ツイストウィング・イマージャー(Twist-wing Emerger)

写真、ツイストウィング・イマージャー

写真、パートリッジのフラッフを使ったウィング

オリジナルは不明ですが、プロ・タイヤーの備前貢氏が巻いたものを参考にしました(備前氏のオリジナルかも)。備前氏のものとの違いは、テールをジーロンに変えたことと、CDCのフローターを取り付けたこと、だったと記憶してます。

このフライの特徴は、ウィングにパートリッジのフラッフ*1(羽根の根元付近)を使っていることです。この素材は濡れると黒く、細くなり、非常に柔らかく動きます。アフターシャフト*2も同様の性質がありますが、切れやすいのでフラッフを使う方がタイイングは楽です。

*1 フラッフ
羽軸(shaft)から生える繊維(羽枝)の集合体を羽弁(web)と呼びますが、このうち根元近くのふわふわの部分をフラッフ(fluff)と呼びます。fluffには綿毛、うぶ毛、ふわふわした固まり、といった意味があります。
*2 アフターシャフト
後羽といい、通常の羽(正羽)の羽軸から派生して生える小羽のことです。フライの世界では「フィロプルーム(filoplume or philoplume)」と呼ばれることもありますが、フィロプルームは毛状羽といい、羽軸だけで羽弁(web)のない羽のことですので、(鳥類学上は)間違った呼び方だそうです。

写真、イマージャー 写真、溺れたダン

水中羽化や水面羽化するカゲロウの中には、ウィングが大気中に出ることなく羽化に失敗する個体も多く存在します。そのウィングは半透明のダンのものと異なり、黒く捩れたひも状(ツイストウィング)になっています。上の写真は水中羽化タイプの、同じカゲロウのものですが、左はストマックから出てきたイマージャー(水面に出る前に食われたもの)、右はウィングが大気に触れて開いたものの結局溺れて流下したダンです。羽根の質感の違いにご注目ください。

写真、水槽に浮かべて撮影

左はこのフライを水槽に浮かべて撮影したものです。フラッフの色調、質感は大気中にある時と異なり、黒く捩れたウィングのイミテーションとして優れていると思います。柔らかいので本物のウィングよりも動きが大きくなるでしょうが、若干の誇張は捕食信号(トリガー)として優れた効果が得られることが多いものです。

パートリッジのフラッフはあまり使わない、下手すればタイイング時にでるゴミに過ぎないのですが、そういう素材にこのような効果的な使い方を見つけた方の慧眼には恐れ入ります(誰が最初かは知りませんが)。

使用マテリアル
Hook TMC 2487BL #14
Thread ユニスレッド6/0(ペールイエロー)
Abdomen グース・バイオット(ペールイエロー)
Thorax ラビット・ファー(オリーブ・タン)
Tale ジーロン(ホワイト)
Wing パートリッジ・フェザーのフラッフ
Floator CDC(ナチュラル)
渓流のドライ フライフィッシング - Dry Fly Manias Association  / Yanma