ヘア・ウィング

ウィングの素材としてエルクディアの胴体部分に生えるガード・ヘアがよく用いられます。これらは中空構造で浮力が強く、また少ない量でもボリュームが出せるのでドライフライ用のマテリアルとして優れています。また、ナチュラル・カラーのヘアは白などに比べて魚の警戒心をあまり刺激しないようです。ここではコンパラダンやスパークルダンで用いられるスタイルのヘア・ウィングを紹介します。

写真、ディア・ヘア

ヘア類の多くは皮の部分が10cm2ほどの大きさに切られて売っています。ウィングに向いているヘアの特徴は以下の通りです。

  • ヘアが真っ直ぐに近い
  • 適度な油分がある(乾燥しすぎていない)
  • 先端のテーパーが急

真っ直ぐに近いヘアはタイイングのしやすさ、見栄えの点で文句なしですが、最低でも先端部のカールが少ないものを選ぶようにしましょう。表面に艶がないものは脱脂されすぎており切れやすくなっています。ただし、ブリーチ(脱色)したヘアはほとんどこの状態のものしかありません。ヘアの先端の先細りの部分(テーパー部)は中空の度合いが小さいので、ウィングに占める割合が小さいほど浮力面で有利になります。またテーパーがきつい方がかっこよく見えます。

写真、切り出した直後は先端がバラバラ

ヘアの先端はスキンから生えている段階で先端が不揃いになっています。したがって切り出した直後は当然不揃いのままです。

そこで、実際に使う量の2〜3倍を目安にスキンから切り取り、ヘアの先端を片手で摘み、もう一方の手でしごくように短すぎるヘアアンダー・ファーを取り除きます。取り除いた後も実際に使う量よりも多くなるようにしてください。

写真、短いヘアとファーを取り除く

写真、ヘア・スタッカーで揃える

ヘア・スタッカーヘアを入れ、トントンとテーブルに軽く叩きつけてヘアの先端を揃えます。揃えたヘアを取り出すときは慎重に。そーっとやらないとせっかく揃えたヘアをずらしちゃったり、バラ撒いちゃったりします(私はよくやっちゃいます)。また、揃い切らなかったヘアは、短いヘアを取り除いた時と同じ要領で取り除きます。さらに、実際に使う量よりも多かった場合は適量まで減らします。

写真、このように先端が揃う

写真、ヘアの長さをシャンクと比較する

ヘアの長さをシャンクと比較して、巻き止める長さを決めます。カゲロウのウィングの長さはボディの約1.2倍ほどですが、実際に巻いたときのバランスなどを考慮するとシャンクと同長くらいがいいようです。

写真、ヘアをシャンクに止める

シャンクアイ側から1/3くらいのところにヘアを巻きとめます。気持ちとしては1/3よりもちょっと後ろ、くらいにとめるつもりで作業した方がいいようです。

スレッドの最初の一回転で強く引き絞り、ヘアが広がるようにします(フレアさせる)。

写真、スレッドをきつく引いてフレアさせる

写真、取り付け直後

スレッドを数回転させてシャンクにしっかりととめたら、余分なヘアをカットします。取り付けた根元近くはスレッドになるべくギリギリのところでカットすると段差が小さくなりますので、丁寧に作業しましょう。私は一度ラフにカットしておき、スレッドの近くは細かくチョキチョキと刈り込んでいくようにしています。

写真、余分なヘアをカット 写真、根元は念入りに

写真、根元の前方にスレッドを巻いてヘアを立たせる

スレッドヘアの前方に回し、指でヘアを後ろに倒して、取り付け部の根元にスレッドを数回転以上回してヘアが直立するようにします。

その後、スレッドヘアの後ろに回し、取り付け部の段差がなだらかになるようにスレッドを巻きつけながら、スレッドテール側へ移動させます。後はボディの作成作業となります。

写真、ヘア取り付け部の段差を無くすようスレッドを巻く

写真、ボディ作成後に手でウィングの形を整える

ボディを巻き終わりアイでフィニッシュしたら、ヘアを指で広げて整形してやれば完成です。

渓流のドライ フライフィッシング - Dry Fly Manias Association  / Yanma