです。
「ごみばこにすてられた、かわいそうなウイリーの姿を見て、アレクサンダの心は変わったのだと思う。」
2の子どもです。
「アレクサンダは言いかけてやめたんだから、ここではまだ迷っていて、『とつぜん言った』のところで変わったのだと思う。」
3の子どもです。
「ここでとかげにお願いしたのだから、ここで変わったと思う。」

最初に3の意見がつぶされました。
「3のところでは、もうアレクサンダの心は変わっているのだから違うと思う。」
この意見が全員に支持されたのです。
1と2はおもしろい話合いになりました。
2を主張する子どもが言います。
「もし、1のところでもう変わっていたのなら、『ぼくは・・・』と言いかけてやめないと思う。いいかけてやめたんだから、1のところではまだ変わっていないと思う。」
それに対し、1を主張する子どもが反論します。
「かわいそうなウイリーの姿を見なかったらアレクサンダは変わらなかったのだから、1のところで変わったのだと思う。」
この話し合いは平行線をたどり、わたしが黒板に上のような図をかきました(略)。
この図を見て、子どもたちの最終的な結論は次のようになりました。
「1のところでアレクサンダの心は変わり始めた。そして、2のところで完全に変わったのだ。」

「アレクサンダとぜんまいねずみ」は、2年生最後の学習でした。この学習ぶり、胸を張って3年生に進める子どもたちです。

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