『やまなし』対比を検討する

『五月』と『十二月』の対比をできるだけたくさん見つけてノートにまとめなさい。

上が前の時間に子供たちが取り組んだ課題でした。この時間はそれを発表してもらいながら検討していきます。

まず、対比されているものから発表してもらいましょう。登場人物も含めます。

「五月は『かわせみ』が出てくるけれど、十二月は『やまなし』が出てきます。『かわせみ』と『やまなし』は対比されていると思います。」
「ぼくは『やまなし』と対比されているのは『かばの花』だと思います。」

『やまなし』と対比されているのは『かわせみ』でしょうか、『かばの花』でしょうか。それぞれ理由をどうぞ。

「私は『かわせみ』だと思います。『かわせみ』も『やまなし』もかにの子供の頭の上から飛び込んできたものだからです。」
「私は『かばの花』だと思います。五月は『かばの花』が流れているけれど、十二月は『やまなし』が流れているからです。」

両方『やまなし』と対比されていると考えてもいいようですね。でもどちらかというとどちらですか。

全員が『かわせみ』の方を支持しました。

では、『かわせみ』と『やまなし』に関する対比を見つけた人はいませんか。

この問いは『やまなし』の主題を考えるとき、実はキーポイントとなる部分です。子供たちは次のように答えてきました。
「『かわせみ』ははじが黒いけれど、『やまなし』は黄金のぶちです。」
「『かわせみ』は動物だけれど、『やまなし』は植物です。」
「『かわせみ』(の嘴)は黒くとがっているけれど、『やまなし』は黒くて丸い大きなものです。」
「『かわせみ』は魚を奪っていくけれど、『やまなし』はいいにおいとお酒を与えてくれる。」
実に鋭い読み取り方だと思います。
さらに対比の発表を続けます。
「五月はかにの子供らは小さいけれど、十二月には成長している。」
「五月は『クラムボン』で、十二月は『イサド』。」
「ぼくは『クラムボン』と対比されているのは『あわ』だと思います。かにの子供らの会話は五月はクラムボンについてだけれど、十二月はあわについてだからです。」
「五月は『なめらかな天井』だけれど、十二月は『波が青白い火を燃やしたり消したりしているよう』です。」
「五月は『白いかばの花びらがすべって流れる』けれど、十二月は『やまなしがぼかぼか流れる』。」
「五月は『青白い水の底』だけれど、十二月は『冷たい水の底』です。」
「五月は『日光の黄金』とあるから朝だけれど、十二月は『ラムネのびんの月光』とあるから夜。」

この意見を受けて、『五月』と『十二月』の光の変化について検討しました。

確かに、五月は『日光の黄金』、十二月は『ラムネのびんの月光』と書かれていますね。では、それぞれの光はその後どのように変化していきますか。

子供たちは本文を読み始めます。読む時間を5分ほどとりました。
「五月は、『魚が、今度はそこらじゅうの金の光をまるっきりくちゃくちゃにして、おまけに自分は鉄色に変に底光りして』と書かれています。」
「五月の最後には『光のあみはゆらゆら、のびたり縮んだり』となっています。」

せっかくの黄金の光がマイナスの方向に変化していきますね。では、十二月はどうですか。

「十二月は『月が明るく』とか『月明かりの水の中』とか『月光のにじがもかもか集まりました。』とあります。最後には『波は、いよいよ青白いほのおをゆらゆらと上げました。それはまた、金剛石の粉をはいているようでした。』と書いてあります。」

そう、十二月はプラスの変化ということができますね。では、これらの対比をまとめて考えると、『五月』と『十二月』は何と何の対比ということができますか。自分の考えをノートに書きなさい。

ここで時間切れ。発表は次の時間になります。

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