『さよならの学校』その2

前の時間は題「さよならの学校」に隠されている裏の意味を予想してもらいました。(まだ結論は出ていません。)
この時間は主人公、恭の心の動きを読み取っていくことにしました。物語の中で登場人物の心の動きを読み取っていくというのはかなり重要な学習です。教科書にも題の隣りに『心の動きを考えて』という学習のねらいが書かれているほどです。
「心の動き」を読み取っていくときに有効な学習は「心の変わり目を見つける」ということです。子供たちに問います。

恭の心が変わったという場所を見つけて線を引きなさい。

子供たちはもう一度本文を読み返さねばなりません。10分ほど時間を与え、発表してもらいました。発表されたのは次の箇所です。( )内は子供たちの考えた変化のなかみです。

(1)いそいそと包みを開いてみると、しゃれた水泳パンツが出てきた。
「やったあ。」
(プレゼントをもらってすごくうれしくなった)
(2)メモもなく、家じゅうががらんとしていることに、初めて気がついた。
(うれしかった心が、どうしたんだろうと不安になった)
(3)のど元がしめつけられるようで、いやな予感がこみ上げてきた。もしかしたら----まさか----。
(すごく不安になった)
(4)そのまさかが、本当になってしまった。
(不安が本当になってしまって、ショックを受けた)
(5)赤くなり、血の気が一気に引いて、白くなった。
(おじいちゃんが死んでしまって悲しい)
(6)だから、自分もけんめいに生きよう----と、恭は、あのとき、何度も心の中でくり返していた。
(けんめいに生きようと決意した)
(7)あの木は、生きる意味みたいなものを教えてくれたおじいちゃんの、さよならの学校のように、今の恭は考えるようになっていた----。
(泰山木はさよならの学校だと考えるようになった)

たくさん出ましたね。確かに今発表してくれたところはどこも恭の心が動いている場所です。この7つは大きく3つに分けられます。
Aプレゼントをもらったことに関わる変化(1)
Bおじいちゃんの死に関わる変化(2)(3)(4)(5)
C生きる意味を知ることに関わる変化(6)(7)
この物語の中で一番重要な変化はABCの中のどれでしょう。

さすがにAだという子供はいませんでした。Bだと言う子供が10名ほどで残りの子供はCだと言います。
「ぼくはBだと思います。おじいちゃんが死んだことは恭にとってすごくショックだったと思うからです。」
「反対します。わたしはCだと思います。確かにショックだったかもしれないけれど、それが一番大事だったらこのお話はおじいちゃんが死んで悲しいという話になってしまいます。でも、このお話の中ではさいごに希望みたいなものが感じられるから、Cだと思います。」
こんなやりとりの後、全員の考えがCに変わりました。

では、もう一度尋ねますが、一番大きく変わった場所はどこですか。

子供たちはまた本文を読み返します。
今度発表されたのは次の箇所です。

○恭は、おじいちゃんの顔が大きな美しい泰山木の花に変わるのを見ていた。
○だから、自分もけんめいに生きよう----と、恭は、あのとき、何度も心の中でくり返していた。
○それから、おじいちゃんのことを話してやろうと、恭は、ちょっと兄さんぶった気持ちになりながら思っていた。
○あの木は、生きる意味みたいなものを教えてくれたおじいちゃんの、さよならの学校のように、今の恭は考えるようになっていた----。

次の時間は、上の4つを検討することになります。(実はもう終わってしまったのですが)

back