『赤い実はじけた』(その2)

前の時間は物語のクライマックスを検討しました。綾子の心が一番大きく変わったところがクライマックスになるわけですから、話し合いは当然綾子の心の動きに移っていきます。
問います。

クライマックスを境にした綾子の心の対比を探しなさい。クライマックスの前どうしの対比、後どうしの対比があったら、それも見つけてみましょう。

子供たちが見つけてきた対比を黒板にまとめていきます。

クライマックス前 クライマックス後
・苦手なタイプの男の子だった。
・声が大きくてなんだかこわい。
・「魚進」にだけは買い物に行かなかった。
・学校で会うイメージとはちがって、一人前の魚屋に見える。
・哲夫って、笑うと八重歯がのぞくんだ。
・綾子は初めて哲夫を正面から見た。
・「そうでしょう。このアジのたたき、わたしの友達が作ったんだって。」
・綾子は、自分の声が大きくなっているのを感じた。
・うれしいような、はずかしいような・・・。
・哲夫を変に思わなかっただろうか。(哲夫を気にしている。)
・千代に手紙を書こうと思った。

クライマックスの前だけを見ても綾子の心は動いていることがわかりますね。クライマックスの後も同じです。
では、綾子が哲夫をこわくなくなり始めたのはどこなのでしょう。教科書に線を引きなさい。

子供たちの考えは大きく2つに分かれました。次の部分です。
A『哲夫って、笑うと八重歯がのぞくんだ。』
B『「くわしいのね。」』

Aだという子供が発言します。
「今まで、哲夫のことをこわいと思っていてちゃんと顔を見たことがなかったのに、ここで哲夫のことを見て新たな発見をしているから、ここだと思います。」
Bだと考える子供も手を挙げます。
「それまでの綾子は『小さくなった』り『やっと小声で言った』り『ますます口ごもってしま』ったりしていたのに、ここで初めてまともに話しているからです。」
A側が反論します。
「それはそうかもしれないけれど、今は『こわくなくなり始めた』ところを考えているのだからAのところだと思います。」

上のような話し合いの結果、「Aの部分で綾子の心が動き始め、Bのところで哲夫をこわくなくなったのだ」という結論になりました。私も妥当なところだと考えています。哲夫をこわくなくなった綾子の赤い実はこの後ではじけたわけです。

次の時間は『赤い実』の象徴するものについて考えてもらうつもりでいます。


●図書館で学ぶ●

各学級、週に1度図書館を使える時間が割り当てられています。もちろん図書館は毎日利用できるのですが、週に1時間、各クラスが授業中に使える時間があるわけです。理科室や音楽室などの割り当てと同じことです。昨日はその最初の時間でした。図書館司書の向川先生から図書館の使い方や本の扱い方などについて説明を受けました。子供たちからもたくさんの質問が出され、図書館、そしてそこにある本についての認識を深めていました。ところで、図書館の本は読書のためにだけあるわけではありません。社会科などで調べものをするときにも図書館を使うことになります。参考文献として図書館の蔵書を活用するわけです。その場合、最も必要なことは「必要な情報を検索する力」です。どの本のどこを見れば必要な情報を得ることができるのかを知っておかねばなりません。
一例として百科事典の調べ方を教えました。例えば『縄文式土器』について調べたいときに百科事典を1巻から順番に読んでいく人間はいません。当然索引を活用することになります。図書館の百科事典は索引だけで2巻あります。子供たちはまずその事に驚いていました。子供たちがこれまでみてきた本は巻末に索引がある程度のものが普通だったからです。(残念ながら教科書には索引というものがありません。目次があるのみです。特に社会科や理科の教科書には索引が付いてしかるべきだと私などは考えているのですが)
まず索引で調べ、その後本巻で調べるという百科事典の使い方をこの日初めて知った子供が多かったようです。これで今後は百科事典を存分に活用することができます。
読書、そして調べ学習と、今年度は思いっきり図書館を活用してほしいものですね。

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