1985年から6年間ベルギー生活の中で出逢ったアンティークレース。 
美術館やアンティーク屋さんで見るそのレースには一つ一つ魂の語りかけを感じます。
感動よりももっと凄い、それはきっとレースを織った女性達の真の心を受けたのかも知れません。
身震いをも覚えた不思議な感動を思い出すたびに、私とレースとの出会いは
「運命」だったと思っています。
かつての貴婦人たちを魅了して止まなかった「レース」の持つ不思議な魔力は
500年を経た今でも尚薄れる事無くしっかりと私達を虜にしているのです。


レースをどのように受け止めたら古人の魂の安らぎになるのでしょう。
これは本当に私の生涯の課題です。
自分の為では決して無く、自分が出来る事って何でしょう。

これから少しずつではありますがレースのお話をさせて頂こうと思っております。


*古典レース研究作家
*レースアカデミー・あんしえんぬを主宰する
アトリエ房「あん☆庵」オーナー
*日本・ベルギー協会会員

海と坂道と文学の町は穏やかな気候と人情の宝庫。
のんびりと暮らす人達の笑顔に帰省のたび癒されます。
そんな町で大きくなり、東京へそしてベルギーへと私の人生は大きくかわりました。
それが良いのか悪いのかはもっともっと後になって結論を出せば良いと思っています。
ですから、人を信じ、人と争わず周りの人と気持ちを交わしながら楽しく生きる。
まるで波の無い、風の無い「瀬戸内海」の海の如く。
でも、坂道や石段を登り下りする毎日で培われた元気な精神はいざと言う時の為に健在です。
                              飯野美智子

*1985年〜1990年までベルギー在住
*1988年アトリエ「あんしえんぬ」を設立
*1990年ベルギーにおいて「日白文化交流レース展」を日本領事館で主催・開催
*1991年帰国後、東京に在住
*1991年秋からレースを広く紹介する為に指導・養成を始める
*1992年NHK「おしゃれ工房」に取り上げられる
*1992年〜レース展、海外研修などを企画・ 主催する
*1995年アサヒグラフに紹介される
*1996年銀座にて10周年記念の個展を開催する
*1996年6月皇居にてレースを展示し皇后陛下に拝謁を賜る

*1999年東京にアトリエ・スタジオ及びレースコレクションルームを開設する
*2001年銀座にて第3回飯野美智子レース展を開催する
*2002年ベルギーウォッチング2002に参加
*2003年ベルギーウォッチング2003協賛及び講演会を開催する
*2003年11月ジャパン・フォーラム参加及び研修旅行を企画
*2004年11月「あんしえんぬ」講師及び研究生との特別展を企画・主催
*2005年11月第5回飯野美智子レース展を東京・銀座にて企画・主催
*2006年7月「アンティークレースの時代語り」の講演
*2006年9月出版記念の個展を日本橋・島屋ギャラリー「遊工房」にて開催
*2006年9月レースに関する書籍「貴婦人たちの華のレース」日本ヴォーグ社から発行
*2007年4月レース愛好家の為のテクニックや基礎知識、デュセスやロザリンの基礎を載せた
      「はじめてのボビンレース」雄鶏社から出版
*2007年11月制作活動の拠点を故郷へ移し、東京の教室は監修として不定期出講とする
*2007年9月故郷にアトリエを開設
*2008年3月雄鶏社「刺繍通信春夏号」にニードル・ポイント・レースの作品・解説を掲載
*2008年6月NHK青山教室にて講演&講義「創作の世界を聞く・見る」
*2008年9月日本橋・島屋セミナーにて講演「ティータイムをレースとともに」
*2008年11月「ボビンレース研修 in 尾道」を企画・指導
*2009年広島にて初の講演を開催
*2010年3月第6回飯野美智子レース会友展を開催(あんしえんぬ20周年記念)
      東京・銀座及び広島県福山の2会場で実施
*2011年5月ベルギー・フランスへの研修旅行を企画・実施
*2013年10月北フランスへの研修旅行を企画・実施


《レースの歩んだ長い時とその時代に生きた貴婦人達の物語の講演活動や指導者養成》

*L'ecole de la Dentelle de la Ville de Binche
 (ベルギーにあるバンシュ市立レース学校)にてエレーヌ・ブランシャール女史に
 デュセスレースからバンシュレース迄の全般を学ぶ。

*Rouge Cloître(ブリュッセルにある故マダムジャックマン・レースアトリエ)にて
 デュ・ボン女史にニードル・ポイントレースを、
 ギィラン・マース女史にポンサージュ法を学ぶ。
 (ポンサージュ:布つけ法やレースの取り扱い方など)
*アトリエ・ド・ワーテルローにてギィラン・マース女史に製図法及びロザリンレースを学ぶ。

*北フランス・バイユーにてマダム・サルバドール女史に師事、バイユー・レースを学ぶ

*ベルギー・ゼルにてニードル・ポイント・レースを学ぶ



「デュセスレース:Duchesse」の扇です。
大きさは
男性用の扇子位で180度の広がりです。
使用した糸はエジプト綿140番生成りを使いましたので基本的には120番位の糸の太さと考えて下さい。
但し
、140番程の糸になると荒い織り目が目立ちますので要注意です。
完成までに費やした時間は1400時間余りですがその位我慢して製作した作品には言葉では言えない「愛情」を感じるものです。  
デザインにも時間をかけて練り上げる事も大切です。         by michiko IINO

 
 
                                   
「ニードル・ポイント・レース」で作ったコサージュです。
糸はコロン#70ですが、その他にはDMC#40、#80も使用しました。
直径10センチ位の大輪です。
ニードル・ポイント・レースと言うと、「刺しゅうですか?」と良く聞かれますが
「ニードル・ポイント」と「ニードル・ポイント・レース」との呼び名の違いで刺しゅうとレースの区別をして下さい。    
                                          by michiko IINO



こちらもやはり「ニードル・ポイント・レース」の襟です。
使用した糸はDMC社のツビノと言う刺しゅう用です。
色の濃淡が豊富なので色で遊ぶには良い材料かも知れません。
                     by michiko IINO





この作品は「デュセス・レース」と言うジャンルに入ります。
私が学んだベルギーのレース学校は5年制になっていて、最初の2年(厳密に言うと2年目に入ると同時に別のジャンルも平行して学びます)はこの種類の課題を学びます。

最初の段階ではまだ「フィル・クッペ」と呼ばれ、「デュセス・レース」とは呼びません。
2年目位になると、技術が急にアップしてきます。
そこで、やっと「デュセス・レース=ブリュッセル・デュセス」と呼んでもらえるレースになっていくのです。
写真の作品は本当は白糸の作品なのですが、線が良くわかるように反転してあります。

この作品は19年位前にレース学校で学んだ作品ですが、左下はフィル・クッペ、そして右上はやっとデュセス・レースの仲間入りをしたものです。




日本橋・島屋での個展で発表した作品です。
ニードル・ポイント・レースとデュセス・レースとロザリン・レースとのミックス・レースです。
時代を越えた作品として製作してみました。