ずいずいずっころばし

2学期の歴史は江戸時代からです。1学期にも多少入っていたのですが、夏休みを挟んでいますので、すっかりと忘れてしまっているでしょう。復習から入りました。次のような事柄です。

・将軍の下に多数の大名がおり、それぞれ領地を与えられていた。
・大名は親藩・譜代・外様の3種類に分けられていた。
・将軍は絶対的な権力を持って大名の上に君臨していた。

ここまでで10分くらいでしょうか。
おもむろに黒板に次のように書きました。

ずいずいずっころばし

いきなり何なのだ?という顔で見ている子供もいれば、歌い始めている子供もいます。
私が言います。

続きの歌詞をノートに書きなさい。漢字で書けるところは漢字で書きなさい。

「え〜覚えてないよ。」
「途中までしか分からない。」
などと言いながら、それでもノートに書き始めました。
様々な歌詞が書かれています。
「かわらのねずみが米食ってチュー」
「畑のねずみが米食ってチュー」
「ねずみに食われてドンドンドン」
もう教室中大爆笑です。

子供たちに確認しながら正しい歌詞を黒板に書いていきました。

ずいずいずっころばし
胡麻味噌ずい
茶壷に追われてトッピンシャン
抜けたらドンドコショ
俵のねずみが米食ってチュー
チューチューチュー
おっとさんが呼んでも
おっかさんが呼んでも
行きっこなしよ
井戸のまわりでお茶碗かいたの
だあれ

「そんな歌詞だったの。」
「私ずっとこう思いこんで歌ってたよ。」
子供たちの声が聞こえます。
正しい歌詞が分かったところで全員で一回歌いました。

ところで、どんな意味の歌なんでしょう。

「ねずみの親子の歌でしょう。」
子供たちの予想はこんな所です。

いいえ、これは人間の子供の歌です。お茶壷行列の最中の子供の歌なのです。
お茶壷行列というのは、毎年、新茶の季節になると将軍が飲むお茶を宇治まで受け取りに行く行列のことです。
(地図帳で『江戸(東京)』と『宇治』を調べさせました。)
このお茶壷行列が通りかかると子供たちは蔵などに閉じこめられたのです。子供が行列に変なことでもしたら切り捨てられるからです。トッピンシャンというのは蔵に閉じこめられたことを表しているのでしょう。
「抜けたらドンドコショ」というのは、お茶壷行列が抜けたらドンドコショと騒ぎましょうという意味です。
それまではねずみが米を食っていても、お父さんやお母さんが呼んでも声を出したり、出てきたりしてはいけませんよ。そういう歌なのです。

この歌一つで将軍の権力をうかがい知ることができます。自分たちが小さい頃から歌ってきた歌にこんな意味があったことに子供たちは驚いていました。みなさんはご存じでした?(私は教員になってから知りました。)

この後、大名行列の様子がかかれた絵を配り、色塗り作業をさせました。次の時間はこの大名行列の絵から様々なことを読み取っていく予定です。

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