『大造じいさんとガン』その7

大造じいさんの考えた方法はいくつありますか。書き出してみましょう。
残雪のした「かしこさ」を見つけて書き出してみましょう。

上の2つが前の時間の問題でした。この時間の前半は、一人一人がノートにまとめる時間です。教科書を読みながらノートの表にまとめていきます。
15分後、発表してもらいます。「大造じいさんの考えた方法」を1場面から発表させました。

「ガンのえをあさる一面にくいを打ち込んでタニシを付けたウナギ釣り針をたたみ糸で結びつけておいたことです。」(1場面)
「もっとたくさんの釣り針をばらまいておいたことです。」(1場面)
「タニシを、ガンの好みそうな場所にばらまいて小屋で待ち伏せしたことです。」(2場面)
「おとりのガンを使って小屋で待つことです。」(3場面)

4場面は戦っていませんから、大造じいさんの考えた方法はもうないですね。

私がこのように言うと、文句を言ってきた子供がいます。
「4場面にもあります。大造じいさんが残雪を助けたのは、また戦うためなのだから、残雪を助けたことも大造じいさんが考えた方法に入るんじゃないですか。」
すばらしい考えです。これも「大造じいさんが考えた方法」に入れることにしました。

続いて「残雪のしたかしこさ」について発表させていきました。
「油断なく気を配って、猟銃の届くところまで決して人間を寄せ付けないことです。」(1場面)
「危険を感じてえさ場を変えたことです。」(1場面)
「糸を引きのばしてからえを飲み込んだことです。」(1場面)
「見通しのきくところをえさ場に選んだことです。」(2場面)
「『様子の変わったところには近づかぬがよいぞ。』と感じて、方向を変え西側のはしに着陸したことです。」(2場面)
「たまの届く距離の三倍も離れている地点をえさ場にしていることです。」(3場面)

この考えには反論が出ました。
「ここをえさ場にしたのは、夏の出水でできた水たまりにえがたくさんあったからじゃないですか。だからこれはかしこさではないと思います。」
「それに、ここには『ガンたちは』と書いてあるけれど、『残雪は』とは書いていないから、残雪のかしこさとは言えないと思います。」
「反対します。ガンの群れを指導しているのは残雪なのだから、ここをえさ場に選んだのは残雪の指導だと思います。だから、これも残雪のかしこさに入れていいと思います。」

上のような話し合いの後、全員に挙手で確認したところ、大方の子供が「これもかしこさに入れるべきだ」と考えていました。
続けます。
「ハヤブサの目をくらましながら飛び去っていきます。」(3場面)

大造じいさんと残雪とではどちらのかしこさが上でしょう。

これも子供の作った問題です。
予想通り、全員が「残雪の方が上だ」と答えました。大造じいさんの考えた方法は一つも成功していないのですから、子供たちがそう答えるのも無理のないところです。ただ、もう少し深く考えてほしいと思い、次のように聞きました。

1、2場面では大造じいさんの考えた方法はすべて残雪のために失敗に終わってしまいましたね。しかし、3場面は違います。残雪のかしこさではなく、ハヤブサ事件のために失敗してしまったのです。では、もしハヤブサ事件が起こらなかったら、大造じいさんと残雪、どちらが勝っていたでしょう。

子供たちは「う〜ん」と唸って考えていました。仮定の話ですからもちろん正解は決められません。ただちょっと考えてほしかったのです。
結果は・・・。半々でした。これは予想外です。私はおそらく「残雪が勝った」「大造じいさんはまた失敗した」と考える子供が圧倒的だと考えていたのです。

さて、いよいよこの物語の学習で一番重要な問題に入ります。

クライマックスはどこですか。

これは言い換えれば、「残雪に対する大造じいさんの考えが大きく変わったところはどこですか。」という問いです。チャイムが鳴ってしまいましたので、次の時間までに自分の考えを決めておくように言って学習を終えました。難しい問題ですが、それだけに考える価値のある問題です。

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