出会いの序章(その2)

 3年生になりました。1組はしぶやとおる先生です。□そうな先生です。たぶん、○さいです。
 これが、初日の連絡帳でした。子供たちは空欄にどのような言葉や数字を入れてくれたのでしょうか。翌日、全員の連絡帳を見せてもらいました。

 約半数の子供が「おもしろそう」と書いていました。そんなに「おもしろい」ことはしていないのですが。「おもしろそうだけれど、おこるとこわそう」という子供も数名。事実に近いかもしれません。「やさしそう」「元気そう」「きびしそう」という回答が次に続きました。少数意見として「算数が得意そう」「英語が好きそう」というものもありました。さらに、「酒屋に行きそう」というユニークな意見も。確かに行きますけどね。

 さて、10日は初めての6時間授業の日でした。前日までは子供たちとの時間がほとんど取れませんでしたので、実質的にはこの日が「学級開き」となりました。

 渋谷先生は、どんな先生でしょう。多くの人が、連絡帳に「おもしろそう」と書いてくれました。「やさしそう」と書いてくれた人もいます。一方で、「きびしそう」「こわそう」と書いてくれた人もいました。どちらが正解なのでしょうね。
 正解は両方です。渋谷先生は、いつもはやさしいつもりですが、次の3つのときには、鬼になります。
 1つ目は、命にかかわる危険なことをしたときです。危ないところに登ったり、危険なものを振り回したりしたときですね。
 2つ目は、いじめをしたときです。36人が同じ教室で生活するのですから、ケンカをすることだってあるでしょう。それは仕方ありません。ケンカは両方悪いのですから、また仲直りをすればよいのです。でも、いじめはケンカとは違います。何もしていない相手を一方的に攻撃するのはいじめです。これは絶対に許しません。
 3つ目は、同じことを三度注意されて、まだ直そうとしないときです。人間ですから、失敗することもあります。次に気を付ければよいのです。直すことができるのが、人間のいいところです。三度も同じ注意をされてはいけませんね。
 この3つのとき以外は、やさしいはずですから安心してください。

 子供たちはピリリとした緊張感の中、真剣に話を聞いてくれました。続いて、こんな話を続けました。

 動物と人間は何が違うでしょう。こういう言葉を知っていますか。「○肉○食」。
(3年生には、ちょっと難しいかなと思ったのですが、かなりの子供が「弱肉強食」と答えてくれました。中には、「焼肉定食」と答えた子供もいましたが。)
 弱いものの肉を強いものが食う。そういう意味です。動物の世界は弱肉強食です。でも、人間は違います。弱いものをいたわることができるからです。弱いものをいたわることができるのが人間なのです。
 コンピュータと人間は何が違うでしょう。いちばん大きな違いは、コンピュータは間違えないけれど、人間は間違えるということです。なんだか、間違えないコンピュータの方がよさそうに思えるけれど、そうではないのです。なぜなら、人間は間違えることによって成長できるからです。コンピュータは、間違えないから成長することはありません。
 コンピュータは、決して計算を間違えることはありません。でも、今より賢くはなれないのです。でも、みんなは違います。一年後には、今よりずっと賢くなっているはずです。それは、たくさん間違うことができるからです。間違うから賢くなれるのです。間違った分だけ、賢くなれます。

 2時間目は全員に自己紹介カードを書いてもらい、3時間目はそのカードを使って自己紹介をしてもらいました。私が一人一人の子供たちを知るためでもありますが、それ以上に、子供たち同士にお互いのことを早く知って欲しかったからです。自己紹介カードには、「名前」「似顔絵」「好きな○○」「自分のめあて」の欄があります。このカードを見せながら、一人一人が全員の前で自己紹介をしました。この自己紹介によって、かなりお互いの顔と名前が一致してきたようです。
 私は、もう完璧に一致しています。