スタンダード・ハックル*1

*1 スタンダード・ハックル
ウィングの前後に垂直に巻かれたハックルのこと。正式(?)な呼称があるかと思って海外のサイト等も検索して見たが、特に決まった呼称がないようだ。ここではスタンダード・ハックルと呼んでおく。

スタンダードなドライ・フライのハックリングは、ウィングの前後にそれぞれ2〜数回、垂直にハックルを巻きつけます。巻く回数が少ない方がよりオリジナルに近いスタイルで、多く巻いたものはウェスタン・スタイル*2というバリエーションになります。他に、ハックルファイバーをかなり長めにするバリアント・スタイル*3というバリエーションもあります。

*2 ウェスタン・スタイル
アメリカ西部の川は日本の渓流に近い、早瀬の多い渓相である。そこでは浮力の強いフライが求められたため、ウルフ・パターンのようにハックルが厚く巻かれるようになった。
*3 バリアント・スタイル
ハックルの巻き数は少なめにし、ファイバーは1.5〜2倍ほどの長さになるようにするスタイル。スタンダードに比べると生命感が強く演出される、らしい。

写真、ファイバーの長さを測る

まずはファイバーの長さを確認します。ケープから抜く前にハックルファイバーの長さをシャンクと比較します。だいたいシャンクと同じ長さでいいですが、姿勢を安定させるにはやや短めにします(その場合はイミテーション性が若干落ちます)。あるいはウィングよりもちょっと短め、という測り方でもいいでしょう。このとき、根元ではなく真中あたりのファイバーで測るようにします。

写真、羽根を約1/2にカットする

ちょうどよい長さの羽根が見つかったら、ケープから抜き取ります。下半分は使用に適さないので約半分ほどにカットし、上の方だけを使います。下の方はファイバーからさらに細かい毛(バービュールバービセル)が多く生えており、水を吸い込みやすい構造になっています。また、ハックリングしたときに下の方のファイバーは横に飛び出しやすくきれいに巻けません。そのためドライフライのハックルには向いていません。

写真、フックに止める部分の前処理をする

丈夫できれいなハックルにするため、フックに巻きとめる部分の前処理をします。巻き始めにファイバーを巻き込んでしまわないよう、ストークの端から数mm〜8mmくらいの部分のファイバーをハサミで切り落とします。完全に切ってしまったり、毟って取ってしまうと巻きとめた後に抜けやすくなりますので、1〜2mmくらい根元を残すように切り落としましょう。

写真、フックに巻きとめる

前処理した部分をスレッドでフックに巻きとめます。このとき、羽根の裏側(艶のない側)を見えるようにとめます。そうすると巻くときにこの面がアイ側に向き、前方にやや傾斜したハックルに仕上がります。

ボディを作るときに、ウィングの後ろにハックルを巻くスペースを残しておきましょう。そこに巻きとめますが、スレッドでとめるところは一番下のファイバーと少し放しておきます。そうすることで巻き始めからきれいにファイバーが立ち上がります。

写真、ウィングの後ろをハックリング

羽根の先端をハックル・プライヤーで挟み、軽くテンションをかけながらハックリングします。伝統的なスタイルではウィングの後方、前方ともに2、3回転くらいの合計で数回転。ウェスタン・スタイルにする場合は前後4、5回転の計10回転前後くらいさせます。これは羽根を2枚使う場合でもトータルの回転数は同じくらいになるようにします。

写真、ウィングの前をハックリング

ウィング前方を巻く場合、写真のようにハーフヒッチ・ツールハックルを抑えながら巻くとファイバーが巻き込まれて前に倒れたりせず、きれいに巻くことができます。抑えっぱなしではなく、1回転させたらハーフヒッチ・ツールで軽く押し込む、ちょっと戻してできた隙間で回転させる、という感じです。そして最後にいったんハーフヒッチして羽根を仮止めします。このときアイの後ろにはスレッドを回転させる空間を少し残しておきましょう。

写真、ハーフヒッチして仮止め

写真、余分な羽根をカット

余分な羽根をカットします。あまりスレッドぎりぎりで切ると抜けやすくなりますので、1mmほど余裕を持たせて切ります。また、そのときハサミなどが強く羽根を引っ張ってしまわないようにします(これも抜け防止のため)。

写真、ハーフヒッチでとめる

アイの後ろに残しておいた空間で、ハーフヒッチ・ツールまたはウィップ・フィニッシャースレッドを固定します。

写真、ウィップ・フィニッシャーでとめる

写真、スレッドをカット

スレッドをカットし、ヘッドセメントか瞬間接着剤をヘッドに少量つけてほどけないようにして完成です。

写真、完成したフライ 写真、同じく完成したフライ

渓流のドライ フライフィッシング - Dry Fly Manias Association  / Yanma