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海がきこえる 氷室冴子 1999/06/30 徳間書店 文庫 小説 青春

月刊「アニメージュ」(徳間書店刊)1990年二月号から1992年一月号まで連載された小説の文庫版です。同名のアニメが徳間書店・日本テレビ放送網・スタジオジブリ提携作品として、ビデオ化されています。僕は、数年前レンタルビデオ屋さんで借りて観た記憶があるのですが、詳細(発売元とか)は記憶に無く、正しく(?)ご紹介できないのが残念です。

物語は、東京の大学に進学し、いざ一人暮らしを始めようとせんとする主人公「杜崎択」が、同じく東京で生活を始めた高知時代の同級生からの電話で、高校卒業の前年に同じ学年に編入してきたヒロイン「武藤里伽子」も、東京の大学に進学したことを知ることから始まります。そして、舞台は同級生として過ごした海が見える高知の街へ。

この小説は、いわゆる大人の恋愛小説ではありません。
「そんな状況で、手も足も出さない男(高校生=少年とは言え)がいるかよ。」と、自分のギラギラしたハイティーンの頃を思い出しつつ、読んだ僕でした。
が、しかし。ふと、気づいたのは、この小説の主人公たちが過ごした時間を僕も過ごし、その後十年掛けて、一通り恋愛 結婚 離婚を経験した僕の身に付いた渡世の垢。
そして、十年前の僕は、まだ垢にまみれておらず、放課後の廊下でクラスメイトの女性に貸したカセット・テープを手渡しで返してもらい、一言、二言感想を聞いただけなのに胸が高鳴ってしまった。そんな僕が確かに存在していた事に気づいたのです。
「今の僕に必要なのは、こういうことかも知れない。」と、心洗うことを促してくれた小説でした。

2000年4月5日
No.239


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海がきこえるUアイがあるから
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