『粉と生活』その2

子供たちは改めて教科書を読み返し始めました。しばらくすると、こんな意見が出ました。
「私はBが一番大きな変化だと思います。なぜなら、サドル-カーンとロータリー-カーンの間は段落が変わっているけれど、他のところでは段落が変わっていないからです。」
これはすごい発言です。私はこんな考え方は予想していませんでした。
更に発言が続きます。
「教科書には『この技術が、その後、風車や水車で粉をひくときにも生かされ、現代の粉をひく機械の誕生のきっかけとなった。』と書いてあります。『この技術』というのはロータリー-カーンの技術のことだから、サドル-カーンからロータリー-カーンへ変わった変化が一番大きいと思います。」
やっと国語らしい話し合いになってきました。

教科書には『画期的な改良』と書いてありますね。『画期的』ってどういう意味ですか。

子供たちは辞書を引き始めます。
「これまでになかった新しいこと」
これで決定的です。正解はBなのです。サドル-カーンからロータリー-カーンへの変化が一番大きな変化なのです。
紀元前五百年ころに生まれた技術が水車や風車に生かされ、現代の技術のきっかけにまでなっていることに子供たちは一様に驚いていました。
Cを選んだ17名の子供たちは絵にごまかされ、文章を正確に読めていなかったわけです。

では、本文の中に『画期的な改良』はいくつ書かれていますか。

これはほぼ全員が正解。3つです。

1 てこの原理が利用されていること
 2 石に目立てがほどこされていること
 3 粉が外に出てくるように工夫されていること

1は理科で勉強したのでわかります。3もわかります。問題は2です。

石に目立てがほどこされているってどういうことですか。なぜこれが画期的な改良なのですか。

答えられる子供は誰もいませんでした。それだけいい加減に読んでいるのです。「目立て」を辞書で引かせました。辞書を引いて初めて「目立てがほどこされている」と細かい粉が引きやすい、これは画期的な改良なのだと分かってくれたようです。

最後に筆者の結論をもう一度確認します。

筆者は『すぐれたものを生み出すために、粉を作る新しい技術が必要だ。』と言っていますね。これからロータリー-カーンを越えるような画期的な改良が技術が生まれるかもしれないね。その技術を考え出すのは君たちかもしれない。

こう言って『粉と生活』の学習を終えました。今日からは下の教科書に入ります。

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