はばたき

国語は「下」の教科書の学習に入っています。先日、扉ページに掲載されている詩の学習を行いました。次の詩です。

白鳥のやって来た空から、
ふわりふわりとまい下りてくるのは、
あれは雪ではなくて、
たくさんの白鳥のはばたきから
飛び散ってくる、
小さな羽ではないのでしょうか。

大人にとっては、スラッと読めてしまう詩ですが、4年生の子供たちにとっては、そうでもないのです。
問います。

話者(詩の語り手)には、何が見えていますか。話者に見えているものをノートに書きなさい。

子供たちのノートを見て回ると、予想通り、書かれている答えは様々です。発表させたところ、次の5つが出てきました。
・白鳥
・空
・ふわりふわりとまい下りてくるもの
・雪
・小さな羽

この5つは、すべて見えているのですか。「これは見えてないよ」というものがあったら指摘しなさい。

指摘の対象となったのは「雪」でした。
「雪は見えていないと思います。詩には『あれは雪ではなくて、』と書いてあるからです。」
この意見に多くの子供が賛成しました。しばらく、話し合いは続いたのですが、「雪は見えている」と考えている子供は、この時点でわずかに2名です。
問いを変えて再検討させることにします。

「ふわりふわりとまい下りてくる」ものの正体は何なのですか。ノートに書きなさい。

この問いに対する子供たちの考えは3つに分かれました。
A まだ分からない・・・20名
B 小さな羽・・・・・・・8名
C 雪・・・・・・・・・・2名

「何かが降ってくるのだけれど、話者からはまだ遠すぎてよく分からないのだと思います。だから、『小さな羽ではないのでしょうか。』と最後に『か』がついているのだと思います。」
これがAを支持する子供たちの考えです。
Bを支持する子供たちの根拠は、先にも書いた「あれは雪ではなくて、」という一行です。
Cを支持する子供たちは、なんとか理由を言おうとするのですが、なかなかうまく表現できません。
話し合いの末、子供たちの考えは、次のようになりました。
A・・・2名
B・・24名
C・・・4名

この詩は、何かを何かに例えている詩なのです。難しい言葉で「比喩」と言います。
この詩は、「雪を羽に例えている」のですか、それとも「羽を雪に例えている」のですか。もう一度、詩を読んでごらんなさい。

すると、一気に形勢逆転。不思議なことに多くの子供たちが前者を支持したのです。つまり、話者に見えているのは「雪」であり、「羽」ではないということになります。
この日のYさんの自学帳には、次の文章が書かれていました。

「はばたき」の詩は、どこか幻想的です。なぜなら、さっききたばかりのたくさんの白鳥がふりまいていったような雪・・・・。そして、それが羽のように思えたと書いてあるからです。それは、まるで白鳥が雪を運んできたかのような気もします。
私も初めて気がついたのですが、白鳥はいなかったのです。ただ、たったさっきこの空を通りすぎていった白鳥が、この今ふっている雪を「羽のように落としていったみたいだなぁ」と想像した詩なのです。
私は、このような理由でこの詩は素敵だと思います。