『大陸は動く』(その8)

この時間はこの文章の読み取りです。『大陸を動かす原動力』について「ナルホド」と納得できる理解をさせることがねらいです。
子供たちに問います。

昨日は、海底山脈を絵にかきこみましたね。「大陸を動かす原動力」を説明するためには抜かすことのできない言葉があと3つあります。何でしょうか。○で囲みなさい。

子供たちは文章をしばらく読んでいます。ちょっと難しい問いだったかなとも思ったのですが、予想に反し、ほとんどの子供たちが正解していました。次の3つです。

・マグマ
 ・固まりかけの岩石
 ・岩盤

この3つが分かるということはかなり理解しているということです。驚きました。しかしこれで満足してはいけません。さらに指示します。

では、「マグマ」「固まりかけの岩石」「岩盤」を絵にかきこみなさい。

子供たちは何度も何度も文章を読みながら絵にかきこんでいました。これで1時間が終わりです。私は子供たちのかいた絵を集めました。

そして次の時間、子供たちの描いた絵の中から5枚(略)を選び、その妥当性を検討しました。
黒板に5枚の絵をはり、子供たちを前に集めます。

おかしいものをつぶしなさい。

何本もの手があがります。
「Cは絶対に違うと思います。『海底の岩盤は左右に広がりながら』と書いてあるのに、この絵では左側にしか岩盤がないからです。」
これでCはつぶれます。
「Dもおかしいとおもいます。この絵だと岩盤が海面にかかれています。もしこうなっているのだったら二つの大陸を歩いてわたれてしまうと思います。」
確かにおかしい絵です。Dもつぶれました。
子供たちの意見はさらに続きます。
「Bに反対します。固まりかけの岩石は『もう少し深いところでは、完全に冷え固まらず、海底の岩盤の下を左右に分かれて流れていく。』と書かれているのに、この絵だと岩盤の下ではなく、マグマの下を流れているような絵になっているからです。」
これはBの絵をかいた本人から出された意見です。自分の考えの間違いに気づいたのです。すばらしいことです。

さて、残りはAとEになりました。挙手で確認してみると、ほぼ同数です。ここからの話し合いは未だかつてないほど盛り上がりました。何人もの子供たちが口角泡をとばして激論しました。
「Eに反対します。Eの絵だと、マグマが海底山脈の方まで行っているので、おかしいと思います。マグマは岩石になるんじゃないですか。」
「そんなことはない!これでいいんだよ。これはマグマが勢いよく吹き出しているから岩石にはならないんだよ。」
「Aの方こそ、違うんじゃないですか。海底に岩盤があって、もう少し深いところに固まりかけの岩石があるはずなのに、岩石までが海底にあるのは変です。」
「教科書には『海底の岩盤の上にある大陸』と書いてあるのに、Aの絵だと岩盤の上には海しかなくて、大陸はありません。」
「Aの絵で考えると、大陸は動かないんじゃないですか。」

前半はAを主張する子供たちが増えつつあったのですが、後半はE派に圧倒されっぱなし、最終的にAの考えはつぶされてしまいました。
実に見事な話し合いでした。私が口をはさもうとしても「ちょっと、待った!」とそれを制止して話し続ける子供たち。そして自分たちで正解を導き出した子供たち。途中言葉遣いが乱暴になったりはしましたが、そんなことはどうでもいいことです。それだけ興奮し、気合いが入っていたという証拠なのですから。3分の2くらいの子供たちが発言し、また発言できなかった子供たちも真剣に考えていました。『大陸は動く』の最後の学習を締めくくるのにふさわしい、すばらしい学習ぶりでした。

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