詩の音読

馬でかければ
阿蘇草千里
みずかみ かずよ

ひろびろとうねる
草原の海
風がはしる
波をけって
馬がとぶ
群れながらとぶ
白いたてがみがながれ
はっし はっし
わきばらをうつ
ふみしめたあぶみが
かちっと ひかる
少年の短い呼吸は
馬にかさなって
草原から大空へ
かけのぼる
ああ
白い雲


国語で詩の学習をしています。教科書には3編の詩が載せられています。最初に出てくるのは上の詩です。

全員に黙読させた後、一人ずつ音読してもらいました。私は点数をつけていきます。
「1点」「2点」・・・・
10点満点での採点です。ほとんど全員が1点ないしは2点の評価です。最高得点だった充君でさえ4点の評価でした。
全員の評価が終わったところで、子供たちに聞きます。

なんで、1点や2点なのか分かりますか。

「声が小さかったから。」「発音がはっきりしていなかったから。」「つっかえたから。」「感じが出ていなかったから。」etc・・・。

もう5年生です。そんな低いレベルのところで評価していたのではありません。あんまり下手なので、ちょっと練習をします。

こう言って、黒板に次のように書きました。

おかあさん

そして指示します。

これを3通りに変えて読みなさい。

手を挙げて挑戦してきた子供が6名ほどいました。上手下手はともかく、こういうのに挑戦してくるというのはすばらしいことです。ほめました。しかし、音読はというと、やっぱり下手です。3通りに変えなさいと言っているのにもかかわらず、ほとんど変化がありません。聞いている方にその変化が伝わってこないのです。
こちらからも指名してさらに3名ほど読ませました。やっぱり3通りに変化させてはいません。なぜなのでしょうか。「声の大きさを変えよう。」「声の高さを変えよう。」と小手先のことだけしか考えていないからです。ポイントはそんなところにあるのではありません。
子供たちに話しました。

場面を考えるということが大切なのです。今読んでくれた人は場面をほとんど考えていません。場面を考えずに「声の大きさ」とか「声の高さ」だけを考えていてもダメなのです。
「おかあさん」と言うにしても、いろいろな場面が考えられますね。
『デパートで迷子になってお母さんをさがすとき』『何か買ってほしい物があって、おねだりするとき』『遠くにいるお母さんを呼ぶとき』
できるだけ具体的に場面を思い浮かべて音読することが大切なのです。では、全員起立。3通りの場面を思い浮かべることができた人から座りなさい。

全員が座るまでに5分ほどの時間がかかりましたが、その後の「おかあさん」の音読は爆笑の連続でした。文章で子供たちの音読をお伝えできないのが残念なくらいです。さっきまでの音読とは一変していました。子供たち自身も自分たちの音読の変化を自覚できたはずです。

さて、詩に戻ります。

詩の音読も同じです。1点や2点しかとれなかったは、場面を思い浮かべて読んでいないからです。どのような情景・状況なのか思い浮かべて読まなくはなりません。これから紙を配りますので、詩の情景を絵にかいてごらんなさい。詩をよく読んでかくのですよ。

子供たちは様々な絵をかいていました。次の時間はその絵の是非を検討することになります。図工の勉強ではありませんので上手下手ではありません。詩に書かれた言葉ときちんと対応しているかどうかが検討されるのです。どんな学習になるのでしょうか。楽しみです。

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