![]() | 坂上田村麻呂に敗れた蝦夷(えみし)の首領を「悪路王」とする見方もあるのだが、この伝承は一筋縄では読み解けない。 |
水沢の悪路王像 |
悪路王の物語・序
蝦夷(えみし)の領袖として、大和朝廷に対抗した悪路王は、岩手県一関市達谷の窟で坂上田村麻呂に成敗されたという。
あるいは、オロ族のチョン(長)であり、 延暦期の陸奥戦争で朝廷軍を大敗させた阿弖流為(アテルイ)であるとも伝えられる。
更に、悪路王は「悪事の高丸」となり、前九年の乱で敗れた安倍貞任の遺児・高丸にも擬された。
そして、高丸は大嶽丸とも変身し、鈴鹿の鬼女・立烏帽子が想いを寄せる逆賊ともなった。
陸奥・出羽の古代を語るとき、坂上田村麻呂を表とするなら、悪路王はさしずめ裏の顔といえる。
田村麻呂伝説が時代に合わせて変貌したように、裏でも悪路王伝説は、それ以上の様相をもって変容し、一見しては関連のない姿で語り継がれた。
その変容の過程の中に、それぞれの時代の意識が根底に託されている。
それを図式的にいえば、体制と反体制あるいは正統と異端であるが、それに加え怨念の世界が垣間見られ、民衆の情を刺激した。
その意識の流れに触れたいために、タイトルを「悪路王伝説」ではなく「悪路王の物語」とした。
まだまだ整理されていないのだが、中間報告のつもりで紹介する。
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