『大陸は動く』(その5)

昨日お伝えしたように、何名かの先生方の参観の中、「大陸は動く」の4時間目の授業が行われました。文章自体が難しい上に、私が子供たちに要求したこともかなり高度なことでしたので、子供たちも黙り込んでしまい、授業としては盛り上がりに欠けるものとなってしまいました。子供たちも満足感が得られなかったことでしょう。すべて私の責任です。子供たちに申し訳なく思います。

さて、授業したのは次の部分です。

もし、もともと一つの大陸であったのなら、大昔の古い地層は、両方の大陸でつながっているはずである。調べてみると、アフリカの昔の山脈が、南アメリカの南部につながっていることが分かった。地層の重なり方がぴったり一致するだけでなく、遠くはなれた二つの大陸の同じ地層から、同じ種類の化石が発見された。また、ある種類のカタツムリは、世界じゅうでも、ヨーロッパの西部と北アメリカの東部にしか住んでいないことも分かった。カタツムリが、大西洋を泳いでわたることなどできるはずがない。

全員で音読した後で聞きます。

この部分に、ウェゲナーの研究で分かったことがいくつ書かれていますか。数字をノートに書きなさい。

「2つ」「3つ」「4つ」という3通りの考えが出されました。「4つ」だという子供にどのような数え方をしたのかを聞きます。

・アフリカの昔の山脈が、南アメリカの南部につながっていること
・地層の重なり方がぴったり一致すること
・二つの大陸の同じ地層から、同じ種類の化石が発見されたこと
・ある種類のカタツムリは、世界じゅうでも、ヨーロッパの西部と北アメリカの東部にしか住んでいないこと。

この4つはすべて「分かったこと」として数えていいでしょうか。

これが難しかったのです。
「ぼくは3つだと思います。アフリカと南アメリカがつながっているということと、地層の重なりが一致するということは同じことだから1つにして数えた方がいいと思います。」
「同じ地層から同じ化石が発見されたとあるけれど、発見したのはウェゲナーとは限らないからこれは違うと思います。」
どれも検討はずれの考えです。

言い換えました。

この4つはすべて同じ高さでしょうか。

これでもダメでした。似たような意見が繰り返されただけでした。ただ、雅美さんがこんな発言をしました。
「教科書を読むと、最後に『分かった』と書いてあるのは2つだけだから、2つだと思います。」
これ以上子供たちに考えさせても無理だと判断した私は、この意見を受けて説明します。

「2つ」と数えるのが正解です。『アフリカの昔の山脈が、南アメリカの東部につながっていること』『ある種類のカタツムリは、世界じゅうでも、ヨーロッパの西部と北アメリカの東部にしか住んでいないこと』分かったのはこの2つだけです。「地層の重なりが一致した」とか「同じ地層から同じ種類の化石が発見された」というのは『アフリカが南アメリカのつながっていること』の理由になっているのです。

強引に正解を説明したのですが、子供たちの反応は今一つでした。

では、『地層の重なり方がぴったり一致した』というのはどのようになっているのでしょう。絵に描いてみなさい。

2つの大陸と大西洋の断面図が印刷された画用紙を配り、絵に描いてもらいました。どう描いていいのか分からないという子供もかなりいました。地層については写真を子供たちに見せてはいたのですが、理科で「地層」を学習するのは6年生ですので、無理もないことだったのかもしれません。
子供たちの描いた絵には大きく3つのパターンがありました(略)。

子供たちは形にこだわり始めました。Bの絵を描いた子供は「昔の山脈」という言葉にこだわっていたのですが、それに対し、「この山脈では重ならない」という意見が出されたのです。『地層の重なり方が一致』という意味を正確に読み取っていないためです。そこで、私は

一致したのは何ですか。

と問い返しました。
子供たちは「地層の重なり方」と答えてきますが、意識は形の方へ言っている子供もかなりいます。

形が一致したのではないのですね。地層の重なり方が一致したのです。重なり方が一致したということは、2つの大陸がつながっていたという理由になります。

またしても私が強引にまとめます。子供たちが納得できないまま学習は終わってしまいました。次の時間は何とか子供たちが「ナルホド」と言えるような授業をしたいと思っています。ああ、授業は難しい!!

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