ヘア・ダウンウィング

アイの近くから後方に低い角度で伸びるウィングダウンウィングといいます(水平に近い角度のものはフラット・ウィング)。ダウンウィングは主にウェットフライやストリーマーに用いられますが、ドライフライでもエルクヘアカディスなどマテリアルヘアを利用したダウンウィングを持つものがあります。ここではエルクヘアカディスダウンウィングを紹介します。

写真、エルクヘア

エルクヘアカディスというくらいですから、エルクガード・ヘアを用います。ヘアの選び方はヘア・ウィングのところで説明したのと同じです。アンダー・ファーの除去やヘア・スタッカーで先端を揃える、などの前処理も同様におこなってください。またダウンウィングの場合はボディを先に制作しておきます。

写真、ヘアの長さを決める

ヘアの長さをシャンクと比較して、巻き止める長さを決めます。カディス(トビケラ)のウィングボディよりも後方に長くはみ出していますので、フライを巻くときも長めにするとよりリアルになります。好みもありますがシャンク1.5倍程度がバランスもいいと思います。

ここで重要なのはヘアの分量です。ヘアの本数を多くしても浮力・視認性ともにほとんど向上せず、重くなるだけでメリットはありません。20本前後あれば十分です。

写真、ヘアをシャンクに止める

左手にマテリアルを持ち換え、シャンクにセットします。スレッドボディを作り終えてアイの近くにきていますので、そこに巻きとめます。右利きの場合、アイ側から見て時計回りにスレッドを巻いていくのでマテリアルも時計回りにズレていきます。そこでアイ側から見て11時方向くらいに少し傾けてセットしておくと、スレッドで閉めこんだ時にちょうどシャンクの真上で固定されます。

写真、ヘア固定後

ここからが重要ですが、最初の一回転できつく締めてしまうと、ヘアがフレアして広がりすぎてしまいます(あえてそのように巻くこともできるわけですが)。そこで、最初の一回転は軽く締めます。次の一回転でやや強く締めます。そして3回転目でギュッと強く締めてやります。ヘアはこの時に回転方向に回ろうとしますので、最後まで左手の指を緩めないようにしましょう。さらに1、2回巻いて固定されたら左手は離しても大丈夫です。

写真、ヘッドの前処理

この状態だとアイ側にはみ出したヘアはかなりフレアした状態になっています。このまま続けても構わないのですが、見栄えのよいフライにするために一工夫しておきます。右手に余分のヘアを束ねて持ち、アイの上側でスレッドを1回転させます。こうすることでヘアがまとまり、きれいなヘッドに仕上がります。

写真、ヘアを束ねた状態

写真、余分をカットしてヘッドを作る

ヘッド部分を残して余分のヘアをカットします。この後、アイの部分でハーフヒッチしてフィニッシュします。ウィップ・フィニッシャーを使う場合は、ヘアを留めるためにスレッドを巻いた部分でフィニッシュするとよいでしょう。

スレッドをカットし、ヘッドセメントか瞬間接着剤をフィニッシュした付近に少量つけてほどけないようにして完成です。

渓流のドライ フライフィッシング - Dry Fly Manias Association  / Yanma