かって、「芦屋エスペラント会」があった...

Iam estis Aŝija E-Societo...

La floroj de l' krepusko (252)


仮題 『薄明かりのなかで咲く花たち』

Serĝo Elgo
著者 セルジョ・エルゴ



(14.4cmx20.1cm 168頁、 Kooperativo de Literatura Foiro スイス、1995年)

Unu vorte: カルメル警部シリーズ。惰眠をむさぼる大衆を目ざめさせようという、幼稚なテロリストたち。大学教授たちのおめでたさも。

登場人物:
・Kramer … 警部、前髪が落ちてくるのを戻すクセ
Albert Pruvost … 教授、19世紀アメリカの歴史が専門、独身
Inna … Neuxvelo の大学に通う、家族から古い友人で名付け親(baptopatro) の教授に預けられた
Alekso … Inna の彼氏、今や Inna は離れようとしている
Sofia … Inna の5歳下の妹
Amelot … Inna のお祖父さん
Ferry … Inna の父
Irma … Pruvost の家政婦
Sxiberto … テクノロジー担当の大臣
Albeno Lesor … テロリスト、大学の建設中、石工として働く、父の会社が Sxiberto によって破産させられる
Santini … 大臣の警護担当責任者、定年を間近に控える
Rafaeli … 設計士、祝賀演説をする
Delbar … 県知事、祝賀演説をする
Dorat … 設計者、Pruvost の高校時代の友人で、今は大学教授
Alteo (タチアオイ)… 男、テロリスト・グループのリーダー
Kalendulo (キンセンカ)… 男、Alteo の信任は浅い
Dianto (ナデシコ)…男、理論派、Alteo が」信頼している
Roza … 女、Alteo の愛人
Viola …女、本名は Tereza
Konvalo (スズラン)… 男、Alteo はあまり信用していない、Viola とともに Pruvost の講義を聴く
Lekanto (マーガレット)… 本名は Ronaldo de Nudkort'
Cejano (ヤグルマギク)… Alteo が全面的に信頼している、副大臣暗殺時の主役
Fazol' … 警部の助手、小男で不器用だが有能
Dorat … Albeno が属する建築事務所の長
Kristina … Dorat の秘書
Gxino と Sxandra … Albeno が住む住居の管理人夫妻
Beata … Albeno の恋人
Ferrari … Palomejo, 'emeritejo' の管理者
Miler … 誘拐され、脱出した Pruvost を家まで送り届ける、木工職人
Lieberto … 教授の同僚
Sovio … 教授の同僚、マルクス主義者

地名
Granopolo … 首都?


第一章 Kramer
クラマー警部がいつもの専門と違うテロリストの捜査で、風車の塔のある家に住む大学教授プルヴォストを訪ねる。教授は防衛大臣を殺したテロリストは英雄かもしれないとの詭弁を弄する。聞き取りに行き詰まって、その家を去ろうとする時に、客人があることを知らず、若い、魅力的な女性が居間に入ってくる。『邪魔だったかしら?』『いや、インナ』と教授。『お嬢さんですか?』と、女性が去ったあとで聞くと、しばらくたって夢からさめたように『いや(Ne)』と。

第二章 Inna
インナはヘルメットをかぶり単車に乗って、街へでる。今日こそアレクソにわたしはあなたの言いなりにはならないと絶対に言うのだと決めている。ゴミタメのような袋小路の突き当たりにあるアレクソの部屋に入るが、ヘルメットを取る間もなく、何も言い出せないうちに彼の思うままになってしまう...

第三章 Sxiberto
大学の新築された講堂のオープンを祝う会で、その講堂に集まった著名人、教授、学生たち。アルベーノは映写室のカーテンの下に銃を隠して、シーベルトの演説がクライマックスを迎える時を狙って殺害。誰に気づかれることもなく裏庭から逃走。サンティーニは、まだ使う当てのない映写室が壁紙で隠されていたことを知らなかったというミスを犯す。クラマーが。プルヴォスト教授を聞き取りに訪れると、ド−ラットが同席していて、古い友人だと紹介される。

第四章 Alteo
廃墟の一室で Alteo が座禅を組んで仲間が集まるのを待っている。三角の目無しぼうをかぶった連中が次々集まる。次の大臣暗殺計画について打ち合わせと確認が行われる。全員、男も女も、花の名前の暗号名がついている。土曜日、自宅のアパートから田舎の保養地へ行くという情報があり、その時に暗殺を企てることになっている。万一、事前・事後に逮捕者が出ても、仲間同士は Alteo を除いてお互い知らないので安全ということになっている。

第5章 Fazol'
クラマー警部の助手 Fazol' が望遠鏡つきの銃を買った男の名前、アルベーノ・レソールとその住所をつきとめる。公安警察のリストには兄のアレクサンドロの名前がある。アルベーノが働いている建築事務所へ行き、現場を訪ねるが、逃走したあと。建築事務所の秘書が雑談で、警察が追っていることを知らせてしまったから。住居を訪ね、残された恋人の話から、育て親の叔母が入っている老人ホームを訪ねる。警部らは、彼の父親が Sxiberto に恋人を取られ、破産させられて自殺したことを知る。兄のアレクサンドロはアメリカかどこか海外にいることも。

第6章 Pruvost
仲間のパーティーから疲れて帰った教授は、車から出たところを Alteo のグループに誘拐される。かび臭い地下室で、目無し帽をかぶった連中にテロの意義について問われる。連中が会合のため、会場に移動したあと、不思議にも、中世の騎士たちの戦いの場に巻き込まれる幻覚を見る。気がつくと、地下室の鍵は開けてあり、夜の森へと脱出。通りがかりの労働者の車に拾ってもらって、当のある家まで送ってもらう。その労働者の生活をうらやましいと、教授は思う。

第7章 Albeno
Alekso の家の前で、彼の帰りをお腹をすかして Albeno は待つ。兄は、父の仇を討った弟を単なるアマチュアの犯罪者だと決めつける。それでも、最後には、隠れ家として提供し、身分証も作ってやると言う。

第8章 Irma
午後2時、Irma は、教授を起こすのをためらっている。昨夜、車だけが止めてあったので、警察に疾走届けを出しておいたので、ずっと、Kramer が下で待っているのだ。前回の訪問より、うちとけやすくなった教授が、目無し帽をかぶったテロリスト集団に誘拐されたこと、場所はナイチンゲールも鳴かない城砦あとだと伝える。そして、テロリストが良かれと思って何をしても、ニーチェとナチス、スターリンと強制収容所など、歴史が示すとおり、結果として血が流され、何も変わらないとペシミスティックな自論を述べる。Kramer は、テロリストの集団に、右手に傷跡がある女性がいるとの情報を得て帰ってゆく。

第9章 次の朝...
めずらしく3人で朝食をとる。Inna がふさいでいて、失恋したらしいことが見てとれる。Pruvostがバスにつかっていると、 Irma が入ってきて、自分の存在を教授が認めてくれないと不平を言う。公式の場に出さないし、今日の午後の同僚二人とのお茶会にも出させてくれない...

第10章 Lieberto
コーヒーのあと、ブランディーを飲みながら、現代の世情について議論を戦わす三人。Pruvost は、二人の対決に、横から別の球を投げ込む役回りで、自由主義も、共産主義も、イスラム教も、キリスト教も、何も世界を変えることはできなかった、おそらく技術がいくらかこれからの世界を変えてゆくかもしれない、との自論を展開する。並行して、Alteo らのテロが進行する。Cejano は狙撃に失敗し、Kalendulo が撃たれる。Alteo は Kalendulo にとどめをさし、運転していた Roza に入れ替わって、一人、腕を撃たれた Roza を見捨てて逃げる...  Irma が、入ってきてテロで防衛大臣が襲われたらしいと告げる。