ロシア関係ノート、データ、資料

 

 

サハリン州憲章

 

 

ユジノ・サハリンスク市

1996年

 

1995年12月26日サハリン州議会で採択

 

 

      我々は、サハリン州に居住するロシア連邦国民の委任を受けた代表として、

      祖先の偉業をたたえ、

      サハリンと千島に生きる現在と未来の世代にたいする責任を自覚し、

      島々からなるこの地の特殊性とその独特な自然の富の特徴を考慮し、

      経済の発展と住民の福祉の改善を目指し、

      人類共通の価値観と個人の権利と自由の優先を認め、

      ロシア連邦の平等な権利を有する連邦主体としてのステータスを固め、

      ロシア連邦の憲法に導かれて、

      このサハリン州憲章を採択する。

 

第1章.      総則

 

第1条

      サハリン州は、ロシア連邦の構成内にある国家的・地域的構成体であって、ロシア連邦の平等な権利を有する主体である。

第2条

      1.    サハリン州のステータスはロシア連邦の憲法、サハリン州憲章によって規定される。

2.        サハリン州のステータスは、連邦の憲法的法律にしたがい、ロシア連邦とサハリン州の相互の合意によって変更されることができる。

第3条

1.        サハリン州の領土には、サハリン島とそれに隣接する島々の領土、小クリル列島を含む千島諸島の領土、ならびに、ロシア連邦の国際的条約と連邦法によってその境界が定められる内水と領海が入る。

2.        サハリン州の領土の正確な境界線は連邦法によって規定される。

3.        州の境界の変更はロシア連邦憲法に従って行われる。

4.        その境界の変更に対するサハリン州の同意は、州の住民投票の実施によって表明される。

第4条

1.        サハリン州の権力の源泉は、自己の権力を直接に、ならびに国家権力機関と地方自治機関を通じて実現する、サハリン州に居住するロシア国民である。

2.        サハリン州における権力の最高の直接的表現は、住民投票と自由な選挙である。

第5条

サハリン州は自己の領土における国家権力を、連邦の法令、およびロシア連邦国家権力機関とサハリン州国家権力機関との間で締結される管轄事項と権限の区分に関する協定にしたがって行使する。

第6条

サハリン州の領土内においては、ロシア連邦の憲法、ロシア連邦法、その他のロシア連邦の国家権力機関の法令、サハリン州憲章、サハリン州の法令、ならびにそれぞれの権限内で採択される地方自治機関の法令が遵守されなくてはならない。

第7条

サハリン州の行政的地域的区分、その地域的構成体の法的ステータスと境界は、サハリン州法によって定められる。

第8条

1.        サハリン州の領土内においては、一般に認められた原則と国際法の基準、ならびにロシア連邦の憲法にしたがって個人と国民の権利と自由が認められ、保障される。

2.        ロシア連邦憲法にしたがい、個人と国民の権利と自由は、法律の意味、内容および適用、立法機関及び執行機関、地方自治体機関の活動を規定するものであり、裁判によって保障される。

3.        サハリン州の領内における個人と国民の権利と自由の制限は、ロシア連邦憲法に従い連邦法によってのみ許容される。

4.        サハリン州の領内における個人と国民の権利と自由の擁護は、連邦法および連邦法にしたがって採択されるサハリン州法によって実現される。

5.        サハリン州の領内においては個人と国民の権利と自由の実現の追加的保証が与えられることがあり得る。

 

第2章 サハリン州における国家権力の一般的組織原則

 

第9条

1.    サハリン州における国家権力は立法(代議制)権力、執行権力および司法権力の分立を基礎として実現される。サハリン州の立法(代議制)権力機関、執行権力機関、及び司法権力機関は自立したものであり、自己の権限を実現するにあたって協力する。

2.    サハリン州の国家権力機関のシステムは、ロシア連邦の立憲体制を基礎とし、連邦法によって定められたロシア連邦主体の国家権力の代表機関と執行機関の組織原則に従って、サハリン州憲章によって定められる。

第10条

1.    サハリン州における立法(代議制)権力はサハリン州議会によって実現される。

2.        サハリン州における執行権力は、サハリン州行政府の長(知事)、ならびに知事によって統率されるサハリン州行政府によって実現される。

3.    サハリン州領内における司法権力は、ロシア連邦の司法システムに所属する裁判所によって実現される。

第11条

1.    ロシア連邦国家権力機関とサハリン州国家権力機関の間の相互関係は、下記の権限区分に基づいて構築される。

ロシア連邦の管轄事項。

ロシア連邦とサハリン州の共同管轄事項。

サハリン州の管轄事項。

2.    ロシア連邦国家機関とサハリン州国家機関の間の管轄事項と権限の区分は、ロシア連邦の憲法、連邦法、連邦条約およびその他の管轄事項と権限の区分に関する協定によって行われる。

3.    ロシア連邦の管轄事項と、ロシア連邦とロシア連邦主体の共同管轄事項に関するロシア連邦の権限を除き、サハリン州は完全な国家権力を有する。

第12条

1.    ロシア連邦の憲法に従い、ロシア連邦とサハリン州の共同管轄には下記の事項が含まれる。

イ)      ロシア連邦憲法およびロシア連邦法令にたいするサハリン州憲章、サハリン州法及びその他のサハリン州の諸法令の一致を確保すること。

ロ)      個人と国民の権利と自由の擁護、少数民族の諸権利の保護、法による統治、法に基づく社会関係、社会的な安全の確保、国境地域の体制。

ハ)      土地、地下資源、水資源及びその他の自然資源の占有、利用及び管理の問題。

ニ)      国家所有の区分確定。

ホ)      自然利用、環境の保護および生態系保全の確保、特別自然保護地域、歴史・文化遺跡の保護。

ヘ)      保育、教育、科学、文化、体育およびスポーツの共通問題。

ト)      保健問題における調整、家族、母性および父性の保護、社会保障を含む社会的保護。

チ)      破壊的災害、自然災害、伝染病とのたたかい、それらの復興のための対策の実施。

リ)             ロシア連邦における租税公課の共通原則の確立。

ヌ)      行政法令、行政・手続法令、労働法令、家族法令、住宅法令、土地法令、水利法令、森林法令、地下資源法令、環境保護法令。

ル)      司法および検察機関の職員、弁護士、公証人。

ヲ)      少数原住民社会の古来の居住環境と伝統的生活様式の保護。

ワ)      国家権力機関と地方自治体機関のシステムの共通組織原則の確立。

カ)      サハリン州の国際関係及び対外経済関係の調整、ロシア連邦の国際条約の履行。

2.    サハリン州に接するロシア連邦の大陸棚と排他的経済水域においてロシア連邦がその主権と管轄権を行使するにあたって、サハリン州国家権力機関は、連邦法によって定められた方法で、サハリン州の経済的権益を実現するための措置をとる使命を有する。

第13条

サハリン州の管轄には下記の事項が含まれる。

イ)      サハリン州憲章、サハリン州の法律及びその他の政令の採択と修正、それらの遵守の監督。

ロ)      州の国家権力機関のシステムの確立、それらの組織と活動の規則の制定。

ハ)      州の予算、州の租税公課、州の予算外基金、地域発展基金の策定、承認、ならびに執行。

ニ)      サハリン州の行政的・地域的整備。

ホ)      経済、環境、社会、及び文化の発展の分野における州の政策の決定及び州のプログラムの採択。

ヘ)      州所属の国家所有。

ト)      州の電力システム、輸送システム、情報システム、公共施設及びその他のライフラインのシステム。

チ)      ロシア連邦憲法にしたがって立法発議権を行使すること、ならびにロシア連邦大統領とロシア連邦政府における検討のために問題を提起すること。

リ)      地域間のコンタクトと国際協力の実現、経済協定その他の協定の締結。

ヌ)      州の国家機関。

ル)      地方自治。

ヲ)      地方の公共的業務。

ワ)      サハリン州の称号、褒賞および報奨金の制定と授与。

カ)             ロシア連邦の管轄範囲外の諸権限およびロシア連邦とロシア連邦主体との共通管轄事項にもとづくロシア連邦の権限範囲外の諸権限の行使

 

第3章       サハリン州議会はサハリン州国家権力の立法(代議制)機関である

 

第14条

1.    サハリン州議会はサハリン州における国家権力の立法(代議制)機関である。

2.    サハリン州議会は任期4年でもって選出される。

3.    サハリン州議会議員選挙の組織と実施の規則はサハリン州法によって定められる。

第15条

1.    サハリン州議会は平等な直接普通選挙権に基づく州住民の秘密選挙により選出される27名の議員により構成される。常勤の職業的ベースで働く議員の数は、議会によって独自に決定される。

2.    サハリン州議会の議員の法的ステータスは、連邦法及びサハリン州法によって定められる。

3.    サハリン州議会の議員はその任期中全期間にわたってサハリン州領内において不逮捕特権を有する。議員は、現行犯罪による拘束の場合を除き拘束、逮捕、捜索を受けることなく、また他の人々の安全を確保するために連邦法に定められた場合を除いて身体検査をうけることもない。

4.    サハリン州議会議員の不逮捕特権の剥奪の問題は州検事の請求の後サハリン州議会の決定によって決められる。

5.                      常勤ベースで活動するサハリン州州議会議員は、他の代議制国家権力機関および地方自治機関の議員となることはできず、また講師、学術活動その他の創作活動を除いて有給の活動に従事することはできない。

第16条

サハリン州議会は、ロシア連邦憲法、連邦法、サハリン州憲章、サハリン州法、サハリン州議会規定にしたがいその権能を実現する。

第17条

1.        サハリン州議会の第1回会議はサハリン州議会議員定数の3分の2以上が選出されたことを条件として選挙後16日以内に州選挙管理委員会議長によって召集される。

2.    サハリン州議会の第1回会議は議員の最年長者が開会を行う。

3.    サハリン州議会の会議は、サハリン州議会の議員定数の3分の2以上の出席により成立する。

第18条

1.    サハリン州議会の組織と活動の規則はサハリン州憲章、サハリン州法、ならびにサハリン州議会規定によって定められる。

2.    サハリン州議会は、常任委員会及び臨時委員会、委員会、その他の機関によって構成される。

3.    サハリン州議会はその活動の実施のためにサハリン州議会事務局を創設する。その構造と定員数、ならびにその維持費用は議会の承認を受ける。

第19条

1.    サハリン州議会は、ロシア連邦とロシア連邦主体の共同管轄事項に関してでロシア連邦によって発せられる連邦法に従って法的規制を実現する。

2.    ロシア連邦の管轄範囲、ロシア連邦とロシア連邦主体の管轄範囲以外においてはサハリン州議会は自己の固有の法的規制を行う。

第20条

サハリン州議会は下記のことを行う。

イ)      サハリン州憲章、サハリン州の法律、議会決定を採択し、それらに解釈を与え、追加及び修正を行い、それらの遵守に対する監督を行う。

ロ)      サハリン州知事の提案により、サハリン州予算、その執行に関する報告を検討し、承認し、予算の執行に対する監督を行う。

ハ)             州の社会的経済的発展のプログラムと計画を承認する。

ニ)             州の租税公課をさだめ、またそれらの徴収規則を定める。

ホ)      サハリン州の予算外基金及び外貨基金の創設と支出の方法を定め、それらの支出を監督し、これら基金の資金の利用に関する報告を承認する。サハリン州の使途特定基金の創設と事業の規則、それらの資金の支出の規則を定める。

ヘ)      連邦法令及び州法令に従ってサハリン州の国民投票を布告する。

ト)      連邦法にしたがい、サハリン州の法律とその他の法令の違反に対する行政的罰則を定め、それらの課徴に関する規則を定める。

チ)      ロシア連邦憲法にしたがい、ロシア連邦議会国家会議(下院)への立法発議権を行使する。

リ)      連邦の憲法的法律にしたがい、ロシア連邦憲法裁判所に対して提訴を行う。

ヌ)      ロシア連邦憲法にしたがってロシア連邦憲法3-8章の修正を審査しこれらの承認または不承認に関する決定を行う。

ル)      ロシア連邦検事総長に対してサハリン州検事の任命について同意を与える。

ヲ)      サハリン州の法律にしたがいサハリン州議会の選挙を布告する。

ワ)      サハリン州知事を罷免するためにその問責を行いその罷免に関する決定を採択する。

カ)      サハリン州知事によって提案されたサハリン州行政首長第一代理(第一副知事)の候補をその地位に任命することにつき、知事に同意を与える。

ヨ)      サハリン州行政府および地方自治体が締結する対外経済協定の締結と発効の規則を制定する。

タ)サハリン州の法律にしたがって地方自治体機関の選挙を布告する。

レ)      サハリン州の法律にしたがってサハリン州知事の選挙を布告する。

ソ)      管轄の諸問題に関して議会聴聞をおこなう。

ツ)      サハリン州法に従い連邦国家機関におけるサハリン州常設代表部に関する規則を承認する。

ネ)      連邦法にしたがいロシア連邦連邦会議 (上院)におけるサハリン州議会代表に関する決定を行う。

ナ)      サハリン州議会議員の権限の期限前停止に関する決定を採択し、議員の不逮捕特権剥奪に対して同意を与える。

ラ)      州選挙委員会の委員構成の半数の任命に関する決定を採択する。

ム)      州の褒賞、サハリン州の名誉称号および報奨金を制定する。

ウ)      州の国家所有対象ならびに州の管理に移された連邦所有対象の取扱いと管理の規則を制定する。

ヰ)      サハリン州に居住する北方原住少数民族のサハリン州議会における代表部を承認する。

ノ)      ロシア連邦主体の立法(代議制)機関の管轄であるその他の諸問題に関する決定を採択する。

第21条

サハリン州議会はそのメンバーのなかからサハリン州議会議長と副議長を選出する。

サハリン州議会議長は、その会議において、サハリン州議会議員のなかから、秘密投票により、選挙によって選出された州議会議員の人数のうちの多数によって選ばれる。

サハリン州議会議長は議会に対して報告責任を有し、秘密投票により、選挙によって選出された州議会議員の人数のうちの多数によってサハリン州議会議長の職務から解任される。

第22条

サハリン州議会議長は下記のことを行う。

イ)      議会の立法活動及び監督活動を組織する。

ロ)      サハリン州議会の会議を召集し議事の運営を行う。

ハ)      内部規則を実施し、議会事務局の指導を行う。

ニ)      議会の銀行口座の出納責任者となり、議会の支出に関する借入の責任者となる。

ホ)      議会によって与えられた権限にしたがいサハリン州議会を代表する。

ヘ)      その権限内において命令を発する。

ト)      その責務の遂行に関して議会に対して責任を負う。

チ)      サハリン州憲章、サハリン州法、議会の規則または決定によって与えられた権限の範囲に入るその他の問題を決済する。

第23条

1.    サハリン州議会の権限は下記の場合に停止される。

イ)      新たに選出されたサハリン州議会の活動開始の時点から。

ロ)      自ら解散した結果。

ハ)      サハリン州の州法に従いそしてそれを根拠として行われたサハリン州の住民投票の結果により。

2.    サハリン州議会の解散に関する決定は、議員の定数の3分の2以上の多数により採択される。

 

第4章.      サハリン州の行政府は、サハリン州の国家権力執行機関である。

サハリン州知事

 

第24条

1.    サハリン州行政府は、サハリン州の国家権力の執行機関であり、知事、第一副知事(単数)および副知事(複数)、ならびにその者によってサハリン州法に従い形成される州執行権力の分野別及び地域別の諸機関により構成される。

2.    サハリン州行政府の権能はロシア連邦の憲法、連邦の法律、ロシア連邦大統領及びロシア連邦政府の法令、サハリン州憲章、サハリン州の法律及びその他の法令によって定められる。

3.    サハリン州行政府の構造およびサハリン州の管理スキームは、サハリン州の法律によって定められる。

4.    サハリン州の執行権力は、単独責任制の原則の上に構築される。

5.    サハリン州知事によって任命される、あるいは任命のためにサハリン州知事によって推薦される役職にあるサハリン州行政府の公務員は、新しいサハリン州知事がその職務についた場合には、その権限を返上する。

第25条

1.    サハリン州知事は、サハリン州の住民により任期4年でもってサハリン州の法律にもとづいて選挙される。

2.    「サハリン州知事」の名称と「サハリン州行政府長官」の名称は同義である。

第26条

1.    サハリン州知事の法的ステータスはサハリン州憲章、およびサハリン州の法律により定められる。

2.    サハリン州知事は、その権限を有する全期間にわたってサハリン州領内で不逮捕特権を有する。、サハリン州知事は、現行犯罪による拘束の場合以外は、拘束、逮捕されることも、捜索をうけることもなく、他の人々の安全を守るために連邦法とサハリン州法に定められた場合を除き、身体検査をうけることも無い。

第27条

1.    ロシア連邦の管轄の範囲内で、およびロシア連邦とロシア連邦主体の共同管轄事項に関する権限内で、サハリン州行政府はロシア連邦の執行権力の単一のシステムに含まれる。

2.    サハリン州行政府は、執行権力の連邦機関との協定により、これがロシア連邦憲法と連邦法に違背しない限り、執行権力の連邦機関の権限の一部を遂行することができる。

3.    サハリン州行政府は、州の法律に従い、執行権力の連邦機関との協定により、自己のの権限の一部を連邦機関に委託することができる。

第28条

サハリン州知事は、下記のことを行う。

イ)      サハリン州行政府を指導する。

ロ)      サハリン州の法律に署名しこれを公布する。

ハ)      サハリン州議会に対する立法発議権を有する。

ニ)      州の予算案と予算執行に関する報告、ならびに州の予算外基金と外貨基金の見積案とそれらの執行に関する報告をサハリン州議会に提出しその承認を求める。

ホ)      サハリン州の社会的経済的発展の計画案とプログラム案をサハリン州議会に提出しその承認を求める。

ヘ)      州管理スキームとサハリン州行政府の構造にしたがい執行権力機関をつくる件に関する決定を行う。

ト)      州予算の当該する条文にしたがって承認された支出の範囲内でサハリン州の執行権力機関の定員を定める。

チ)      各年度の2月1日までに州の社会的経済的状態と発展の状況に関して年度報告をサハリン州議会に提出する。

リ)      サハリン州の法律を再審議のために州議会に送り返す権利を有する。

ヌ)      連邦法ならびにサハリン州法に従い、サハリン州行政府の諸機関の指導者の任免を行う。

ル)      サハリン州議会の臨時会期を招集する提案を行う権利を有する。

ヲ)      審議権を有してサハリン州議会の活動に参加する権利、および委任状を有する代理人をサハリン州議会の会議に出席させる権利を有する。

ワ)      州予算を執行するに当り、サハリン州議会およびその機関の維持にかかわる支出を除き、借入の責任者となる。

カ)      ロシア連邦大統領およびロシア連邦政府に対してその検討のために、その採択がロシア連邦大統領およびロシア連邦政府の権限事項である法令の案を提示する権利を有する。

ヨ)      ロシア連邦憲法裁判所に諮問する。

タ)      ロシア連邦主体、執行権力の連邦機関、及びそれらのサハリン州における地域機関との関係においてサハリン州を代表し、それらとの協定に署名し、ならびに外国の諸国家との関係においてサハリン州を代表する。

レ)      サハリン州議会の同意のもとに第一副知事を任命する。

ソ)      ロシア連邦憲法、連邦法、ロシア連邦大統領布告、ロシア連邦政府決定、サハリン州憲章、サハリン州法およびサハリン州の諸契約にしたがってその他の権限を行使する。

第29条

1.    サハリン州の第一副知事(単数)および副知事(複数)は、サハリン州知事によって定められる職務の配分に従いその機能を遂行する。

サハリン州知事が不在の場合は、その権限は、州の法律に署名する権限を除き、サハリン州第一知事がこれを行使する。

2.    サハリン州副知事の人数は、サハリン州管理スキームおよびサハリン州行政構造に従って定められる。

第30条

      サハリン州行政府の公務員は、講師、学術活動その他の創作活動以外の有給の活動に従事することはできない。

第31条

1.    サハリン州行政府の活動の実施のために、知事はサハリン州行政府事務機関を形成する。

2.    サハリン州行政府事務機関は、州予算によって、その維持のために支出される資金の範囲内で財政的に維持される。

第32条

1.    サハリン州の執行権力の権能は、州管理スキームにしたがって、サハリン州知事によって承認される条例で規定される。

2.    サハリン州執行権力の諸機関は州予算より支出される資金の範囲内、ならびにその他の連邦及び州の法令によって定められた資金源により財政的に維持される。

第33条

サハリン州行政府は、連邦および州の法令に従い下記のことを行う。

イ)      州の予算案、州の予算の執行に関する報告を作成し、それらをサハリン州議会に提案するために知事に提出する。

ロ)      州の予算を執行する。

ハ)      州の予算外基金及び外貨基金の支出見積案を作成し、その執行に関する報告をサハリン州議会に提出する。

ニ)      州の国家プログラムを作成し、その執行を行う。

ホ)      州の国家所有の管理を実施する。

ヘ)      州内における法の支配、国民の権利と自由、安全と法秩序の確保のための諸措置を実施する。

ト)      連邦及び州の法令で定められたその他の権限を行使する。

第34条

1.    サハリン州知事はその管轄に入る問題に関して決定を採択し、命令を発する。

2.    知事の命令と決定はその署名の日にサハリン州議会に送られる。

3.    サハリン州の第一副知事(単数)、副知事(複数)はその権限の範囲内で命令と指示を発する。

4.    サハリン州行政府の法令は、もしその法令自体に格別の記載が無い場合は、その署名の時点で効力を発する。規範的性格を有する法令は必ず公表しなければならない。

5.    その権限内で発せられたサハリン州行政府の法令は、サハリン州領内で義務的に執行されなければならない。

第35条

1.    サハリン州知事は、下記の場合にサハリン州議会によってその任期満了以前に職務から解任される。

イ)      文書による退任届出があった場合。

ロ)      ロシア連邦の国籍を喪失した場合。

ハ)      裁判所の有罪判決が法的効力を発した場合。

ニ)      その行為無能力確認に関する裁判所の決定が法的効力を発した場合。

2.    サハリン州知事は、サハリン州の法律によって定められた方法と根拠に従って行われたサハリン州住民の住民投票の結果、その任期満了以前にその職務から解任される。

第36条

1.    サハリン州議会は、サハリン州第一副知事(単数)、副知事(複数)、ならびに州執行権力機関の指導者たちに対して不信任を表明する権利を有する。

2.    不信任に関する決定は、秘密投票によりサハリン州議会議員の定数のうちの多数によって採択される。

3.    不信任に関する決定採択の日から10日間以内にサハリン州知事は不信任が表明された者の解任に関する命令を発するか、またはサハリン州法にしたがってこの問題の再審議を行うことに関する提案をサハリン州議会に送る。

 

第5章.    国家権力の立法(代議)機関と執行機関との相互関係

 

第37条

サハリン州議会とサハリン州行政府の関係は以下の基本原則の上に築かれる。

イ)      ロシア連邦憲法、連邦法令、サハリン州憲章にもとづく、これらの国家権力機関の管轄事項と権限に関する独立性と責任。

ロ)      固有の権能の存在。

ハ)      サハリン州の全面的な発展の確保における協力。

ニ)      紛争状態の解決におけるロシア連邦憲法とサハリン州憲章にもとづいた相互関係。

第38条

サハリン州議会との相互関係を打ちたてるに当り、サハリン州知事は下記の権利を有する。

イ)      サハリン州議会の公開、非公開の会議に出席すること。

ロ)      サハリン州議会の臨時会議を招集する提案を行うこと。

ハ)      サハリン州議会の会議日程に議題を提案すること

ニ)      サハリン州議会の審議のためにサハリン州の法律案を提案すること。

ホ)      サハリン州議会の会議の議題に関して報告または共同報告を行うこと。

ヘ)      サハリン州議会によって可決され、署名のために送られてきた法律を、議会における再審議のために送り返すこと。

第39条

1.    サハリン州議会の議員はサハリン州の執行権力機関の会議に出席し、審議される問題について発言し、決定の案を提案しまた修正を提案する権利を有する。

2.    サハリン州執行権力機関の指導者は議会及びその機関の会議に出席し、審議される問題に関して発言する権利を有する。

第40条

1.    サハリン州知事の法令はその署名の日にサハリン州議会に送付される。

2.    サハリン州議会の法令はその署名の日にサハリン州知事に送付される。

3.    サハリン州議会はサハリン州行政府の法令についてその修正またはその廃止をサハリン州知事に対して提案する権利を有する。

4.    サハリン州知事はサハリン州議会の法令についてその修正または廃止をサハリン州議会に対して提案する権利を有する。

5.    サハリン州議会とサハリン州行政府の間の、それぞれの権限の行使の問題、当該の国家権力機関による規範法令の採択、及びその他の問題に関して生じる紛争は、調停委員会を創設し、期限10日間以内でもって、解決に努力する。調停委員会の決定は勧告としての性格を有し、サハリン州議会とサハリン州行政府によって合同で審議される。

6.    発生した問題の解決において定められた期限の満了までに合意が成立しない場合には、紛争の検討はロシア連邦大統領、ロシア連邦憲法委員会、サハリン州裁判所またはサハリン州調停裁判所に移すことができる。

 

第6章.    司法権力。検察庁

 

第41条

サハリン州における司法制度はロシア連邦憲法及び連邦の憲法的法律によって規定される。

第42条

1.    議員による調査、国家権力の諸機関及び地方自治機関の行動、住民投票にかけられる諸問題は、裁判所において審議されている事件の内容と関係を有しない。

2.    サハリン州議会及びサハリン州行政府はサハリン州裁判所が審議を行っている事件の問題について決定を採択することはできない。

第43条

1.    サハリン州裁判所の所長、及びサハリン調停裁判所の所長は、サハリン州議会の会議、サハリン州行政府の会議に出席し、自己の権能に属する問題について発言する権利を有する。

2.    サハリン州裁判所およびサハリン州調停裁判所は、サハリン州議会に対して自己の権能に属する問題について立法発議権を有する。

第44条

1.    サハリン州検察庁の権限、組織及び活動規則はロシア連邦憲法と連邦法によって定められる。

2.    サハリン州検事は、サハリン州議会の同意を得てロシア連邦検事総長が任命する。

 

第7章.州の法令

 

第45章

1.    サハリン州憲章は州の法令体系の中において最高の法的効力を有する。

2.    サハリン州において採択されるその他の法令は、サハリン州憲章に合致しなくてはならない。

3.    サハリン州の国家権力機関、地方自治体機関、公務員、国民及びそれらの連合体は、ロシア連邦憲法、連邦法、サハリン州憲章、サハリン州の法律及びその他の法令を遵守しなければならない。

第46条

それぞれの権限内で採択されたサハリン州の法律、州住民投票の決定、ならびにサハリン州議会の決定、サハリン州知事の決定及び命令は、州の領内において連邦法と同様に国家による保護を受けなければならない。

第47条

州の国家権力機関による規範法令採択の手続はサハリン州憲章、およびサハリン州のそれぞれ対応する規範法令にしたがって定められる。

第48条

1.    サハリン州の法律は公告しなければならない。公告されない法律は適用されてはらない。

2.    個人および国民の権利、自由および義務に関係するあらゆる法令は、もしそれらが広く周知させるために公告されておらなければ、適用されてはならない。

第49条

サハリン州議会に対する立法発議権を有するのは、サハリン州議会議員、サハリン州知事、地方自治体の代議制機関及び執行機関である。立法発議権はまたサハリン州検事、サハリン州裁判所、サハリン州仲裁裁判所、州選挙管理委員会、サハリン州議会駐在少数原住民代表者がそれぞれの管轄の問題について有し、さらに州住民の労働及び社会的経済的権利と利害に関する諸問題に関しては州の労働組合連合(複数)もこれを有する。

第50条

1.    立法発議は立法発議の権利主体によってサハリン州議会に提案され、議会においてサハリン州議会の規則に従って審議される。

2.        法案は、最終的な決定の採択までに、少なくとも2回の審議をそれぞれ異なる日にサハリン州議会において行わなければならない。審議を統合することに関する決定はサハリン州議会の選挙によって選ばれた議員の数の3分の2以上の多数により採択されねばならない。

第51条

1.    サハリン州の法律およびサハリン州の法律の採択に関する決定は、もしサハリン州憲章において別の定めがない場合には、サハリン州議会の議員定数のうちの多数によって可決される。

2.    この条の第1項に述べられていない諸問題に関するサハリン州議会の決定は、もしサハリン州憲章において別の定めがない場合には、選挙によって選ばれた議員数のうちの多数でもって採択される。

第52条

1.    サハリン州議会において可決されたサハリン州の法律は、採択の日から7日の期限内に、サハリン州知事の署名のためにサハリン州行政府に送付される。

2.    サハリン州知事は受領の日から14日の期限内にサハリン州議会によって可決された法律に署名し、議会の決定により定められた公式の出版物に公告する。サハリン州知事は上記の期限の満了までに自分の反論を付して法律を再審議のためにサハリン州議会に送り返すことができる。

3.  もし再審議において法律が修正なしにサハリン州議会の選挙によって選ばれた議員数の3分の2以上の多数によって可決された場合には、サハリン州知事はそれに署名をして、そして受領の日から7日以内に公告しなければならない。

4.    もしサハリン州の法律が再審議のために定めれた期限内に州議会に送り返されない場合、あるいは知事が署名をしない場合には、法律はサハリン州議会の議長によって署名され公告される。

第53条

1.    サハリン州の法律は、もしその中に法律の発効の期限が別に示されていない場合には、公告の日から30日経過後に効力を発する。

2.    法律はその公式の公表の日以前に効力を発することはできない。

 

第8章.サハリン州における地方自治

 

第54条

1.    サハリン州の領内においては、地方自治、すなわち、住民の利益、歴史的その他の地域的な特殊性から発して、地域的な意義を持つ諸問題を、直接の、または地方自治機関を通じて解決することをめざす、ロシア共和国憲法、サハリン州憲章によって認められ保証された、自立した、そして自己の責任の下における住民の活動が実現されている。

2.    地方自治の法的根拠をなすものは、ロシア連邦憲法、連邦法、サハリン州憲章とサハリン州の法律、地方自治規約である。

第55条

1.    地方自治の実現を目指す住民の活動の組織、地方自治を実施する選挙制機関及びその他の機関の保証、権限、権利と義務は、地方自治規約によって確認される。

2.    地方自治規約はサハリン州の法律の定める手続きで国家登記しなければならない。

第56条

1.    地方自治は、都市、農村、村落およびその他の地域で実現される。地方自治体の領域、すなわち都市、村落、地区及びその他の自治体の領域はサハリン州の法律によって定められる。

地方自治体の形成、連合、再編成または廃止の手続、それらの境界と名称の決定と変更の手続はサハリン州の法律によって定められる。

第57条

1.    地方自治は、住民によって選挙制の代議機関、選挙制の自治体役員、及びその他の地方自治機関を通じて、また直接に、すなわち住民投票、集会(住民集会)及びその他の国民の直接の意志表明の諸形態を通じて実現される。

2.    自治体はかならず選挙制の機関を有しなければならない。

3.    自治体規約には、選挙制の役員である自治体首長の職務を定めることができる。

4.    地方自治機関は国家権力機関のシステムには入らない。

5.    地方自治機関の構造は、連邦法とサハリン州の法律に定められた地方自治組織の一般原則に従って、住民により自ら定められる。

6.    地方自治機関は法人である。

第58条

1.    地方自治体の管轄下には地域的意義を有する諸問題、ならびに地方自治体機関に分与される一部の国家的権限も入る。

2.    地方的意義の問題とは、自治体の住民の生活活動を直接保障する諸問題であって、ロシア連邦憲法、連邦法ならびにサハリン州の法律にしたがって、そのようなものとして自治体の規約に定められた問題である。

第59条

1.    地方自治機関に対する国家の権限の一部の分与は、連邦法、サハリン州法によってのみ行われ、同時に必要な物質的手段及び資金を提供するものとする。

2.    地方自治体による、分与された国家の権限の一部の実行に対する監督の条件と方法は、それぞれ連邦法とサハリン州の法律によって定められる。

第60条

1.    地方自治の経済的基礎をなすのは、自治体所有、地域の資金、国家所有に属しており地方自治機関の管理に移された資産、ならびに法律にしたがって自治体の住民の要求を満たすために役立つその他の所有である。

2.    自治体(都市を除く)の領域のなかに他の自治体がある場合、自治体の管轄事項、自治体の所有、地方予算の収入の源泉はサハリン州の法律によって配分される。都市の内部の自治体においてはこれらは都市規約によって配分される。

3.    地方自治機関は、自治体の所有を管理する。自治体所有の構成に属する資産についての所有権は、地方自治機関が自治体の名においてこれを行使する。サハリン州の法律及び自治体の規約に定めがある場合には、住民が直接にこれを行使する。

第61条

1.    自治体の予算は地方予算とされる。

2.    地方予算の形成、承認及び執行、その執行に対する監督は、地方自治機関が独立して行う。

3.    地方自治機関は独立して地方予算の資産を管理する。終了した年度の結果地方予算の支出を上回る収入の額をサハリン州の国家権力機関がこれを収用してはならない。

第62条

地方自治機関と地方自治体の役員は、法律に従い自治体の住民、国家、自然人ならびに法人に対して独立して責任を負う。

 

第9章.    サハリン州の発展の経済的及び資金的基礎

 

第63章

サハリン州の発展の経済的基礎を成すのは下記のものである。

イ)      サハリン州の国家所有。

ロ)      サハリン州の領土に存在する連邦所有。

ハ)      自治体所有。

ニ)      個人所有。

ホ)      州の経済的及び社会的発展に役立つその他の所有。

第64条

1.    サハリン州においてはすべての所有形態が認められ平等な保護を受ける。

2.    所有権は公共の利益に反して行使されてはならない。

3.    所有権の制限は連邦法に基づいてのみ定められることができる。

第65条

1.    サハリン州においては経済活動の自由と競争のために必要な条件が確保され、独占的事業が規制され、自己の能力と財産を法律に従ってあらゆる企業活動のために利用する国民の権利が保障される。

2.    サハリン州の国家権力機関は、金融政策、税務政策ならびに予算政策において然るべき優遇措置を講じて、それぞれの州の発展プログラムに定められる社会的に影響の大きい分野における企業活動の発展の支持、刺激を図る。

第66条

1.    連邦所有の諸施設に関しては、サハリン州の国家権力機関は、その権限の範囲内で、生産施設と社会的施設の効果的配置、自然資源の合理的利用、環境の保護、ならびに住民の社会的保護の分野における監督を実施する。

2.    連邦所有施設がサハリン州の住民または環境に対して害をもたらした場合には、その施設の活動は、法令に従って、制限、中止、停止される。

第67条

1.    サハリン州の所有は、ロシア連邦における国家所有の一形態である。

2.    サハリン州の国家所有の構成の中には、州予算の資金、サハリン州予算外基金及びの外貨基金、州にとって重要な意義を持つ土地区画、鉱物鉱床、自然物、産業インフラストラクチュアー施設及びその他の施設、企業及び企業合同、国民教育施設、保健施設、社会保障施設、学術文化施設、持分出資も含めて州の資金で建設または取得された、または他の国家権力機関および自治体機関からサハリン州に移譲されたその他の施設、有価証券および金融資産が含まれる。

第68条

サハリン州の国家所有に属する資産の管理は、サハリン州の法律に従って州の執行権力機関が行う。

第69条

1.    サハリン州の資金は、州予算、サハリン州の予算外基金及び外貨基金、借入金、ならびに連邦予算からの支出より成る。

2.    サハリン州の資金は、地域間のプログラムも含めて、共同の社会経済発展プログラムのために、協定ベースで、他のロシア連邦主体、企業、官庁、団体、社会組織及び国民の資金と統合されることができる。

第70条

サハリン州の税制は連邦税、州税及び地方税、各種料金、関税、及びその他の連邦法令、州の法令に従って徴収される支払いから州予算および地方予算に資金を受け入れることを前提としている。

第71条

サハリン州議会は、資本の誘致、および州の発展プログラムによって定められる特定の分野と州内の地域の優先的発展を目的として、連邦法及びサハリン州の法律に従って税制上及びその他の特典を定める。

 

第10章.   自然資源及び自然利用。

 

第72条

1.    土地及びその他の自然資源は、サハリン州においてはその領内に居住する住民の生活と活動の基礎として、利用され、かつ保護される。

2.    土地及びその他の自然資源は、個人、国家、自治体及びその他の所有形態のもとにあることができる。

3.    各人は自然と環境を護り、自然の富を大切にしなければならない。

4.    サハリン州の領域内にある土地、地下資源、森林資源、水資源及びその他の資源の所有、利用及び管理の問題は連邦及び州の法令によって規制される。

第73条

1.    州の領土、それに隣接する海洋水域と大陸棚に存在するサハリン州の自然資源、自然環境の有益な性質は、その所有形態の如何にかかわらず、サハリン州の住民の健康、社会福祉及び安全を損なう形で利用されてはならない。

2.    サハリン州の領内にある連邦、州および自治体の自然資源と森林のリスト作成、ステータスおよびそれらの利用手続の決定は、連邦の法令、サハリン州の法律、ロシア連邦の国家権力機関とサハリン州の国家権力機関との間で締結される協定にしたがって行われる。

3.    貴重な自然の景観、州のレベルで重要な意義を有する自然の記念物、州の2つ以上の行政地区の為の給水のための源泉となっている水資源及びその他の自然物 (連邦の資源に属していない場合)、地表面から地方航空輸送が行われている高度までの大気層を含めて、州の人々の生活維持と住民の多様な利益の満足のために重要な意義を有する自然資源や施設は、譲渡またはサハリン州の国家所有から他の所有形態への強制的な移転をおこなってはならない。

第74条

1.    自然の利用の分野におけるサハリン州の利害とは、州の生態系にとって安全な社会的経済的及び文化的な発展のための条件と前提とを意味する。

2.    サハリン州の利害には、州の自然資源も含まれる。

3.    ロシア連邦の法令によって、ロシア連邦の排他的管轄、またはロシア連邦とサハリン州の共同管轄とされる自然資源の占有、管理および利用における州の利害の確保は、ロシア連邦の国家権力機関とサハリン州の国家権力機関との間の協定と合意によって行われる。

4.    ロシア連邦の法令によって、ロシア連邦の管轄またはロシア連邦とサハリン州の共同管轄とされる自然資源の占有、管理と利用における州の利害の確保は下記のようにして保証される。

イ)      州の領土に集中した森林資源の利用を除き、連邦及び州の法令によって定められた自然資源の利用にたいする料金の然るべき持分を州予算に含めることによって。

ロ)      法令によりサハリン州の国家所有とされた自然物の収用、およびそれらの連邦所有への引き渡し、ならびに自然環境の汚染および自然保護法令に対する違反の場合に、発生した損害と逸失利益にたいする完全な補償によって。

ハ)      いかなるステータスのものであろうとも、サハリン州の鉱物・原料資源、生物資源及びその他の自然資源の開発および譲渡に関する国際協定ならびにライセンス協定を締結するに当り、サハリン州の国家機関と協議を必ず行うことにより。

ニ)      自然資源の開発に関する競争入札協定及びライセンス協定を締結するに当り、州の社会的経済的発展、地元労働力の優先的雇用、自然の保護に関する州の条件を作成しそれらの協定に含めさせるサハリン州の権利、その遵守に対する監督を実施する州の権利、ならびに外国の投資者との間の生産物分与の結果国家が受け取る鉱物原料の一部分またはそれと等しい価値物の配分を受ける特別の協定を結ぶサハリン州の権利によって。

第75条

1.    サハリン州の国家権力機関は、生産施設と社会的施設の効果的かつ安全な配置、自然資源の合理的な利用、及び環境の保護に対する監督を行う。

2.    サハリン州の国家権力機関は、然るべき予算の資金によって自然資源の利用と保護に対する規制を行なう。

第76条

州に居住する北方原住少数民族の正当な権利と利益を保障する為に、サハリン州国家権力機関と自治体機関は、北方原住少数民族の社会団体と協議の上、下記について決定を行う。

イ)      伝統的自然利用区域の設定について。

ロ)      伝統的自然利用区域を民族的種族経営および共同体経営、北方原住少数民族の家族、個人にたいしてトナカイの放牧、狩猟、漁労、及びその他の総合的利用のための用地として無料で与えることについて、ならびに再生可能な自然資源の利用のための協定締結とライセンス取得の優先的権利の供与について。

第77条

環境政策はサハリン州の経済政策の一部であり、自然保護の措置、環境を汚染しない生産、新しい技術の導入、有害企業と有害な生産の閉鎖、健康な居住環境の保持、自然保護区、禁猟区、国立公園及びその他の特別保護区の設立も含めた最も貴重な自然の景観の保存、サハリン州の自然の富とロシアの国民的な宝であるサケマス類その他の太平洋の生物資源再生産のためのプログラムの策定と実施を含むものである。

 

第11章.   サハリン州のシンボル。サハリン州の行政中心地

 

第78条

サハリン州は自己の紋章、州旗、州歌を持つことができる。その概要と公的な使用の規則はサハリン州の法律で定める。

第79条

サハリン州の行政中心地はユジノ・サハリンスク市である。サハリン州の行政中心地のステータスはロシア連邦の法律で定める。

 

第12章.   雑則及び移行規定

 

第80条

1.    サハリン州憲章はサハリン州領内においてその公告の日より効力を発する。

2.    サハリン州の領内で効力を有しているサハリン州の法律及びその他の法令は、サハリン州憲章に矛盾しない部分が適用される。

第81条

1.    サハリン州憲章の修正は、サハリン州議会議員の選挙によって選ばれた議員数の3分の2以上の票数によって行われる。

2.    サハリン州の法令発議主体はサハリン州の法律に従いサハリン州憲章の修正と追加に関する提案を行うことができる。

第82条

1.    ロシア連邦主体における立法権力機関と執行権力機関のシステムの組織に関する連邦の法律とサハリン州の法律が効力を発するまでは、1994年10月3日付けロシア連邦大統領令第1969号「ロシア連邦における執行権力システムの強化に関する措置について」によって定められた行政府首長の任命および解任またはそれらの選挙の告示の規則が有効である。

2.    サハリン州議会の数的構成、およびサハリン州国家権力機関の役職者任命ならびにそれらの者の解任の方法に関するに関する、サハリン州憲章の基準は、それぞれサハリン州議会の選挙の実施およびサハリン州知事の選出以後効力を発する。

 


   サハリン州知事                                       N・P・ファルフトジノフ



目次

 

第1章          総則

第2章          サハリン州における国家権力の一般的組織原則

第3章          サハリン州議会はサハリン州国家権力の立法(代議制)機関である。

第4章.         サハリン州の行政府は、サハリン州の国家権力執行機関である。

第5章.      国家権力の立法(代議)機関と執行機関との相互関係

第6章            司法権力。検察庁

第7章.      権力の法令

第8章.      サハリン州における地方自治

第9章.      サハリン州の発展の経済的及び資金的基礎

第10章        自然資源及び自然利用

第11章        サハリン州のシンボル。サハリン州の行政中心地

第12章        雑則及び移行規定

 

サハリン州議会に提案。

サハリン州議会で第1回審議で採択                                                       94年9月7日

サハリン州議会で第2回審議で採択                                                       95年7月6日

サハリン州議会で第3回審議で採択                                                       95年9月7日

サハリン州議会で可決。                                                                         95年12月26日

新聞「州報知」で公告                                  4(265)                        96年1月18日

発効                                                                                                           96年1月19日