ごんぎつね 5

まもなく『ごんぎつね』の学習を終えます。この物語はいくつの場面でできていましたか。そう、六つですね。あなたがいちばん心に残っているのは、何場面ですか。数字をノートに書きなさい。

どうなったと思いますか。全員一致で「6場面」でした。自分が心に残っている場面を答えればよいのですから、正解などありません。しかし、この物語の場合、ほとんどの子供たちが6場面を選びます。兵十が火縄銃でごんを撃ってしまうという悲劇的な結末を迎える場面ですから。

6場面の最初、兵十は、ごんのことをまだ悪ぎつねだと思っていますか。思っているという人はノートに○、いや、もう悪ぎつねだとは思っていないという人はノートに×。

これも全員一致で○です。

なぜ、それが分かるのですか。

「兵十は、『またいたずらをしに来たな。』と言っているから。」
「『うなぎをぬすみやがった』と言っているから。」
「『あのごんぎつねめが、』と言っているから。」
「火縄銃でごんを撃ったから。」
これらの意見を受けて、次の二つの言葉を辞書で確認させました。

(ぬすみ)やがる・・・相手をののしる意で用いる。
(ごんぎつね)・・・・・憎しみをこめて言う語。

これだけで、この時点での兵十のごんに対する思いが分かります。

この兵十の思いは、最後まで同じですか。それとも変わりましたか。

当然、全員が「変わった」と答えます。そこで問います。

兵十が変わったのはどこですか。一文に線を引きなさい。

これは、割れます。みなさんは、どこだと思いますか。
子供たちが線を引いた文は次の5文です。

A うちの中を見ると、土間にくりが固めて置いてあるのが、目につきました。
B 「おや。」と、兵十はびっくりして、ごんに目を落としました。
C 「ごん、おまいだったのか、いつも、くりをくれたのは。」
D ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなずきました。
E 兵十は、火なわじゅうをばたりと取り落としました。

いちばん多くの子供が支持したのはCでした。A,Bのときにはまだ半信半疑だったけれど、Cで確信したのだというわけです。しかし、多数決では決まらないところが勉強のおもしろさです。
Dを支持する悠太くんが、次のように反論してきました。

「もし、Cのところで兵十が変わったのだとしたら、そこで火縄銃を取り落としているはずです。でも、兵十が火縄銃を取り落としたのは、ごんがうなずいた後です。ということは、ごんがうなずいたのを見て、初めて分かったことになります。」

これは非常に説得力のある意見です。つまり、「ごん、おまいだったのか、いつも、くりをくれたのは。」の一文は、
「ごん、おまいだったのか!」
と読むのではなく、
「ごん、おまいだったのか?」
と読むべきだというのです。だからこそ、ごんがうなずくのを見てから火縄銃を取り落としたのだというのです。
なんと、この悠太くんの意見で、すべての子供たちがD支持に変わってしまいました。人数ではなく、論理の正しい方が勝つ。学習の醍醐味ですね。


百人一首は、先週で橙札を終了し、今週からは最後の緑札の戦いを始めています。先週金曜日に行った橙札の決勝では、元希くんが真代さんを破り、初名人の座に就きました。 おめでとう!