『石うすの歌』(その5)主題を検討する

この物語には『石うすの歌』がいくつも出てきていますが、題の『石うすの歌』はどの歌を指しているのでしょう。教科書に線を引きなさい。

これはほとんどの子供が『団子がほしけりゃ、うす回せ』と『勉強せえ、勉強せえ。つらいことでもがまんして・・・。』の2つの歌に引いていました。「2つの歌の変化、千枝子の心の成長」が題の意味するものだというわけです。それが正しいのかどうかは分かりませんが、6年生として立派な解釈だと思います。

最後の『石うすの歌』で言っている『勉強』とはどんな意味でしょう。

子供用の辞書には、「学問に励む」「商品を値引きする」の2つの意味しかのせられていませんでしたが、大人用の辞書を調べた子供がもう一つ「精を出して努力する」という意味を見つけてくれました。そして全員が「ここで言う勉強とは『精を出して努力する』という意味だ」と言います。

では、最後のこの歌は誰が誰に言っているのでしょう。

「千枝子が瑞枝に言っているのだと思います。」
「千枝子が瑞枝と自分自身に言っているのだと思います。」
「教科書のP56に『うすは、そのときそのときの人間の心持ちを、そのまま歌い出すものだよ。』と書いてあります。このときにうすをひいているのは千枝子と瑞枝の二人だから、二人が自分自身に言い聞かせているのだと思います。」

この問題については結論を出さず、最後に学習のまとめを書いてもらいました。ダブル「さかい」さんの文章を紹介します。

薫子
「勉強せえ、勉強せえ。つらいことでもがまんして・・・。」
という言葉の意味を知った。言葉の意味が分かったとき、すばらしいお話だと思った。
「精を出して努力すること」
つまり、この言葉があるということは、人間何でもできるということだ(と思う)。
瑞枝には、もう母も父もいない。けれど、精を出して努力をすることで、人間何でもできるのだ。
おばあさんにはげましてもらっていた千枝子が、おばあさんをはげますほどに成長していたこともなんだか感動だ。でもこの成長は戦争の悲しみがあったからこそ成長したのさ。
千枝子はこれからも成長していくのだろう。

妙子
この物語で一番最初に学習したことは感想を書くことだった。そのとき私は二つ学習しなくちゃいけないと思ったことを書いた。
今回はいつものパターンとはちがった学習の仕方だったけれど、二つとも解けたと思う。
それは作者の言いたかったことだ。この「石うすの歌」を初めて読んだとき、私はただ、戦争のひさんさを伝えるだけだと思った。けれど、対比をしてみて分かった。千枝子が戦争によって心が成長した話だったのだ。
こんなふうに対比をしなければ絶対に分からなかったと思う。いつもとやり方がちがって分からなかったこともあったけれど、みんなで勉強してみてよかったと思う。

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