皆が幸せになる情報化社会の設計図

まえがき
 
 今、パソコンなど情報機器やネット通信インフラや業務パッケージの充実で、一見情報化社会の観を呈している。
 しかし、これが情報化社会なのだろうか?人々は情報化社会の恩恵を受けているのだろうか?

【情報化社会の定義】
 私の考える情報化社会の定義は
 『社会的規模の情報を目的を持って収集・加工して、人々の潤いのある豊かな生活を実現する社会』です。

 また、豊かな生活とは
 『皆が本来持っている天賦の才能を生かして人々に喜んで頂くために生産活動を楽しむ人間尊厳の生活』です。

 この豊かな生活で生み出された貴重な商品をムダ・ムラ・ムリ無く確実に消費者へ供給しなければならない。

 その為には、人々が消費する膨大な商品情報を各個人毎に正確に管理する"個客DB"を構築しなければならない。
 この、"個客DB"を観察する事で、お客様一人毎に喜ぶ商品が見えてくる。

 つまり、何をいくつ作るべきか分かってくる。
 この"個客"データベースの運用なくして、"あるべき情報化社会"は実現できない。

 だから、今の世の中はまだ情報社会のほんの入口でしかない。

【日本での情報化社会実現への取組み状況】
 つぶやきのツイッター、ブログ、SNS、ホームページなど情報発信手段は多様化し、情報検索サイトも多く、手軽に目的の情報にアクセスできる。
 さらに、グリッドコンピューティングでCPU共有化が進展し、データ伝送手段も、有線だけでなく、無線LANや携帯電話によるモバイル通信も実現して、一部ではユビキタス社会を実現。
 一見、情報化は、百花繚乱の様相を呈している。

 他方、現在の日本社会を見渡すと、いよいよ経済は疲弊し、失業者は巷に溢れ、先の見えない閉塞社会の闇は深くなり続けていて、明るさは全く見えてこない。

 公務員の税金無駄使いの天下り、
 大企業への「富」の一極集中、
 マネーゲームとモラルハザード、
 米金融機関トップの征服者的な強欲報酬、など

 富める者は益々富み、貧しき者は益々虐げられており、
 資本主義の宿業である「不当な富の格差」が拡大している。

 特に、巷の常識・道徳・倫理観も、欺瞞と自己虫と無知に汚染され、
 何が正しく、何が間違いなのか判らなくしている。

 今、大多数の人々は、経済的にも、精神的にも、追い詰められ、
 政治・経済・社会・隣人への怨嗟・非難・中傷で、気を紛らせるだけで、
 出口が見えない閉塞社会に、憔悴している。

 2004年5月に、元東大教授公文俊平氏の講演に参加する機会を得た。
 この講演で、閉塞社会の打開には、‘情報化社会への脱皮が必要’との論旨に共感し、
 その後、何回かお会い頂き薫陶を受けた。
 なお、公文氏は、現在も多磨大学に情報化社会学研究所の所長として、
 アカデミックな研究・教育と社会的な実践を通じて、
 日本の情報社会の発展に貢献するとともに、活動成果を広く社会にアピールされている。

 しかし一方、将来ビジョンを示すべき政治家も官僚も、
 閉塞打開への道筋も将来の情報化社会の夢も語らない。

 頼りになると思っていたコンピュータメーカーも、
 お金にならない‘皆が幸せになる’情報化社会構築の創造事業よりも、
 確実に稼げるパッケージソフトの販売事業に傾注して目先の利益追求に走る。

 1日も早く閉塞社会から脱出しなけならないのに、
 こんな調子では、‘皆が幸せになる’「情報化社会」は、当面実現できそうにない。

 そこで、私なりに情報化社会へ緒を付けるべく、情報化社会構築のモデルを本にしたいと、思い到った。
 私は、小売業の情報システムに30年在籍して、小売業のシステムを構築/運用した。
 その経験から、システムはできるだけ広範囲の自社及びお取引先の企業活動を
 総合的に設計して「全体最適」を構築しないと、大きな効果が出せないとの経験則を得ていた。

 そしてこの経験則から、小売業のPOSレジから入力されている大量の情報を社会全体で有効に活用することで、
 日本経済全体の活性化を実現できるはず!と、情報化社会構築へのストーリーを描いた。

 今、不況に苦しむアパレル業界と商店街との活性化を、「社会的規模の情報を目的を持って収集・加工」すれば、
 こんな「全体最適」の情報化社会を実現できて、皆が幸せになれる。と、モデルを創作した。

 また、私は、私を育ててくれた小売業に誇りを持っています。
 そして、小売業が世を引っ張り上げなければ、経済は活性化しないと信じています。

 そんな大切な小売業全体の繁栄を願って、いくつか経営改革提案書を書いています。

 特に、本著第5章実施設計の「顧客データベースプロバイダー」において、
 個客情報の公開および、
 異なる小売業でも共通決済できる「統合型電子マネー」の運用、及び、
 小売業界で共通に利用するシステムの共同開発・共同利用の考え方を展開しました。

 小売業界がGSRとして団結し、
 ここでご提案致しました「顧客データベースプロバイダー」構想を実現できれば、
 一挙に情報化社会が近づくと信じます。

 これは、壮大な夢物語で実現不可能と一蹴されるかも知れませんが、
 技術的には実現できますから、小売業経営者各位の決断を待つだけです。

 そんな‘皆が幸せになる’「ストーリー」と、‘小売業が繁栄する’「経営改革提案」とで、本著を構成しました。

【本著誕生の経緯】
 本著が誕生するまでの経緯を、少し書かせて下さい。

 私は、小売業勤務時代に、POSレジ導入検討を行った。
 (POS「Point of sale」とは、「販売時点情報管理」の意、“いつ・どの商品が・どんな価格で・いくつ売れたか”)

 POS関連業務として、クレジットカード、友の会、ポイントカード、配達代引き販売、など、
 システムを自力構築した経験があった。
 また、今後の流通戦争を勝ち抜くには、
 お客様一人一人の商品購買履歴である「個客DB」構築が不可避と思って、各社の提案を検討した。

 そんな中、丸井系情報企業のM&Cがシステムの売込に来られ、その説明を聞いて驚いた。
 ONライン方式でM&Cのホストコンピュータに個客情報データベースを構築するとの事。

 そんな事をしたら、
 地方の零細食品スーパーでは高額の運用コストを負担できないし、
 レジ待ち時間も長くなり、お客様にご迷惑をかける、など
 実用に耐えないと判断した。

 そこで、安くて・堅牢で・早く・処理できるOFFライン方式のPOSを設計して、
 コンピューターメーカー及びカード処理器メーカーと仕様を確認していた。

 しかし、勤務していた食品スーパーがレジャー産業でつまずいて、合併されて消滅した。
 一度は、開発を諦めたが、「ノボセモン」の性、どうにかして、このPOSを世に出したいと思い、
 「情報化社会の実現」構想の‘主力エンジン’として紹介する為に、本著を平成8年9月に自費出版した。

 なお、出版前に、あるコンテストに、このPOSを‘如意POS’として応募した。
 その後、日刊工業新聞が出版する月刊バーコードから、寄稿依頼があり、その求めに応じて寄稿して、4回掲載された。
 その4回の寄稿文が本書の骨子になっている。
 また、設計の仕事に見立てて、
 第1章:外観図、第2章:主力エンジンの設計図、第3章:垂直断面図、第4章:水平断面図、第5章:実施設計の構成とした。

 特に、第3章で、情報を小売業の川下から、糸製造の川上へ垂直方向に共有して、アパレル(製造)業界の「全体最適」を実現し、
 第4章で、情報を異業種の商店へ水平方向に共有して商店街(商業)の「全体最適」を実現するストーリーに仕立てた。

 技術屋のひとりよがりの浅薄な提案で、読まれたら失笑されるかも知れない。
 しかし、今は誰かが社会全体の「全体最適」設計の必要性を唱えなければならない時だと思う。

 幸にも、私には30年の情報システム自力構築・運用の体験と知識があり、
 システム構築成功時の脅威的な改善効果と、
 構築に成功した為に、経営に落とし穴を作ってしまった、苦い体験もしており、
 その成功と失敗の実務体験に基づいて書く事も、意義ある事かもしれない、と思った次第です。

 私が言うまでも無く、世界はグローバル競争が激化して、
 視野を日本だけでなく世界へ広げなければならなくなりました。

 さらに、人々の暮らしは、成熟化して、価値感も多様化した。
 そして、それに対応する社会の仕組みも、多様化・高度化して、複雑に絡み合って、
 「先が読めない」状態に陥っている。

 この「先の読めない」現状に翻弄されないで、
 「あるべき形を創造し、それを目標として設定」して、力強く前進することで、
 明るい未来の‘皆が幸せになる’「情報化社会」が見えて来ると信じたい。

 また、日本だけでなく、世界の全ての人々が尊厳を持って楽しく生きられなければならない。
 その為には、世界全体をバックグラウンドにした「全体最適」が、
 環境の変化に適応して維持され続けなければならない。

 私には、そんな「世界全体最適」の情報化社会の姿を示すことは出来ない。
 しかし、まず小さな範囲で、情報化社会の方向性を示して、情報化社会に緒を付けることは出来るかも知れない。

 そして、進むべき方向が判りさえすれば、
 賢明な皆様達が協力して本物の‘皆が幸せになる’「情報化社会」を構築して頂けると、
 願っての「失笑覚悟」の無謀で真剣な挑戦が、本著誕生でございます。

 本著を読まれて、ご賛同頂けたら、なるべく多くのお知合いにメールで、流布して頂ければ幸です。

 また、ご意見・提案などありましたら、どうぞお気軽に当HPのメールからご連絡下さい。
 さらに、宜しかったら、私と直接電話とメールで、情報交換やご教授をお願いしたい。
 皆さんのご指導と叡智と協力で、情報化社会構築を加速させて頂きたいものです。

 そして、情報化社会実現を祈って下さい。
 多く人々の祈りがあれば、必ず‘皆が幸せになる’「情報化社会」を、実現できると信じています。



有限会社 シーエスラボ
  初版 平成8年9月22日 (平成22年2月22日 改定)                    吉田豊昭







目 次


        第一章 情報化社会の外観図
           《ボクシングと21世紀社会》

            弟と浪速のロッキー  ・・・・・・・・・・・12
            ロッキーはチャンピオンに
                 いかにして勝ったか ・・・・・・12
            チャンピオンは何故負けたか ・・・・・・・・14
            流通戦争とボクシング ・・・・・・・・・・16
            男の値段 ・・・・・・・・・・・・・・・・・16
            教育とは人格向上の手助けをする事 ・・・・19
            個客データベースの運用は慎重に  ・・・・・21
            21世紀の社会は、人間尊厳の協調情報化社会・・22
            その後の二人 ・・・・・・・・・・・・・・23

         第二章 主力エンジンの設計図
             《個客データベースの構築方法》

            イオンとウォルマートの売上コスト差・・・・・・25
            売上コスト格差の原因・・・・・・・・・・・・・・25
            日本の経営者は、伝統的にシステムに弱い?・・25
            システム格差について・・・・・・・・・・・・・・25
            ウォルマート情報システムの目的は「競争優位を維持するためのIT利用」・・・・26
            情報システム構築の要点・・・・・・・・・・・・・・26
            小売業情報システムの課題と、課題解決方法・・・・・・・・26 
            ウォルマートが拡大を続けられる仕組み・・・・・・・・26
            情報武装型小売業を目指して・・・・・・・・・・・・26 
            キャッシュレス化の提案・・・・・・・・・・・・26 
            「前」「同時」「後」の3Way支払い対応と、
                お客様サービス強化で構築される個客DB・・・26
            個客DBによる販売促進と生産性向上・・・・・・26
            ナナコが齎す、情報システムの変革の可能性?・・・26
            後払いによるキャッシュレス化の提案・・・26
            二番手では、生き残れない・・・・・・・・27
            従来の個客データベースの問題点・・・・・・・30
            ONライン方式の
                個客データベースは高コスト ・・・30
            プリペイドカードのチャージ自販機も高コスト・・31
            顧客管理の課題とPOS設計 ・・・・・・・・・・・・32
            如意POSの機能 ・・・・・・・・・・・・33
            友の会のパワーアップ ・・・・・・・・・・・36
            タイムカード&リアル作業報告・・・・・・・38
            如意POSの概要説明 ・・・・・・・・・・・39
            如意POSのセキュリティ ・・・・・・・・・41
            小売業の立場で欲しいPOS機能・・・・・・・44
            POSの基本機能・・・・・・・・・・・・・・・47
            重点主義で百%は狙わない ・・・・・・・・48
            如意POS試作機の紹介   ・・・・・・・・48
            社会全体最適へ向けて:コンピュータメーカーの責務・・49
               1.オピニオンリーダーの情報操作の怖さ・・・・49
               2.私の構築したシステムを、私に売りに来たドジなERPソフトベンダーの実話・・・49
               3.M社の総入れ替え戦略に、企業のビジネスインフラは崩壊の危機に陥っている・49
               4.ASPやERPパッケージ導入企業の顛末・・・・・49
               5.小売業CIOの役割   ・・・・・・・・49
               6.日本のソフト技術者を育てることが情報産業界の使命・・49
            社会全体最適へ向けて:金融機関の責務・・・・・・・・・・・・50
               1.クレジットカードの問題点  ・・・・・・・・・・・・50
                 @クレジットカードが小売業の個客管理を妨害している
                 A現行クレジットでは、キャッシュレス化はできない
                 Bポイントカードの安全性に疑問
                 CICカード移行で発生する新たな挑戦課題
               2.クレジット業界への提言・・・・・・・・・・・・51
                 @キャッシュレス化を実現
                 Aスキミングの完全撲滅
                 B小売業へカード製造(識別)番号を公開する
                 CICカードのカード製造番号が重複しないように管理する
                 DICカードの共有化の促進
            顧客情報の共有化・・・・・・・・・・・・52


           〈二章末資料〉
            図1如意POS機能一覧表・・・・・・・・・54
            図2精算リストとレシートの運用例・・・55
            図3如意POSシステム概要図 ・・・・・・56
            図4カードデータの形式・・・・・・・・・・・57
            図5如意POSのセキュリティ・・・・・・・58
            図6ON対OFF−LINE対比表・・・・・・59
            図7クレジットカード申込書  ・・・・・・59


         第三章 情報化社会の垂直断面図
           《アパレル業界への個客データベースの提案》

            夢はかなうこと ・・・・・・・・・・・・・・60
            情報化社会は人類の夢 ・・・・・・・・・・60
            顧客管理と個客管理 ・・・・・・・・・・・・61
            アパレル業界への個客データベースの提案・・61
            アパレル業界の個客データベースの内容・・・・62
            共通コードの制定 ・・・・・・・・・・・・66
            共通値札の形式 ・・・・・・・・・・・・・・66
            共通発注書の形式 ・・・・・・・・・・・・68
            発注書項目の説明 ・・・・・・・・・・・・・68
            A共通新規発注データの説明 ・・・・・・・71
            発注データの構成 ・・・・・・・・・・・・・73
            発注の方法  ・・・・・・・・・・・・・・75
            個客データベースの実現へ向けて ・・・・・・76

           〈三章末資料〉
            図1共通値札の形式・・・・・・・・・・・・・77
            図2A共通発注書の形式・・・・・・・・・・78
            図3A共通新規発注データ形式1 HM・・・・79
            図3A共通新規発注データ形式2 WV・・・80
            図3A共通新規発注データ形式3 M・・・・・81

         第四章 情報化社会の水平断面図
           《商店街活性化対策》

            商店街は地域文化の守り神 ・・・・・・・・・82
            チェーンストアーの功罪 ・・・・・・・・・83
            これからの商店街の存在価値 ・・・・・・・・84
            キャッシュレス化の実現・・・・・・・・85
            情報武装商店街構想 ・・・・・・・・・・・・86
            商店街の足並みの乱れ・・・・・・・・・・・88
            第一段階 ・・・・・・・・・・・・・・・・・89
            第二段階 ・・・・・・・・・・・・・・・・90
            第三段階 ・・・・・・・・・・・・・・・・・91
            商店街本部の収益事業の業務 ・・・・・・・92
            商店街情報化事業失敗の原因 ・・・・・・・・98
            事業成功の条件 ・・・・・・・・・・・・ 99

         第五章 実施設計
            《情報化社会実現へむけて》
            キャッシュレス化の目的 ・・・・・・ 04
            キャッシュレス化実施手順 ・・・・・・・ 06
            カード利用率を上げる方策 ・・・・・・・ 08
            どこでも使える共通決済プラットホーム・・・ 09
            小売業のGSR事業 ・・・・・・ 10
            統合型電子マネーと地域通貨・・・・ 13
            個客データベースの利用方法 ・・14
            個客データベースのセキュリティ ・・・・・ 15
            個客データベースプロバイダーの業務範囲・・・ 16
            本著は、小売業GSR共同事業体設立趣意書の原案・・・17
            日本発の世界標準 ・・・・・・・・・・・・ 17

         あとがき                  ・・・・・・・・・・・・18
         私の情報化社会構築活動報告(suica、edyレシート)・・・・・・18

         【連絡方法】



第1章情報化社会の外観図


第一章  情報化社会の外観図
      《ボクシングと二十一世紀社会》

【弟と浪速のロッキー】
 少年マガジン平成8年2月9日発売の8号に、NHKの大河ドラマ『秀吉』の石川五衞門役で活躍中の『浪速のロッキー』こと赤井英和氏の自叙伝が掲載された。

 このマンガによれば、赤井氏は、高校生時代は大阪のある高校のボクシング部の部長をしておられた。
 喧嘩はめっぽう強いが、全国レベルのボクシングの競技会では、いつも負けていた。
 そんな時に、青森国体が開かれ佐賀の吉田信次と対戦しなければならなくなった。
 この吉田信次は私の弟で、全国高校の体育大会であるインターハイの二年連続チャンピオンで、モスクワ五輪オリンピックの最有力選手であった。

【ロッキーはチャンピオンにいかにして勝ったか】
 当然、赤井氏の回りの人達はチャンピオンに勝てる訳が無いとあきらめるが、赤井氏は吉田信次を倒す為に本格的にコーチについてトレーニングを猛然と開始した。

 おそらく、このコーチは弟の事を徹底して調査し、左の強化にしか活路がないとの結論を出した模様で、左の使い方だけしか教えなかったそうだ。私は、この試合の事は知らなかったし、このコーチとは会った事もないから、これから先は推測で話す。

 このコーチは、左の使い方だけで、ほかの事は一切教えなかった。
 この『ほかの事は一切教えなかった。』ことに、作戦の成功の鍵がある。
 このコーチの戦略は以下のようなものであった。

 ・左は世界を制すと言われるほど重要な要素だ
   だから、左だけは絶対にチャンピオンに勝てるようにしなければならない。
   これが負けるようでは、他で勝っても意味が無い。この事に徹底して集中した。

 ・左だけのパンチでも勝てる事を徹底して信じ込ませる。
   一つの事に対する自信を徹底して持たせること。
   つまり、左の有利さの教育と、赤井氏の左の技術がチャンピオンより優れていると
   の絶対の自信を持たせる事。
   『信念で思って行動した事は実現する』この信念を持たせるため、左だけで勝てるとの絶対の自信を
   徹底して植えつけた。
   そして、赤井氏は、この信念と、努力した自信と、勢いとで、気力が充実して試合に挑んだ。

 ・試合の進行状況に合わせて的確な作戦を指示する事。
   この試合の時の、赤井氏の冷静な状況がマンガのコマから推測できる。チャンピオンを良く観察している。
   後述するが、弟がむきになって力んでしまうが、赤井氏のコーチはこのチャンスに、状況を良く把握し
   相手の心理状態を読んだ的確な作戦を指示した。

【チャンピオンは何故負けたか】
 弟は、生まれつきのサウスポー。また、中学三年生の時に一人で、同級生の不良グループ10人と喧嘩して、
殴り勝ちをするだけの強いパンチ力と、百メートル10秒台で走る強靱な足腰とスピードとを持っていた。

 その上、青森国体の前年に開かれた佐賀国体の強化選手として、優秀なコーチが四名(先に、佐賀県スポーツ功労賞を受賞された山口正一氏等)ついておりテクニックでも群を抜いていた。

 とても当時の赤井氏がいくら左の練習しても勝てる相手ではなかったと今でも思っている。
 ところが、弟は当日は40度位の熱があった。
 その上に、赤井氏の過去の戦歴である古い情報に基づき、簡単に勝てる相手だと判断ミスをした。
 "いつもの試合のように簡単に勝てる、絶対負けるはずが無い"との軽い気持ちで試合にのぞんだ。

 そして、思いがけなく左のパンチを貰った。
 弟には絶対に負けない自信と、相手に対するおごりがあった。
 そのため、カッとなって自分を失った。

 打たれて負けているポイントを挽回する為に、相手を追う、熱がある上に力んでいるために動きが鈍く、思うように体が動かない、相手は逃げながら左のパンチを繰り出す、これが当たってクロスカウンターとなり、パンチ力以上のダメージを受ける、ますます焦って追う、時間は経過する、・・

 自分のボクシングができないまま、僅差の判定で破れてしまった。
 もし、弟に相手に対する謙虚さがあれば、最初に左を貰った時に、謙虚に相手の力を認めて冷静に対応できた。

 弟には、左の旨さ、強靱な破壊力、テクニック、スピード、どれを取っても、相手に負ける要素は無かった。
 ところがおごっていたため、相手を力任せにねじ伏せようとして、力んでしまって、自分を失って、正確な状況判断ができなくなってしまった。

 しかも、相手は最高に気力が充実し乗っている。
 奇跡は起こった。あのマンガの赤井氏のバンザイになってしまった。

 つまり、チャンピオンは相手の力量についての情報不足と、おごり故に試合の正確な状況判断ができなくなった事との、二つの情報判断の誤りが重なって破れてしまった。

【流通戦争とボクシング】
 流通業もボクシングと同じく戦いが、毎日毎日繰り広げられている。
 中央大手の大資本対地元の小資本、百貨店対専門店、郊外大型店対地元商店街等の戦いが繰り広げられている。
 この中で、流通戦争に勝ち残って行かなければならない。

 資本力、商品力、技術力、人材、信用、地元の利、情報等を駆使して戦いに挑む。
 そこで、赤井氏がチャンピオンに勝った戦い方を流通業に当てはめて考えて見たい。

 まず勝つ為には、
・目的(夢)を持つ事。
 赤井氏はチャンピオンに勝って、モスクワオリンピックの代表になる明確な目的(夢)があった。
 やはり、流通業で成功するためには、目的(夢)である企業の理念・目的を社是や社訓に明確に示さなければならない。 また、その理念・目的は万人が認め、受け入れられるもので、相手より強固で優れていなければならない。

【男の値段】
 NHKの大河ドラマ『秀吉』の2月4日『男の値段』の放送で「部下の働きを正当に評価し、その評価に応じた褒美を出す。」
 つまり、部下のやる気を引き出す報償制度を如何に運用するかが、武将の優劣を決するとの解説があった。

 一昔前は、商品を置けば売れる単純な売手市場で、全従業員が一人の社長の言う通りに動くトップダウンだけの指令系統で良かった。

 しかし、現在ではお客様の好みが多様化・成熟化して、商品の種類が多くなり、かつ商品の寿命であるライフサイクルも短くなり、商品が売れなくなってしまった。

 その結果、店や商品が巷にあふれ、商品を売る側が強い「売り手市場」の時代から、商品を買うお客様が強い「買い手市場」へと移行した。

 このような競争の激しい買い手市場では、社長の経営方針が今まで以上に緻密で優れていなければならないのは当然である。
 その上、その優れた経営方針を実現するために全従業員が社長代行になって臨機応変な判断・行動をしなければならない。
 この全従業員が、社長代行になって一生懸命に行動する仕組み作りの為には、『男の値段』に応じた報奨を与える『部門別損益計算』の仕組みが不可欠。
 この『部門別損益計算』で計算された利益に応じて正当な報奨を与える事が、従業員に目的(夢)を持たせる。

・相手を研究する事。
 戦う相手の正確な情報を収集する。
 その情報から相手の商売の手の内を探ります。

 つまり、戦う相手の出店戦略・商圏人口・客層・シェアー・品揃え商品の品種や価格帯、店舗の立地、売り場面積、チラシ、店員の言葉使い等の教育のレベル、ポイントカードのホルダー率、そしてその経営基盤を支える情報システム力、
 特に、顧客商品購買履歴の活用とベンダーとの販促協調体制等の情報を収集して、相手の経営理念・業態・結束力・勢い・実力などまでを正確に把握します。

・何を武器に戦うかを決める事。
 相手の正確な情報から、何を武器にするかを決める。絶対に相手に負けない武器を作る。
 それは、お客様が支持をしてくださるものだから、安さや質や味を徹底して追求する場合もあるし、頭が良くなる、健康に良い、美しくなる、環境保護を武器にする場合もある。

 これら無限種類及び無限成長の商売の可能性の中から、自分が使うと一番威力を発揮する武器を一つ決める。
 全ての面で勝つ事など不可能で、実現しても長続きしない。
 もちろん、商圏人口・商売の仕方・シェアー・立地・共同出店等の戦略とのバランスが重要。

・武器を徹底的に磨き込む事と、その武器に自信を持たせる教育
 自信がなければ、お客や従業員はついてこない。
 だから、気合でツキを引き込むことが必要。『精神一統、何事か成らざらん』の気概で、武器である従業員と商品とを徹底的に磨き込む。

 あるディスカウントストアーの上場企業では、社長自らが講師になり毎朝一時間の勉強会を開いている。
 この勉強会の内容はチェーンストアーの原理原則の技術。
 朝の営業前の一番貴重な時間にしかも毎朝だ。
 同じ事ばかり繰り返し勉強して、一見無駄に思われるが、技術論で全従業員の考え方を一つの方向に収斂し気合を入れる。
 つまり、全従業員の努力の方向のベクトルをピタリと一つにする効果は絶大で、年率20%以上の増収増益を達成しており業績好調。

【教育とは人格向上の手助けをする事】
 そもそも、お客様に支持されない小売業は存在することはできない。

 したがって、教育の根底は『お客様に満足してもらう』です。その為、お互いの「人間の尊厳」を認めあう心を大切にする『お客様に感謝し奉仕する』社風を創ることです。

 そして、教育とは『従業員がお客様への奉仕を通じて、独自の創造技術を向上させる尊厳を感じる手助けする事。』だと考えます。

 現在の日本社会は、お互いの「人間の尊厳」を認めあう心が乏しくなって、自分だけ生き残る為の、心ない経営が幅を利かせた。
 この為、日本の会社が頑張れば頑張るほど、ますます外圧は激しさを増し、国内産業もコストの安い海外へシフトして空洞化で、失業者が巷に溢れる閉塞社会へ陥ってしまい、益々競争は激しく、物価はデフレになり、お互い同士が首を締めあって飢餓の状態を呈しつつある。

 もうそろそろ『自分さえ良ければ』と言う諸悪の元凶である利己主義バブルを破裂させ、人間尊厳の思想に基づく協調主義へ教育の舵を切る時期と考えます。

・戦いの状況を正確に把握する事
 強いチャンピオンであっても情報を間違えたり、状況判断を正しくできないと負けてしまう。
 自分の店が一番重要とした武器で『相手に勝っているか』状況把握できなければならない。

 つまり、武器の商品が狙い通りの客層や地域に売れているかを正確に把握する事が必要。
 ともすれば、その店の経営者自身の好みの独りよがりの商品が一番良いと思いがちだが、狙い通りの客層や地域に売れているかの実績情報を分析する事で、商品の品揃えが"正しかったか"検証ができる。

 そして、品揃えを修正した場合の結果も検証できなければならない。
 また、相手がチラシを打って攻撃を仕掛けてきた時に"何時も買い物に来てくれているお客様は、自店に来店してくれたか"また、"相手のチラシ掲載商品を自分の店で購入してくれたか"が判れば、素早い対策を抗ずることができる。

 この為には、お客様の一人一人の購買商品の履歴である"個客"データベースの構築が必要。
 この個客データベースを駆使して、刻々変わる戦いの情報を正確に把握して、流通戦争を生き抜かなければならない。

 そして、その熾烈な競争を生き抜く過程にこそ、我々に成長の喜びと尊厳を与えてくれると、思う。

【個客データベースの運用は慎重に ⇒ 匿名顧客管理】
 この様に、これからの情報化時代の流通戦争は、この個客データベースの情報活用技術の優劣が勝敗を分ける。
 しかし、この個客データベースは、お客様のプライバシーを覗く事ができるから、取り扱いには適切な規制が必要です。

 JR東日本は自動販売機で電子マネーを販売していますが、この自動販売機方式だと、住所・氏名は管理しないのでお客様のプライバシーを守れます。
 住所・氏名は登録しないでも、カード製造vの商品購買履歴データ(個客DB)で、高度なIDマーチャンダイジングが出来るのです。

 さらに、この顧客DBを生産者と共有して、製造業者と販売業者が協力して商品化計画を推進する製販共創マーチャンダイジング体制が構築できます。

 顧客管理は、住所・氏名を登録しなければならない、との常識から、カードbセけで管理する匿名個客管理(anonymous CRM)へ、逆転の発想をすれば、顧客データベースの構築/運用は意外と簡単で、成功の確率が上がります。

【21世紀の社会は、人間尊厳の協調情報化社会】
 20世紀の物不足時代の経済システムである大量生産・効率&利益最優先の「金至上主義経済システム」が制度疲労を起こし崩壊しつつある。

 その反省に立って、21世紀の社会は、人間尊厳を大切にする「心至上主義経済システム」が望まれると考えます。
 その人間尊厳を大事にする経済システムを構築する為に、人々が購入する商品の「個客データベース」を構築したい。

 これを観察すると、個人毎の好みや地域毎の違いが判る。
 その結果、人々は自分の天性の才能を磨き上げて、「個人毎の好みや地域毎の違い」の新たなニーズを満たすべく、独自の付加価値商品や、地域独自の新商品が生産できる。
 また、その生産の過程で、自分の絶対価値を見出して自分自身に尊厳を感じることができる。

 そして、情報化社会ではこれらの価値ある貴重な商品をムダ・ムラ・ムリなく、求めるお客様の元へ供給できる。

 だから、本物の良い商品を作る中小企業が繁盛し、地域独自の商品を作る地域企業も栄える。
 地方の商業者も、大手では取組みにくい商売のやり方で十分な商いができるので地域商業も活性化する。

 したがって、「物・効率・利益・標準化・単純化」を追求する「マス・マーチャンダイジング時代」から、
 「人間尊厳の心」の大切さを追求する「心の時代」へ移行し、
 皆が互いに尊敬し感謝の心で仕事に励み、暮らしは豊かになり、欲しいときに必要な物が、手に入る「人間尊厳の情報化社会」を実現したい。

【その後の二人】
 マンガによれば、この青森国体の勝利をきっかけに、赤井氏はますますボクシングに精進し、お客様が満足するボクシングを心掛け、数多くのファンを獲得し『浪速のロッキー』の愛称で親しまれた。

 しかし、試合でお客様の満足を大事にするあまり、自分の体をかえりみず壮絶な試合を心掛けた。
 その時、もらったパンチの無理がたたり、生死の境をさまよったが、奇蹟的に回復した。
 その後は『身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ』を地で行くように、不屈のファイタースタイルで獲得したファンに支えられて、また持ち前のお客様を喜ばせる演技力で、テレビタレントとして大活躍をしておられる。

 一方、弟も裸一貫でガンバリ、引っ越しの運送会社を興した。
 そして、今でも近くの大学でボクシングを教えている。

 もし、神様が試合当日、弟に発熱という試練を与えなかったら、今の赤井氏はなかったし、弟も今とは異なった人生を歩んでいただろう。
 しかし、二人はボクシングという熾烈な環境に身を置いて飛躍した。
 私たちも、強力な商売仇が出たら『強いライバルがいるから、自分は成長できるのだ。』と思って、必死に戦い、その過程で自分の成長を楽しみながら商売戦争を戦い抜きたい。

 その結果、時には戦いに破れて、倒産や商売替えをしても良いではありませんか。

 いずれにしても、神様は味な事をおやりになる。
 私たちは今、閉塞社会の中で、いじめ・政治不信・官僚不信・子孫へツケを残す財政赤字や赤字国債・出口の見えない不況に喘いでいる。

 これは、神様が私たちに試練を与えておられる。

 そして、その試練の出口は人間尊厳の協調情報化社会だと思います。




第2章如意POS設計図
     《個客データベ−スの構築》

【イオンとウォルマートの売上コスト差】
 日本を代表する大手小売業イオンの2009年2月期の決算は27.6億円の赤字だった。

 2010年2月期の決算は、売上高5.5兆円、純利益は311億円、利益率0.6%、かろうじての黒字に見えるが、
 金融とディベロッパーの収益で黒字を確保しているのであって、小売業だけなら大赤字。

 崩壊したダイエーの後を追っているのでは?日本経済は大丈夫か?と、心配するのは私だけではないと思う。

 日本の優れた製品を販売する術を持っている日本の小売業こそが、日本経済を引張り上げる原動力である。

 外国のウォルマートが日本製品を売ったら、
 ウォルマートの日本製造業への支配力は確実に強まる。
 確かに、短期的には、ある程度の売上上昇は期待できるが、
 長期化すると、逆に、過度に依存し過ぎて、足元を掬われ、崩壊する危険性が高くなる。
 したがって、外国の小売業に日本製品を販売してもらうことで、日本経済が安定的に浮揚することはありえないと思う。

 その日本経済浮揚の鍵を握る日本最大手小売業のイオンが大赤字であることに、
 日本経済の行く末をダブらせ物凄く心配している次第です。

 一方、アメリカのウォルマートは37兆円の売上で、利益率5%以上で約2兆円の純利益を確保し拡大を続けている。

 この違いは、どこから来るのだろう。ウォルマートの販売商品の値入率は日本より5%低く設定され、安い価格でお客様を惹きつけている。
 さらに、経費は10%も低いそうである。日本より、5%安く売って、且つ経費を10%低く抑えて、合計で15%も経費が低い。
 これは、100円の売上を上げるのに、ウォルマートが20円の経費で、日本は35円の経費を掛けている事になる。

 この15円の経費の差が、イオンとウォルマートの驚嘆する程の収益力と成長力の格差の原因となっている。

 確かに、日本では、アメリカと比較して土地・建物のコストが高いし、メーカーと商社も強いから商品原価も高い。
 だから、ウォルマートと同じ数値の経営効率を求めることは出来ないと思う。

 しかし、そこを差し引いても、イオンとウォルマートの販売コストは違いすぎる。

【売上コスト格差の原因】
 その原因の一端を、2000年7月24日発行のNIKKEI BUSINESSに見ることができる。

 記事によれば、ウォルマートは毎朝4時に前日分の1,000万人分のお客様購買データを毎日ベンダーに渡している。
 その見返りにベンダーは、ウォルマート全店舗の1店舗別、且つ個客毎の購買履歴をデータマイニングして顧客毎の販売予想を集計して、商品供給計画を立案するそうだ。

 ベンダーに計画立案させる効果は
 @膨大なデータ分析をベンダーに代行させる事で、小売業のデータ分析及び最適商品化計画作りのコスト削減。
 A在庫リスクをベンダーに分散。
  つまり、計画を達成できない場合はベンダーが何らかの損失補填を行なうか、若しくは取引先を変えて、新たな競争状態を作ってコスト削減を完遂、の2つのメリットがある。

 一方、日本の小売業はデメリットが3つある。
 @自前のマーチャンダイジングでデータ分析にコストをかけて、
   さらに、売場現場はコスト削減と称して短絡的に正社員をパート化アルバイト化しており、
   商品知識の無い作業員が商品発注を行なうので、適正発注が出来ないで、余計に経営効率を落としている。
 A在庫リスクも小売業だけが負っている。
   消費の多様化、商品のライフサイクルの短縮化、生産技術革新の早さ、世界中からの商品開発競争、等…の影響を勘案すれば小売業だけでの商品化計画が難しいのに。
 B無理な全店統一の標準化のコスト高
   日本のチェーンストアーの場合は、何故か盲目的に全店標準化をする企業が多い。
   コストパフォーマンスを良く検討していないから、無駄が多く、効果が低い。

 この3つの非効率が無駄な販売管理コストを増大させている。

 ウォルマートは2つのメリットを享受し、逆に日本の小売業は3つのデメリットから抜け出せない。

日本の経営者は、伝統的にシステムに弱い?
 太平洋戦争で、日本はアメリカに負けた。アメリカの物量に負けてと言われるが、システム力に負けた面があると思う。

 アメリカは、戦艦から機動力のある飛行機に素早く切り換えた。
 また、兵器・燃料・食料などを戦闘部隊へ届ける補給システムの兵站を整えた。
 つまり、総合的な観点から複数の方策を合理的に組み合わせて「総合力」で戦争を戦った。

 一方、日本は、戦争全体よりも、目先の個々作業で最も最善の方策の「個の効率」追求で戦った。

 このアメリカの「全体最適」戦略が、日本の「個の効率」戦略に勝ったと、私は思っている。

 この戦略の違いが、イオンとウォルマートのコスト差であり、日本の経営者は伝統的に「全体=システム志向」に弱い?のではと心配する。
 日本人は責任感が強く、何でも自分の責任と思って、努力する傾向が強い分だけ、連携志向(=システム志向)を重視しないのでは?、と

 しかし、日本人は、今まで幾多の試練を乗り越えて成長しました。
 責任感が強いと言うことは自立心が強い事だと思います。
 責任感が強いから、他を理解して、他と協調する能力は高いでしょう。
 だから、日本の経営者が、システムの重要性に気が付けば、アメリカよりも優れたシステムを創る経営者になると信じています。

【システム格差について】
 話しがそれましたが、元に戻します。

 前記のベンダーサポートによるコスト格差以外にも、システム力=「全体最適」パワーでも、差が広がっているのではないかと、私は思っている。

 以下、ウォルマートのシステム力について考察する。

【ウォルマート情報システムの目的は「競争優位を維持するためのIT利用」】(あるウェブセミナーインタビュー)
 これは、ウォルマートの元CIOフィリップス氏の言葉で、「競争優位を維持するためのIT利用」という基本姿勢を一貫して強調し、「ウォルマートはITのアウトソーシングは絶対にしない」と、

 また、「戦略案件である以上,ITを外部に委ねることはできない。運用はもちろん,開発も98〜99%をウォルマート内で実施している」(フィリップス氏)。
 情報システム部門の人数も非公開だが,「他の小売業に比べれば少ない。ウォルマート本社にシステム要員を集中させ,効率よく開発・運用をしているからだ」と、話された。

 これは、ウォルマートが、全情報システムを自前構築しているからこそ、
 どんな業務の変更でも、素早く&忠実&正確に対応出来て、
 タイムリーに、経営をサポートして、「競争優位を維持」している、ことを物語っている。

 ITを外部に委ねたら、対応に時間が掛かるし、思い通りの対応はできないばかりか、
 変更の度に、システムの整合性が崩れて、システム保守が難しくなり、タイムリーな経営の足枷に成り下る。
 
 日本では、自前システム構築が“情報システム経費増加の元凶”との風潮が広まっているが、
 真実は、ウォルマートが実証している通り、一番コストが安く、一番効果を奏するスキームなのです。

【情報システム構築の要点】
 前記アメリカ軍の例を引くまでも無く、国内外で、異業種や昨日までのライバルも含めた同業他社さえも協業に取込み、なるべく多くの業務を対象に「全体最適」を設計しなければ、究極のコスト削減戦争で破れてしまう。

 特に、自社の経営方針や業態やお客様の特性に適合するように、独自の組織図・仕事の流れ図、コード体系設計、など、緻密に構築しなければなりません。

 さらに、これらは、互いに関連しており、1つでも要素が変ると全部を再検討する程の高度で緻密に関連した構造であり、とても、ERPやASPのように、他社システムの焼き直しで構築できるものではありません。

 見かけ上は、稼動していても「木に竹を継ぐ」事になり、「全体最適」の効率と経営の機動力のアップを実現することは出来ないと、断言できる。
 つまり、「全体最適」システムは非常にタイトであり、妥協は許されない。
 例えば、ERPやASPを運用する為に、発生した小さな妥協が、全体のバランスを壊す可能性は高い。

 以下、「全体最適」システムの緻密さを、技術的な観点から解説させて下さい。

【小売業情報システムの課題と、課題解決方法】
・多店舗・多部門を展開する「小売業情報システム」に求められた課題

 多くの業務があり、
 且つ、それぞれが膨大なデータ量で、
 さらに、仕組みも変化し続ける中で、
 「労働生産性の向上」と、
 外部鑑査に耐える「数値信頼性の確立」が求められる。

 さらに、新たな経営戦略に対応して、
 目的完遂のシステムを素早く構築して経営機動力アップに貢献する、

 ことを求められた。

・課題解決:総合情報システム構築で、「全体最適」を図る
 各業務は、
  「他業務変更の影響を受けない自立」&「各業務環境内で正確な業務を遂行する自律」の分散処理とし、
  且つ、最終結果の各業務在高をホストの自前会計へ統合する。
  自前会計では、各業務の業務在高が、財務会計の勘定残高と整合しているか、自動チェックを行って、全体システムの数値整合性を図る。
  特に、自前会計はパッケージではなく自前構築だから、アプリケーションの隅々まで理解しており、
  変化し続ける各業務間の自動チェック仕様も、即時変更できて、
  総合情報システムの各サブシステム間の数値整合性を維持できる。

  その成果として、
  各業務は自立しているから、他のサブシステムに影響を与える心配が無く、思い切った業務変更ができるし、
  全業務の最終集計がホストに集中管理されているから、全体システムの親和性とバランスを維持できて「全体最適」が図れる。

 全体最適システムの実施例 ← クリック


・従来業務の見直し
1) 多種大量の伝票を、正確に早く安く処理する為の業務見直し
 多種多量の伝票及び項目に「自律」を設計。
  例えば、各種コードのチェックディジット付加、Σ明細合計金額=伝票金額など。

 さらに、伝票に予め一意の連続する伝票番号を印刷して、伝票の漏れ・重複を無くした
  特に、コンピュータ運用には予想できない事故が起きる。
  システムを信用すると、トンでもない落とし穴が待っている。
  自動車の急加速事故も、理論的には無いと確信できても、機械ならばどんな事故でも起こり得ると覚悟すべきである。

  だから、最悪の事態に遭遇した時は、最終責任を負う人間が防波堤になれるように設計すべきと考える。
  私のシステム設計では、この最後の砦の見張り番が、連番チェックによる確認を人間が行う事です。
  データ脱落の大きな事故を防ぎ、確実なデータ修正処理を可能にして、「数値信頼性の確立」できる、極意なのです。

  さらに、この考え方は、特許3061710号「レジスターシステム」であり、カード処理安全性確保の基盤でもあります。

  また、多種多量データハンドリングは、
   一意のキーが必要で、この連続番号をキーとし、
   マスター更新前のトランデータは、再入力だけの「後取り方式」としてデータ修正を単純化し、
   マスター更新を行うマスターデータは、伝票上に処理履歴を残す「赤伝・黒伝」として、「処理の見える化」を実現して、

   大量伝票ハンドリングの効率と精度を向上させた。

2)会計業務の生産性と精度向上の為に、ワンライティング化する業務見直し
 税務に資する税務会計と
 管理に資する管理会計と
 キャッシュフローに資するCF会計の3つの会計を
 ワンライティング化できるように会計伝票を再定義し、
 且つ、高度な判断を伴なう起票は、自動仕訳で機械化。

  結果、3つの会計数値が一致し、外部鑑査にも耐えた。(ハイブリッド会計を、参照下さい。)
  なお、この3つの会計だけでなく、全ての業務をワンライティング化して、業務合理化を追求し続けた。

 以上が、「全体最適」システムタイト性の技術的な観点からの説明ですが、判り辛くて申し訳ない。

 要は、総合情報システムの成功の鍵はウォルマートと同じように「自前システム構築」です。

 特に、会計は、全ての業務の終着点ですから、どんな業務の変更でも柔軟に取り込まなければなりません。
 自社構築の会計システムで、即時対応して、タイトなシステムが維持できることが成功の秘訣と言えます。

【ウォルマートが拡大を続けられる仕組み】
 昨年は、世界同時不況で、さすがのウォルマートも売上拡大のスピードが落ちましたが、
 それでも1%弱の増収を達成して拡大し続けている。

 その拡大の仕組みを、1997年8月4日発行のNIKKEI COMPYUTERのウォルマート上席副社長ランディ・モット氏のインタビュー記事に見ることができる。
  “ウォルマートは、巨大になった。
  それに伴なって、経営は加速度的に複雑になっている。
  3000を越える店舗は、全て異なる地域、気候、習慣、人種、さらに異なる国に立地している。・・・・・
  バスケット分析やデータ・マイニングのアプリケーションは一人一人の客が、何の目的で、幾つ買うのか見定めてくれる。
  3,000店舗の品揃えと在庫をそれぞれの個客に合わせて最適化することで、
  ウォルマートはいつまでも成長し続けられるはずだ” と、あり

  全店の、各店舗別のお客様毎の個客DBを分析して、個客満足を追及して、毎年、売上を伸ばし続けている。

【情報武装型小売業を目指して】
 過去のダイエーも今のイオンも、経営戦略の錦の御旗に「規模拡大」を掲げて、熾烈な出店競争を繰り広げた。

 確かに、「規模」で優位に立つと、商品供給ルートを抑えられますし、テレビコマーシャルで、広域の販促が可能になり、知名度・信用力がアップして「全体最適」の収益力向上が期待できます。
 だから、「規模拡大」は当然の正しい戦略でした。

 しかし、規模が拡大するにつれて、大企業病を発病する可能性が高くなります。
 大組織を動かす為に、教条主義・全体主義が台頭して、一部の幹部社員が‘ノルマ達成掲げて’檄を飛ばし、一般社員は「ことなかれ主義」に堕落し、考えた行動をしなくなり、環境の変化に鈍感になり、組織に活力が無くなります。

 その上、製造拠点は、世界各国へ拡大して、産地間競争による価格変動や商品ライフサイクルの短縮が頻発して、商品動向の把握が難しくなります。
 さらに、消費者の成熟やライフスタイルの変化でお客の満足する品揃えを継続することが難しくなります。

 もう、「規模拡大のメリット」だけで、競争を勝ち抜くことが難しくなりました。

 前記のウォルマート上席副社長ランディ・モット氏のインタビュー記事に見るように、「個客購買履歴のデータ・マイニングのアプリケーションは一人一人の客が、何の目的で、幾つ買うのか見定めてくれる。3,000店舗の品揃えと在庫をそれぞれの個客に合わせて最適化することで、ウォルマートはいつまでも成長し続けられるはずだ」を実施すべきです。

 つまり、全従業員が、個客DBで「仮説の検証」を繰り返し、それぞれの才能を伸ばしながら個客満足を追及する「全員参加経営」を実施して教条主義・全体主義に陥らない方策を執るべきと思います。

 確かに、ダイエーもイオンもカード事業を行いました。
 しかし、残念なことに、個客管理に資するべきカード事業も、一般のクレジット会社の影響を受けて、金利収入だけを追及し、母体の小売業に必要な個客DBは構築しなかった。

 この個客DBを構築しなかったから、“お客の顔が見えない”。売上が落ちた時に、「仮説の検証」で経営を立てなおしたいが、個客満足の検証が出来ない。

 個客満足の検証が出来ないまま、対策と担当者が猫の目のように変わり、右往左往して、もがき苦しみながら底無し沼に沈んでしまう。

 小売業のカード事業は、個客DBを構築することが最優先の目的であって、決して金融機関の真似事で、金利収入を目的にすべきでは無い。
 しかし、日本の小売業は金利収入を喜んで、本末転倒してしまった。
 その結果、クレジット手数料の利益では穴埋めできない巨額の損失が発生し続けている。

 確かに、イオンは、イオンクレジットカードや電子マネーのワオンで一部個客情報を取得できるが、
 カード利用者が少なくて、個客DBの数値信頼性が確立できない。

 さらに最近は、ワオン以外電子マネーであるSuicaやEdyやiDも利用可能にして、カードの種類を多くしており、
 ますます、顧客情報の名寄せが出来なくなって、個客DBの数値信頼性が確立がさらに難しくなってしまった。

 このように、数値信頼性が確立出来ない個客DBは、「仮説の検証」に使えない。
 これでは、個客DBを構築しているとは、言えない。

【キャッシュレス化の提案】
 そしたら、どうしたら良いか?

 それは、キャッシュレス化でお客様に「便利買場」を提供すれば実現できます。

 「個客BDが無い」ピンチは、チャンスの神様からの「飛躍へのお計らい」です。
 キャッシュレス化で、お客様を喜ばせれば、自然に'個客DB'が構築できて、飛躍へのステップができるのですから。

 ただし、クレジット事業の金利収入獲得よりも、個客DB構築に経営戦略を転換する必要があります。
 「金利収入」よりも「お客様の顔」を見て、小売業本来の使命に目覚めれば再浮上できると、チャンスの神様が教えていると、私は思っています。

【「前」「同時」「後」の3Way支払い対応とお客様サービス強化で構築される個客DB】
 しかし、キャッシュレス化一括口座引落しの「後」だけでは、カードホルダー率は、50%位と思われ、この程度のカードホルダー率では、個客DBの数値信頼性が確立できない。

 そこで、プリペイドカード「前」と現金ポイントカード「同時」の顧客情報も個客DBに加える。すると、カードホルダーは90%位にアップする可能性がある。

 さらに、お客様の利益になるようなカードサービスを提供すれば、自主的にカードをご利用になる可能性は高くなるので、以下のサービスも実施したいものです。

 クーポン券の発行
   (カード内にクーポン券が発行され、支払い時に自動値引きされるから、お客様は、レジでクーポンの提示不要)

 お買上げ月間合計金額に対するポイントでの利益還元
   (累計金額に比例してポイントが付与されるから、お客様の固定化が推進される。
    また、3way支払いの場合は、現金にはポイントを、後払いには金利減免を、プリペイドにはプレミアムを、
    と、それぞれ別個のサービスを付けたら判り辛いから、
    この累計お買上げポイントだけに縛ることで、サービスが判り易くなる。)

 家計簿記帳・家計簿分析
   (商品情報に、用途商品分類を設定する必要がある。消費動向調査とも連動したいものです。)

 レシピ発行
   (ネット上に表示されたお客様の購買履歴の商品明細をクリックしたら、レシピが自動表示される方式)

 以上が、近々考えられるサービスですが、

 将来は、以下のサービスも考えられます。


 住民基本台帳カードの補佐機能
   (決済カードを、国や地方公共団体のサービスを受ける住民基本台帳カードの子供カードとして登録しておけば、
    施設の予約など、それほど重要ではない住民サービスを受けられる機能も、考えられる。)

 地域通貨での支払い機能
   (後述するが、地域通貨でのお買物代金の支払いや、公共料金のお支払いに使うことも理論的に可能)

 など、お客様に喜ばれるサービスが多く付けば、このカードが無いと生活が不便になるから、
 お客様は、個客情報を取られる意味をご理解されて、
        自ら進んで積極的にカードを使い、公開に協力されると思います。


  ◇お客様が、喜んでカードを使う多くの住民サービスを、国と一緒に提供する必要があると思います。

    多くのお客様が、公共サービスでもカードを使うことで、官庁関連の仕事が合理化される。
    合理化されれば、その指令塔である霞ヶ関改革も、より進展すると考えられる。

    なお、カードの安全性は、特許3061710号「レジスターシステム」技術で安いコストで実現できます。

 この3Way支払いと、お客様有益サービスの強化で、カードホルダー率を上げて、個客DBの数値信頼性を確立する。
 その「数値信頼性を確立した顧客DB」を活用して、以下の情報武装エキセレントカンパニーが実現できます。

【個客DBによる販売促進と生産性向上】

・個客情報をベンダーと共有して製販共創マーチャンダイジング体制を確立する
 ウォルマートと同じように、個客DBを、ベンダーと共有できます。

 ベンダーは、高度なデータマイニング技術を駆使して、店舗別のお客さま毎の購買行動を緻密に予測して小売業へ商品供給して、在庫効率を高めて、且つ、売上機会損失を少なくします。

 この方式だと、店舗の発注作業も無くなるから、発注コストを削減できます。

 勿論、この方式を定着させるには、ベンダーに、以下に示す様なメリットが出なければなりません。

  ベンダーは、個客DBを観察して、今までと比較にならない程の高ヒット率で新商品を開発できる。
  さらに、自主的に商品の供給体制を組めますから、配送を合理化して、配送コストも低減できる。
  ベンダーの生産・在庫・運送・管理の全ての工程でコスト低減できる協力関係で「全体最適」を構築できる。

 この様に、生のお客様の購買履歴データは、商品製造メーカーのコスト構造を根底から低減させると思います。

 まずは小さい事から始めて、確実に協力体制を拡大して、
     ベンダーと小売業の合計のコストを下げることで、価格競争力を革命的に強化したいものです。

・小売業は、個客DBを観察して「お客の満足」を追及し続ける
 勿論、小売業は個客DBを観察して、お客様により満足していただけるサービスを提供し続ける。
 お客様の一人一人(個客ID)に対して、IDマーチャンダイジングを行う。

 例えば、売上高上位100番目までのお客さの購買商品は品切れさせない。
 これは、優良顧客に対する見えないサービスであり、ストアーロイヤリティを高める効果を奏する。

・クーポン券による顧客の固定化
 クーポン券をベンダーと協力して発行する。

 例えば、A商品を累計で10個以上買っているお客様に、関連商品であるB商品の割引クーポン券を発行する。
 この発行条件を、ベンダーの販売戦略と仮定すると、A商品を良く買うお客様にB商品を知って頂くことで、B商品の売上が大きく伸びると予想して実施する。

 このクーポン実施の販売データはベンダーに公開する。
 このデータは、ベンダーにとって有効な経営情報となる。
 だから、このように「製販共創によるクーポン発行」に伴なう値引きの原資はベンダーが負担するのが当然で、小売業の独占的地位の乱用による「値引き強要」では無い。

・匿名個客管理とエリア・マーケティング
 個人情報保護法が制定されて、小売業の顧客情報漏洩が社会問題になっている。

 そこで、その対策として、住所・氏名を登録しない。そうすれば、漏洩しても問題にならない。
 特に、住所・氏名を取らなければ、カードを即時発行できるから、一挙にカードホルダー率を上げる効果も期待できる。
 この住所・氏名を登録しないで、個客管理を行う方法は、カード製造番号を、匿名の個客IDと見なして、個客購買履歴を管理する。それでも、この匿名個客IDで、一番欲しいリピータ情報が取れる。

 しかし、住所を登録しなければ、エリアマーケティングはできない。
 そこで、郵便番号だけをお聞きして郵便番号エリアマーケティングを行われることをお奨めしたい。

 これで、お客様の郵便番号単位の居住エリア分析が行え、適正なエリアにチラシを効果的に投入できる。
 エリア分析を行わなければ"闇夜に鉄砲"の無駄なチラシ投入になりかねない。
 また、チェーンストアーの場合は自店同士の商勢圏が重複しないで、かつ隙間のない効率的な出店を可能にする。

・競合店チラシ対策
 競合店がチラシを投入した場合は、地域毎に商品別の影響を調べて、地域毎のチラシに載せる商品や売価の再検討を行い、ただちに有効な対策で反撃する。
 当然、その結果を個客データベースで検証して、効果の上がる対策を繰り返す。

・ターゲット客層に合った品揃えの継続
 自店がターゲット客と想定した客層に合わせた品揃えを行い、本当にそのターゲット客層が購入したかの検証を行う。
 もし、売れ筋商品であっても、その商品がターゲット客以外の人が購入してた場合は品揃えからカットする。

 このようにして、ターゲット客層に合わせた品揃えを継続する。

 この機能は、ストアーロイヤリティを大切にする大商圏業態
  (広いエリアの数多くの顧客が、一カ月〜六カ月の間に一回位の少頻度で来店して成立する商売の仕方)の
 百貨店や専門店には、
  お客様の差別化に対応する為に不可欠な顧客絞り込み技術です。

・来店客に、なるべく多く買って頂く品揃え
 逆に、食品スーパー等の少商圏業態
  (狭いエリアの数少ない顧客が、毎日や2〜5日の間に一回位の多頻度で来店して成立する商売の仕方)の場合は、
  1人でも多くの来店客に、1品でも多くお買上げ頂けるような、品揃えを心掛けます。

  例えば、バスケット分析を行い、関連商品の品揃えを充実するなど。

・製造小売業の業態確立の為の製品開発
 製品開発の際、繰り返し購入するリピーターを把握することが鍵です。

 ある製品を開発して、
  新規顧客のみでリピーターがいない場合は、製品に問題点があり、製造中止など、早めの対策が打てますし、
  リピート率が低い場合には、リピーターのバスケット分析など行って、よりリピート率が高まる対策を
  「仮説&検証」で繰り返し、結果を確認しながら、確実に新開発商品を育てます。

 特に、共同開発メーカーと顧客情報を共有すれば、メーカーと共同して商品の問題点を分析できますから、自社だけで開発するより、成功の確率が各段に向上します。

・購買関連の売り場作り
 お客様の一回のお買物商品明細(バスケット)を分析することにより、商品の購買関連が分かる。
 これで、お客様が短時間で買い物のできる便利な購買関連のある売り場レイアウトや商品陳列の買い場を作ることができます。

・DM(ダイレクトメール)
 販売商品の属性、及び過去の関連商品の販売履歴から、ヒット率の高いDM発行をすることができます。
 特に、新製品のテスト販売や大商圏業態でのお客様への販売促進に効果を発揮します。

・電子決済による楽良早安の利便提供
 これらの個客データベースの利用以外でも、
 プリペイドカード・キャッシュレスの電子マネーの‘タッチ&ゴー’によるスピーディで便利な買物環境の提供や、
 ポイントカード・友の会の運用で、お客様へ「お得感」を与えて来店客の固定化を促進できます。

 これらの電子決済化は、お客の利便性を向上させ、さらに、店舗作業の生産性も向上させます。

【ナナコがもたらす、情報システムの変革の可能性?】
 ナナコの電子クーポン開始で、クーポン券による販売促進と、電子マネー決済が普及する変革の可能性が出てきた。
 お客様は、ナナコで支払うと、面倒なクーポン券を手渡さないでも、大幅な値引きをゲットできますから、お得です。

 だから、ナナコのカードホルダーが増加し、電子マネー決済が普及するだろうと、推測されます。

 また、クーポン値引き費用をベンダーへ請求しますが、クーポン利用の個客購買履歴情報を請求の証拠として添付する必要があります。これに対応するには、商品管理と個客購買履歴管理の変更が必要になします。

 しかし、この‘筋書き’は実現するのか?私は、半信半疑です。
 理由は、コンビニのお客が買物に行く際にパソコンを操作して電子クーポンを取得する確率が低いと考えるからです。
 どうなるか?今後の展開に要注意です。

後払いによるキャッシュレス化の提案
 「前払い」と「後払い」のどっちを、お客様は選択されるか?

 ナナコは、言うまでも無く前払いのプリペイドカード方式。
 スルッとKANSAIのピタパは前払いと後払いのクレジット方式の2つの機能を持っている。
 JR東のSuicaはプリペイドカードだが、クレジットカードでの自動チャージ機能が重宝されている、
    自動チャージは実質的には「後払い」だからクレジットカード方式を選択されていると言える。

 このように、各社の事例を並べると、「後払い」クレジット方式をお客様は望まれているようです。

 特に、老齢化社会ですから、老人の買物の快適環境を作らなければなりません。

 先日のニュースによると、小学生が90歳のお年寄りを襲って、金品を強奪する事件があったそうで、余罪も3件。
 今後、老人が狙われない様に、お金を持たせない「安全」を確保してあげるべきと思います。

 また、多くの老人のお客様が、レジでの、お金の授受の「モタツキ」で、後ろで待っている客に「恐縮」されています。

 この2つの老人対策に、お金を持ち歩かないで「安全」に、且つ、‘タッチ&ゴー’で支払いを済せて「モタツキ恐縮」から解放して、年金口座から翌月15日に自動引落しする「キャッシュレス化」を実現したら喜ばれるでしょう。

 さらに、キャッシュレス化は、売上増大に貢献すると予想されます。銀行預金を持ち歩いていますから、買いたいと思った時に高額商品でも買えるのですから、売上機会損失を減らす効果を奏します。

 キャッシュレス化の快適な「支払い場」作りは、老人の買物バリアフリーを実現して、ご来店を促します。

 また、パソコンによるクーポン券の発行も、パソコンを使わないお客様には差別になり、反発を受ける可能性がありますから、個客購買履歴から、お客様が最も喜ぶ商品のクーポン券をレジで自動発行する方法が主流になると思います。

 本提案のキャッシュレスICカードに、このクーポン券を記憶させ、レシートにその旨印字します。
 だから、お客さんは、紙のクーポン券をレジに提示することなく、クーポン割引をゲットできます。

 この様に、キャッシュレス化と電子クーポン発行への対応に、情報の出入口であるレジ周りの仕組みの改革は不可避と思われます。

 近々、レジの入替えを検討されているならば、このような戦略志向「全体最適」を織り込んで欲しいものです。

 なお、当HPでもキャッシュレス化を提案しています。ご参考にして頂ければ幸いです。

【二番手では、生き残れない】
 小売業やPOSメーカーに、電子クーポンやキャッシュレス化の必要性を話すと、‘リスクを避ける為に、うちはどこか成功した後で良い’と良く言われます。

 本当に、それで良いのでしょうか?一番手だから、社員が誇りが持てて、やる気を出して、会社が先頭を走り続けられると思います。
 二番手なら、リスクを拾わない「夢のない消極経営」が、「社員の覇気減退」のリスクを拾う危険性を高めます。

 一番手を維持する積極果敢な経営が、一番安全な経営だと思います。
 勿論、詳細で緻密な計画が前提です。蛮勇はいけませんが、・・・

【従来の個客データベースの問題点】
 なぜ、これほど有益な個客データベースが今までほとんど構築されなかったのだろうか?

 個客データベースの構築・運用は、ビッグ企業では・丸井等数社に限られている。
また、中小の商店や商店街やショッピングセンターでも殆ど個客データの有効活用はなされていない。

 そこで、従来の個客データベースが広がらない原因を分析すると次の様な要因が考えられる。

【ONライン方式の個客データベースは高コスト】
 従来の個客データベースはホストコンピュータとPOSレジが回線で接続されているONライン方式。
 この方式は、常にホストコンピュターからPOSレジへの制御指令が送られるから故障や停電は許されない。
 その為に、事故があっても代替えができるように回線・CPU・記憶装置・電源の資源二重化が必要で設備費用が高くなる。
 その上、POSレジへの制御機能はホストコンピュータに集中している。
 だから、ホストコンピュータの制御機能ソフトが過大になり、ソフト開発及び維持コストが増大する。
 そして、このホストコンピュータの過大ソフトはシステム柔軟性が欠ける元凶でもある。

 また、ホストコンピュータでデータベースを即時更新する事が必要だから、顧客の登録件数が多くなったり、処理件数が多くなったら処理待ち時間が長くなり、スーパー等のお客様の多い業態では使用に耐えない。

 特に、神戸大震災等の災害時でもホストコンピュータと店舗のPOSサ−バーとPOSレジとの三つ全てが稼働していなければカードサービスは行えない。
 三つ全てを稼働させる為には、回線とホスト及びサーバーの二重化と停電に備える自家発電装置の設備費が高額になる。
 しかも、それだけの投資をしていても神戸地震の後で稼動できるシステムは皆無であった。

 この様に、従来のONラインホスト集中方式個客データベースは、高コスト、柔軟性が無い、処理速度が遅い、災害に弱い等の欠陥がある。

【プリペイドカードのチャージ自販機も高コスト】
 一般的に、プリペイドカードのチャージ自動販売機は、あらゆる金種を識別する高性能センサーを必要とするから、百万円以上と高価。
 その上、お客様が不自由を感じないように、多くの自販機を店内に設置しなければならない。

 100万円の自販機を10台で、1,000万円。
 これでは、高コストでお店の負担限界を大きく超える。

【顧客管理の課題とPOS設計】
 小売業は、お客様の商品購買履歴をとって、お客様一人一人のニーズに合わせた品揃えをしなければ、売上をアップし続けることはできない。

 しかし、お客様の情報を収集する為のカードの種類が、一般クレジットカード、銀行カード、電子マネー、ハウスカードと数多くあるので、小売業の顧客管理はカードの種類に分断され、名寄せが出来ない。

 特に、個人情報保護の観点から、クレジットカードや銀行カードや電子マネーでは、お客様の住所・氏名などの顧客情報も取れない。

 そこで、1枚のハウスカードで、「前」「後」「現金」の3Way決済方法を搭載して、個客情報を取得できるPOSを設計した。

 また、このPOSシステムは、孫悟空の如意棒のように自由自在なので、『如意POS』と命名した。

如意POSの機能
 如意POSの機能は二章末資料<図1.如意POS機能一覧表>で示している通り。

 以下その説明を行います。

・PGカードの即時発行
 1枚でプリペイドカード、ポイントカードの2つの機能を持つPGカードを、無記名・無料・即時発行する機能。
 プリペイドカードもポイントカードもカード発行の際の与信が不要だから即時発行が可能です。

・プリペイドカードレジチャージ販売
 前記PGカードのプリペイドカードはレジでチャージするプリペイドカードで、自販機でのチャージ方式とは異なる。

 PGカードを発行した時のプリペイドカード額面は0円です。

 この状態で、お客様が、カードでお支払いすると、レジに“残高不足”と表示され、
 チェッカーが“チャージですか?それとも現金ですか?”と確認しますから、

 現金の場合は、従来通りのレジ操作で、カードにポイントが加算され、

 プリペイド加算の場合は、
 プリペイドカードのチャージ金額を渡すと、チャージと代金決済とが瞬時に連続して行われる。
 なお、残高不足でお支払いが完了しない場合は、
 レシートが発行されませんので、代金の取り漏れは発生しません。

  そして、二章末資料<図2.プリペイドカードの印字例>で示すように、レシートに、
 プリペイドカード加算購入額と
 その購入金額にかかるプレミアム金額と
 代金決済支払い金額と、
 次回へ繰り越す、プリペイドカードの額面である使用可能在高を印字して、
 お客様にお知らせする。

 なお、1回利用する度に1インクリメントしたプリペイドカード使用/回数カウンターをレシート印字しているので、
 お客様が、このレシートを使用/回数カウンター順に並べることで、繰越在高の正当性を簡単に確認できて、
 残高に対するお客のクレームは皆無である。

 また、カードはほぼ永久使用に耐えるから、1回当りのカードのコストは非常に安し、
 前記説明の通り、高価なプリペイドカードのチャージ自動販売機の役割は、如意POSとキャッシャーが行うので不要。
 その上、釣り銭器も不要だから、ローコスト。

 さらに、前受け金ですから、回転差資金が産まれます
 5,000人のお客さんが平均1,000円の額面を持てば、5,000人 × 1,000円 = 5百万円の資金が生まれます。

・ポイントカード

 現金で御買上の際は、御買上百円毎に、○ポイント進呈。

 そして、五百ポイント溜まったら、自動的にプリペイドカードの在高に加算される。

 尚、ポイント表示はレシートで行い、且つ、発行年度管理と有効期限設定で‘隠れ債務’の無い、安全ポイントカードを 構築できます。

・キャッシュレス
 前記PGカードにキャッシュレス機能を付け加えたカードがPGAカード。

 なお、キャッシュレスの利用開始は、お客様のキャッシュレス申し込みを審査して、パスした場合にのみ、
 PGカードにクレジット許可フラグをONに書換えて、PGAカードの機能に変更して、
 キャッシュレスでの支払いを可能にします。

 また、キャッシュレスとは、公共料金の支払いと同様に、銀行一括引落し方式です。
 これからの高齢化社会の進展を考えると、お年寄りに優しい仕組みですから、早急な取組みが必要です。
 現金を持ち歩かないで、レジの支払いは‘タッチ&ゴー’で完了し、翌月の15日に年金口座から自動引落し。
 レジでのお金の授受の苦痛から解放されます。

 キャッシュレスによる代金決済を希望するお客様に、図7のクレジット申込書を記入してもらう。
 信用審査に合格した場合は、お店のPOSに記憶して、
 お客様の持っているPGカードを読込んだ時に、キャッシュレス許可情報を書き込みます。

 お客様は、カードの再発行を受けることなく、PGAカードに変更され、クレジット支払いができるようになります。

 このPGAカードのキャッシュレス機能による代金決済は、当日1日の限度額と累計の限度額の2つ設けているので、
 貸倒れが発生しても損害の金額は少ない。
 
 また、カードの紛失は、ネガ登録してカード使用をを無効にできます。

 さらに、不正改竄防止の為の暗号化も行っています。

【友の会のパワーアップ】
・友の会
 如意POSで、
  友の会の入会手続きである友の会会員証の発行と、
  毎月の入金処理と、
  途中解約と、
  満期時のお買い物券プリペイドカードの発行と、
  お買い物券プリペイドカードでの商品代金決済との、
  友の会で必要な全ての業務ができる。

 また、如意POSで月々の友の会の入金を処理できるので、
 忙しいお客様にとっては買い物のついでに一般売り場の如意POSで入金することができて、
 友の会の受付カウンターまで行く必要がなく、手間いらずで便利。

 しかも、紙のお買い物券発行・回収・管理コストは、お買い物券プリペイドカードにすることで半減する。
 つまり、お買い物券のプリペイドカード化は、お客様に便利であるばかりでなく、
 小売業にも大幅な労働生産性向上をもたらす。

 特に、友の会の粗品を百ポイント贈呈のポイントカードにすれば
  粗品の手配や、
  受渡しに伴う手間とコストも大幅に削減できる。

 その上、ポイントカードとの相乗効果による会員獲得が容易になる。

 この方式は、大幅な会員増を見込めるので、友の会がパワーアップし、
 大商圏の業態である百貨店や専門店の強力な販売促進のツールをして威力を発揮する。

 なお、お買物券プリペイドカードは、商品代金決済で減算するだけで、プリペイドカード加算販売の機能は無い。

・商品券プリペイドカード販売
 商品券プリペイドカードの販売方法は、
  額面の入っていない商品券プリペイドカードを如意POSのカードリーダー&ライターから読み込ませ、
  お客様から預かった商品券購入金額を10キーから入力する。
   そして、入力した購入金額の額面商品券プリペイドカードをカードリーダー&ライターから書き出し発行販売する。

  なお、商品券プリペイドカードもお買い物券プリペイドカードと同様に、プリペイドカード加算販売の機能は無い。

・お届け商品や、お直し商品の受払管理
 贈答品・家電・家具・寝具等のお届け管理や、衣料品のお直し商品の引渡し管理を行う。
 受渡し完了データ登録を如意POSで行う事が出来ます。

・共同駐車場
 この機能は、カードの決められた位置に日付と販売金額を記憶しておき、
 駐車料金精算機がその日付と金額情報を解読して駐車料金の減免を行う。
 お客様は、売場の店員に駐車券を請求する必要が無くて、喜ばれます。

【タイムカード&リアル作業報告】
 如意POSにはタイムカードの機能があり、タイムカードの機械及び勤務データを収集するネットワークは不要です。

 また、百貨店等の大型店で如意POSを導入した場合は、各従業員が作業報告を入力する事もできます。

 その場合、管理者はコンピュター画面で、現在誰が何を作業しているかが分かるから的確な作業指示が出せます。

 以上の機能以外にも、通常POSとしての商品登録機能・売価変更機能等もあるので、非常に多機能です。
 これだけ機能が多いと操作が煩雑になりがちだが、後述するように簡単操作になるように様々な工夫をしています。

 また、業態に応じて必要な機能だけを使用する事になるので、操作が煩雑になることはありません。
 逆に、これだけの機能があるから、様々な業態のサービス業で如意POSが使用できます。.

 特に、複数業態のコングロマリット的な大手流通業や、様々な業種のサービス業が雑居するショッピングセンターや、
 商店街共同事業のシステム標準化には最適の仕組みです。

【如意POSの概要説明】
 如意POSの仕組みを二章末資料<図3.如意POSシステム概要図>で示します。

 この図から判るように、如意POSは、ホストコンピュータとは回線で接続されていないOFFライン方式。
 (JR東のSuicaも同様にホストとはオフラインです。)

 つまり、ホストコンピュータから如意POS端末への制御指令が無いので、如意POS端末単独で「自立」「自律」してカードサービスが実施できるのです。

 また、カード内に二章末資料<図4.カードデータ内容>で示すデータを記憶しており、
 この『カードデータ形式』を、各種サービスを実行する毎に如意POSで書換え更新すると共に、
 カード更新後のデータをログファイルに書き出している。

 そして、この更新後の『カードデータ内容』の入ったカードをお客様へ戻す。
 そのお客様が最新の状態に更新された『カードデータ内容』の入ったカードを持ち運んでくれて、
  ホストコンピュータのデータベースとネットワークの役割をしてくれる。

 だから、大地震などの災害で、
  ホストコンピュータやストアーコンピュターが稼働できない時でも、POS端末さえ稼働すれば全てのサービスができる。

 また、このログファイルのカード更新後のデータを、ホストコンピュターが受信して、個客データベースの構築を行う。

 この時、ホストコンピュターは、受信したデータの種類を判断し、
 そのデーターに必要な処理プログラムを自動的に起動して運用する仕組みである。
 したがって、バッチ処理であるにもかかわらずオペレータの介在はほとんど不要である。

 また、この同<図3.如意POSシステム概要図>の
 ホストコンピュターと、POSレジとの間でやり取りするネガファイル及びログファイルはファイル媒体の図だが、
 これは、カードサービスがホストコンピュータの介在なく、如意POSだけで行われることを強調する為であって、
 実際のデータの受渡しはファイル媒体渡しではなく、ミニバッチ電送で行う。
 (ミニバッチ伝送とは、ホストコンピュータと如意POSとのデータ伝送で、処理が暇になった時に、
     ホストコンピュータ、若しくはPOSに溜まっている少量のデータを、バッチ処理で送受信するもので、
                このバッチ伝送の間隔を限りなく短くすれば、ONラインとなる。)

 また、この図では省略しているが、POSレジ装置にPLU(売価台帳)ファイルを持つ事もできるし、
 POSレジ装置とホストコンピュターとの間に、ストアーコンピュターを配置する事もできる。

 特に、カード内に更新するデータを持っているので、カード媒体の高耐久性が必要です。

 そこで、信頼性の高いICカードを使用する。
 ‘タッチ&ゴー’に耐え得る処理速度も速く、暗号化など不正改竄の対策もされてあり、安全性も高い。

【如意POSのセキュリティ】
 'デジタル信号のICカードもコピーは可能。'この文書は、現代用語2001の基礎知識ICカード項目の一節です。

 この文書が事実で有れば、ICカードも偽造されるので絶対安全ではないのです。

 また、スキミングの項には、
  スキミングコピー被害は年間200億円の達している。大変な被害額で今後も増加傾向に有る。と書かれていました。

  現状のカード安全性の議論はカード媒体の暗号化や対タンバー技術などのカードそのものへの備えに偏っている。

  確かに、磁気カードとICカードを比較すればICカードの安全性が高いだろうが、
  カード媒体以外の運用方法にこそ大きく安全性が左右される。
  カードサービスの機能に合わせて、ソフトや運用よって必要な安全性を確保できる。

  如意POSでは、この様に運用面からの安全対策検討を施している。

  以下、運用面からの、カードサービス安全性の強化について<図5.如意POSのセキュリティ>で示します。
  まず、全てのサービスの共通セキュリティとして、

 @ロック機能
  如意POSは社員証カードを読ませなければ稼働しない。その上に、許可された社員のみ。

  また、ログファイルにレジ操作の社員コードが出力される。
  その結果、不正者が特定できるので、レジでの不正を抑止できる。
  また、このロック機能を利用してキャッシャー毎の管理を行うフローティングキャッシャー制の精度を向上した。

 A論理チェック機能&ネガ登録
  カードサービス履歴データが入っているログファイルを如意POSからホストコンピュータへ電送する。

  ホストコンピュータでは、この受信したカードサービスログデータを時系列に並べ、
  更新前と更新後の論理計算や、クレジットの当日及び累計債権の貸付限度額チェックを行う。

  その際、不正使用や貸付限度額オーバー等が発見されるとカード番号をネガ登録すると共に
  如意POS端末のネガファイルへ送信し、不正・不当使用を防止します。

  もう少し詳しく説明すると、カード内にサービス毎に1インクリメントする更新回数カウンターを持っており、
  カード更新ログデータを、ホストコンピューターで受信した後で、ログデータをこのカウンター順に並べて、
  欠番が有れば、簡単に欠落を発見できます。

   このカウンターが無ければ、サービスを行った日付・時間だけでは、連続が確認出来ませんから欠落したとの
  確定は出来ません。連番だから、判定できるのです。

   さらに、このログを回数カウンター順に並べて、前後の在高の論理チェックをすれば簡単に不正改竄も発見できます。

  また、同じカウンターが重複していればスキミングや架空請求された事も判定できます。

  これら不正データの発生した店舗及び時間もレジの情報から特定する事が出来ます。
   さらに、防犯カメラと連動すれば完璧な安全性の確保が出来ます。

  勿論、不正が発見されたらネガ登録しますから、
  再度不正使用した場合はブザーなどで警告音も出せます。現行犯逮捕ですから、怖くて不正は出来ません。

  なお、今の一般クレジットカードには、この使用回数カウンターがありませんから、スキミング被害を判定できません。
  これは致命的な欠陥で、スキミング被害が無くならない原因です。

  これは、現クレジットカードが、更新できない記憶媒体だからなのです。
  カードをICカードに換えて、且つ、カードデータ更新する方式に変えない限り、完全なスキミング対策は出来ません。

 B暗号化
  カードデータは暗号化されている。その上、暗号方式を変更する事もできる。

  この暗号方式を運用すれば、暗号を解読され不正使用されても、暗号方式を変える事で次の不正を防止できます。

  その上、発行済カードを回収して新たなカードを再発行する必要もありません。

  つまり、この機能は不正を百%防止する事が目的ではない。
  目的は、暗号解読による不正が発生した時に、暗号方式をただちに変えることで損害を最小限に抑える為です。

  この結果、不正者は不正をしても効率が悪く、暗号解読不正の抑止力となります。

  また、プリペイドカード加算販売のセキュリティとして、

 C限度額の設定
  同<図5.如意POSセキュリティ>の前半の例で示すように、
  代金決済後のプリペイドカード使用可能在高に限度額(この場合は一万円)を設定しています。

   だから、プリペイドカードの偽造をしても効率が悪く、偽造の抑止力となります。

  逆に、同<図5.如意POSセキュリティ>の後半の例で示すように、百万円の高額商品でも、
  代金決済後のプリペイドカードの使用可能在高が、限度額の一万円以内であれば使用できる。
   だから、どのような高額商品でもプリペイドカードで安全に代金決済する仕組みにもできる。

 Dプリペイドカード繰越高のレシート印字
  プリペイドカード使用可能額面はレシートに印字されている。
  また、前述の使用回数カウンターも印字されているから、お客様がプリペイドの繰越在高が間違っていると、
  クレームされても、使用回数カウンターを確認したり、ご使用履歴を順に印字して説明すれば、クレームは
  確実に解消できる。

  また、カードが壊れた場合は、ホストで管理している最終の繰越在高で、同額のプリペイドカードを再発行できる。

 Eネガ登録
  偽造等の不正プリペイドカードのカード番号をネガファイルに登録することで不正使用を防止する。

  このネガ登録機能で、カード紛失も登録出来る。紛失した際は、直ちに登録され、使用を停止する。

 Fキャッシュレス限度額
  キャッシュレスは、貸付限度額を設定して、貸倒れ損失が少なくなるように設計されている。

  貸付限度額は、一日の限度額と、累計の限度額と、の二つを持っています。

  例えば、一日の限度額を一万円、累計の限度額を二万円と設定したとすると、
  この場合、最高の貸倒れ損失は、二九、九九九円
  つまり、ホストコンピュータで管理している累計貸付高が一九、九九九円以下で、
  カードデータで管理している当日一日の貸付高が一万円以下で、最大でも二九、九九九円以下となる。

  当然、一日一万円以上のお買い物の場合は、
   一万円を越えた分に対して、現金若しくはプリペイドカードでの支払いとなる。
   (この金額は企業により自由に設定できるので、企業の政策により、もっと大きな金額も設定できる。)

 G失効カードのネガ登録
  紛失及び盗難カードは、連絡があれば直ちにネガファイルに失効登録し、如意POSへ電送する。

  これで紛失及び盗難カードはキャッシュレスでの代金決済はできなくなる。

【小売業の立場で欲しいPOS機能】
 以上の様に、如意POSは、ONライン方式とは非常に異なる考え方で設計されている。

 この設計思想は、POSを使う小売業の立場で、以下の六つの機能を持たせました。
 @豊富なサービスメニュー
  企業の政策や業態により様々なサービスがある。
  しかし、サービスが異なるごとにコンピュター機器を導入したら不経済だ。
  だから、如意POSは一台で何台分ものコンピュータの働きができるよう豊富なサービスメニューを持つ。

 Aローコスト運用
  ローコストは企業の推進力だ。そして、パソコンは高性能で安い。
  そこで、如意POSはパソコンで分散処理システムを構築した。だから、ローコストで性能の良いしくみだ。

 B操作の容易性
  多機能であるため、普通のやり方では操作が煩雑になる。

  そこで、簡単な操作にするため様々な工夫をした。

  例えば、カードを読ませるだけで如意POSが何のカードかを判定し、
       POS操作者は操作をしないでも自動的にカードサービスを行う。

  タイムカードはカードリーダーから社員証カードを読ませ"現計"キーを押すだけ。
  タイムカードの操作である事は、カードが社員証である事で判断される。

  また、"出"若しくは"退"の判断は、
    社員証のカードデータに書き込まれている前回の"出"若しくは"退"の勤怠情報の反対だと自動的に判断する。

  だから、タイムカードの操作は簡単で、且つタイムカード専用操作ボタンは無い。

  また、商品代金決済もあらかじめ「現金」と「プリペイドカード」と「キャッシュレス」との決済順番が決められている。

  だから、お客様が現金とプリペイドカードとキャッシュレスの複数の決済方法で支払われる場合でも、
  キャッシャーは10キーからの預かり金の入力と、
  "プリカ加算販売"若しくは"現計"の二つキーのいずれか一方を一回押すだけで簡単に代金決済できる。

  例えば、3,000円のお支払いを、
       プリペイド額面1,000円、現金1,000円、クレジット1,000円の3種の支払い方法で行う場合は、
    キャッシャーさんは、1,000円と預り金を入力した後、“現計”だけ押下すれば完了する。

    つまり、まず現金1,000円で支払われて、まだ、2,000円足りないから、
    次の優先順位である、プリペイドカードの額面で支払う、まだ、1,000円足りないから、
    その次の優先順位である、クレジットの許可フラグを見て、クレジットから1,000円を支払う。

    この様に、如意POSで支払い方法を自動化するプログラムが設定されているから、
           複雑な3つの支払い方法の操作も簡単なのです。

 C快適なレジ操作で労働生産性の向上
  前記Bの機能があるためレジ操作が快適。

  特に、プリペイドカードやクレジットのキャッシュレスによる代金決済は、
  わずらわしい現金の授受が無いため金銭トラブルが少なくなり、お客様もキャッシャーも快適/安心。

  さらに、お客様のカード操作を“タッチ&ゴー”にすれば、従来のPOSレジと比較して1.5〜2倍の生産性。
  したがって、レジ人員削減も可能。

 Dシステムの柔軟性
  流通業は変化対応業でありシステムの柔軟性は欠くことができない。

  如意POSは、レジ機能であるプログラムを変更する事で容易にレジ機能の変更ができる。

  また、ホストシステムもバッチ処理であるため仕組みが単純で判りやすく、変更による影響の範囲も限定し易い。
  だから、比較的簡単にシステム変更ができ、変化対応の柔軟性を保ち易い。

 E災害時でも運用可能
  営業はいかなる時でもできなければならない。
  "災害でPOSが稼働しないから店の営業できません"とは言えない。

  そこで、先の"如意POSの概要説明"の項で述べたように、
  お客様が最新の状態に更新された『カードデータ内容』の入ったカードを確実に持ち運んでくれる方式だから、
  いかなる時でも、如意POSは稼動でき、営業できるようになっている。

【POSの基本機能】
 改めて、如意POSの基本機能をまとめます。

 如意POSは個客データベースを構築するために、
  プリペイドと現金ポイントとキャッシュレスとの3つの支払い機能を1枚のカードで実現した。

 3つの支払い方法で、お客様の使用率を上げて、個客情報の数値信頼性を確立する為です。

 また、大商圏の百貨店では、友の会や外商の売掛管理機能が必要です。

 さらに、クレジットカードの顧客情報は小売側では利用できませんから、
  配達承り業務や、衣料品のお直し商品の受け渡し業務に、PGAカードを使って顧客情報を検索して、
  伝票起票業務を合理化できます。

 さらに、後方事務部門の機能として、
  タイムカードデータの等の売り場で発生するデータ収集機能を装備してコスト削減できる。

 また、言うまでもなく、零細企業から大企業までの大多数の小売業で使用してもらうためにはハードの値段が安いこと。

 且つ、運用が簡単でなければならない。

【重点主義で百%は狙わない】
 以上のように、多くのニーズを如意POSに搭載できる。

 二章末資料<図6.ON対OFFライン比較表>を参照して下さい。

  この図の総合欄で記載している通り、
   サービスメニューの豊富さ、コスト、運用の容易性、システムの柔軟性、災害時の立ち上がりの早さ、
   のどれを取ってもOFFライン機能分散方式が圧倒的に有利です。

   ただし、クレジットの与信の安全性については、OFFライン方式が、ONラインセンター集中方式に劣る。

   そこで、OFFライン方式で、安全性を確保するため、限度額等の制限を行う。

   例えば、キャッシュレスで支払う限度額を10,000円と設定すれば、貸倒れ損害が10,000円を超えることは無い。

   そして、10,000円を超える支払をキャッシュレスで行う場合は、PGAカードではなく、
     サービスカウンターで、一般クレジット払いをお願いする。

   一見、不便だが、スーパーでは高額クレジットの利用は少ないから、影響は少ない。

   勿論、キャッシュレス限度額は自由に変更できる。

  このような限度額制限で、貸倒れ損失リスクを回避し、OFFライン方式の弱点を克服して、
   今までのPOSとは比較にならない程の高性能を実現した。

  また、業態によっては過去の取引情報等の問い合わせのONライン機能を付加した方が良い場合もある。

  今まで、ほとんどの小売業は、個客管理データベースの構築はONラインでしかできないと思い込まれされている。

  OFFライン方式へ逆転の発想をすると、
   ローコストで、キャッシュレス化が推進され、レジ回り及び後方事務業務が大幅に合理化できる道が開ける。

如意POS試作機のご紹介
  以上、ご紹介しました如意POSは、

  平成14年7月の、佐賀県創造法認定を受けて、翌15年4月に如意POS試作機を完成させ、
  同15年6月に福岡ベンチャーマーケットで‘電子マネー普及ビジネスモデル’「統合型電子マネー精算センター運用」のプレゼン資料で発表致しました。

  当資料の「20.統合型電子マネー試作機概要」で説明しておりますが、複数の電子マネー発行体の共通利用環境を実現しております。

  この共通利用環境は、ONライン方式では、実現不可能だと思います。
  電子マネーは膨大なお客様と多くの店舗で使われますから、早さと、堅牢さと、絶対にダウンしない安全性を兼ね備えなければなりません。

  これは、Suicaと同じOFFライン環境でないと実現できないのです。

  なお、ご案内のように、如意POSには、Suicaには無い「前」「同時」「後」の3wayの支払い方法に対応できますから、
   色々なサービスを提供する小売業の決済端末として威力を発揮できるのです。

  この様にデモ機が既に開発されていますから、クライアントの要望を入れて、デモ機を基に、短期間で実用環境を構築出来ます。実施は、直ぐにでも出来る状態です。

  是非、試作機をご覧頂きたいものです。‘百聞は一見に如(し)かず’と申します。

  ご連絡を頂けば、旅費・交通費の実費だけで、どこへでもデモ実演に伺います。

社会全体最適へ向けて:コンピュータメーカーの責務
 今、小売業界は、大不況の時代。
 こんな時こそ、情報システムに投資して、企業体質を改善して、生産性を上げる経営戦略の出番ですが、
 現実は、情報システム経費が、真っ先に経費節減対象に挙げられているようです。

 これは、今までの小売業の情報投資が、充分な成果を挙げられなかった結果の当然の帰結と思います。
 以下、その原因を私なりに、分析しました。

1.オピニオンリーダーの情報操作の怖さ
   (情報業界への利益誘導の世論操作の結末)
 
 前項でご説明した通り、
   安くて高性能なOFFライン方式の個客情報収集レジではなく
   高くて効率の悪い「顧客管理はONライン」との常識が定着させたのは、
   情報業界のオピニオンリーダーであるコンピュータメーカーの営業戦略にあると思う。

 当時のコンピュータ業界の、営業キャッチフレーズは'ネオダマ'

   意味は、ネ=ネットワーク、オ=ONライン、ダ=ダイレクト処理、マ=マルチプロセッシングで
   当時の最新コンピューターシステムを販売する為に、お客様に説明する題目でした。

   私は、ネオ=新しい、ダマ=騙しのテクニック、だと、言って冷やかしていました、が

 一方、OFFライン方式は、仕組みがコンパクトで、簡単で、工数が少なく、受注金額が高額にならない。
   そこで、コンピュータメーカーの営業担当は、売上ノルマを達成する為に、'ネオダマ'の題目を唱えて、
   仕組みが複雑で大規模になる高額のONライン方式が常識との情報操作を展開している、と
   当時から思っていました。

 その結果、顧客管理に資するカード決済は、ONラインとの常識が定着した。

 この常識は、日本の有名なシンクタンクであるN総研や、著名なコンサルタント会社のカードシステム担当部署まで徹底していて、以前意見交換を申し込んだが、OFFラインを主張する私はバカにされ、まともに相手さえして貰えなかった。

  一流企業のエリートは学校の成績が良く、学生時代から“教えられたことを確実に憶える能力”に秀でているが、どうも思い込みが激しく、“現実を見て状況判断できる能力”に欠けている人が多いようです。

  ようやく最近は、Suicaの成功を受けて、OFFライン方式が有利であると、少しは理解される環境になっているが、まだまだ「ONラインが常識」との洗脳後遺症はそう簡単には治らない。

  この"ネオダマ"が、最近のソフトベンダーのキャッチフレーズでは、"ERP"と、"ASP"に変っている。
  他のお客様用に開発したソフトを流用して、コストとリスクを避けて確実に利益の上がる営業展開を行う為に、
   ERP:「企業の基幹業務に関する情報を一元管理する」複数ソフトを一挙にバンドルで販売する事業と、
   ASP:「業務用のアプリケーションソフトをインターネットを利用して、顧客にサービスする」事業展開とに、
   変えたのです。

  特に、最近は不景気であり、且つ、環境変化が激しく、情報システム構築に'時間'と'コスト'が掛けられない。
  そんな企業経営者のニーズの応えるべく、生み出されたセールストークです。
  今、このトークで、クライアントの情報システム要員が大量に失業させられています。

  このセールストークは、後述するが、私も実際に洗礼を受けた。

  また、ソフトベンダーは、長期で仕事を受注する為に、クライアントの自社開発を否定する'危険な'情報操作を行っている。

  どの業界でも、生き残る為に販売促進を行うから、ある程度の“裏切り”や“無知”は仕方ないかも知れないが、
  産業界発展の礎を構築する情報産業には、節度が求められると思う。

  特に、情報は目に見えないから、情報操作が、簡単に成功する場合があり、日本には、まずい前例も有る。
  戦時中の日本帝国軍を賛美する、全体主義/教条主義/風潮の猛威で、日本軍が暴走して国家を負けに導いた。

 それと同じ轍を踏んで、前記のオピニオンリーダーが、
  「日本経済を守り・育てる情報環境を提供している」との世論を作りに暴走して、
  日本企業の情報システムの自力開発環境を破壊して、日本経済の活力を奪い、
  世界経済戦争で負けに導いている大きな要因を作っているのではと、心配している。

2.私の構築したシステムを、私に売りに来たドジなERPソフトベンダーの実話
  私が、食品スーパーに勤務していた時に、

  某コンピューターメーカー系列のソフト販社の営業担当から、
    "「素晴らしいERPパッケージソフトがあります。
    もう、お客様が、開発する時代は終わりです。
     1億円で素晴らしいシステムをお使い頂けます。"
   と、ERPソフト導入のお誘いを受けた。

  ところが、その説明資料を見て驚いた。
  私が以前勤務していたディスカウントストアーで開発したシステムにそっくりだったのです。
  POPの自動作成、特売管理、商品の陳列位置管理、・・・・・

  そのディスカウントストアーは1従業員当りの売場面積が広いから、
   従業員の労働生産性向上の為に、商品の陳列位置順に仕入伝票を印字して、品出し作業効率をアップする目的と、
   広大な売場の坪当たり売上を上げる為に、通路別やゴンドラ別や棚板別の売上/粗利益の管理をする目的との
   2つの目的を達成する為に商品陳列位置管理を行った。

  この陳列位置管理は、この効果の他にもセントラルバイイング方式での本部バイヤーの補佐機能もあり、
  「派手なキャッチフレーズでERPの素晴らしさをアピールできるすぐれもの」だった。

  また、巨大なチラシ500品目もの大量な掲載商品に漏れなくPOPを付けないと公正取引委員会から指導を受けるから、
  チラシ原稿データから、自動的にPOPを作る'POPの自動作成'が有効だった。

  これを運用した結果、POP作成コストは1/10に激減し、売価表示の間違いも無くなって、
  皆がビックリするスーパーヒーローの「すぐれもの」だった。

  そのディスカウントストアーが開発したシステムを、経営形態が異なる食品スーパーに売りに来たのです。

  食品スーパーは、売場が狭いから、商品陳列位置管理をするまでも無い、
   さらに、POPも枚数が少ないから、手書きPOPで充分。
   いや逆に、現場担当者は、機械POPでは、迫力ができないので、手書きPOPしか使わない。

  つまり、食品スーパーとディスカウントストアーの業態の違いや、店舗仕入と本部セントラルバイイングの仕入形態の違いで、
  求められる「全体最適」を実現するシステムは、全く異なるのです。

  他にも、経営の形態の違いは、
          接客販売とセルフ販売、
          百貨店などの大商圏店舗とコンビニなどの小商圏店舗、
          趣味品と実用品、
       など、いくつもの切り口があり、
    さらに、経営者によって、経営の手法が異なる。

  こんなに多くの切り口がピッタリ合うERPとかASPは、世にありえない。
  百歩譲って、あったとしても、それは、経営進行過程の一瞬であり、直ぐに切り口は変って、システム修正が必要になる。
  つまり、ピッタリ合うパッケージだと思っても、それは「幻想」でしかない。

  そんな小売業の何たるかを知らない“無知”なERP営業担当者は、
  目新しいアプリケーションだから、どんな小売業でも使えると信じて、

  “素晴らしいERPがあります”と「幻想」を見せて、「自社開発の愚かさ」(非国民さ)を説いて、全国を行脚して、世論操作をしているのです。

  多くの小売業が、何度も「自社開発の愚かさ」を刷り込まれれば“非国民には成りたくない”と、ERPやASP導入に傾くのは、無理からぬことかも知れません。

  多分、ソフトベンダー営業担当は、小売業クライアントの業績向上のお役に立っていると本気で信じていると思うが、
  真実は、
   "導入したクライアントは思った効果は上がらずに、
    コストだけが確実に増加し、
    クライアントで修正できないブラックボックス・ソフトを持て余し、
    それがネックになって、スピーディな企業活動が出来なくなり、
    徐々に活力を無くし衰退させる"
  そんな「裏切り」に終わるケースが多いと思う。

  確かに、小規模企業で、且つ単体業務の場合は、ERPやASPを導入する成功の確率は高い。
  それでも、広範囲に亘る業務のシステム統合の際に、コード体系などの基本的な構造が合わずに、
        統合に大きな障害になる場合が多い。

  私に売りに来た営業担当に、私がそのERPの開発者であると名乗って、仕組みの詳しい説明したら、
  その後は、顔(^^;)を出しませんでしたが、・・

3.M社の総入れ替え戦略に、企業のビジネスインフラは崩壊の危機に陥っている
  世界の巨人M社のパソコンソフトは、世界に普及して、人々の日々の「生活インフラ」を便利に楽しくした。
  この「生活インフラ」を世界中に構築にしたM社の世界貢献は、素晴らしいと思う。

  しかし、他の情報インフラである「社会インフラ」及び「ビジネスインフラ」面では、大きな問題が有ると思う。

  その理由は、人々のパソコンライフは楽しくさせたが、人々の日々の暮らしは経済的に楽になっていない。からです、

  社会インフラとビジネスインフラを組み合わせて、「全体最適」を実現する事が、情報化社会である。

  また、その為には、社会とビジネスラインに情報と情報技術者の蓄積が必要である。

  しかるに、M社の営業戦略は、新たなパソコン環境を作り上げて、
  既存のOSプラットホームを陳腐化させて、総入替えを迫り、世界から富を吸い上げる、強欲なビジネスモデルであり、
  この営業戦略では、社会及びビジネスインフラ充実の為の情報も情報技術者も蓄積できない。

  日本社会や企業各社が、長年に亘って築き上げた情報/技術と人材/ハードの資産が、M社が新たな環境を作る度に消失する。

  さらには、これだけ頻繁に情報機器技術/環境が変るのですから、クライアントでのソフト開発は無理で不経済ですと、
  自社開発を諦めさせられて、情報系の技術と人材の蓄積ができない状態に追い込んでいる。

  確かに、ソフトの部分改善では多くのお金が稼げない。総入れ替えでなければ、商売にならない。

  しかし、その結果、世界経済が被る損失は甚大である。
  もう、総入替え戦略を方針転換して、情報化社会の構築へ舵を切り換えるべきであると思う。

  ちなみに、かく言う私もソフト業界では無用の長物である。理由は、適性年齢超過と最新言語の未経験である。
  私よりも若い優秀な熟練ソフト技術者さえも、同じ憂き目に遭っているケースは多い。

  M社の新たなプラットフォームを使ってシステム構築したり、普及する人材は必要だが、
  古いプラットホームの人材は、新たなプラットホームを売るのに、むしろ邪魔でしかない。

  若いソフト技術者が、ようやく現行のプラットホームに慣れて、
  これから業務ノウハウをプログラムで実現しようと自己実現を夢見ていても、それができないのです。
  M社の次の新たなプラットホームの新たなOSに慣れ、新たな言語を憶えなければならない、からです。

  何時まで経っても、M社の新プラットホームを売る人材に、矯正され続けるのです。

  この様に、ソフト技術者の職を奪い、路頭に迷わせることで、
  新たなソフト市場を拡大し続けて、M社と日本のソフトベンダーは繁栄を謳歌している。

  その結果、日本社会とビジネスとのインフラである情報資産の崩壊は、取り返しがつかない程進行している。

4.ASPやERPパッケージ導入企業の顛末
  クライアントは、情報操作に踊らされて、安いASP委託やERPパッケージソフトを導入しても、
  なかなか想定していた効果を享受できない場合が多い。

  動かないコンピューターも多いし、たまたま動いても大抵3年も保たずに、入替えを迫られる。
  その結果、
  情報システム関連経費は大幅なコストアップにさらされ、'安く導入したツケ'を一挙に払わされる。

  特に、システムは生き物だから、常に変更が発生する。
  ところが、ERPやASPではクライアントは、詳細な処理内容が判らないから、直接システム改修することはできない。

  そこで、プログラムは組めるが、業務内容を知らないソフトベンダーの技術者が、改修することになる。
  しかし、業務経験がないから、想定外の新たな問題を発生させ、無理な改修をする。
  さらに、次の変更の際に、以前の無理な改修が、別の問題が発生させ、スパゲッティ状態になり収拾が付かなくなるケースが多く、

  遂には、修正できない状態となって、全てを入替えて、新たなシステムに移行しなければならなくなる。
  その結果、当初導入した情報操作の不誠実なソフトベンダーの営業責任も解消する。

  特に、最近は'逃げ足の速い'ソフトベンダーが多いから要注意。

  一方、クライアントは、自社開発に戻そうとしても、もう技術者も、稼動していた環境も無くなっているから、
  自社開発へ戻ることは、不可能に近い。

  そこで、仕方なく、別のERPやASPに頼らざるを得ない。
  そして、システムの変更は、クライアントが勝手に修正できない。
  その理由は、ソフトベンダーはクライアントに勝手に変更されると仕組みが判らなくなって処理結果が保証できないから、と・・・・

  つまり、クライアント経営の神経系統である情報システムの変更が、ソフトベンダー裁量次第となり、クライアントが自由に制御できない状態に追込まれる。

  人間に例えれば、脳の血管に「異物」が入り込み、脳障害を起こして、思い通りに体を動かせなくなるのです。

  後は、新たなソフトベンダーの金城湯池(≒植民地)に成り下り、クライアントの思い通りのシステム構築が出来ないで、
  経営の機動力が削がれて、活力を無くして、没落への蟻地獄でもがき苦しむ。

5.小売業CIOの役割
 この様な、情報産業の「幻想を振りまく情報操作」から企業を守り、企業独自の情報戦略を構築するには、やはり小売業の企業内にCIOが必要になる。

 CIOは、企業活動全ての情報化を実施し、「全体最適」を実現できなければならない。

 情報化の過程で、業務を把握できますから、CIOの条件である「会社の全てを把握している」能力が養成されます。

 また、情報化しないで手作業が残ると、月次締め資料を出力する際に、最終チェック作業の機械化が出来ずに、
 月次処理が不正確になったり、遅くなったりします。

 全ての業務を情報化して統合しない限り、「全体最適」の果実は享受できないのです。

 特に、CIOの技術的に必要な知識は、会計です。
 会計は、全ての業務システムが統合される会社の「臍」ですし、
 全ての業務を会計に統合するには、会計仕訳に翻訳する知識が必要なのです。

 また、企業の経営戦略を理解して、より早く/確実に、情報システムに翻訳できなければなりません。

 特に、現在は、環境激変時代で、昔の常識が全く通じない。
 そんな状況下だから、確実に現状分析が出来ることが基本であり、
 その正確な現状分析を基に、企業戦略をより確実に達成できる情報システムを構築します。
 さらに、自企業内だけでなく、関連する企業間の広域な業務を鑑みて「全体最適」をゲットする為に、
 企業間を跨ぐシステム設計、及び他企業の指導まで実施できる知略と行動力が必要であることは、言うまでもない。

 この広域な業務を鳥瞰する能力は、多くの業務経験から産まれるし、CIOが企業貢献する仕事の中で、一番貴重な任務だろうと思う。

 このようなCIOを小売業企業内で育成し、
 スピーディで、正確な資料を作成できる「数値信頼性を確立」して、
 アクティブな経営をタイムリーにサポートしなければなりません。

 自社の「情報システム」を自社開発のリスクを背負って守るしかない。
 自社開発のリスクを避ければ、
 コントロール不能のシステムを背負い込み、思い通りの経営が出来なくなり、
  企業を存亡の淵へ追込む、より大きなリスクにさらされる。

 霞ヶ関改革も、CIOが省庁間を鳥瞰して「全体最適」を設計しないと進まないかも・・・言いすぎ (^^;)

6.日本のソフト技術者を育てることが情報産業界の使命
  このように、日本の大部分の小売業クライアントは、情報産業界の情報操作に踊らされ、裏切られ、続けていると、思っている。

  小売業の経営者も、こんな情報業界の不誠実さを、何となく感じているから、
  不況で一番情報投資が必要な今でも、情報投資に踏み切れないのは、当然だと思う。

  だから、日本の情報産業は、
    M社の戦略に乗って、新たなプラットホームに総入替えするビジネスモデルから、卒業するべきであると思う。

  独自の日の丸ソフト開発プラットホームを自力構築して、ソフト技術者が安心してソフト作りに専念できる環境を提供することが急務だと思う。

  M社の最新OSでしか稼動しないハード及びソフトへ総替えするから、クライアントの既存技術が継続できない。

 ・ソフトベンダーに情報技術者を蓄積する弊害
  このM社のスキームでは、情報技術者をソフトベンダーが育成/蓄積することになりますが、
   その結果、
     ソフトベンダーの蓄積する技術者の人件費を稼ぐ為に、売上を上げようと、無理して受注する。
     それが、前述の、"世論操作して、総入れ替えを迫り、荒稼ぎをするブジネスモデル"の誕生理由でもある。
     また、人材も、小売業だけに特化出来ないから、小売業業務に精通した技術者も育成できない。
     その結果、満足できる流通業対応システムの構築ができない。

     私も、メーカーにプログラムを組んで貰った経験もあるが、
        一般的にソフトベンダーの技術者は、業務も情報技術も未熟な人も多い、
          2倍〜10倍位も無駄な処理時間が掛かる未熟社のプログラムの場合があったし、
          もっと酷い例は、複雑な処理プログラムで、処理結果が間違っているのに、それを直せない場合もあった。

          もし、これらの事故が情報技術を検証できないクライアントで発生していたら、
          “知らぬが仏”。
          処理正常化の為と騙されて、1ランク高価なCPUを買わされて、無駄な支払いをする羽目になると思う。

          私の場合は、この2つの例は、全て自社で組替えして、事無きを得たが、・・・

        また、一般的に、プログラムは書いた人以外は理解が難しい。
        つまり、メーカーの技術者がコーディングしたプログラムは、クライアント技術者には理解困難なのです。

        だから、処理が安定して時間に余裕が出ると、メーカーが組んだプログラムは全て破棄して、
        自社の従業員で、理解できるプログラムに入換えていました。

        そうしないと、環境変化にスピーディ且つ柔軟に対応できないからです。

   この様に、ソフトベンダーがソフト技術者を蓄積しても、小売業の要求にスピーディに、且つ完全に対応できない。

   その原因は、以前担当した技術者は対応できるのか?、何時から作業できるか?費用はいくらか?
   などの条件を整備するだけでも相当な時間が必要だから。

   しかし、そんな時間を掛けられたら、小売業の経営のリズムが狂う。
   タイミング良く指令が発せられ、即実施されるから、リズムが良くなり、売場に覇気/調子が出て業績が向上する。

   ソフトベンダーのソフト技術者では、これら小売業の良いリズム経営に資する即時システム変更ができない。
   ですから、小売業クライアントでの情報と情報技術者の蓄積が不可避なのです。

  また、どんな素晴らしい仕事でも、小さい事の積み重ねであり、その小さい事の1つ1つを効率化するのが、
  クライアント現場人材の実務経験であり、情報化技術です。

  この情報化技術は、目に見えないから、殆どに人が、情報技術蓄積の重要性に気が付いていない。
    見えないから、
      情報操作するソフトベンダーに言われるままに、
        @自社で構築していた貴重なプログラム/ハードと人材を放棄させられ、
        Aクライアントの生産性を上げる情報技術の醸成場を消失させられる、
      二つの大きな悲劇/損失に気が付いていない。

    その結果、小売業現場の労働生産性が上がらない。

    このスキームを知っているウォルマートが、自前情報システム構築に拘る所以でもあります。

  多分、ソフトベンダーは、
      "日本だけのソフト開発/運用プラットホーム構築は、コストが嵩み、
         且つ、世界標準から取り残される危険性をはらむから、できない"と、反論するでしょう。

  しかし、その論理自体もM社の営業戦略に、
       日本のソフトベンダーが"儲けさせて頂く為に"意識して乗っていると思える。

  実際に、最新技術も、既存の技術の延長であり、本質的な変化は小さいと思う。
  所詮、新技術と言っても「自立」と「自律」を実現する技術だけが重要であり、他の技術は枝葉末節で重要ではない。
      この要点だけ抑えておけば、M社が提供する最新技術は使わないでも、
      旧技術だけで、確実に「全体最適」システム構築はできる。

  M社が、総入替えを迫る為に、“入替えないと、情報が使えなくなる”と不安を煽る情報操作を繰り返しているだけ。

  つまり、問題は、旧ハードと旧ソフトを引き継がないで、新プラットホームへ総入換えさせるスキームにある。
  したがって、新プラットホームで、旧ソフトが稼動できるようにすれば、
          旧システムの情報(技術)と人材の継続は可能であり、その為の開発環境の構築は難しいことではない。

  この環境が整えば、技術者は技術の累積ができて、高度な情報システムを構築できるようにスキルアップできる。
  その技術者一人一人のスキルアップが、
          膨大な数の業務を最適化して労働生産性を向上させ、競争力を付け、ひいては日本経済を浮揚させる。

  このように、日本のコンピュータメーカーが、クライアント側の情報技術と人材の蓄積に貢献して、
  且つ、新たな技術に対応できる独自技術を提供し指導できれば、
  コンピューターメーカー本来のビジネスモデルで末永い繁栄を謳歌できると信じる。

  情報産業界は、日本経済の足枷となる自業界利益誘導の為の「情報操作」から卒業して、
            「社会全体の繁栄の為」に活動すべきと思う。

  社会全体が繁栄すれば、情報産業も末永く繁栄できます。
                  逆転の発想が情報産業界繁栄の扉を開きます。

  コンピュータメーカー及びソフトベンダーの新"錦の御旗"「お客様へ情報資産を蓄積する」で、捲土重来を期待したい。

【社会全体最適へ向けて:金融機関の責務】
  ダイエーのOMCカード(現セディナ)、イオンのイオンクレジット、西友のセゾンカードは、
  流通系クレジット会社として、小売業の庇を借りて商売を始めたが、
  今は、母屋の小売業へ資金援助するまでに大きく成長した。

  一方、母屋の小売業は、業績不振に陥り、年々経営が苦しくなって、主客逆転状態となっている。

  ひとつ今度は、クレジット業界が恩返しに、小売業を助ける番ではないでしょうか?

  小売業でのクレジット決済は、巷では話題に上がっていないが、
  小売業の発展を阻害する大きな問題点があると私は思っている。
  以下、その問題点を記述したい。

1.クレジットカードの問題点

 @クレジットカードが小売業の個客管理を妨害している
  現状のクレジットカードスキームでは、小売業が必要とする個客DBは構築できない。
  理由は、多くのクレジットカードで個客情報が分断され、名寄せが出来ないから。
  これでは、顧客情報の数値信頼性が確立できない。

   さらに、個人情報保護法が成立し、クレジット会社が所有する個客情報を、
  小売業が利用することが不可能になった。

  言葉を変えると、小売業は、売場にクレジット会社の蜘蛛の巣を張られて、
  「お客の顔」が見えなくなり、改革・改善を阻まれていると、私は考えている。

 A現行クレジットでは、キャッシュレス化はできない
  現金でお支払いをすると、いろいろな不経済が多い。
  エコが叫ばれる時代に、未だに現金の受渡しの非能率は非国民です。
  やはりキャッシュレス化は、時代の趨勢だろう。

  しかるに、現金授受の一番多い食品スーパーの支払いを
  クレジットカードにしたら、クレジット手数料が高く、
  小売業側が、負担できないから、実現不可能。

 Bポイントカードの安全性に疑問
    “永久不滅ポイント”を売り文句にしているクレジット会社がありますが、
    有効期限無しの制度では、将来は破綻の可能性が高い。
    破綻したら、お客様に迷惑は掛からないように対策されているのだろうか?

    2008年3月の資料によると、
    クレジット信用供与額が、年42兆円で、月換算3.5兆円となり、
    1%ポイントを発行すると月350億円の引当金が必要と計算されるが、
    上位15社のポイント償還引当金の総額は920億円とのことで、
    3ヶ月分以下しか引き当てられていない。
    
    これでは全く足りないと思うが、大丈夫?
    踏み倒して、お客様に損害を与えたら、小売業の信頼も大きく傷つくのですが、・・

 CICカードへの移行に伴なう新たな挑戦課題
     クレジットカード媒体を、磁気ストライプからICカードに換えることで、
     新たな挑戦課題が発生していると考えている。

     ICカードの「自立&自律」特性を生かして、
     コスト削減と、システムダウンの少ない安定性と、サービスメニューの強化を図る為の

     ICカード環境を有効活用するシステム変更課題

     及び、新システムを活用した新ビジネスモデル構築の課題、など

2.クレジット業界への提言
  @キャッシュレス化を実現できる新たなビジネスモデルの構築
    クレジット業界で、食品スーパーでも負担できる安い費用のキャッシュレス化の新たなビジネスモデルを、
    小売業と協力して構築して頂きたいものです。

    例えば、ICカードの「自立&自律」特性を生かしたニアオンライン(=ミニバッチ)方式に変更することで、
    コスト削減と、システムダウンの少ない安定性と、サービスメニューの強化が図れます。

    このサービスメニューに、小売業との情報のやり取りが加えられます。

    その情報の交流を通じて、クレジット会社と小売業がそれぞれ得意の分野をサポートして、
    お互いが協力できる“瀬踏み”を行いながら、妥協点を見つけられないか検討します。

    クレジットで貸倒れが発生した際は、お客様の与信条件によって費用負担を調整するとか、
    考えられませんか?
    例えば、紹介者が小売業だった場合は、小売業が全額負担するとか、
         近隣の持ち家のお客様なら、クレジット会社と小売業が折半するとか、
    小売業の持っている情報とクレジット会社のノウハウを組み合わせれば、解決策が有るかも?

    今までの、クレジット会社が全面的に情報と安全と資産を占有する方式ではなく、
    クレジット会社と小売業がこれらを共有する新たなビジネスモデルを検討頂きたいものです。

    また、新たなサービスメニューにポイントカードの有効期限失効のお知らせを
    レジで発行するレシートに印字して、お客様にお知らせする事も考えられます。

  Aスキミングの完全撲滅
    確かに、スキミング被害は、ICカードの普及に伴なって、減少している。

    しかし、将来において、ICカードに、スキミング被害が発生しない保証は無い。

    そこで、特許3061710号「レジスターシステム」の技術である
    ICカード内に使用カウンターを設けて、使用する度に1インクリメントし、カード更新データを
    この使用カウンター順に並べて、前後データの論理チェックをすれば、100%確実に不正を発見して、
    犯人を検挙、若しくは、次回の不正をネガで防止しすれば、
    将来に亘って、スキミングをほぼ影響ない程度まで撲滅できる。

  B小売業へカード製造(識別)番号を公開する
    クレジットカードの製造番号を小売業へ公開することで、小売業が匿名個客DBを構築できる。

  CICカードのカード製造番号が重複しないように管理する
    クレジットカードの一意の識別番号であるカード製造番号が重複すると、
    顧客情報の精度が落ちて、個客DBの数値信頼性が低くなる。
    そこで、全クレジット会社の発行するカード番号が一意となるように発注&検収しなければなりません。

  DICカードの共有化の促進
    ICカードは高価ですから、クレジットカードも他のICカードと共有化を推進したいものです。
    行政/教育機関/金融機関/小売業が、それぞれ別個に発行すると、
    不経済であるばかりでなく、お客さんは、カードを何枚も持って使い分けることは面倒です。
    共有化でICカードの費用負担を折半したいものです。

    1枚のICカードを、お客様の選択で、クレジットカード・銀行カード(キャッシュカード)・学生証・診察券
     ・前述のハウスカードPGAカード・住民基本台帳カードの子カードとして共有できると思っています。

    なお、共有しても、“なりすまし”などの不正は、
    前記特許3061710号「レジスターシステム」の技術を使えば、防止できます。

  これらの提言を、クレジット業界が実施するには、
  既成緩和や個人情報保護の改定や業界団体の協力体制作りが大変かも知れませんが、
  社会全体での「全体最適」の果実をゲットする為に、万難を排して実現させて頂きたいものです。

  母屋の小売業の活性化に貢献して、恩返しをすることで、
  日本経済が活性化して、クレジット業界も繁栄できると思います。

  「小売業の個客DB構築協力」を錦の御旗を掲げて、
  “皆が幸せになる”「情報化社会構築」へ向けて、一緒に前進して頂きたいものです。

【顧客情報の共有化】
  個客DBを構築して、その情報を社会に公開しなければ、情報化社会は実現できないと、考えています。
  しかし、個人情報保護法が成立して、個人情報の取り扱いが難しくなっている。

  そこで、この課題を解決する為に、佐賀大学と'売上情報の活用と個人情報管理'共同研究を行った。
  以下、その研究論文である「統合型電子マネーにおける 売上情報活用と個人情報管理」の序文を紹介させて下さい。

    佐賀大学 理工学部   掛下哲朗 新井康平 大月美佳
    有限会社 シーエスラボ 吉田豊昭

   我々は、ICカードを用いて各種のカードサービスを統合した「統合型電子マネー」プロジェクトを推進している。
   本稿では、売上情報や決済情報といった重要な電子化情報を、安全かつ広く流通させるための仕組みを提案する。
   これらの情報は従来、それを収集した企業が独占してきた。
   これを消費者に提供することで、様々なサービスを提供できる。
   また、複数の企業間で情報を共有することにより、
       従来の競争型ビジネスモデルを超えた、協調型ビジネスモデルを構築できる。
   さらに、これらの情報管理に消費者本人を関与させることにより、
       ビジネスと消費者の間の信頼関係をより強化できる。と、

   また、研究成果を‘個人情報管理機構’として佐賀大学と共同出願したが、その内容は、

    消費者が自分の購買履歴情報公開をコントロールする為の機構で、
    消費者が、自分の情報がどの企業に閲覧されたことを知ることが出来て、且つ特定企業の閲覧を禁止できる。
    企業と消費者が対等の権利を行使することで、互いに信頼できるデータ公開スキームの実現を目指す。
    「個人情報保護」と「生産者、小売業、消費者、等と情報を共有」の両立が目的です。
    ・・・・・・・、と

  しかし、これだけで、全てが解決できる訳ではない。
  今後さらに、産学官が協力して、情報活用を推進する必要がある。

  例えば、産学官が協力して、ある企業の業績を伸ばす為に、その企業の商品の顧客情報を閲覧して、リピート率や販売地域や、バスケット分析から、共同で「仮説の検証」実験を繰り返しながら、業績を伸ばす為に有効な顧客情報活用を研究する。

  さらに、その研究成果を他の企業の活性化に役立てて、顧客情報の有効活用を啓蒙し、企業の活性化を実現する。

  また、地方公共団体が地域内の産業育成をバランス良く行う際も、データを見ながら、コントロールできるから、的確な判断ができる事となり産業育成をバランス良く達成する確率が高まる。

  この様に顧客情報を活用して、個々の企業や地域経済が「状況を確認しながら」確実に活性化し、ひいては日本全体の経済活性化を実現する。

  有志の小売業が協力して、情報化社会構築へ向けて足並みを揃えて、顧客DBを公開すれば、
  前述の日本経済活性化に資する「情報基盤整備事業」が緒に付くと信じます。




第2章 巻末資料

 <図1.如意POS機能一覧表>

サービス機能名称 機能説明&特徴 
PGカード即時発行
プリペイドカード加算販売
ポイントカード
キャッシュレス
友の会 
商品券プリペイドカード
商品受払管理 
共同駐車場
タイムカード
プリペイドカード、ポイントカードの機能を持つPGカードの即時発行・登録
レジで代金支払い時にプリペイド加算販売
ポイントはレシート表示
サインレス、暗証番号無し、限度額
友の会入会・入金・満期のお買物券プリペイドカード発行・買物券での代金決済
商品券の販売、商品券での代金決済
配達・お直し商品受払、共同配送
カード内の売上金に応じた駐車料金の減免
出退勤データの収集(勤怠管理、給与等)、従業員の稼働実績把握(作業分析等)


図2.精算リストとレシートの運用例

【精算リスト】

レジ0001           株式会社 ニコニコストアー
売上日:2008年6月5日    TEL:097-537-1010
精算回数:71

部門 客数 点数 売上金額
10 医薬品 6 12 8,376
20 健康食品 3 6 17,880
30 ベビー・介護 2 6 1,788
70 食品 8 24 2,388
【合計】 19 48 30,432
【税額】 1,449
【純売上】 28,983


<金額棚卸>
〔10000円〕       1 枚     10,000
〔 5000円〕        1 枚      5,000
〔 1000円〕       10 枚     10,000
〔 500円〕        5 枚      2,500
〔 100円〕        25 枚     2,500
〔 50円〕         7 枚       350
〔 10円〕         3 枚        30
〔 1円〕          5 枚        5
【現金在高】              30,385
〔投入釣銭〕              14,500
【現金増加】               15,885

<決済合計>
〔客 数〕                    6
〔決 済〕                 30,432

<カード無し決済合計>
〔客 数〕                     1
〔決 済〕                  5,072

<カード決済合計>
〔客 数〕                     5
〔決 済〕                  25,360

<決済種別集計>
〔現 金  決済〕    2 件        6,072
〔プリペイド決済〕    6 件       24,360
〔 合計 決済 〕    8 件       30,432

<税区分別集計>
〔非課税  売上〕                0
〔内税   売上〕             28,983
〔 内税 合計 〕              1,449

【プリペイド加算】   1 件        10,000
〔プレミアム〕      1 件          200

** 現金増加 ** 
〔現 金  決済〕               6,072
〔プリペイド加算〕              10,000
<< 現金合計 >>           16,072
【現金増加額】                15,885
【現金過不足】                  187



【レジ締の精算機での現金の照合方法】
精算機に投入した現金と、上記の現金合計16,072円と照合する。
この時点で、レジでの不正加算があれば、精算器に投入した現金が不足するので、不正は確実に発覚する。

不正金額は確定できますが、誰が不正をしたのか?はPOSでは判りません。
したがって、以下の様な、厳重なチェッカー管理が必要となります。

 例えば、チェッカーは、レジを精算しない限り、レジを変わることは出来ないし、
トイレなどでレジを離れる際は、必ずロックをかけて担当以外が操作できないようにセキュリティを強化する。


【レシートサンプル1:プリカ支払い

レジ0001   お買上レシート    株式会社 ニコニコストアー
売上日:2008年6月5日        TEL:097-537-1010
レシート1
カード番号:100022-123456789
部門         単価  点数   売上金額
10 医薬品       698    2      1,396
20 健康食品    2,980    1      2,980
30 ベビー介護     298    1       298
70 食品 カレーアジ    98    1        98
70 食品        100    3       300
【 合 計 】            8       5,072
【 税 額 】                    241
【 純売上 】                  4,831

<<プリカ決済 346>>
〔前残〕                     9,728
〔支払い〕                    5,072
〔繰越残〕                    4,656


レシートサンプル2:プリカと現金の併用支払い】

レジ0001   お買上レシート   株式会社 ニコニコストアー
売上日:2008年6月5日        TEL:097-537-1010
レシート2
カード番号:100022-123456789
部門         単価  点数   売上金額
10 医薬品       698    2      1,396
20 健康食品    2,980    1     2,980
30 ベビー介護     298    1       298
70 食品 カレーアジ   98    1       98
70 食品        100    3       300
【 合 計 】           8       5,072
【 税 額 】                    241
【 純売上 】                   4,831

〔現金預かり〕                 5,000
〔現金支払い〕                 1,000
〔お釣り〕                     4,000

<<プリカ決済 347>>
〔前残〕                      4,656
〔支払い〕                     4,072
〔繰越残〕                      584

図3.如意POSシステム概要図

図4.カードデータの形式

項目 ソース type 桁数 説明
基本
項目
発行企業コード
カード区分
カード番号
カード使用区分
S
S
S



A




カード媒体や形式を示す

0:未使用、1:使用中
最終
更新
最終更新日
端末ID
A
A

12
駐車 売上日
対象売上金額

ポイント
カード
ポイント更新回数
累計ポイント数

プリペイド
カード
更新回数
今回加算金額
今回プレミアム
今回支払い高
繰越残高
売上日
A
A
A
A
A
A





キャッシュ
レス
更新回数
請求〆日
今回債権高
当日末債権在高
当日売上
売上日
限度額ランク
A
A
A
A
A
A
A












1:1万円、3:3万円

   Sはソースマーキングを表し、Aは暗号化を表す。

図5.如意POSのセキュリティ

共通
セキュリティ
ロック

論理計算と
ネガ登録

暗号化

サインoffでレジ停止
レジ再稼動は社員カードが必要
カード更新の前後のトランの倫理チェック
不正が確定すればネガ登録し、使用制限

カードデータは暗号化、暗号方式を変えたら、
旧暗号j方式は読込めるが、出力は新暗号方式で書出す。
この方式で、旧暗号のカードを回収する必要はない。
プリペイド
レジ加算
販売
限度額

支払い後のプリペイド在高が限度額を超える加算販売は、
限度額超えと表示して加算販売は行わない。
 ただし、100万円の支払いでも、在高が限度額以内なら
加算販売を行う。
キャッシュレス 与信OK客
当日限度額
累計限度額
失効・紛失
信用調査して与信を与えたお客のみ
当日の支払い限度額1万円以内に制限する。
累計の債務高が限度額を越える場合は支払えない。
ネガの登録して、カードの使用を停止する。
ポイント
カード
発行年度管理
有効期限設定
ポイントを発行年度毎に集計・回収し、
有効期限を設定して、隠れ債務を無くす


図6.オンライン方式とオフライン方式の比較>

比較項目 オンライン
カード決済
オフライン
カード決済




CPU
回線&電源
ソフト
運用
小計コスト
10倍の性能が必要
2重化
肥大化、硬直化
リアルでバックアップ
10倍のコスト
暇な時に処理・低性能OK
回線が普及した時で良い、二重化不要
分散バッチ処理で、スリム&柔軟
バッチ処理でバックアップ
1倍のコスト


POS端末
カード端末
サーバー
ソフト
運用機能

小計コスト
専用端末
リードオンリー機能
ホスト同様二重化
1つのサービスに制限
クレジットとポイント別システム
限度額は無し、処理は遅い
0.8〜1.5倍
汎用パソコンを使用
リーダー&ライター
暇な時に処理、二重化不要
多くのサービス提供(前、後、ポイント)
限度額を設定して安全性を確保
処理は早い(例、Suicaのタッチ&ゴー)
1倍




サービス
メニュー





合計コスト
クレジットカード
ポイントカード





2〜5倍
プリペイドカードの加算販売
プリペイドカードでの決済
ポイントカード
キャッシュレス(小額、銀行引落し)
友の会、商品券、駐車料金減免、
商品配達伝票の作成、
社員証、タイムカード、作業報告、等
1倍
運用の容易性
システム柔軟性
災害時適応力
難しい
巨大で恐竜に似て変化に弱い
ホスト、店サーバー、POSの
同時稼動が必要で適応力弱い
バッチだから容易
自立分散だから環境変化に柔軟に対応可
POSとカード端末だけで稼動するから、
災害時の適応能力は万全。ダウン無し

図7.クレジットカード申込書

                クレジットカード申込書

住所                  氏名           男女 生年月日  年 月  日

電話番号               家族人数        趣味など


発行カードa@            取扱い店舗名

勤務先                 勤続年数        年収           

振出金融機関    預金種別    口座番号        口座名義人
 







第3章情報化社会の垂直展開図
       《アパレル業界へ個客データベース提案》

【夢はかなうこと】
 佐賀新聞の吉野徳親編集局長から、今年の正月に年賀状を頂いた。その文中に『日本では夢は「はかないこと」。
 しかし、アメリカでは夢は「かなうこと」。と解釈している』とあった。

【情報化社会は人類の夢】
 情報化社会とは、『社会的規模の情報を目的を持って収集・加工して、人々の潤いのある豊かな生活を実現する社会』であり、人類の夢です。
 これは、かなうことであり、実現しなければならない。
 その手始めとして、如意POSを実現させ、如意POSから収集される個客データベースを作成し、
 その個客データベースをアパレルの川上の糸の生産者から川下の小売業者まで、垂直方向の全ての業者が利用する"しくみ"を提案する。

【顧客管理と個客管理】
 この本の文中で個客管理という言葉を使用している。
 この言葉は、マーケティングを論じる際によく使用される言葉ですが、改めて定義する。
 従来の、顧客管理はお客に対する債権管理をするものです。
 これに対し、個客管理は個人客毎に購入商品の履歴を管理するものです。

 また、このデータの集合を個客データベースとする。
 この個客データベースを分析する事で、個人客の好みやライフスタイルが分かる。
 例えば、新製品の開発をする際に新製品のターゲット客の過去の商品販売履歴から新製品を企画・販売し、本当にターゲット客の人が買ったのか検証する。
 このような個客管理で個客の行動が分かれば無駄のない製品開発ができる。

【アパレル業界へ、個客データベースの提案】
 アパレル業界はファッション性の高い商品を取り扱うために、非常にリスクの大きな業界だ。
 しかし、適格な情報を上手に活用すれば安定した収益が得られる業界で、情報利用技術が死命を分ける。
 たぶん、アパレル業界の特定の小売業とメーカーとの間で、商品情報だけの商品データベースの共有計画は進展していると思われるが、お客様情報まで含めての個客データベースの共有計画は無いと思う。

 そこで、個客データベースを、製造業である川上から小売業である川下まで利用する仕組みを提案する。
 第二章で説明した通り、如意POSはプリペイドカード・ポイントカード・キャッシュレスをサポートできるので、
 顧客情報と商品情報とからなる個客データベースを構築できる。

【アパレル業界の個客データベースの内容】
 アパレル業界で個客データベースの管理運用を行う団体の名称を仮に個客管理協会とする。
 この個客管理協会で、個客データベースの基本項目である、小売業者・メーカー・品種を一意に登録管理する。
 そして、これらを識別するコードをそれぞれ共通小売業コード、共通メーカーコード、共通品種コードとする。

 以下、各業界団体の所有できるデータベースの構造を示す。
1.小売業のデータベースの項目
  @顧客情報項目
    顧客が記入した情報から、以下の項目の顧客データベースが構築できる。
    顧客コード、地域コード、住所、氏名、年齢、性別、家族人数、等
    ただし、顧客コード以外はデータが記入されていない場合もある。
  A如意POSデータ項目
    如意POSのカード更新データ及び販売商品データから、以下の項目の如意POSデータベースが構築できる。
    顧客コード、商品コード、売価、店コード、買い上げ日付、代金決済方法、等
  B商品台帳項目
    商品管理を行うための商品台帳から、以下の項目の商品データベースが構築できる。
    商品コード、共通メーカーコード、共通品種コード、メーカー品番、入荷日、入荷数、
    小売業用商品管理コード(シーズン、スタイル、素材等)、原価、売価等
  C小売り業者識別情報項目
    共通小売業コード、小売り業者名、小売業の住所、等
    これら@〜Bのデータにより、小売業では、個客データベースが運用できる。

2.小売業から個客管理協会へ渡される個客データベースの項目
   小売業は、如意POSデータ項目に共通小売業コードと共通メーカーコードと共通品種コードを付加して
   個客管理協会へデータを渡す。

   したがって、
  D個客管理協会の個客データベース情報項目は、
    共通小売業コード、店コード、売上日、顧客コード、商品コード、売価、共通メーカーコード、共通品種コード、等

   このDの個客データベースを、個客管理協会に加入している川上から川下までの全会員(小売業者を含む)に公開。

   その結果、共通品種毎や、小売業毎や、地域毎や、メーカー毎に商品の売上数を把握できるから、
   川上から川下までが協調して、生産調整と適正な販売計画を推進できる。

   また、個客データベースで「仮説と検証」を繰り返して、新製品を数多く開発できるので、売上高は大幅に向上する。

   確かに、このような方法では、小売業の重要な企業機密が漏れて、事業の運営が不利になるとの考え方が一般的。

   しかし、個客データベースを公開して、失うものよりも、
   公開してアパレル業界全体が底上げして、好景気になる利益配当の方が大きいし、かつ永続する。
   この考え方に賛同していただける企業のみで運用するしかない。

3.メーカー若しくは問屋等の納入業者のデータベースの項目
  納入業者は、小売業者からの商品発注を受けた時の三章末資料〈図2.A共通発注書〉
  形式の(発注)受注書を持っている。

  E受注データ項目
    共通小売業コード、発注書(受注書)の伝票番号、共通品種コード、共通メーカーコード、メーカー品番、
    カラー・サイズ毎の発注数量のテーブルデータ・・等

  そこで、商品コードを三章末資料〈図1.共通値札〉で説明している通り、
  以下の13桁のJANコード(バーコード)形式とする。

   インストアーJANコードである事を示す21〜29の数値の中のいずれか一つの定数2桁と、
   共通小売業者毎に一意の伝票番号を持つ発注書(受注書)の伝票番号8桁と、
   カラー・サイズ毎の発注数量のテーブル位置を表すカラー・サイズテーブル番号2桁と、
   チェックディジット1桁と、
   の合計13桁。

  こうすれば、小売業者を識別する共通小売業コードと、商品コードを構成する受注書の伝票番号から、
  個客データベースの商品の発注書(受注書)を特定することができる。

  つまり、納入業者はDの個客管理協会の個客データベース情報項目に、
  Eの受注書の情報項目を付加する事により、単品毎カラーサイズ毎の商品情報と、顧客コードと、を
  利用する事ができ、より有益で精度の高い情報を得る事になる。

  以下、これらの仕組みを実現する為の、詳細項目の説明を行う。

【共通コードの制定】
 個客管理協会で設定した共通コードはそれぞれ以下の通り。
  @共通小売業者コード:小売業者を示す、通し番号6桁とCDの計7桁
    注.CDは、チェックディジットの略で、誤入力防止文字のこと。
  A共通メーカーコード:商品のメーカーを示す、通し番号6桁とCDの計7桁
    注.国コードは、別途メーカーマスターで登録する。
  B共通品種コード  :商品の品種を示す、大分類2桁、小分類2桁の計4桁

【共通値札の形式】
 値札の共通化が必須。
 異なる形式の値札では共通の個客データベースを作ることはできない。
 また、値札には以下の要件を満足する事が必要。

 まず、商品をカラー・サイズに毎に識別するJANコードが必要。
 JANコードは一番多く普及しており、新たなコストをかけずに、すぐに使用できる。

 次に、小売業者が必要とするレジ商品分類と売価。
 それから、値札を商品に取り付ける際に確認するメーカー名、メーカー品番、カラー・サイズ名称も必要。

 この他にもオプション印字項目があるので、仕入先、原価、シーズン等も記入可能。

 また、売価のレジ入力方法については、
  レジが自動的に値札のJAN商品コードからPLUファイル(売価台帳)を参照して売価を設定するPLU方式と、
  値札のバーコードの中に売価情報を入れPOSレジでその売価を読み取るNON−PLU方式と、
  値札の表示売価をレジに手入力する方式と、
  の三つの方法がある。

 この売価のレジ登録方法は小売業者毎に異なっており統一することは難しい。

 そこで、今回の提案では、手入力方式を含む全てのレジに対応するように、
 PLU方式と表示売価の手入力方式との両方に対応した。

 これらの条件を考えたら同<図1.共通値札>となった。

 なお、値札が大きくなっても良いのであれば、
 小売業の要望に合わせて二段及び三段JANでのNON−PLUの共通値札も可能。

 また、商品コード(インストアーJANバーコード)の上2桁を21〜29の任意にしたのは、
 小売業者の既存のシステムで、これらの21〜29を使用している可能性があり、統一は難しいので、
 21〜29の間で、それぞれの小売業者の都合の良い番号を使用した。

【共通発注書の形式】
 発注書についても共通化が必要。この共通発注書の名称を、仮にA共通発注書とする。
 また、形式を同<図2.A共通発注書の形式>で示す。

【発注書項目の説明】
 発注する際は、一品番につき一枚の発注書を記入。また、項目は以下の通り。
 @伝票番号
  共通小売業毎に一意の発注書伝票番号。(通し番号7桁とCD1桁の計8桁)
 A仕入先コード
  商品を納品する業者を示し、小売業者と納入業者で取り決めた仕入先コード。(7桁)
 B商品部門
  小売業者の発注を管理する商品部門を示し、小売業者が決めるコード。(4桁)
 C発注日(及び、納品指定日)
  商品を発注した日付(及び、納品の着荷指定日)
 D発注小売業
  商品を発注する業者を示し、共通小売業コードとして登録したコード。
 E発注ヘッド項目オプション
  仕入先の担当者や、バイヤーや、納入場所等、小売業者が自由に設定。(30桁)
 F共通メーカーコード
  商品を製造したメーカーを示し、共通メーカーコードとして登録したコード。
 G品番
  メーカーが設定している品番。(15桁)
 H共通品種分類
  商品の品種分類を示し、共通品種コードとして登録したコード。
 I品名
  小売業が命名した商品の品名
 J小売業商品分類(オプション)
  小売業が使用する商品分類で、小売業が自由に設定。
  たとえば、シーズン、服種、素材、定価、TPOS、カセット番号、等。(30桁)
 K数量、原価、売価
  発注商品の合計数量と、原価と、売価。
 L横軸区分
  発注書のカラー・サイズ毎発注数記入テーブル横軸要素を示す区分で、テーブルの横
  軸要素がカラーの場合は1で、サイズの場合は0。
  なお、カラーとサイズの二つの要素だから、横軸の要素で一つ決定したら、残りは必
  然的に縦軸の要素となる。したがって、縦軸区分は不要。
 Mカラーコード(オプション)
  小売業が決めたカラーコード。(5桁)
 Nカラー名称
  小売業が決めたカラー名称。(8桁)
 Oサイズコード(オプション)
  小売業が決めたサイズコード。(5桁)
 Pサイズ名称
  小売業が決めたサイズ名称。(8桁)
 Q発注商品のカラー・サイズ毎数量テーブル
  カラー及びサイズの縦横の要素が交差するテーブルに、該当するカラー・サイズ毎の
  商品発注数量を記入。
  なお、このテーブルの合計が・の合計数量と一致する。

  注.カラー若しくはサイズが9種類を越える場合には、発注書を複数枚に分割記入。

【A共通新規発注データの説明】
 次に、小売業と仕入先との受発注データ交換の形式についても共通化が必要。
 この共通データ交換の名称を、仮にA共通新規発注データとする。
 また、その形式を三章末資料<図3.A共通新規発注書データ形式>・1〜3で示す。
 以下は、A共通追加発注データの説明。
1.ヘッド部・H
   発注の基本契約項目集団で、商品部門、仕入先、発注日、納期等で構成。
2.明細部・B
   発注商品の内容を指定する項目集団で、メーカー、メーカー品番、原価、売価、発
   注合計数等で構成。
   なお、発注書のカラー・サイズ毎発注明細テーブルの縦要素の明細部の行数を、『発
   注縦レコード件数』で表す。
   したがって、発注商品の明細をカラー・サイズ毎に発注する場合は、『発注縦レコー
   ド件数』が1以上で、カラー・サイズ毎に発注しない場合は『発注縦レコード件数』
   が0で、以下のW及びVのレコードは不要。
3.横軸要素部・W
   カラー・サイズ毎に発注する場合の横の要素を指定する項目集団で、横軸区分と、
   横軸要素名称と、オプションである横軸要素コードと、から構成。
   なお、横軸区分とは、発注明細数を記入するテーブルの横軸の要素が、カラーの場
   合とサイズの場合とがあり、そのいずれであるかを示す区分だ。
   また、横軸要素が無くて縦軸要素のみの場合は、横軸区分だけが必要で、他の横軸
   要素名称及びコードは不要。
4.縦軸要素と要素毎発注明細部・V
   カラー・サイズ毎に発注する場合の縦要素の名称と、同コードと、カラー・サイズ
   毎の発注数を指定する項目と、の項目集団で、前述の横軸要素区分で指定した要素
   の反対の要素が縦軸の要素だ。
5.支店毎の発注明細部・M
   Vレコードのカラー・サイズ毎の発注明細を、支店毎に発注するものだ。
   なお、Vレコードで発注数が0の場合は、この発注明細部Mレコードは不要。
   また、店毎の発注数量の合計である全店合計発注数量が、Vレコードの該当するカ
   ラー・サイズ毎の発注数量と一致する。
【発注データの構成】
カラー・サイズ毎の発注をする・しない。また、支店毎の発注をする・しない。の条件
の組み合わせで、それぞれの、発注データの構成が異なる。
 左記の図の@ABC毎に示す。        
 

支店毎の
発注
する しない
B @ しない カラー・サイズ
別の発注
C A する

 以下、図の@〜Cの異なる条件毎に、発注データの構成を説明する。
なお、Hはヘッド部、Mは明細部、Wは横軸要素部、Vは縦軸要素部と要素毎発注明細部、
Mは支店毎の発注数量部を示す。

 @カラー・サイズ毎の発注しない、支店毎の発注しない場合
  HB HB ・・・・・・ HB

 (HBで一品番の発注データ)

 Aカラー・サイズ毎の発注で、支店毎の発注しない場合
  HBWVV・・V   HBWVV・・V ・・・
 
  (一品番の発注) (1品番の発注)
  注.Bレコード項目の縦軸要素レコード数だけVレコードが存在する。

 Bカラー・サイズ毎の発注しない、支店毎の発注する場合
  HBMM・・M    HBMM・・M ・・・・ HBMM・・M
  (一品番の発注) (1品番の発注)   (一品番の発注)
    一品番の発注データ          一品番の発注データ
  注.Mレコードには十三店舗の発注データが登録できる。したがって、支店の数が
    13を越える場合、Mレコードは複数となる。

 Cカラー・サイズ毎の発注で、支店毎の発注する場合
  HBWVMM・MVMM・M・・VMM・・M HBWVMM・MVMM・・M・

 (・・・・ 一品番の発注データ ・・・・・・・) (・・・・ 一品番の発注データ ・・・・・・・) 


【発注の方法】
新規発注の場合は、小売り業者が前記のA共通発注書を起票して発注。
又は、コンピュータに入力し同〈図3.A共通新規発注データ形式〉でデータ伝送して発注。

一度発注済の商品の追加発注の場合は、商品の値札のバーコードをスキャンするEOS発注。

したがって、納入業者は新規商品の新規受注システムと、追加受注商品の追加受注システムとを構築する必要がある。

また、49で始まる通常のJANコードを付けた商品の発注は、この追加発注システムで対応。

【個客データベースの実現へ向けて】
 以上、アパレル業界向けの個客データベースの提案をした。
 ここで、提案した仕組みは最低の条件で、このいずれも省略できない。
 だから、この個客データベースの実現は簡単にはできない。
 これを実現するには、アパレル業界全体の繁栄のための高度な政治判断と、アパレル業界の団結力と、
 コンピュター技術力と、各業界及び同業者への粘り強い説得とが必要。

 しかし、情報化社会の実現に向けて、各業界の方々が、自分の業界の利益よりも、
 アパレル業界全体の利益を優先して、自分の業界はどのように協力すべきかを真剣に考え、
 自ら進んで実行すれば実現する。
 "身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ"の勇気が必要です。

 これが実現できれば、人真似ではない独創的なファッション商品が数多く作られる。
 そして、人々はそれぞれが自分に合った服で美しく個性的に着飾る。
 当然、アパレル業界全体は大いに栄える。

 どうか、皆様の協力でアパレル業界がこのようなの夢の世界へ向けて一歩前進する事を祈る。





第3章 巻末資料

図1.共通値札


  1052 :小売業者の商品分類を示す。
  123456 :共通メーカーコード(略称可能)

  1234567890123:メーカー品番
  紺 9号 : カラー・サイズ名称
  イヤスカズイ :オプション(原価、仕入先等)

                 


   2112345678 321
   21   :21〜29のいずれか
   12345678 :発注書の伝票番号
   32   :発注書のカラー・サイズテーブルの
       縦3列目、横2番目の商品を示す。                                                             
   1   :間違い防止数値(チェックディジット)
  可(不可):追加可、追加不可
  ハナムラ :小売店名称

図2.A共通発注書の形式

仕入先  A共通発注書  伝票番号.999 発注小売業
共通コード
商品部門 発注日 納品指定日
発注ヘッド項目オプション
横軸区分 サイズ1 サイズ2 サイズ3 ・・・ サイズ9
共通メーカーコード 色1 ・・・
共通品種分類 色2 ・・・
小売業商品分類オプション ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
「数量」  「原価」   売価 色9

注.横軸のサイズと、縦軸のカラーは逆にすることもできます。

図3.A共通新規発注データ形式
1.ヘッド部:レコード区分=‘H’         (レコード長:73バイト)




















共通
小売
店舗
コード
発注
ヘッド
項目
オプション
予備エリア
30

2.明細部:レコード区分=‘M’





















小売業用
商品分類
オプション










予備エリア

3.横軸要素部:レコード区分=‘W’

要素1 要素2 要素3 ・・・ 要素8 要素9








横軸
有効
データ
件数
名称
カラー
サイズ
名称
コード
カラー
サイズ
コード
名称
カラー
サイズ
名称
コード
カラー
サイズ
コート
名称
カラー
サイズ
名称
コード
カラー
サイズ
コート
・・・
・・・
・・・
名称
カラー
サイズ
名称
コード
カラー
サイズ
コート
名称
カラー
サイズ
名称
コード
カラー
サイズ
コート
予備
エリア

4.縦軸要素部と要素毎の発注明細部:レコード区分=‘V’






縦軸
要素
名称
カラー
サイズ
縦軸
要素
コード
カラー
サイズ
カラー・サイズテーブルの横要素
要素1 要素2 要素3 要素4 要素5 要素6 要素7 要素8 要素9
発注
数量
発注
数量
発注
数量
発注
数量
発注
数量
発注
数量
発注
数量
発注
数量
発注
数量

5.支店毎の発注数量部:レコード区分=‘M






横軸
有効
データ
件数
店毎のカラー・サイズ別発注数量テーブル
テーブル1 テーブル2 テーブル3 ・・・・ テーブル12 テーブル13
発注数 発注数 発注数 ・・・ 発注数 発注数









第4章情報化社会の水平展開
       《商店街活性化対策》

【商店街は地域文化の守り神】
 チェーンストアー各社は『全国いたる所に出店し、全国何処ででも同じ商品を同じ価格で販売し、人々の豊かな生活に貢献する。』事を目標としている。
 もし、このような考え方を持ったチェーンストアーが全国の流通業を席巻して、商店街が無くなったら、人々の豊かな生活は実現するだろうか?
 全ての人は自分の生きているあかしを自己主張する。
 そして、この傾向は、経済的な余裕が出て消費が成熟してくれば益々強くなる。

 ところが、チェーンストアーの全国同一の品揃えはすべて同一だからお客様は自己主張できない。

 また、昔から『三里四方で取れた作物を食べれば病気はしない』と言う。
 それほど、地域の作物や生産品や水は、地域の人々にとって重要だ。
 地域で採れたものを地域で消費する「地産地消」。「身土不二」土と体は一体だよ。との運動も盛んに行われている。
 この傾向は、文化が成熟してくれば益々強くなる。

 これもやはり全国同じ品揃えだけでは、その地域で採れた産物は十分に品揃えはできない。
 そこで、地域の商店街がこれらの地域住民のニーズを満足させてこそ、地域住民の豊かな生活に貢献できる。

 つまり、商店街は地域住民の豊かな生活に貢献し、地域の経済と文化の守り神にならなくてはらない。

【チェーンストアーの功罪】
 たしかに、チェーンストアーの量販店が進出して物価は安くなった。
 今後も、ローコストオペレーションを押し進め、物価の主導権を握って市場のシェアーを伸ばすと思われる。

 このローコストオペレーションとは『投資の効果を最大限にすること』で、一番影響力のある部分をねらって経済活動をする効率追求のいとなみだ。
 だから、チェーンストアーの仕入れ担当は本部に勤務して、マスのメリットを生かして商品を効率的に仕入れるため、全国の全店に同一商品を手配する。
 この結果、売り場の商品は大量に売れる品目が優先される。

 メーカーは、人気商品であっても売上が少し減少すればチェーンストアーから廃番扱いとされるため、次の製品を発売する必要がある。
 だから、常に目先を変えただけのライフサイクルの短い新商品を目まぐるしく開発しており、じっくり良い商品を開発できる環境ではない。

 その上、このバイイング方法は全店分の大量の商品手配が必要で、中小企業では大量注文に応じる生産能力が無いので、良い商品を持っていてもなかなか取引できない。
 また、それぞれの地域独自の産物や生産品も取扱いにくい。
 さらに、店の従業員は転勤を繰り返すから、地域の文化や催事を理解し、それに応じたサービスは期待できない。

 つまり、このような効率だけを追求したチェーンストアーだけでは、地域産業の空洞化と人口の都市部への一極集中とを招き、地域の文化や経済は衰退する。

【これからの商店街の存在価値】
 商店街は地域に密着しており、その地域住民の生活や文化を知っている。
 また、その地域独特の産物や生産品も熟知している。
 そして、それらの商品を作る人と、その商品を消費する文化とを誇りとしている。

 そこで、これからの商店街はチェーンストアーとは異り、地域密着した少商圏業態でこそ存在価値がある。
 しかも、大手のチェーンストアーは商圏人口を多く必要とする大商圏及び中商圏の業態が多いので、地域密着の少商圏の業態では、むしろ商店街が有利だ。
 したがって、商店街と郊外の大型チェーンストアーとの共存共栄は可能であり、共存共栄しなければならない。
 そして、究極の少商圏とは固定客のみを相手にする商売だ。

【キャッシュレス化の実現】
 この固定客のみを相手にする商売をするためには、その顧客の一人毎の好みを知っておくことが必要。
 そして、顧客の顔を思い浮かべながら商品の品ぞろえをする。
 この個客データ管理は、お客様の数が少ないから、コンピューターで管理するまでもなく、商店主の頭のコンピュータ管理する方が良い。

 個客データ管理よりも、老齢化社会だから、キャッシュレス化を推進して、老人のお買物環境を整備したい。
 お買物代金のレジでの支払いは‘タッチ&ゴー’で済ませて、翌15日に年金口座から自動引落しが望ましい。
 これが、実現できたら、現金を持ち歩かないから安全・安心。
 さらに、レジでの支払い時のお金の出し入れの煩わしさから解放され、喜ばれる。

【情報武装商店街構想】
 戦う相手は、チェーンストアーで強力なローコストオペレーションを実践している。
 だから、このローコストオペレーションに勝てるローコストオペレーションを提案する。

 この提案は、商店街で営業する様々な業種・業態の商店を水平方向に結んだ一つの事業体として考え最大の効果を出すしくみです。
 それは、各商店がそれぞれ持っている小さな商流・物流機能や販売促進機能を、商店街全体が活性化するように再構築する機能区画整理事業。
 今や、永久のライバルであった三越と高島屋がこの分野で業務提携する時代です。

 この様にして、商店街全体で強力な相手に戦いを挑む。
 各個店で別々で戦っても勝てない。
 地域の商店が協調して強力な情報武装商店街を作ることが、相手に勝てる一番効果のある方法です。

 第二章で説明したように、如意POSには様々な機能があるから、あらゆる業種・業態のサービス業で使用でき情報の標準化を図る事ができる。
 この標準化された情報を駆使して、商店街の各商店を有機的に結合してローコストオペレーションを展開する。

 それは、商店街全体を一つのチェーンストアーに、商店街の各商店をチェーンストアーの支店に見立て、相手に勝つローコストオペレーションを展開する事です。
 また、1つの商店街を1つのショッピングセンターと見なして、ショッピングセンターの連合体でローコストオペレーションを推進すべきと思います。

 そして、ローコストオペレーションを行う為には、あらゆる業務機能が合理的に連携補完した強力な総合情報システムが必要。
 この強力な総合情報システムは、様々な業界からの要求を入れて妥協したシステムではなく、小売業界の利益のみを考えて作るべきせす。
 様々な業界の要望で妥協したシステムでは、強力な総合情報システムにはならない。
 合理性のある理論のみで設計されるべきです。

 まず、商店街にチェーンストアー本部に相当する商店街本部を設置する。
 そして、この商店街本部にコンピュターを設置して、
 以下の営利事業を運営しつつ、顧客情報と商品情報とを収集して商店街共有個客データベースを構築する。
 その営利事業とは、
 まず、ポイントカードによる販売促進事業と共同駐車場運用事業を行う。
 さらに、プリーペードカードと、クレジット(後払い)キャッシュレスサービスや、
     友の会共同事業、共同発注・共同仕入れ・共同決裁の商流サポート事業や、
     共同値札付け事業/配達納品の共同配送事業を行う。
 次に、給与計算や財務会計や部門別損益計算書、等の計算サービス事業を行う。

 これらの各事業はそれぞれが収益事業として営まれ、原則として各事業ごとに利益が出るように運用する。
 そして、事業を通して商店街の加盟店の物流と商流の合理化を促す。

 なお、商店街共通個客データベースは、商店街のお店が利用するものだが、
 むしろ、商品ベンダーやコンサルタントにも公開され、商店街の活性化を外から応援して頂く、資料/指標として必要。
 データが無くては、応援のしようが無いし、効果も測定できない。

【商店街の足並みの乱れ】
 これだけの事業構想を持ち出せば、商店街では必ずついてこない商店が現れる。

 しかし、事業に参加できない商店が出ても、迷惑を掛けるわけではない。
 だから、何人かの賛同者を得たらどの事業も開始しても良い。
 また、最初に参加できなかった商店も、その気になった時に参加すれば良い。

 つまり、商店街全体の足並みを無理して揃える必要はない。
 また、各事業への参加も各商店の自由で、
     ポイントカードと共同駐車場のみ加盟したり、
     ポイントカードと共同駐車場とプリペイドカードとキャッシュレスとに加盟したり、
     商品台帳を整備して個客データベースにまで加盟したりできる。

 ただし、各事業は利益を出して、自立する運営を心掛けることは言うまでもない。

【第一段階】
 これらの事業を三段階に分けて実施する。
 第一段階は簡単にできるポイントカードと共同駐車場事業である。
 第二段階は組織力と技術力が要求されるプリペイドカード・キャッシュレスによる金融事業と友の会事業である。
 第三段階は個客データベースの運用とその関連事業で、
         第二段階の組織力と技術力の上に協調性も要求される事業である。

 これらの第一段階と第二段階の事業の為には、本部にホストコンピュターと各加盟店に第二章で紹介した如意POSを導入する事が必要。

 ポイントカードによる販売促進事業は、レジでPGカードを無記名・無料・即時発行する。
 このPGカードにお客様のお買い上げ金額に応じたポイントを進呈する。
 ポイントの表示はレシート上に行われる。
 ポイントが五百点になれば、五百円をプリペイドカードに加算して、ポイントは0に戻る。

 この最初のポイントカードだけの運用でも、
 個々の来店客の合計御買上金額や地域毎のシェアーが分かり、有効な地域対応販促のエリアマーケティングができる。

 このポイントカードサービスは顧客の固定化に威力を発揮する。
 また、少ない経費で運用ができ、セキュリティなどの対策もあまり必要ないので一番取り組みやすい事業です。

 次に、共同駐車場の運用事業は、ポイントカードのカードデータ内に記憶されている買い上げ金額情報を駐車場の料金精算器で読み出し、お買い上げ金額に応じて駐車料金を減免精算するサービスです。

 これは、お客様にとって、煩わしい店への駐車券請求行為が不要となるので気持ちの良いサービス事業です。

【第二段階】
 第二段階はプリペイドカード、後払いカード、友の会事業を行う。

 プリペイドカード事業は、従来のプリペイドカードの販売ではなく、第二章で紹介したプリペイド加算販売である。
 この方式は、ローコストで、お店にもお客様にも非常に楽良早安なしくみで確実に普及する事業である。

 また、後払い(キャッシュレス)カード事業は、"ツケの利く商店街"で気軽な買い物を!の販促ができる。
 前述の通り、老齢化社会に対応して、お金を持ち歩かない、お金の授受のわずらわしさから開放する。
 また、お客様が、給料日前で少し生活費が足りない時に商品代金を用立てるサービスで、用立て代金の金利を加盟店が負担するしくみでもある。

 このプリペイドカード、後払いカード事業は、セキュリティーも考慮されており技術的には即実施できる。
 このカードによる支払いは、お客様に便利さを提供しお客様の囲い込みに大いに威力を発揮する。

 また、友の会事業の毎月の友の会招待セールや満会記念セールの促効果は非常に大きい。
 特に、都市部に立地した大商圏の商店街の販売促進には効率のよい販売促進策である。

【第三段階】
 いよいよ商品情報を収集して個客データベースを構築する。

 そのため、加盟店毎に商品マスターを整備して、如意POSにバーコード読み取り装置を接続する。
 そして、如意POSで読み取られたカードデータ内の顧客コードと、商品に印刷されたバーコードの商品情報とから、顧客の一人毎の購入商品履歴の個客データベースを構築する。

 これで、固定客の顔が見える商いができる。
 自分で、色々な思い切った仮説を立てて商売が楽しめるし、
 商品ベンダーやコンサルタントと一緒に「仮説の検証」を繰り返し、商売を応援してもらえる。

 また、商品台帳を整備して、発注・納品検収・支払いの商流サポート事業や、
     衣料品等のソフトグッズの値札付け事業や、
     如意POSで収集された納品指示データから共同配送事業や、
     給与計算、財務会計、部門別損益計算のサービス事業や経営指導事業も行う。

【商店街本部の収益事業業務】
 以下、主な収益事業毎のもう少し詳しい実務を説明する。

 @ポイントカードによる販売促進事業
  @.ポイントを加盟店へ販売する。
  A.お客様へポイントに応じた販売促進の催しを企画実施する。
  B.お客様がポイントを金券として使用した金額を加盟店へ支払う。

 A共同駐車場運用事業
   駐車場の経営者は、お客様がカードで駐車料金を精算した時の駐車料金減免データを本部へ送付する。
   本部はこの駐車料金減免データを集計し、加盟店より徴収し、駐車場へ支払う。

 Bプリペイドカード金融事業
  @.加盟店から、プリペイドカードをお客様へ販売した金額を回収する。
  A.加盟店へ、お客様がプリペイドカードで代金決済された金額を支払う。
  B.プリペイドカード販売額と、回収額と、カード毎の使用可能在高とを大蔵省報告。
  C.カード更新の不正使用のチェックを行い、
        不正が発覚したらネガファイルを作成し加盟店のPOSターミナルへ送信し不正使用防止を行う。

 C後払い(キャッシュレス)カード事業

  @.カードの発行
    希望者の与信調査を行い、与信に合格した場合は
     お客様と、銀行と、本部とで、銀行口座引き落としの三者契約を締結し、キャッシュレス可能カードを発行する。
     なお、与信調査に関しては第三者のクレジット会社に委託する事も考えられる。

  A.お客様へ代金の請求
    支払い契約締日に、請求データを集計し銀行へ口座自動引き落とし依頼。

  B.加盟店へキャッシュレス取引代金の支払い。
    加盟店へキャッシュレス取引代金の支払いを行う。
    この際、支払額から"後払い手数料"が控除されるである。
    (一般クレジット手数料は通常四〜五%であるが、これより低い率でも運用できる。)

  C.安全管理
    キャッシュレスの貸付限度額やカードの不正使用のチェックを行い、限度額オーバーや不正が発覚したら、
    ネガファイルを作成し、かつ加盟店のPOSターミナルへ送信し不当不正使用を防止する。

  D.カードの再発行
    カードを紛失した場合はカードの再発行を行う。
    この際の再発行カード番号は紛失した番号とは異なる新たなカード番号である。
    また、プリペイド在高及びポイントカードの残数は引継がない。
    これは、後で紛失したカードが見つかり再行使される危険を防止する為である。

 D友の会事業
   単独の加盟店若しくは複数の加盟店が協力して友の会を作る。
  @.友の会会員の入会登録
    住所、氏名、口数、等の会員登録を行う。
  A.友の会会員毎の入金管理及び途中退会の管理
  B.友の会催し物の企画と案内状の発行
    毎月1回、友の会催し物を企画し、会員へ案内状を発行する。
  C.満会時のお買い物券プリペイドカードの発行
    満会時に、お客様へお買い物券プリペイドカードを発行する。
  D.通産省への報告業務
    友の会の会費の預かり金と、お買い物券の発行額と、回収額と、
    お買い物券プリペイドカードのカード番号毎の使用可能在高管理とを通商産業省へ報告する。

 E商品マスター構築維持事業
   商店街本部は、加盟店と仕入先と連携しながら、加盟店毎の商品マスター構築&維持事業を行う。
  @.加盟店の取り扱う商品の商品情報登録を行い商品マスターを作成する。
     この商品情報は仕入先やJICFS業者(バーコード商品マスター販売業者)から磁気データで入手して、
     加盟店からの指示でこの磁気データを加工して商品マスターを構築する。
  A.POSレジ商品マスター未登録のバーコードの商品情報を、JICFS業者から受信して加盟店へ送信する。
  B.加盟店からの商品情報修正指示で、加盟店毎の商品マスターの維持管理を行う。
     また、支店がある場合は、POS商品マスターを加盟店の支店のPOSターミナルへ配信するサービスを行う。

 F発注・納品検収・一括払いの商流サポート事業
  @.各加盟店からの、EOS発注データを取りまとめて仕入れ先へ一括発注する。

  A.納品検収
     加盟店への納品数の検収についても携帯端末で行う。
     方法は仕入れ先から受信した納品予定数量と、加盟店で携帯端末へ入力した検収数とのチェックを行い、
     その結果を仕入れ先及び加盟店へ報告する。
     当然、ノー検品体制にも協力する。

  B.一括支払い
     仕入れ先から加盟店への請求データを一括処理し、
      加盟店へ前記検収数と仕入先の請求数とを照合した結果を付けて請求する。

     加盟店では前記照合済の請求書から仕入れ先別に支払額を指定したデータを作成し本部へ送信する。

     本部は各加盟店から指定された支払額を仕入れ先毎に集計し、仕入れ先へ一括払いする。

     このようにして、仕入れ先及び加盟店の事務の合理化を促進する。
     特に、支払いの際の振込件数が減るので、銀行振込手数料が大幅に節約できる。

 G値札付け事業
   衣料品などのソフトグッズは、バーコードによるソースマーキングがなされていない。

   そこで、第三章で記述した『アパレル業界への個客データベースの提案』で示した
    商品管理体系及び値札の規格で、値札付け事業を行う。

   この際の、共通小売業コードは商店街本部で一つだけ取得する。
   そして、各加盟店は商店街本部の支店として取り扱う。
   当然の事だが、発注書は統一形式で、発注書の伝票番号は各加盟店で重複しないように付番する。

   この事業は、個客データベースの商品情報を取得する為に不可欠です。

 H共同配送による顧客への納品代行事業
   加盟店で贈答品や大型商品等の配達を伴う商品の販売を行う際に、
   POSのキーボードに共同配送による納品代行を行うように入力した場合には配達指示データが作成される。

   このデータを基に、共同配送による顧客への納品代行事業を行う。
   また、納品完了を示す物品受領書を入力し商品受払い管理も行う。

 Iデータベースサービス事業
  @.加盟店へ個客データベースの提供サービスを行う。
     本部で、加盟店の求めに応じて個客DBを作成する。
     加盟店では、本部で作成したこの個客DBを、加盟店所有のパソコンで閲覧して、自由にデータ分析を行う。
  A.商店街全体の売上動向やどの地域から来店しているか等の動態情報を提供する。
  B.新しい商売を始める人や、商品構成を見直す商店に、
     個客データベースの事実データに裏付けされた的確なコンサルテーションを行う。
  C.お客様のプライバシーを侵さない形で、メーカー及び調査機関へデータ提供。
  D.DM発行事業
     データベースに登録された顧客の中から、DM依頼加盟店の要求に該当する顧客を抽出しDM発行を行う。

 J計算サービス・経営コンサルティング事業
   如意POSに蓄積した従業員タイムカードデータから勤怠管理や給与計算を行う。

   また、同如意POSの精算データから売上計上の振替伝票を、
   共同仕入れの仕組みから仕入れ計上の振替伝票を、
   給与計算から給与等の人件費計上の振替伝票を、
   自動的に作成する財務会計及び部門別損益計算書を加盟店毎に作成する計算サービス事業を行う。

   また、この部門別損益計算書の数値に裏付けられた実効ある経営指導等のコンサルタント事業も行う。

【商店街情報化事業失敗の原因】
 ところが、これらの事業は商店街活性化対策事業として今まで盛んに実験されたが、成功している事例は少ない。

 この失敗の原因は、
 まず、@商店街情報化事業の目的が周知徹底できない事。
      例えば、ポイントカードの例で示せば、
           ある人はただ単に値引きサービスとして使う、
           またある人はDMを打つための情報収集手段として使う、
           またある人はエリアマーケティングを行いチラシの蒔く範囲を決定する為に使う。
      これらの使い方は、経営戦略や業種・業態により異なり、各商店毎にポイントカードに対する思惑が異なる。

 次に、A機械の性能が分かりづらく、機種選定を間違える事。
      これも、ポイントカードで説明すると、
           A社のポイントの機器はONラインでポイントの台帳をホストコンピュターに持っている、
           また、B社のポイントの機器はOFFラインでカードの表面にポイントを印字し且つ満点カードになった時に
               顧客コードを引き続き管理できる、
           また、C社の機器はBと同一方式だが満点カードになった時に顧客コードを引き続き管理でない
      等の違いがある。

           さらに、Cの機械を導入したら顧客管理は非常に難しい。
           Aはコストが高い。
           Bは満点カードを別のコンピュターで管理する事が必要。
      等それぞれに運用のポイントが異なる。

   これらの中で、どこのメーカーの機械が一番効果が見込めるかの判断は非常に難しい。
   その上、機器の、耐久性・信頼性・保守の体制等も考慮する事が必要で難しい。

   次に、・ソフト作りが思い通りにならない。
   その原因は、商店街に情報化に強い人材が少ない事。

   その上、指導助言する電算メーカーやソフトハウスのソフト技術者の実務経験不足から、
   商店街の要求仕様がソフト技術者にうまく伝わらず実情に合わないしくみが構築されたり、
   各事業がそれぞれ単独に設計され、インターフェースが合わず相乗効果が十分に出せなかった事。
   等が考えられる。

 最後に、
    C運用がなされない。
     データは出ているけれど使われない。また、見るだけで何にも行動に結びつかない。
     各商店は自分の商いの事で精一杯で、とてもデータを見て対策を考える余裕は無い。

  これら@〜Cが、商店街情報化事業失敗の原因だ。

  しかし、@の商店街情報化事業の目的が周知徹底できれば、Cの運用はなされるようになる。
  また、Cについては、前述の通り、外部の協力を得る際に、「お客様の見える化」が成功の元になる。

  ABの問題は、本章で提案している商店街活性化対策事業で解決できる。

【事業成功の条件】
 事業を成功させる為には、各事業の目的と範囲を明確にしなければならない。

 そして、商店街の各商店は、数多くの事業の目的の中で自分の店の商売に効果が望める事業にのみ加盟する。

 加盟するからには、その情報化事業の目的達成に向けて、加盟者全員と一致団結して協力しなればならない。
 当然、加盟者の全員がそれぞれ主役となって他人任せにしない事が必要。

 つまり、行政や大型核店舗への過度な依頼心は事業成功の妨げだ。
 各情報化事業は、このように各加盟店の求心力を強くして行わなければ成功しない。
 また、各地域の商店街では、数多くの商店街情報化事業の中から事情に応じて効果が大きい重要な事業から順に一つづつ着手する。
 そして、必ずその着手した事業を収益が出るように成功させてから、次の事業に着手する。
 この様にして一つづつ確実に利益の出る事業を増やして行く。

 なるべく数多くの事業を行った方が、商店街の結束や集客力が強くなる。
 これらの事業が軌道に乗れば、各商店は、個店ではなく一つの大きな法人である共同商店街の一員となるので、取引先に対する信用力や交渉力が向上し、取引条件も有利になり、競争力は強くなる。

 しかし、運用は大変だ。それでもやり遂げなければならない。
 皆で力を合わせて、成功させなければ商店街は無くなって、皆の故郷が荒廃してしまう。
 故郷が荒廃しては、豊かな情報化社会は実現できない。
 情報化社会は地域の重要性が認識される社会であり、独自の地域文化が花咲く時代だ。

 だから、皆も協力してこの事業を成功させ商店街を残さなければならない。
 行政は、確実な効果の出るバックアップ体制を敷く。

 例えば、広域の複数の市町村にまたがる商店街の連合で情報化事業ができるような制度作りが必要。
 また、販売促進・情報システム構築・物流のプロを組織し事業計画をチェックし支援できる仕組みを作る。
 その原資は、予算をもっと厳しくチェックする事で捻出できる。
 同じ仕事の見積もりを依頼しても、官庁への見積金額は民間企業への見積金額より二〜三割り高い場合が多い。

 各商工会でも、これらの事業のプロを育て各商店街のシステム運用の手伝いをする事が必要。
 教育界も、この情報化時代の要請に応じて、早急に協調性がありかつ個性的な創造力を持った人材を数多く育てる事が必要。

 これらの商店街活性化事業が産学官の協力で運用され、商店街が栄え、地域の中小企業が繁盛し、地域の経済が活性化し、地域文化が輝き、地域住民の豊かな生活が実現する事を祈る。



第5章実施設計

        《情報化社会実現へ向けて》

  情報化社会の構築には、お客様にカードを使って頂かなければなりません。
  カードを便利に使って頂くには、キャッシュレス化が有効だと思います。
  電話・電気・水道料金の支払いと同じように、毎月決まって日に銀行口座から自動引落しする方式です。
  以下、そのキャッシュレス化について、述べます。

【キャッシュレス化の目的】
1.高齢化社会への対応
  今後、高齢化がさらに進んで行きます。
  高齢者が現金を持って、買物に行き、お金を支払う行為は、治安上も問題であり、
  さらに、レジでの現金授受に伴なう緩慢な動作は、
      高齢者自身の"後ろに並んでいるお客様に迷惑をかける"との精神的な負担になっており、

   電子マネーで"タッチ&ゴー"で支払えるしくみ作りは、これからの高齢者には気持ち良いレジ環境となります。

   東北のアサノと言うスーパーはEdy(プリペイドカード)ですが、
                お客様の半分以上は高齢者だそうですが、快適に利用されているそうです。

   電子マネーによるキャッシュレス化は、お年寄りに優しい仕組みです。

2.お客様の電子マネーチャージ行為を無くす
  JR東のSuicaがプリペイドカードで成功していますが、
  "今、ホットな仕組みは自動チャージで、これを1度経験すると、面倒な券売機からのチャージ操作はしたくない"と、
   あるお客様から意見を頂きました。

   それなら、スルッと関西のピタパ方式の後払い電子マネーが良いのではと、
      プリペイドカードから、後払い方式のキャッシュレス化へ考え直した次第です。

  今、EdyやSuicaが爆発的に普及しないのは、チャージの煩わしさが一因かも知れません。

3.クレジット手数料を安く抑える
  また、ピタパが普及しないのは、一般クレジットが絡んでいるからだと思います。

  一般クレジット手数料は4〜6%と高額だから、食品スーパーの負担の限界を超えています。

  そこで、小売業がクレジットを運用して、
       貸倒れ損失と運用経費の合計でも1%以内に抑える仕組みを構築すべきと考えています。

  例えば、クレジット許可をネット上で自動化したら、クレジットを申し込んだお客様が、店舗でカードをタッチするだけで、
       カード内の与信スイッチがONになり、後払いが利用可能になる仕組みにできます。

       この効果は、クレジット許可によるカードの再発行などの、事務手続きが大幅に簡素化できます。

       詳細説明は割愛させて頂きますが、よりICカードの特性を生かした、革新的な仕組みで、
       後払い(クレジット)運用経費を劇的に下げられるのです。

       今後、キャッシュレス化がビッグビジネスになり得る技術でもあります。

       したがいまして、Edyやナナコのようにチャージする必要が有りませんし、
                 チャージする機械も不要で、キャッシュレスがローコスト運用も可能です。  

4.レジ混雑の解消と収益アップ
  キャッシュレス化を実現できれば、レジのスピードが3割速くなりますから、レジ混雑が、緩和できます。

  レジの支払いが早くなれば売上も上がり、収益アップに直に貢献します。

  さらに、チェッカーさんが、現金授受の緊張から解放され、余裕がでますから、
                  お客様への接客が、より優しく、フレンドリーになります。

5.顧客商品購買履歴の活用
  顧客購買履歴の活用は、各社共になかなか進行していない。

  それは、小売業だけで活用しようとするから効果が限定されるからで、
    ベンダーとの製販共創商品企画や
    地方公共団体が地域の産業を育成する為に利用するスキームを構築すれば、
  風向きは一挙に変り、顧客購買履歴活用が進行すると思う。

  成功事例は、ウォルマートのベンダーへの個客DB公開です。

  第2章の【個客DBによる販売促進と生産性向上】で述べた個客DB活用は、実施されるべきです。
  特に、ベンダーとの製販共創商品企画を確立するには、顧客購買履歴の緻密な観察による「仮説の検証」は不可避です。
  開発商品の顧客購買履歴の緻密な観察を行えば、的確な判断が可能になり、売れる商品開発の確率が高くなります。

6.お金のハンドリング(後方業務)コストの削減
  売上金を運搬・保管する警備会社への費用支払いの低減
  チェッカーさんのレジ現金在高(現金過不足)管理の手間削減と不正抑止
  特に、キャッシュレス化により、レジで回収される現金が減少しますから、現金の、過不足が減少し、チェッカーさんの精神的苦痛も軽減される。
  また、レジ操作の教育も簡略化できて、新人でも早く配属できる。

【キャッシュレス化実施手順】
  キャッシュレス化には、貸倒れリスクが伴ないます。
  だから、瀬踏みしながら、1歩1歩づつ慎重に前進する必要があります。

1.キャッシュレス(後払い)許可審査について
  小売業の強味を生かした独自の与信のしくみを構築できると考えます。
    小商圏店舗で、何時も買物に来る顔見知り客が多い。
    従業員の知合いや、親戚・縁者が多い。
    従業員が、家庭訪問して、お客様の生活実態を掴み易い。
     これらの環境を利用することで、従来のクレジット審査よりも、有効な審査体制を構築できると思います。
    例えば、従業員の紹介として、実績に応じた報奨金を出したり、貸倒れが発生した場合は、ボーナス査定を減らしたりする。

    このように、従業員力や、近隣の知合い相互扶助の信頼心の活用などが、考えられます。
    いずれにしても、貸倒れ損失を少なくするには、慎重で確実な与信体制を創造しなければなりません。

2.キャッシュレス専用レーン(レジ)の設定
  最初から、全てのレジをキャッシュレス化はできません。
  混雑の激しい店舗の1〜2台のレジをキャッシュレス専用レジとして開設して、
  まず、社員購入や、社員が推薦するお客様の専用レジにする。

   これは実験であり、お客様への利便性デモンストレーションでもあります。
   従来の現金授受で遅くなるレジに並んだお客様は、隣にスイスイ流れるレジがあれば、羨ましいと思われる。
   その威力を見て頂いた後で、家庭訪問や従業員推薦でキャッシュレス会員を増やして行く。
  ・・・・・・・・・・

   キャッシュレス化は大事業だと思います。ここで書いただけでは、足りません。
   個客情報のお客様へのフィードバック、請求書の送付、未集金の催促、etc

   多くのクリヤーすべき課題がありますが、お客様に気持ち良い支払い環境を提供するには、万難を排して挑むべきだと思います。
   お客様に支持されることが繁盛に繋がりますし、日本で最初に達成すれば、脚光を浴びますし、好感を持たれます、さらに、従業員の士気も上がります。

【カード利用率を上げる方策】
   しかし、後払い方式によるキャッシュレス化だけでは、カードホルダー率は50%止まりでしょう。

   そこで、カードホルダー率を上げる為に、現金ポイントとプリペイドカードのサービスを併用します。
   1枚のカードで、前払い・後払い・現金ポイントカードの3つのサービスを行えます。
   1枚のカードですから、この3つのサービスで、個客DBが分断されることはありません。

   3つのサービスで、より多くのお客様の個客DBが集積され、データの数値信頼性も確立できます。
   
【どこでも使える共通決済プラットホーム】
   まだ、大きな課題が残っています。
   それは、同じカードが、どこのお店でも使えなければ、不便ですから、
        お客様はキャッシュレス化の利便を享受できなくなり、長続きしない可能性が高いこと。

   そこで、どこのお店でも使える共通決済のスキーム構築が必要になります。

   その共通決済の考え方を‘統合型電子マネー’として佐賀大学と共同研究しました。
   また、その運用の説明を‘電子マネー共通決済構想’として提案しています。

   この共通決済は、1社だけが胴元になって加盟小売業を支配するのではなく、
   全ての小売業が、平等に電子マネーの胴元になれるスキームです。

   自店のカードが他社で使われた場合に、精算する支払いを行い、お客様に請求しなければなりません。

   確かに、面倒ですが、有志の小売業が協力して、共通決済の精算センターを構築・運営すれば、各小売業の負担は大きいものにはなりません。

【小売業界のGSR事業】
   グローバル競争の時代です。
   今までの大量生産/大量消費/インフレ時代の古い商習慣の継続が、
   世の人々を苦しめる結果になっていませんか?

   今までの商習慣では、小売業が安く売ることは「お客様を喜ばすから良い事」だ、‘商人道’に適っていると、
   熾烈な値下げ競争に大義名分を与えて煽ってきた。
   しかし、その結果が、デフレ状態を促進して、仕入価格を低減して、生産者の収入を下げるだけでなく、
   社員賃金の低下を促進して、結局、お客様である全ての人々の生活基盤を崩壊させている。

   もともと小売業の賃金は他の産業と比較して低かった。
   それを、自ら値下げ競争を加熱させ、デフレスパイラルを拡大し、一段と下げつつある。
   昨今のデフレ下でも安定して下がらない公務員の賃金と比較するとその格差は絶望的に拡大している。

   この様に、最低賃金をも押し下げなければ成り立たないような小売業の経営環境を野放して良いのだろうか?
   今の賃金水準は、小売業の従業員の反乱が起きても不思議ではない状況で、
   根本的な経営改善での労働生産性向上を怠ってきた小売業経営者の責任でもあると思う。

   私は、古い商習慣が、今のグローバル競争時代にそぐわなくなっていると思っている。
   だから、今までの商習慣を根本的に変えなければならないと思う。

   その新しい商習慣は、生産者の適正な収入を保証し、社員の給与を上げるものでなければならない。
   その為には、小売業の労働生産性を革命的にアップさせなければならない。

   現状の小売業の生産性を向上させるには、
   2章で述べた通り、情報業界と金融業会の協力が必要と思っている。
   特に、小売業界での情報と情報技術の蓄積を行い、
   小売業を取巻く広範囲の業界を包含する「全体最適」を追及し続ける必要がある。

   その原動力である情報システムを、小売業界で共同開発・利用する必要性は高いと思う。

   そこで、小売業の有志経営者が集ってGSR事業として、
   これらの、情報産業と金融業界(クレジット業界)への協力要請を通じて、
   社会全体での「全体最適」を実現できる協力スキーム構築と、

   小売業運用ソフトの共同開発、及び、人材の育成に資する共同研究会や、
   情報技術者の共同利用など、小売業への情報技術蓄積の共同事業を行う。

   特に、グローバル競争の時代は、究極のコスト削減が求められます。
   その為には、商売敵とさえ協力して、業界全体の底上げを目指すべきと思います。

   例えば、経営資源の共同開発・共同利用を推進する必要があります。
       人材・物流施設・情報システム・商品開発・電子マネー共通決済精算センター・
       個客DBの構築/運用及び公開を行う個客DB運用センター、
       などの共同利用を推進すれば、
   小売業界全体の「全体最適」が図れて、生産性が大幅に向上します。

   特に、個客DBの構築と、社会への公開が、日本経済界全体に一番大きな経済効果を生みますから、
   日本経済界の一部である小売業界にとっても究極のコスト削減となるのです。

   さらに、政府やNPO法人などと連携して、
   デフレ解消や貧困撲滅や就労確保に有効な対策を
   総合的な観点から業界全体で推進しなければならないと思う。

   そして、このスキーム構築の主導権を、小売業界が握って推進しなければ成功しません。
   政治、各業界団体の思惑が絡み、横槍が入る可能性が高いと思われますが、
   個客DBを構築している小売業に、キャスティングボードを握る権利があると思います。

   その結果、数値信頼性を確立した個客DBのを公開して、
   まず、小売業界が、「お客様の顔」の見える販売促進で活性化して、
   さらに、国内外の他産業を牽引して、
   日本経済を引張り上げる事で、革命的な労働生産性の向上が望めると思います。

【共通決済の精算センター事業】
   前記【どこでも使える共通決済プラットホーム】の説明の通り、
   電子マネー共通決済精算センターを設立して運用しなければ、爆発的な普及と定着は望めません。

   以下、これらの業務を行うGSR事業を仮に「個客DBプロバイダー」と呼びます。

   共通決済の精算業務で、自社のカードが他店の支払いに使われた場合は、他店から支払い手数料が入ります。
   逆も有ります。
   つまり、カードを多く発行したら、それだけ、カード決済手数料収入が増えます。

   そんなスキームですから、各小売業は、自店のカードホルダーを増やす為に一所懸命に会員を増やします。
   新たな「国取り物語」の始まりです。

   多くの小売業が、カード決済手数料収入を得る為に、カード会員を増やす努力をしますから、
     1枚のカードがどこの小売業でも使えるようになり、一挙にキャッシュレス化が定着すると考えます。

   以上のような手順で、キャッシュレス社会=カード社会を実現し、各社の個客DBを構築して、
    さらに全ての個客DBを統合して、社会へ公開します。

   この個客DBの社会への公開スキームは、佐賀大学との共同研究である‘統合型電子マネーによる売上情報の活用と個人情報管理’で雛型をご提案致しております。

   以上のように、「情報化社会」は、流通各社が連携すれば、実現できます。"皆の幸せ実現"は流通業界の責務であり、世界貢献だと思います。

統合型電子マネーと地域通貨
   統合型電子マネーに、地域通貨を加盟させることが考えられます。

   例えば、佐賀県が県の公共事業を、通常通貨の円ではなく、佐賀県地域通貨の‘葉’で予算執行すると、
   受託した企業は、従業員に‘葉’で給与を支払います。

   従業員は、電子マネーキャッシュレスで買物をしますが、代金の口座引落しの際に、‘葉’の口座から最初に支払われ、それで足りないと、お客様の円の銀行口座から引落されます。

   このように、円と地域通貨‘葉’がシームレスに使えて、‘葉’の発行&回収に関する管理も、人手を掛けずに電子マネーで自動で正確に行うことができる。

   今、不況の時代で、地方自治体や大学など、クローズされた社会を活性化する手段として、地域通貨を有効に活用する時代が来ていると思う。

   この様に、政府の予算の“円”ではなく、地域通貨で補助金の交付や貸し付けを行える。

   その地域通貨への備えをすることも、小売業の重要な戦略であり、
     政府も補助金を出して“地域通貨運用”後押しすれば、地域主権のあるべき地方自治の経済自立も緒に付くかも。

【個客データベースの利用方法】
 次に、インターネット個客データベースの利用方法を説明する。

 目的の地域の個客DBプロバイダーにログインする。
 そして、画面の操作方法の指示にしたがって、データの検索のキー項目を入力する。

 例えば、自分が作った佐賀県特産の美味しくて紫色をした女山大根がどの様に売れているかを見る場合は
      女山大根の商品分類を入力する。

       すると、数多くの個客DBの中から女山大根の販売データのみが抽出され、
       そのデータを自分のパソコンへダウンロードして、
       売れた店舗、販売金額、お客様コード、販売日、等が閲覧できる。

   後は、自分で自由に検索して調査する。

   例えば、顧客コード順に且つ販売日順に並べることで、
      女山大根を同じ人が継続して買ってくれたか、
      また、次の購入まで何日かかっているかが分かる。

   したがって、女山大根をどの位の量を生産すべきか、いくらの値段なら売れるか等の判断ができる。
   もちろん、大根全体の販売データを取って比較検討することもできる。

 この個客データベースを検索するための入力画面は、誰にでも簡単に扱えて、個客データベースが有効利用される。

 だから、コンピュターのことは"何ーも、知らんでも"大丈夫である。
 情報化社会では特別なコンピュターの知識など無くとも創造力さえあれば安心して十分な仕事や快適な生活ができる。

【個客データベースのセキュリティ】
 個客DBは公共財としなければならない。
 個客DBを利用する事で、産業が活性化して、経済的に豊かになって、‘皆が幸せになる’「情報化社会」が実現する、基盤なのですから。

 勿論、個客DBの顧客名や住所などの詳細情報をオープンにする訳ではありません。

 その変りに、カードの製造番号など、一意の匿名番号を公開します。
 それでも、匿名番号順にデータを並べることで同じ人が継続して買っているか、また次の購入までの間隔はどの位の期間かの判定はできる。つまり、顧客の住所や氏名などの詳細情報は無くても、個客を一意に識別するカードbセけでも、十分に活用することができる。

 なお、顧客情報の不正使用が出ないように法律の整備が必要です。

 ただし、どの様に優れた法律でも規制できないずるい事をする人が現れる。
 一般では考えられない不正は完全に防止することは出来ない。

 最後はやはり個客データベースを扱う人間の尊厳に訴えるしかない。

【個客DBプロバイダーの業務範囲】
 前記の有志小売業が共同して設立した「個客DBプロバイダー」は、
   個客データベース事業の他に、
   第四章"情報化社会への水平断面図《商店街活性化対策》"で説明したように、
      ポイントカードによる販売促進事業と共同駐車場運用事業。
      プリペードカードとキャッシュレスの金融事業。
      友の会事業。
      商品マスター整備・共同発注・納品検収&ノー検品・一括請求照合
      &仕入れ代金の一括支払いの商流サポート事業。
      値札付け事業、共同配送事業。
      勤怠管理・給与計算・財務会計・部門別損益計算書作成等の計算サービス事業。
      部門別損益運用指導、業態適正診断・経営診断のコンサルティング事業。
      等の数多くの事業が営んで、同志の小売業の経営支援を行うこともできる。

 なお、個客データベースを共有化したら、小売業独自の経営ができない、企業機密がバレて優位性が保てなくなる、などの心配が出る。

 しかし、出す範囲は、個客データベースを提供する小売業が決めることが出来る、から調整できる。

 また、データは同じでも商売の形が違うから、違った品揃えになると思う。
 そうでなければ、そのお店の価値も存在感も無い。

 だから、率先して個客データベースプロバイダー事業に参加して個客DB共有化に協力して欲しい。

 この個客データベースプロバイダーは世の中の役に立ち、かつ無限成長の可能性を秘めた素晴らしい事業である。
 前述した事業は、発生する問題の一つ一つを個客データベースの情報で裏付しながら解決して行く。

 したがって、慎重にデータを分析することで、手堅い判断・行動ができる。
 その判断・行動の結果が、正しかったのかの検証もできる。

 したがって、今までのような失敗はありえない。いや、成功させなければならない。

【本著は、小売業GSR共同事業体設立趣意書の原案】
 前項【小売業界のGSR事業】で、述べた通り、今までの商習慣では、グローバル時代にそぐわなくなり、時代の要請に応える商習慣を、小売業が協力して新たに構築する必要があります。

 特に、不況の時代を脱する為に、個客DBを社会全体へ公開する必要が生じています。

 その為には、電子マネーの共通決済を推進する共通決済精算センターと、個客DBを公開する顧客DBセンターの運用が必要です。

 これを実現するには、小売業が協力して前記の「個客DBプロバイダー」を設立する必要があります。

 本著は、その「個客DBプロバイダー」設立趣意書の原案でもあります。
 設立に賛同される有志の方々が、一緒になって本著を修正して設立趣意書として完成させて頂きたいのです。

 その趣意書を基に、小売業界全体のGSRとして、個客DBを社会に公開して、日本経済を活性化する日本社会全体をバックグランドにした「全体最適」事業を推進して、情報化社会実現に緒を付けたいものです。

【日本発の世界標準】
 このように個客データベースが日本だけでなく、世界に公開されれば、世界全体が情報化社会へ向けて大きな一歩を踏み出す。

 世界の大企業・中小企業・個人が個客データベースを見ながら、それぞれが、独自の製品を、数多く生産できるようになる。

 今までの様に、売れる商品のコピー商品を生産して、安く販売して、過当競争するのではなく、データを見ながら独自の製品を創造する。自分の天性を生かした人間尊厳の生産活動が行える。

 それを可能にするのが、個客DBを観察しながらの「仮説の検証」の繰り返しであり、ムダ・ムラ・ムリの無い計画生産と、商品供給体制の確立です。

 独自の商品が、どこのお店で売れたか判れば、スーパーorコンビニor専門店などの有利な販売チャネルが判ってくるし、リピート率が判れば、商品を改良して、同じお客さんのリピート率がどのように変化するか判る。など・・

 このようにして独自の不可価値の高い商品が生産し、適正な生産者価格と、小売業従業員の給与アップも実現できる。
 その結果、世界各地で、地域独自の数々の優れたニーズ商品が次々に開発され、世界全体の経済が活性化する。

 日本経済も世界経済の拡大の影響を受けて、高度成長時代が再来・継続して大いに活性化する。

 この経済効果の規模はマルチメディアの情報化社会のインフラである半導体やデジタルテレビや通信回線等による 経済効果をはるかに越えるものになる。

 この経済効果によって、世界中の人々が経済的に豊かになる。

 その結果、人々の求めるものが、
 隷属対象である「物」から、人間尊厳の基である「心」に移り、
 資本主義の宿業である「不当な富の格差」も解消される、はずである。

 勿論、環境問題も解決しなければならない。
 今は貧しいから環境対策予算が確保できないで、環境破壊が進んでいるが、豊かになれば充分の予算を確保できて、環境も改善できる。

 そのためには、この個客データベースが日本だけのローカルなしくみで終わらせてはならない。

 個客DBプロバイダーは、日本発の世界標準として急速に増殖して、全世界に個客データプロバイダーを誕生させ、全人類を幸せにする責務があると信じる。


あとがき

 本書執筆の途中、商工会の友人から"ボクシングの文書を経営指導に使ったよ"と言われた時は嬉しかった、勇気づけられてペンが進んだ。
 その文書を読んだ佐賀新聞の吉野徳親編集局長から"商店街活性化対策もぜひ書いてみなさい"と助言を頂いて第四章を書いた。
 また、(財)日本青年会議所元会頭の小原嘉文氏ら何人かの友達に原稿を読んでもらって感想を聞いて、何度も書き直した。
 今回の出版は、これらの先輩や友達のお陰と深く感謝申し上げる。
 同時に、何事も自分一人の力だけでは成就しない、皆の力だと改めて強く感じた。

 それにしても、この稚拙な文書を読者に読んで頂く事に恥ずかしさで身が縮む思いだ。
 私の貧しい知識や文書表現力では、これが精一杯。

 とりあえず、ここでペンを置き、次の機会に再度チャレンジしたい。

 ところで、この情報化社会実現の為の技術的問題はほとんど無い。
 あるのは、個々人の心の問題だけだ。

 利己主義マインドコントールの呪縛の鎖を解き放って、人間尊厳に基づく協調関係を構築すれば、理想の情報化社会はすぐにでも実現する。

 その為には、皆が隣人を大事にしなければならない。
 その結果、協調情報化社会が実現され、自分が生き甲斐のある人生を楽しめる。
 つまり、自分を大事にすると言う事は、隣人を大事にする事。

 そして、ただこの"自分を大事にする事"だけで理想の情報化社会は簡単に実現する。
 人間尊厳に基づく協調情報化社会はこのように簡単に構築できると気楽に考えている。

 "みんながしあわせになる情報化社会実現"の為に、皆様からのご意見ご感想をお聞かせ下さい。

 平成八年七月七日
                                吉田豊昭




【私の情報化社会構築活動報告】
 本著初版を出版して13年半が経過しました。

 出版当初は、これだけ"すぐれものPOS"だし、本まで書いたのだから、全国の小売業が‘如意POS’の性能に驚き、注文が多量に舞い込み、明日からでも全国を飛びまわって、小売業のPOS改革が始まる。

 その結果、顧客DBが構築され、POS改革で、「情報化社会構築」に緒に付くと、妄想を抱いて興奮し、夜も眠れませんでした。

 しかし、引合いは全く無い。

 私個人企業で、営業しても、何時潰れるか判らない零細会社は信用されないし、それ以前に、本の内容が技術者の独り善がりだから、読者は理解できない。

 その上、キャッシュレス化は、周到な準備が必要で、部外者が提案して簡単に実現できるものではなかったのです。
 ご提案した会社の社員になって、時間と資金と信用を得て、会社一丸となって推進しなければ、実現できない大事業でした。

 だから、後で冷静になった考えると、注文が来ないのは当然の事でした。

 その間、信用して頂く為に、佐賀県の創造法で‘如意POS’の認定頂き、試作機を完成させて、さらに、佐賀大学と「統合型電子マネーの構想」の共同研究を行い、さらなる普及の準備をしました。

 その後、セブン&イレブン、野村総研、NTT、郵政省、三菱商事、ビットワレット、イオンの関係者にデモや情報交換をさせて頂き、その後の、SuicaEdy、ナナコ、ワオン、TUOカードの各電子マネー発展に技術面で貢献したと思っています。

 特に、SuicaとEdyのレシートを見ると、弊社の特許3061710号「レジスターシステム」の技術が使われています。

 しかし、この貢献は、情報提供だけで、報酬を稼げなかったので、たちまち生活に困窮してしまい、福岡のPOS販社の株式会社ゼコーに入社して‘如意POS’販売を継続しましたが、成果を残せないまま、昨年の7月で定年退職して、現在に到っています。

 まだまだ道半ば、これで諦める事は出来ません。
 情報化社会の扉は、開かれなければならないのですから。

 そして、本まで書いてストーリーを作ったのですから、
   私には‘皆が幸せになる’「情報化社会」実現に‘緒に付ける’天命があると、「独り善がり」を続けております。

 とんでもない大事業ですから、気長に結果を気にせずに、取組んで行きます。

 幸にも、今は年金で最低の生活はできる。
 だから、その手始めに、本著をHTMLでアップした次第です。

 今後も、小売業のシステム構築をお手伝いしながら、
      じっくり確実に‘皆が幸せになる’「情報化社会」実現に向けて、前進したいと思っています。

 どうぞ、何なりとお申しつけ下さい。

 平成二二年二月二二日                                         吉田豊昭


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  有限会社 シーエスラボ
  吉田豊昭
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