いくら出す?

 「追って書きます。」とお伝えしていた、先週の参観授業です。この日の学習は算数。すでに3年生の教科書は終え、まとめの学習も大方終わっています。そこで、この時間はよりハイレベルの思考力を必要とする問題に挑戦させてみることにしました。
 黒板に次のように書きます。

 ひろみさんのさいふには、1000円札が1枚と、500円玉が1枚、100円玉が3枚、10円玉が7枚あります。

 「この後、この問題はどう続くと思いますか。」

 問題場面を頭に思い描いたり、自分で問題場面を想定したりする思考は大切です。子供たちからは、「全部でいくらでしょう。」という考えが発表されました。しかし、それではあまりに簡単すぎます。続けました。

 920円の本を一冊買います。

 先と同じく、続きを予想させました。圧倒的に多かったのは「お釣りはいくらでしょう。」という問いです。ただ、それでも易しすぎる問題です。
 私が設定した問題を書きました。

 あなたなら、どのようにお金を出しますか。ノートに書きなさい。

 予想もしていなかった問題だったのでしょう。子供たちの表情に戸惑いが浮かびました。しばらく時間を与え、ノートを見て回ると子供たちの考えは2通りに分かれていました。
 圧倒的に多かったのは、「1000円札を1枚出す」という考えです。私も、当然そうだろうと予想していました。しかし、6名ほどの子供は次のように書いていました。

 1020円を出す。

 「1000円を出す」と考えていた子供にとって、この「1020円を出す」という考えは不可解です。そこで、なぜ1020円を出すと考えたのかを説明してもらうことにしました。
「1000円札を1枚出すと、お釣りは80円でしょう。50円玉1つと10円玉が3つ返ってくるかもしれないし、10円玉が8つ返ってくるかもしれません。でも、1020円出すと、お釣りは100円です。ワンコインですむからお店の人が楽です。」
 「お店の人が楽」という発想は私にはありませんでした。「財布に小銭を増やしたくない」という考えが出るだろうと思っていたのです。この考えは新鮮でした。
 さて、子供たちは、1020円を出すことによってお釣りがワンコインですむことが分かりました。続いてさらに難しい問題を出します。

 あなたのさいふには、1000円札が1枚と、500円玉が1枚、百円玉が4枚、10円玉が5枚、1円玉が1枚あります。
 876円の本を1冊買います。
 どのようにお金を出すと、いちばんおつりの硬貨の数が少ないでしょう。

 「さっきより、難しい・・・。」
子供たちからのつぶやきです。ノートに硬貨の絵をかいて考えている子供、お金の出し方を何パターンもシミュレートしながら筆算を繰り返す子供。様々な方法で答えを導き出そうとしています。みなさんなら、どのようにお金を出しますか。
 授業の終盤、試行錯誤の末、数名の子供たちが答えに辿り着きました。こんな考えです。
「931円を出します。そうすると、お釣りは55円になります。50円玉1枚と5円玉1枚の2枚ですみます。」
 よくぞ、この答えに辿り着いたものです。私は、もしかしたら、答えに辿り着ける子供はいないかもしれないと思っていました。お見事!
 翌日の子供たちの自学帳です。

 今日は、算数の学習参観でした。
 さいしょに、先生とノートに問題文を書きました。その問題文は「あなたなら、何円出すか」という問題でした。
 さいしょの問題は、1000円札が1枚、500円玉が1枚、100円玉が3枚、10円玉が7枚あります。920円の本を一冊買います。何円出しますか。という問題でした。
 さいしょは、1000円だと思いました。でも、答えは1020円でした。ぼくが1000円だと思った理由は、出しやすいからです。でも、1020円の方が片づけやすいから、計算しやすいからと聞いてやっと分かりました。

 今日、算数でむずかしかったことがあります。それは、代金を何円出せばいいかということです。
 さいしょは、1000円札をだすか、1020円を出すかでした。そのとき、ぼくはどっちか迷いました。
 1020円にさんせいの人は「ワンコインにした方が店員の人も手間がかからないから1020円の方がいいと思います。」と言っていました。ぼくも、なるほど〜と思いました。
 算数のむずかしい問題が分かってうれしかったです。