シャック

シャックとは脱皮殻*1のことで、タイイング上はテールの一種と考えてよいでしょう。色々なマテリアルシャックを表現するのに用いられますが、最もよく使用されるもののひとつに、スパークルダンやX-カディスに使われているジーロンがあります。似たような素材はいくつかありますが、なぜかジーロンが頭ひとつ抜けてよく釣れるようです(不思議です)。

*1 脱皮殻
主に水面で羽化するタイプの水生昆虫の場合、水面で脱皮しようとした時に殻がうまく脱げず、尾部から殻がぶら下がるような状態に陥ることがある。この状態から羽化が成功することは稀で、ほとんどはいずれ水流に揉まれて死ぬ運命にある。魚にとっては食べやすい流下物であり、脱皮殻がその目印(捕食キー)となることも多いため、フライでも脱皮殻を表現する工夫が色々と凝らされている。

写真、ジーロンの束ひとつ分

ジーロンはある程度の繊維が束になった状態のものを、さらに束ねて売っています。写真は一束分のジーロンです。通常、シャックは無色に近いため白がよく用いられます。この色は水中ではほとんど透明に近く、本物のシャックと見間違うほどのリアリティがあります。

写真、1/2束を長さ1/4で切り出す

このままではシャックに使うには多すぎるので、適当な量に減らします。フライ・パターンやサイズによって使用量は変わります。写真ではスパークルダンを#14のフックに巻くため、1/2束に分けています(ちょい多めかも)。また、実際に使用する長さはずっと短いのですが、巻きやすくするためには長めに切り出します。写真では1/4の長さを切り出していますが、小さいフライを巻くとき以外はこの程度の長さにしましょう。ケチると巻きにくくなり、フライの仕上がりが悪くなります。

写真、シャンク後端に巻きとめる

切り出したジーロンシャンクの後端に巻きとめます。このとき、ジーロンの両端を持ちスレッドをすくい上げるように引っ掛け、スレッドシャンクの間に滑り込ませるようにしてセットすると楽に取り付けられます。特に小さいフライを巻くときには有効なテクニックです。

この方法でセットしたら、あとは左手の指でずれないように抑え、スレッドを回して固定します。

写真、スレッドでシャンクに固定する

写真、余分なジーロンをカットする

余分なジーロンを切り落として完成です。テールとしての長さは最大でボディの0.8倍程度のします。シャックが脱げずにいる状態をイミテーションするので、尾部に引っ掛かってる場合でボディの0.8倍程度、羽も引っ掛かって脱げないでいる状態ではボディの0.3〜0.4倍程度が目安になります。が、長いものを切り詰めて短くしたり、本数の多いものを切り落として少なくするのは現地でクリッパーを使用して簡単にできますので、タイイング時はちょっと長め、ちょっと多めでも問題ありません。

渓流のドライ フライフィッシング - Dry Fly Manias Association  / Yanma