Jelena Dokic Tour Results: Interviews

Special Interview with Jelena Dokic "Millennium Cinderella"
by Akiko Negishi

"T.Tennis" Monthly Magazine - Issue No.18-12 (#212)
Tokyo, Japan
01 December, 1999
Published by Gakusyu-Kenkyusya

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「20世紀最後のシンデレラ」

  取材/根岸亜紀子 撮影/真野博正

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 1999年6月、一人の少女が全世界の注目を集めた。彼女の名前はエレナ・ドキッチ。テニスの聖地
ウインブルドンで女王マルチナ・ヒンギスを破ったその時点からトッププレーヤーへの階段は用意された。
人一倍の負けん気の強さと素早いスウィングから繰り出されるストロークで、あらゆる強敵を倒していく。
 過酷な世界で戦うまだ16歳の少女は”今”という時をどう受け止めているのだろうか−−。
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 ドキッチの名前が世界中に知られるようになったのは、今年のウインブルドンからだ。
あのヒンギスを1回戦ストレートで破り、ウインブルドン初出場にてベスト8に進出した。
コートの上では闘志をむき出しにするが、コートを一歩離れると屈託のない笑顔を見せる。
6月を境に彼女を取り巻く世界はガラリと変化していった。そして9月、ドキッチは日本
に来訪。16歳という若さで多くの期待を背負うことになった彼女に現在の心境を語って
もらった。


 父親がそばにいてくれるからいつもプレーに集中できるの

−テニスを始めたきっかけは何ですか。

「特にこれという理由はないんです。ただスポーツでいちばん最初に始めたのがテニスだ
ったから、そのままやることになっちゃっただけで」

−特にテニスに興味を持ったということはないですか。

「ええ、ホント特にって理由はないんです。子供のころはテニスくらいしかスポーツやっ
てなかったし」

−今はテニス以外のスポーツもやったりします?

「最近は時間があるとき、バスケットやローラーブレードなんかをやったりしてますね」

−練習はどれくらいやっているんですか。

「大会がないときは1日3時間テニスをやってその後1時間フィットネスやっているんで
すけど、大会が近いときは体が疲労するといけないので、少し練習量を減らすようにして
ます」

−何か特別な練習とかしているんですか。

「う〜ん、特に特別な練習とかはしていないですね。オールマイティーに対応できるよう
すべて満遍なく行うようにしてるから」

−昨年ジュニアの大会で来日したとき、サーブを強化したいとコメントしていたようです
がサーブを強化するために特別な練習とかはしました?

「いえ、特別には。ちょっと多めに打つようにしたくらいですね。何か一つのショットを
強化しようとしすぎると、他のショットのレベルアップが図れなくなってしまうじゃない
ですか。私はオールラウンドでプレーできるように練習しているんで。何か一つのショッ
トが秀でているというのだと、他の部分が弱点になってしまうじゃないですか。これだと、
トップの世界ではやっていけない気がするんです。すべてのショットの質を上げておかな
いと、いろんな場面での対応ができなくなっちゃうから」

−打つときにシュッと言うようになったのはいつごろから?

「あれは自分でも知らないうちにやるようになってて、自然に出たクセかな。でも、打つ
ときに息を吐くよりも吸ったほうが体力的に長持ちする気がするんだけれど・・・・・・」

−練習のときも試合中でもいつも近くにお父さんがいるけれど、あなたにとってお父さん
の存在はどんなものなんですか。

「やっぱりテニスをやるきっかけを作ってくれたのは父だし、父が近くにいてくれるとそ
れだけで集中力がグッと高くなりますね」

−試合に入る前、お父さんからはどんなアドバイスをもらっているんですか。

「選手によって細かいアドバイスは違うけど、基本的にはいつも自分のプレースタイルを
守りなさいっていわれてますね」


 私にとってプレッシャーはプラスでもマイナスでもない

−あこがれの選手としてモニカ・セレス選手を挙げているけど、彼女のどんなところを見
習いたいと思っています?

「セレスだけじゃなくて(シュテフィ・)グラフにもあこがれているんです。今年のウイ
ンブルドンでグラフと練習を一緒にやってもらったんですけど、彼女はコートにいるとき
もコート外でもマナーや行いが素晴らしくて、スゴイ選手だなぁって感動しちゃいました」

−今までずっとジュニアでやってきて、今年からプロの世界でプレーするようになって何
か違いみたいなものは感じましたか。

「プロで活躍している人たちはジュニアと違って肉体的にも精神的にも成長しているんで
そのぶん大変だと思うし、それに最近はテニスのレベルそのものが高くなっていて、しか
も若い選手がドンドン活躍しているからパワーも必要だし、それに合わせて自分も強化し
ていかなくちゃいけないから大変ですね」

−精神的な部分と肉体的な部分ではどちらのほうが差を感じます?

「精神的には別に大変だとか思わなかったんですけど、肉体的な部分ではやはりプロの選
手たちはずっとトーナメントを回ってきているだけあって基礎体力がしっかりしています
よね」

−精神面では何も感じなかったってことはプレッシャーには昔から強いタイプだったんで
すか。

「っていうか、プレッシャーに関しては別にマイナスにもプラスにも考えてなくて、ただ
いつも自分のプレーができればそれでいいと思っているだけなんです」

−ウインブルドン以降世界中で注目されるようになったけれど、プレーをしていくうえで
何か心構えとか変わりましたか。

「確かに、あの大会以降報道陣が増えたりしたけど、私自身は何も変ってないですね。い
つもどおり自分のプレーをするだけですから」

−でも、注目されているという部分でのプレッシャーは感じない?

「注目されているというのは分かっているけど、それを気にしていたら自分の練習がギク
シャクしてきちゃうから、気にしないんです」


 ドキッチの中にはプレッシャーという言葉がない。どんなときでも自分らしくしていれ
ばそれでいいのだという。16歳とは思えないほど自分自身をしっかり見つめている彼女
は今、トップへの階段を確実に上り始めている。


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コラム「母リリアナからのコメント」

 周囲の反応が変っても、本人は何も変らないワ

「エレナがテニスを始めるようになったのは6歳のとき父親が何気なくコートに連れていったら、
結構うまくてそれで何となくスクールとか通わせるようになったんです。
 ウインブルドンで活躍してからマスコミや周囲の反応は随分変わりましたけど、本人はちっとも
変わらないですね。ファンレターも急に増えたんですよ。オーストラリアに移住したのはテニスの
ためなんですけど、気候が良かったことと、ジュニアのテニスレベルが高かったから。それと父親
の親戚がオーストラリアに移住していたので安心できたことも理由の一つですね。オーストラリア
のテニス協会では彼女の遠征費をすべて負担してくれていたので、そういう面でもすごく良かった
と思ってるんです」

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The interview article quoted from the T.Tennis Magazine.

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