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2003年1月

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1月5日(日)

 今年は、何事にもシンプルで謙虚な生活をおくりたい。本を買うときは「本当に今読みたいものか」考え、映画も吟味することを心がけよう。正月に古本屋で5冊ほど買ってしまった後で思ったこと。

 本日から始まったNHK大河ドラマ『武蔵』を観る。私にとって決定的な宮本武蔵像は、1984年にNHKで連続放映されたドラマで役所広司が演じた武蔵だ。比べてしまえばどうしても違和感を持つし、同じものを期待しても無理な話。別のドラマとして見れば、出だしは今後の展開を期待できそうに思える。市川新之助は悪くないが、何かといえば目をむくのはやめてほしい。歌舞伎のクセかい?

 年末から読み始めた『口語訳 古事記』だが、どうも気がのらなくなったので中止。他にも数冊開いては閉じるという感じで、他にしたい事があるわけでもないのに読書に身が入らない。考えてみるに、休み中に観たDVD『ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間』の影響で『指輪物語』を再読したくなっているようだ。また、TVの時代劇もたくさん観てしまったため、しばらく読んでいなかった時代小説も読みたい。しかし、積読も片づけたい。今しばらく、葛藤が続きそうな気配。


1月6日(月)

 仕事始め。昼にお弁当を買いに外へ出てみれば、新年の挨拶回りをする会社員がうろうろ。いいなぁ、私はきっちり定時勤務に残業だ。この忙しさもとりあえず明日で終わる予定。

 一昨年はベストを選ばず、なんとな〜く誤魔化してしまった。他人には「今年のベストは何だった?」と聞きまくったくせにねぇ。2002年は一応選んでみる。というか選び易いというか。

 【本】 いつも1つだけを選べない私だけれど、2002年は断然、J.R.R.トールキン(『ホビットの冒険』『指輪物語』)である。作品は2つになってしまうが、私にとっては『ホビット』と『指輪』は1つの物語なので一緒ね。この出会いは最高の収穫。まだまだ何度でも読み返せる。
 次に夢中になったのは、茅田砂胡『デルフィニア戦記』。著者の描く破天荒な登場人物たちは魅力的だ。P.プルマン“ライラの冒険シリーズ”は『琥珀の望遠鏡』『神秘の短剣』で完結。この物語を味わうには自分の器がまだまだ小さいようだ。けれども、非常に印象深い物語だった。
 ファンタジーが多かった中で、久々に読んだミステリー系統では、恩田陸『麦の海に沈む果実』の歪んだ雰囲気が面白く、光原百合『十八の夏』には悲しく痛ましい話の中にも、著者の持つ温かさと清々しさを感じた。
 善き出会いという意味では、ヘレーン・ハンフ『チャリング・クロス街84番地』。私の好きなものがたくさん詰まった、小さな贈り物のような本だった。また、2002年は10年以上読んでなかった洋書(Stephen E. Ambrose『BAND OF BROTHERS』)に挑戦できたことが嬉しい。

 【映画】 本同様、ダントツ1位は『ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間』に決定。いや〜、だって10回も観に行っちゃったのなんて、いつ以来だろう。リバイバルも含めては経験あるけれど、ロードショー期間中の10回は最高記録だ。白状すると本当は10回以上観てます。正確な回数を覚えてないので聞かれると10回と答えているだけ(笑)
 その他の2002年公開映画では『ビューティフル・マインド』『スター・ウォーズ エピソード2;クローンの攻撃』といった世間でも評判になった映画以外に、『光の旅人 K-PAX』『クライム&ダイヤモンド』『ナビゲーター ある鉄道員の物語』『この素晴らしき世界』が大健闘。もっと大勢の人に観てもらいたかった映画だった。
 再上映、ビデオ鑑賞まで範囲に入れると『マイ・ネーム・イズ・ジョー』『バンド・オブ・ブラザース(TVドラマ)』『チャーリング・クロス街84番地』がとても良かった。

 というわけで、ささーっと選んだ本と映画。他にも外すのが惜しいと思うのがあったんだけど。例えば、森絵都『DIVE!!』とか。2002年は4巻1冊だけだったので除外したのね。これもワクワクしながら読んだ本だから勿体ないな〜。


1月7日(火)

 しまった。今日は七草粥をいただこうと考えていたのに、すっかり忘れていてカレーライスを食べてしまった。

 本日〆の仕事が一段落。明日からは、机の上やクリアファイルに何でもかんでも突っ込んでしまった紙類を整理しなくては。これが終わると、一気に暇になっちゃうから困るのだ。

 フィリップ・K・ディック『ディック作品集 マイノリティ・リポート』読書中。映画を観た後、古本屋で見つけたので買った。SFの短編集で、残りは一編。標題作の『マイノリティ・リポート』だが、映画はプレコグの予知による犯罪予防組織と、その仕事に携わる人間が予知されてしまうという設定だけを題材に、違う話になってるんだね。映画は娯楽としての要素がたっぷりだったけれども、先が読めてしまうのが物足りなかった。原作は肝心の“予知”に意外性があって良いが、映画にするとどうか?とも思う。違うもので比べようもないけど、原作の方が好きかなぁ。

 たまにはドラマでも観てみようと思い立ち、草なぎ(字が探せない..)剛主演『僕の生きる道』を観た。無難に生きてきた高校教師が余命1年と宣告されるところから話が始まる。もしも今、死の宣告を受けたとしたら、私はどんな行動に出るだろう。短気で我が侭だから周囲に当り散らす気がするな。それでそのまま無為に過ごして終わってしまうだろう。達観できるほど人間ができていないし。
 ところで、彼が宣告を受ける病院の外観に見覚えがあると思ったら、毎日通っている道のすぐ脇にある病院ではないか。しかも宣告の後、呆然と歩いている道はまさに私が毎日歩いている所だ。あそこは近頃よくロケに使われるねぇ。一昨年は確かTOKIOの長瀬が走っていた。物語とは全く関係ないことばかり気になって入り込めないところをみると、このまま観続けるとは思えない。結局また、何も観ない1年になりそう。


1月12日(日)

 昨日は映画『ハリー・ポッターと秘密の部屋』鑑賞。前作よりもかなり笑ったなぁ。植物のマンドレイクが気に入った。「かわいい...」と呟いてしまった。蜘蛛もいいねぇ。あの毛がたくさん生えた足にうっとりしてみたり、蛇にも触ってみたい欲求にかられ、ナメクジでさえプックリと肉厚なところが愛らしいわ、と思う。私の趣味はハグリッドと同じに違いない。
 想像していたのより皺が多くて気持ち悪いような気がしていたドビーだったが、そんなことはなく、ラブリーであった。でも最後の得意げな表情はいただけない。あくまでもドビーは魔法使いに対しては控えめでなければ! マルフォイ・パパは意地悪そうでいいね。あの自慢そうな髪をむしってみたい衝動にかられる。と、映画を見終わって思い出すのは全てキャラクターなのであった。

 東宝配給の映画鑑賞が続いたので、やっと見られた『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』の予告。大画面で見ると期待が増す。2月22日公開と決まったようだし、先行レイト・ショーは15日らしい。2月に米国圏内へ行くので誰よりも先に見られるんだわ〜と得意になっていたけれど、なーんだ1週間早いだけだ。


1月13日(月)

 成人の日。既にもう遠い昔。

 今週は『千と千尋の神隠し』がTV放映されるらしく、CMを何回か見た。去年見に行ったような気がしていたのに、一昨年だったのね。
 ベルリンで金熊をもらった時は正直驚いたが、それ以上に、アメリカでも各賞を取っているのに驚く。日本人にしか分からんとはけして思わないけれど、文化が違えば感じ方・捉え方も違うはず。何がどう彼らを惹きつけるのか知りたいと思う。一神教を信仰する人たちに、湯屋に集まる化け物にしか思えない者が"神様たち"だという事が理解できるのかなぁと思い、米国一般人の感想を検索して読んでみたが、当然のことながらあまり分かっていないようだった(笑)。頭に葉っぱを乗せたBaby Chickenは何なの?という質問があってちょっと笑えた。でも日本の神話に興味を持った人が少なからずいるようで、それは少し嬉しい。昨年全米で公開が始まった後、職場に届く英字新聞に小さく載っていた記事を思い出す。あちらでのタイトルは『Spirited Away』。"すすわたり"の英語名は忘れてしまった(それほど意味が違わなかったように思う)が、"おしら様"は「Giant Radish Man」と訳されていたのを覚えている。爆笑だった。たしかに巨大な大根なんだけど...


1月14日(火)

 『千と千尋の神隠し』のテレビ放映は来週の24日だった。うわ〜、周り中に大嘘ついちゃった。
 で、延ばし延ばしにしていたDVD購入だったが、いい機会だと思い本日購入。まだ見ていないけれど、本当に映画と色が違うんだろうか。ついでに『ハリー・ポッターと賢者の石』も購入。かなり貯まっていたポイントを使ったので、とてもお得な値段になった。
 ところで、DVDソフトは全般的に売れ行きがいいのだろうか。私が買おうと思うものがことごとく品切れ。『ブレードランナー』とか『大脱走』とか。友人は『アポロ13』を探しているがこれもない。見かけた時に買っておけばよかったよう。


1月16日(木)

 仕事帰りに神保町の三省堂書店へ寄ったら、浅田次郎のサイン会だった。実物はどんな人かな〜と通りすがりに見てみたら、やはり普通のおじさんに見えた。それにしてもサインを待つ列のおじさん度の高さといったら。それも会社員というより、ジャンパー姿のおじさまばかりで、「ここは馬券売り場か?」と思うほどだった。サイン会って、その作家のおおよそのファン層がわかって面白い。

 読書は『指輪物語』を頭から読み返しているところ。序章が苦手な人も多いようだけれど、何度も読み返していると、その序章が既に味わい深い。先行きどんなことが彼らに待っているかを知って読むと、序章なのにもう涙ぐんでしまったり。私はとーっても涙もろいのだ。6巻全て読み終わったら、今度こそ『シルマリル』へ進みたいと思う。

 映画『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』の日本公開に合わせ、アラゴルン役のヴィゴ・モーテンセンと、エオメル役カール・アーバンが来日するらしい。またまたファンの女性たちとマスコミが大騒ぎしそうだ。数年前、ヴィゴの人気がこれほど出ると誰が想像しただろうか。いい役を手にするのは役者にとって難しく、大事なことだ。


1月21日(火)

 書店へ寄ったら、上橋菜穂子の新刊『神の守り人 来訪編・帰還編』がひっそりと並んでいた。明日発売予定だと聞いていたけど、もしかして出てないかしら〜と思いつつ、それほど期待もしないでいたから、実際に並んでいるのを見たとき、逸る気持ちを抑えるのが大変だったわよ。『指輪物語』を中断して、帰宅後さっそく読み始めたが、なかなか期待を持たせる始まり方ではないの。さ、こうしちゃあいられない、続きを読まねば。


1月19日(日)

 金曜日に映画『ゴスフォード・パーク』を観てきた。面白くて堪らん! なぜこれがアカデミー賞作品賞(あるいは監督賞)を取れなかったのか。『ビューティフル・マインド』もいい映画と思ったけれど、どちらかは上げても良かったように思う。まぁ、アカデミー賞ってあまり信用してないから、どうでもいいけど。
 アルトマン監督の群像劇って、私にとっては冒頭から入り込むのが難しく、今回も一瞬意識が遠のきかけた(笑)。退屈なわけでなく、それぞれのドラマを小出しにするものだから、集中するのが大変なのだ。おまけに今回は名前が覚えにくく、階下の動きが慌しすぎて、貴族の姻戚関係も、召使が誰に仕えているのかも把握するのが大変だった。久しぶりに脳みそフル回転で疲れた。どの出演者も見たことのある顔なのが救いだったな〜。とりあえず人の違いだけは判別できたし。DVDが出たら買ってまた楽しめそう。

 木村拓哉が苦手で、見る予定にしていなかったドラマ『GOOD LUCK!!』だが、旅客機が舞台なものでつい見てしまった。周囲の役者がいいし、ドラマもまぁまぁ面白そうなので続けて見るかもしれない。航空管制官と旅客機の誘導に憧れていたので、この舞台はかなり興味をそそるのね。主人公が彼じゃないともっと良かったのだけど。


1月22日(水)

 New Yorker's Cafeでホワイト・ストロベリー・ミルクを買った。原料が今ひとつ分からないが、ミルクに苺ジャムを溶かしてあるようだ。苺シロップをかけたホイップクリームが乗っていて、気持ち甘いのだけど、私は好きかもしれない。しばらくクセになりそう。

 新聞に載っていた文芸誌『オール讀物』最新号の広告に、“直木賞&女流作家大特集”とあって、ふと疑問に思う。「なんで女流という言葉が使われるんだろう、男流とは言わないのに」
 一度疑問がわくと一日中考えてしまって困った。でもあまりにくだらなくて人に話せない。差別を声高に主張するつもりは全くない。ただ、男女関係なく同じ「小説」を書いているというのに、なぜわざわざ女流とつけるのか素朴に疑問を持つのよね。昔から作家が男に限られていたのなら分からないでもないが、千年も前には紫式部という女性の書き手がいたわけで、「女流」と断わりをいれる理由が分からないな。

 電車で眠ってしまい、『神の守り手』はまだ来訪編の半分。これまでの展開はシリーズの第一作『精霊の守り人』に似ているところがあるように思う。物語はどう広がっていくのだろう。


1月27日(月)

 先週末、新宿のテアトルタイムズスクエアで『バティニョールおじさん』を見てきた。ナチス占領下のパリで精肉店を営むバティニョール氏が、ユダヤ人の少年と少女3人をスイスへ逃亡させようと奮闘する話。号泣するかと構えていたけれど、じわっときたのは某所でバティニョール氏がユダヤ人の気持ちを代弁するところのみで、悲劇をあからさまな表現で見せてはいない。監督・主演が喜劇俳優だけあってユーモアがあり、小市民の良心も十分感じさせて良い映画とは思うのだけれど、同じように小市民がユダヤ人を匿う羽目になる映画『この素晴らしき世界』を昨年見てしまった後なので、ちと分が悪かった。ただ、こういう題材の映画が辛くて見られないと避けている人にはいいように思う。

 日曜日は『GOOD LUCK!!』の2回目。ドラマだと思って我慢したいところだが、やはり納得がいかないし腹が立つ。木村拓哉の演じるあんな未熟な副操縦士の飛行機には誰も乗りたくないだろう。というか、彼は堤真一が言うようにパイロット失格だ。私はキムタクが嫌いだけれど、演じる人間の問題でなく制作側(脚本)がいけない。熱血漢ぶりを表したいのはわかる。第1回でキムタクが荒れた乗客に言ったことも正しいと思う。ただし、それは客室乗務員の仕事だ。パイロットの仕事は操縦桿を守ること。堤の主張は間違っていないと思う。パイロットは簡単にコックピットを出てはいけない。それは非常時であればこそ特に守られなければいけないんでないの? おまけに、その後の反論と考えの甘さは、とても30過ぎの副操縦士とは思えない。訓練生以下だ。旅客機の要である人物をこんな設定にされて、全日空はよく協力しているわ。私なら、即刻降りますね。


1月30日(木)

 一昨日は友人と食事、昨日は映画鑑賞をした帰り、電車が止まっていたため延々と歩かされたり、寒いホームで待たされたりで楽しい気分も吹き飛ぶ。故障は許せるが、乗客のふざけた行動による遅れは許せん。

 昨夜見た映画はケン・ローチ監督『Sweet Sixteen』。昨年2本見た同監督の映画『マイ・ネーム・イズ・ジョー』『ナビゲーター』はどちらも焦点が中年おじさん達だったが、これは15歳の少年。そしてやはり、幸せいっぱいの物語ではないのだ。おじさん達の方は泣けたけれど、私の中にまだ救いがあった。少年の方は、ひたすら辛く、苛立ち、心が痛みすぎたせいか涙も出なかった。距離のうまくとれない親子の関係は、どんな紛争よりも始末におえないような気もしてくる。この場合、原因は親の側だ。それでも親を慕う少年があまりにも悲しすぎるよ。

 映画館で久しぶりに"虎のおじさん"を見かけた。界隈では有名な人だけれど、新宿へはあまり出向かないから10年以上お目にかかってなかった。それなのに、映画館で会うとは奇遇だ。おじさんはジェニファー・ロペス主演『イナフ』の部屋へ入っていった。