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2003年3月

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3月1日(土)

 外出先で雨。寒かった〜。

 映画が1,000円の日だから『二つの塔』吹替版を見ようと友人と映画館へ出向いた。違うじゃん! 映画の日は毎月第1水曜日だよ。まったく、何を勘違いしていたんだか。幸い前売券を持っていたので助かったが、最近どうも頭の働きが鈍さを増しているような。
 吹替えのいいところは、映像に集中できることだ。字幕を読む数秒のうちにも、かなりの映像を見逃していると思う。今日はじっくり映像を見た。『旅の仲間』に比べると、魅入られるほどの風景が少ないが、ローハンは完璧。ヘルムの洞窟が単なる鍾乳洞にしか見えないところに少々がっかりしたけれど、広大な平原、丘の上の黄金館など、馬の国の無骨さが感じられてとても良し。騎馬軍団が大好きな私はもう、統制された馬たちが走っている姿を見ただけで血が騒ぐわ〜。来日したカール・アーバンを見たときは、こりゃまた随分濃い人だと思ったけども、エオメル役としてはかなり満足。あーそれに引き換え、私の中のファラミア像が音を立てて崩れてしまった瞬間の悲しさ。映画として見せるためには仕方ないのよね、と一度は納得したつもりだったのに、やっぱりあんな彼はファラミアじゃないよう。ボロミアのミニチュア版みたいでイヤだ。
 吹替版の声優は変わっていないようだ。ほとんど不満はないのだけど、やっぱり馳夫さんはちょっとダミ声すぎやしないかしら。ヴィゴ本人の声も馳夫向きとは思わない。でも、私にとっては、あの声=ヴィゴなので、ああも声質を変えられてしまうとものすごい違和感を持ってしまうのよ。

 その後、AMP『白鳥の湖』公演を見にオーチャード・ホールへ。
 アダム・クーパー、ジーザス・パスター、首藤康之の3人がトリプル・キャストで白鳥を演じるわけだけれど、本日夜の公演はパスターが白鳥だった。ピチピチした若い白鳥という印象。群舞の中に入って埋れてしまうわけではないが、皆を率いるリーダーというよりも、どちらかと言うと他の14羽と同格という感じを受ける。それが彼の白鳥なのね。せっかく3人のダンサーが踊るんだもの、各人が全く違うタイプのものを見せてほしいと思っている。さて、アダムと首藤はどんな白鳥を見せてくれるんでしょう。
 白鳥の群舞はやはり素晴らしい。3階で見ても充分に迫力なのだから、1階の前方だったらどれほど圧倒させられるだろう。来週は前の方で見られるので楽しみだな。
 今日の大失敗は、3階席だったのにオペラグラスを忘れたことだ。細かい表情が全くわからず、演技は体の動きで判断する以外になかった。もっと細やかな演技を見たかったのに、ばかばかばか>自分


3月4日(火)

 4月から会社が新体制になるというのに、上の方々はいったい何を考えているのか。末端の私らから見て、行き当たりばったりとしか思えないのだが。そんなことでこの先、世間の荒波を乗り越えていけると本気で考えているのか、問いただしたい気分。ほんっとに大手企業に在籍した人たちはのん気だわ。

 今朝の通勤電車で、隣に立つおじさまが広げた新聞は朝日新聞。真ん中あたりの文化面に写真が...「おっあれは白鳥ではないか!」。どうやらAMP『白鳥の湖』の公演評が載っているらしいのだけど、興味のない彼はすぐに頁をめくってしまう。「あ..あ〜、待って、そこ読ませて」。いや、我が家も朝日新聞。家に帰れば読めるものだから焦る必要はないんだけどね。
 その公演も1週目が終わったが、ほんとに私はアダムの白鳥を見ることができるのだろうか。舞台というのは何が起きるかわからないからな〜。しかし、これだけ期待しているんだから、せめて1度は確実に見せてほしいものだ。
 いつのまにかアダムの公式サイトらしいのができていた。今週から彼の日記が載っていて、日本での公演の様子、日本人ファンの話が興味深い。なんと出待ちに、さ、三百人〜!? これほんとなのか。誰が数えたんだろう。それにしても300って...。あの狭い楽屋裏の道に、それだけの人数がどうやって待っていられたのか。2年前に一度経験したが、訳もわからず他の女性方が恐いだけだった。その後はギエムの時に再挑戦したのみで(だってサイン会してくれたんだもん)、これからももうしないだろう、たぶん。しかも300人と聞いた日にはもう..恐ろしい。


3月6日(木)

 念願叶ってやっと見ることのできた、6日のアダム・クーパー@白鳥の湖。いや〜、映像とは比べものにならないほどの迫力。というか、彼が大きくなったのか。
 残念だけど、この日も3階席しか取れなかったので、表情わからず、ジャンプの高さも今ひとつ掴めず。とても高く飛んでいるように見えるのにな〜。表情はオペラグラスだけが頼りなんだけど、本当に見たいのは踊りなので、ずっと覗いているわけにもいかない。と言って、踊りだけでは表現されない演技というのもあるわけで...オペラグラスを上げ下げする手が忙しかったわ(笑)
 王子はベン・ライト。映像のスコット・アンブラーに比べてみると、随分と感情の幼い王子なのね。もういい大人なのに、泣きべそ顔が小さな子供のようで、それがまた哀れで泣けてしまう。ダンス(バレエ)で泣いたのは2年前の『ロミオとジュリエット』以来だ。


3月8日(土)

 本日の夜『白鳥の湖』公演でまたパスターを見る。先週はオペラグラスを忘れるという失態で、豆粒のようなダンサーの踊りをただ見ているだけだった。今日は1階の7列目。器具など使わずともよく見える。汗は飛び散るわ、白鳥たちの威嚇音が聞こえるわ、上階では気づかないことが色々。あの迫力は前方ならではだね。
 先週パスターが踊った日は、拍手こそあったけれど、それほど熱狂的な喝采とまではいってなかった。アダムの時は会場中割れんばかりで、比べちゃ悪いけど先週と同じなのかしらと心配していたら、今日はすごかった。カーテンコールでは立ちあがる人も多く、本人もとても嬉しそう。余計な心配して悪かったよ。
 それじゃ昼は首藤だったのねと思っていたら、どうやら本日は夜だけでなく昼もパスターだった模様。1日2回はかなりきついと思われるので、そういう組み方は不自然だよねぇ。どういうことなんでしょうか?

 会場へ向かう前に渋谷のHMVへ寄り、チャイコフスキー『くるみ割り人形』、ミンクス『ラ・バヤデール』(編曲:ランチベリー)のCDを購入。くるみだけのつもりが、今月末に見るパリ・オペラ座公演が頭にあって、はり込んでしまった、とほほ。
 CDを物色していると、普段クラシックを買い慣れていなそうな若い女性が二人うろうろ。「作曲家のアルファベット順になってるよ、Cじゃない?」の声に、つい出したくなるおせっかいを抑えるのに必死。探している名前は言わないが、今この時期、渋谷で慣れない管弦楽曲を探しているなら、おそらく"チャイコフスキー"だろう。でもね、チャイコフスキーはCじゃないのよ、Tなのよ。ああ、教えたい。ほどなく見付けたらしい彼女の手にあるのは、案の定「白鳥の湖」。ほぉ〜、公演の成果は絶大だねぇと感心しつつ、一回りして同じ場所へ戻ってみると、店員に連れられてまた一人「白鳥の湖」を探しに来ている。うーーーん、すばらしい効果。そして、バレエDVDの棚の"チャイコフスキー"枠は、ぽっかりと空いている。う..売れてる...未だかつてないほど短期間の売上増じゃないかい? ピョートル君。


3月9日(日)

 いよいよ佳境の『GOOD LUCK!!』。過去を背負った男とか、クールで自分の感情を抑える男とかいう設定にとーっても弱いので、このドラマでは木村よりも堤真一が演じるパイロットの方が断然好みなのだ。とうとう彼も過去の荷を下ろせる時がきたのね、と思ったのも束の間、制作側はまたしても彼に余計な重荷を背負わせたいらしい。ああいう風に持っていかれるとは思わなかったわ。いやだ、いやだ。
 文句言いながらまだ見ている理由は、昔の夢がどこかに残っているからだと最近気づいてしまった。保育園のアルバムに"将来の夢はスチュワーデス"と書いてあったけれど、覚えている限りではスチュワーデスにもパイロットにもなりたいと思ったことはない。進路を考える年頃に希望したのは管制官だったが、女性が解禁になったばかりの頃だった(と思う)し、適性無しと自覚していたので誰にも打ち明けず諦めた。次にやりたかったのは"マーシャラー"。着陸した飛行機を駐機場へ誘導する仕事だ。しかし、これも考えれば考えるほど自分には向いてないように思えて早々に諦める。自分でも呆れるほど諦めの早い人間だ。本当にやりたければ挑戦していたのだろうから、そんなに真剣じゃなかったのかな。それでも飛行機への想いがあったのか、海外専門の旅行代理店へ入って3年ばかり働いた。
 今でも空港へ行くのは楽しい。離着陸する飛行機を見るのは大好きだ。だけど、なぜか飛行機に乗ることはそれほど好きじゃないのよね。不思議なものだわ。


3月10日(月)

 AMP『白鳥の湖』の興奮も収まらないが、とりあえず最後の週までチケットはないので小休止。しかし、22日からパリ・オペラ座公演も始まるので、今月末は大忙しだ。
 先々週だかNHK-BS2で放映した『バレエ講座 ラ・バヤデール』を友人がビデオに録画したので、予習のために今日借りてきた。30分ほどの短い番組の中で、この演目の群舞(影の王国の場面)がいかに過酷か説明している。「ひどいことに..」「拷問のような登場をクリアしたと思ったら、さらに残酷なことに...」と何度も強調するものだから笑ってしまった。いやいや、ダンサーたちは笑っていられないのだね。影の王国での群舞には惜しみなく拍手しようではないか。
 CDも買ったし、明日から通勤電車はバヤデールの世界。映画『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』もまた行きたいが、バレエ公演が目白押しでしばらく無理かな〜。


3月11日(火)〜21日(金)

 16日(日)、AMP『白鳥の湖』再追加公演のチケット発売日。張りきって2時間前に、ぴあ店舗に並ぶ。既に30人以上の列。10時の発売開始後カウンターへ辿りつくまでに更に2時間。いい年をして我ながら天晴れと思う。頑張った甲斐あって良席ゲット!

 20日(木)、4度目の『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』鑑賞。2、3度気絶しそうになったことを告白しましょう。だって眠かったんだもん。一緒に見た友人に、新たな発見を教えてもらった。次に見る時の参考にしよう。

 21日(金)、映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(これすごく嫌な邦題!)初日。60年代の世相やファッションが面白く、軽快なコメディー仕立てでありながら、主人公たちの孤独も描かれているところに好感。トム・ハンクスはやはりコメディが一番体に沁みついていて似合うと思うな。ディカプリオも好演してるんだけど、詐欺師にしては少し無理があるというか、人をだませる人相じゃないのよね。モデルになった男の本『世界をだました男』(新潮文庫)を買って、ドン・ジョンソンみたいなタイプの写真を見たら納得。そうそう、こういう顔じゃないと。
 パン・アメリカン航空が懐かしいよう。太平洋線から撤退と聞いて、急いで乗り込んだっけな〜。トランプ貰ったのに、座席に忘れてきたのが悔やまれる。航空機関士が写っていたのも、これまた懐かしい。今ではあまりお目にかからないものね。


3月22日(土)

 フセイン政権が崩壊するまでに、どれほどの民間人を犠牲にしなければいけないんだろう。あの地域にある貴重な遺跡も次々と破壊されているに違いない。イスラム教徒もメソポタミア文明も、巨大な国家となった米国には屑としか見えないのだろうか。
 50年以上前、民間人を何十万人も殺しまくって、その反省はなし。軍事施設だけが目標だなんていう米国の言葉は今ひとつ信用できない。東京大空襲の猛火の中を逃げ惑った祖父母と父・叔母の話を、私は忘れないからね。

 NHK教育テレビで放映の『ローザンヌ国際バレエコンクール 2003』を見る。あれれ? 出場者が踊り終わると逐一「この子はスタイルがよくないですね」「この踊りは全く彼女に合っていませんね」なんていう女性の辛辣な解説がいつも聞かれたのに、無くなっちゃったのかしら。代わりにモニク・ルディエールらが、録画映像を見ながらしばらく解説をしていたが、どれも心優しい批評ばかり。それはそれでいいのだけれど、あの辛口批評が楽しみだったのに残念だわ。
 ところで、スカラシップ3位に入った日本人男性の彼、嬉しかったのはわかるけど、賞を受けた後に審査員に向かって「あ、ども、ども」って頭をちょこちょこ下げるのは、お願いだからやめてーっ! 他の出場者が皆きちんとご挨拶してるのに〜、みっともない。


3月29日(土)

 ダンス、バレエ、ダンス、バレエ、鑑賞の日々は続く。心は幸福感でいっぱいだが、財布がどんどん軽くなっていく...
 3月の最終週は、AMP『白鳥の湖』が2回、パリ・オペラ座『ジュエルズ』、『ラ・バヤデール』と計4回の公演を鑑賞。どれも満足。
 まずはAMPから。白鳥はアダム1回、パスター1回、王子はどちらもトム・ワード。アダム・クーパーは少しお疲れのようですね〜。危ないと思うわけではないけれど、そんな感じを受ける。それでも羽ばたきの力強さはあるし、ストレンジャー(黒鳥)は格好いい。パスターは、テーブルを利用して女王を空中で回転させる場面で1つ失敗してしまった以外は、相変わらず体も柔らかくきれいな踊り。見に行くたびに彼に当たるものだから、なんだか愛着が湧いてきちゃうわねぇ。カーテンコールで指笛は鳴るわ、喝采はあるわで、公演前半に見に行ったときの会場の大人しさが嘘のようだった。たった1ヶ月だというのに、そこまで会場の盛りあがりが変化しているというのも感慨深い。

 パリ・オペラ座『ジュエルズ』。やっぱり私、バランシンの振付た作品って結構好きみたい。そりゃあ、まったりすることもあるけど、見ていてなんだか楽しいもの。どこがどう良いのか、人に説明できるようになりたいものだわ。ラクロワの衣裳がとてもきれい。"ダイアモンド"の幕が上がった瞬間の、会場上の「ほぉ〜〜」というため息が忘れられないわ。個人的には"エメラルド"の衣裳が好み。
 "エメラルド"はとっても爽やか。昨年のルグリ公演に来ていたピュジョルがとても素敵でした。"ルビー"ってこういう踊りだったのね。あの弾けぶりは、面白かったけれど正直面食らった。ルグリが笑顔でランニングする姿がこびりついちゃって、頭から離れないよ〜(笑)。"ダイアモンド"も美しかったのだけれど、1回意識が遠のいてしまった。

 同じくオペラ座『ラ・バヤデール』。初めて見た。絢爛豪華な舞台と衣裳(でも、けしてケバいわけじゃない)が美しい〜。あのセット、そのまま家に飾りたいぐらい。ニキヤはアニエス・ルテステュ、ガムザッティがマリ=アニエス・ジロ、ソロルはニコラ・ル・リシュの予定だったが、怪我のため急遽キャスト変更でジャン=ギョーム・バール。ル・リシュも見たかったけど、バールも興味があったので、私にとっては不幸中の幸い。バールは昨年のルグリ公演での印象と違ってたわ。とても端正で好ましかった。戦士のイメージではないかもね。演目も殆どのダンサーも初めてづくしで、何もかもが良く見えてしまって、文句はないです。が、まさか影の王国の場面で終わる版だとは思いもよらず、寺院崩壊を楽しみに待っていたのに、いきなりのカーテンコールに呆然としてしまった。
 ジュエルズの時には、ロビーでパスターに遭遇し、本日のラ・バヤデールでは、2列前にローラン・イレール(あら、いい男だわ、でもなぜ踊らない?)、休憩時間のロビーでジョゼ・マルティネス(化粧しない方が絶対格好いいね)とすれ違い、2階客席にはアダム・クーパーを発見、そして帰りの混雑するロビーで首藤康之とすれ違うという、なんとも贅沢なオペラ座公演の会場風景でした。