『白いぼうし』(その3)

女の子はちょうか。

金曜日の5時間目、この問題について話し合いました。「ちょうだ。」と考える子供は30名。「ちょうではない。」と考える子供はわずかに2名です。まずは、少数派の2名から発言してもらうことにしました。

「教科書のどこにも『ちょうだ』とは書かれていません。人間が突然ちょうに変わるはずはありません。」
この意見に対し、「ちょうだ。」と考える子供たちから次々と反論が続きました。
「57ページの4行目で、おかっぱの女の子が現れています。これは、松井さんがぼうしの中のもんしろちょうを逃がしてしまって、ちょうが並木の緑の向こうに見えなくなってしまった、すぐ後です。だから、女の子は多分ちょうだと思います。」
「女の子は、『菜の花横町』に行きたがっています。これは、ちょうの町なのだと思います。」
「私も同じです。人間から見ると『菜の花橋』で、ちょうから見ると『菜の花横町』なのだと思います。」
「女の子が『早く行ってちょうだい。』と言ったのは、男の子が現れたときです。また男の子に捕まえられないように、そう言ったのだと思います。」
「60ページに『バックミラーには、だれもうつっていません。』と書いてあります。ちょうになって、窓から出て行ったのだと思います。」
「女の子が消えたのは、小さな団地の前の小さな野原です。自分の町に着いたから消えたのだと思います。」
「『よかったね。』というのは、仲間のちょうが言っていて、『よかったよ。』というのは、女の子になったちょうが言っているのだと思います。」
「だから、シャボン玉のはじけるような、小さな小さな声だったのだと思います。」

約20分にわたって、このような話し合いが続きました。私はほとんど指名することなく、子供たちが次々に立って話します。この話し合いによって、一人ではなかなか見付けることができなかった考えを共有することができました。

この「白いぼうし」というお話は、『車のいろは空のいろ』という本の中に入っています。松井さんが主人公となっているお話が、「白いぼうし」以外にいくつも入っているのです。どんなお話なのか読んでみたくないですか。

子供たちは、興味津々です。

今日は、この本の中のいちばんはじめにある「小さなお客さん」というお話を読みます。「白いぼうし」と似ているところがあったら、メモしながら聞いていましょう。

このように言って、「小さなお客さん」を読み聞かせました。

一回読み聞かせを聞いただけですが、子供たちからはこんなことをメモしていました。
・どちらのお話でも、松井さんが「ふふふっ」と笑っている。
・どちらのお話も、子供が何かに変わった。
・どちらのお話にもたんぽぽが出てくる。
・どちらのお話も、不思議な話で、信じられない。
・どちらのお話も、暑い日だ。
・どちらのお話も、ぽかっと口を開けている。

昨日の月曜日は、金曜日に読み聞かせた「小さなお客さん」を印刷して自分でも読ませてみました。そして、子供たちが書いたのが次の文章です

「白いぼうし」と「小さなお客さん」を読んで、似ているところと同じところを4つ見つけた。
1つ目は、子供が出てきて、何かに変わることだ。子供が変わるのはユニークでおもしろい。
2つ目は、たんぽぽが出てくることが同じだ。たんぽぽは黄色できれいだから「白いぼうし」にも「小さなお客さん」にも出てきたのかもしれない。
3つ目は、「ぽかっ」というひょうげんが出てくることだ。ぽかっというひょうげんは、わかりやすくていいと思った。
4つ目は、「ふふふっ」というところだ。女の子っぽいけれど、男の子がやったっていい。
二つのお話を読んで、不思議だけれど、おもしろい話だと思った。それは、いろいろなひょうげんが出てくるからだ。

「白いぼうし」と「小さなお客さん」を読んで、似ているところを三つ見つけた。
1つ目は、子供が、ある動物だったということだ。もしかしたら、ほかの話もそうかもしれない。
2つ目は、たんぽぽが出てくることだ。作者は、たんぽぽが好きなのかもしれない。
3つ目は、松井さんはやさしいせいかくだということだ。いつでも、だれにでもやさしくしている。
二つのお話を読んで、不思議だなと思った。それは、よく分からないことが立て続けにおこるからだ。