コニカ ヘキサーRF
〜ヘキサーRFはミノルタCLEを越えたか?〜

Hexar RF+Color Skopar 35/f2.5
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コニカが80年代の終わりに発売した、ヘキサーはすばらしいレンズを搭載したスナップカメラとして大変好評で、オリジナルのヘキサーが製造中止になった後もバージョンをかえて最初に登場してから10年以上現役です。
特にレンズはコニカ自身、「ズミクロンを目標に設計した」と豪語するだけあって大変金がかかったすばらしいレンズで、後にライカLマウントで限定発売されましたが発表と同時に完売、現在では中古市場でもほとんど出てこず、出たとしても発売当初の倍ぐらいの値がついています。また、このLマウントヘキサノン35mm/f2.0が今日のライカマウントレンズ復活の嚆矢となったのはご存知のとおりで、コニカ自身、その後50mm/f2.4、60mm/f1.2と限定レンズを相次いで発売し、人気に押されてか新たに35mmも発表になっています。
ただ、もともとコンパクトカメラを発展させたヘキサーのほとんど唯一とも言える弱点はそのシャッター。(大変静かで初代ヘキサーに搭載されたサイレントモードでは撮影していてもシャッターが落ちたのがわからなかったほどですが。)レンズシャッターなため、f2.0のヘキサノンでは最高速度が1/250どまりで折角の大口径が生かせない、という点です。開放値f2.0だって昔のシンクロコンパーなどでは十分に1/500が実現されているわけですから、技術的には何とかなったのでしょうが、レンズの性能を優先したためかもしれません。
ともあれ、このヘキサーをベースにいろんなうわさが流れました。中でも「ヘキサーIIはレンズ交換式になる」といううわさには根強いものがあり、その上「ヘキサーIIはライカMマウントになる」といううわさも流れました。もちろん「ミノルタがCLEの新型を準備している」といううわさも流れ、いやがおうにも期待が高まりました。
で、ヘキサーRFは当初発表されていた発売時期からやや遅れて99年12月に登場しました。予想されていたとおり、「コニカKMマウント」を採用したレンズ交換式レンジファインダーカメラで露出制御はマニュアルとAE、巻き上げはもちろんモータです。細かいスペックは現行モデルなのでコニカのHPでご確認いただきたいのですが、まず、ファインダー。倍率が0.58倍と低く、28mmのフレームも十分見渡せます。ただし、倍率を下げたため少々歪曲があるのでライカのすっきりしたファインダーフレームを見慣れていると少々違和感を感じます。フレームは28mmから135mmまで、ちょうどライカM6TTLと同じですがややフレームが太い感じを受けます。アイポイントはやや長めで、眼鏡をかけていても28mmのフレームまで十分見渡せるのは特筆に値します。ライカだと視度補正レンズが必要な私でもヘキサーには特段不自由なく使っています。全体的によく出来たファインダーですが「見え」について言えばベッサRの方がコントラストも高く抜けがいいのかすっきりした印象です。
シャッター速度は1/4000まであるので、昼間でも大口径レンズを開放で使えます。この点がAEと合わせ、実はヘキサーRFのもっとも便利なところではないかと思います。折角の大口径レンズでもフィルム感度が高くなったこともあり、ライカの1/1000までのシャッターでは開放絞りで使うことは困難です。この点ヘキサーRFの高速シャッターは救いとなります。ただし、縦走りシャッターなのでシャッターショックはともかく、モーターの巻き上げ音もあり、動作音は布幕横走りシャッターとは比べ物になりません。やや甲高い動作音とそれに続くモータの巻き上げ音は気になると言えば気になりますが、人混みのなかでシャッターを切っても気づかれるほど大きくはありません。もっとも、レンズシャッター付きのヘキサーには比ぶべくもありませんが、これは無い物ねだりでしょう。初代ヘキサーのサイレントモードはライカなどよりはるかに静かだったものです。
自動巻上げは昔からのライカファンの間では賛否の分かれるところですが、連写もきくので大量にスナップする場合にはこれに勝るものはないでしょう。まあ最近の技術ではレバー式の手動巻上げより電動巻き上げの方が簡単に作れるのでしょうが。シングルモードと連写モードの切り替えがききますが、むしろ「サイレント巻き上げモード」をつけて欲しかったのは私だけでしょうか?モーター巻き上げになったばかりに、静かなリサイタルなどには使えなくなってしまいました。

Hexar RF top View with Ricoh GR21/f3.5
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露出はマニュアルとAE。シャッター速度ダイアルの切り替えで設定します。ただ、シャッター速度ダイアルを回すと知らないうちにAEおよびAEロックのポジションに入ってしまうことがあります。(低速B側からも高速1/4000からもAEに入ってしまうのは問題だと思います。)これを解除するのにはシャッターダイアル中央のボタンを押す必要があるのですが、ここはAE/AELに設定する場合にもボタンを押し込むような仕様だったほうがいいのではないでしょうか。
ファインダー内の表示はフレームの左側にシャッター速度が赤いLEDのデジタルで表示されます。特にAEで撮っているときには気にならないのですが、マニュアルの時は測光値と実際のシャッター速度が2つ点灯し、測光値が点滅するのでなかなかにぎやかです。とはいえ、適正露出値と実際のシャッター速度の差がそのまま見えるのは使いやすく、M6TTLやベッサシリーズのように露光値の差が正確に読み切れない露出計と比べるとずっと安心感があります。
また、ストロボX接点が1/125である点も見逃せません。ライカはM3以来ずっと1/50なので、折角M6TTLでTTL制御のできるストロボを導入したとはいえ日中シンクロなどの撮影の幅がたいして広がった訳でもなく、かえってTTL制御のために組み込まれたCPUのために軍艦部がやや高くなってしまい、不評を買っているのはご存じの通りです。TTLを使うのならライカM6TTLよりもむしろヘキサーRFに専用ストロボの組み合わせの方がいいかもしれません。ただ、このヘキサー専用ストロボ、雑誌などを読む限り性能の方はもう一つという感じがしないでもないのですが・・・
あとシャッターの切れ味が今一つすっきりしないのが気になります。これはシャッターボタンのつくりがかなり薄めなうえ、シャッターボタン周りのカラーが高めであること、およびシングルショットモードでは動作音を押さえるためかフィルムの巻き上げに少し時間がかかるためだと思われます。シャッターストローク自身もかなり短めの上、いったんボタンを元の位置に戻さないと次のシャッターが切れない仕掛けになっています。これをある程度回避するには、より高速でフィルム送りが行われる様に、シャッターモードをシングルショット(S)からコンティニュアス(C)に切り替えれば多少ましなりますが、ついつい必要以上にシャッターを切ってしまう結果となります。フィルムの売り上げを伸ばそうとするコニカの陰謀かもしれません(笑)
とはいうものの、コニカKMマウントは実際ライカMマウントと同じでMマウントレンズがほぼ制約なくつきますし、LMアダプタをつければ昔からのLマウントを始め最近のコシナ製フォクトレンダーレンズもすべて取り付け可能です。一部、測光方式(シャッター幕の前にある白く塗られた遮光幕を測光する)により後玉の出っ張ったレンズの使用には制限がありますが、ベッサRにはつかなかったジュピター12(35mm/f2.8)もLMアダプタを介して問題なく取り付けられ、多少露出値を補正してやれば十分使えますし、沈胴のエルマーもぎりぎり問題ありません。(ただし、古いライカレンズにはいろいろばらつきなどもあることが考えられますので実際に撮影する前にテストする事が必要です。)何しろライカマウントでAEが使えるカメラはミノルタCLE以来ですから、ロシアレンズや古いLマウントのニッコールなどをつけてのお散歩には十分ですし、コシナのカラースコパー35mmやリコーのGRレンズ(21/28mm)などをつけるとなかなか精悍でスナップに持ち出すことも多くなっています。

ボディの大きさはほぼライカM型と同じでやや大振りな感じです。同時に使って違和感はないのですが、ボディに張られたゴムがやや柔らかく、ぐにゃっと言う感じなのは好みの問題とはいえ、あまり好きになれません。この手のカメラは力をいれて握りしめることも多いのでぜひライカのような堅い革張りにして欲しいところです。
他方でこのヘキサーRF、発売からしばらくたって購入したのですが距離計が微妙にずれていました。広角、標準レンズだと気にはならない程度なのですが、エルマリートやヘクトールなどの望遠レンズをとっかえ、ひっかえしてテストしてみてずれが判明しました。もちろんコニカのサービスセンターに持ち込んだら修理してくれたのですが、返送料までコニカ負担で送り返されてきました。まあ当たり前のサービスと言えばそうなんですが、面倒見の良さに少し感激した次第です。
さて、コニカに対するお願いは、これまで3本(近々4本となる)限定Lマウントレンズを通常のラインアップに加えて欲しい点です。藤沢商会が企画してコニカが制作したといえ、これらのレンズはすばらしい作りで写りも現代的でライカで使うのにぴったりなのですが、いかんせん発売数がせいぜい2000本となかなか入手困難で中古市場でも高値をつけています。その関連でついでに「ライカL→コニカKMマウント(笑)アダプタ」を発売して欲しいと思います。ライカ純正は高いですし、実用的にはコシナ製で十分なのですがコシナ製のものはファインダーフレーム切り替えがスパッと行かないものもあるので是非お願いしたいところです。
21世紀を記念してチタンカラーのヘキサーRFが2001台限定で発売されました。別に欲しいとは思わないのですが、組み合わされた50mm/f1.2のレンズは魅力的です。レンズのみ中古ショップで見かけることもありますがなんと普通のボディが2台買えてしまうほどの価格がついています。是非このレンズも通常のラインアップに加えて欲しいものです。
この記事を書いてからずいぶんたちました。そしてとうとう2004年になって「ヘキサーRFの発売が中止される」というニュースがブリュッセルにも届きました。コニカ・ミノルタが合併してカメラ部門は徐々に閉鎖もしくはデジカメに移行していく中、仕方がないのかもしれませんが、とうとうカメラからKonicaの名前が消えてしまうことになるのはとてもさびしいものです。