かって、「芦屋エスペラント会」があった...

Iam estis Aŝija E-Societo...


 

Maigret eraras (266)


メグレ間違う

Georges Simenon
著者 ジョルジュ・シムノン
エスペラント訳 Daniel Luez




(14.3 cm x 20.0 cm x 0.8 cm  128頁、 Sezonoj (カリニングラード)、2009年)
(1800円 JEIより)

Unu vorte: 超一流の脳外科医の非人間的な人生観とその言動はとても興味深い。そのせいで読後感は良くない。

登場人物:
Lulu (Louise Filon) …教授に囲われている。元売笑婦。至近距離から拳銃で撃たれる。
Peĉo (Pierre Eyraud) …Lulu の恋人。Louis のバンドのサキソフォン奏者。29歳。
Desiree Brault …そうじ女。Lulu の部屋を掃除に来て、彼女が死んでいるのを見つける。
Cornet …マンションの門番。
Etienne Gouin …超一流の脳外科医。手術のあと、ストレスから解放されようと、手当たり次第に女性を抱く。尊敬されている。62歳。
Germaine Gouin …教授夫人。
Lucile Decaux …教授の助手。36歳。
Antoinette Olivier …Germaine の姉。図書館に勤務。
Louis …バンドのアコーディオン弾き。 Peĉo の友人。
メグレ …司法警察の警部。
Lucas …メグレの部下。
Janvier …メグレの部下。
Janin …メグレの部下。
Lapointe …メグレの部下。
Moers …鑑識。


あらずじ:
 まだ十一月だというのに、朝、明りを付けなくてはならない。窓の外の霧を通して外を見ていたメグレ夫人が、外套を着ていった方が良いと言い、取りに部屋を出て行く。まだ手にコーヒーカップを持っているのに、電話がかかってきて殺人事件が起きたと告げられる...
 殺されたのは元売春婦の Lulu で、富裕層が住む地域にある高級マンションの3階の一室で、至近距離から撃たれている。4階に住む、高名な脳外科医 Gouin の愛人だという。教授夫人公認で、愛人が3階に住んでいる、という信じられない状況。教授の助手も手術の手伝いをするばかりでなく、教授とベッドを共にする。Lulu には、彼女との結婚を望む、しがないサキソフォン吹きの Peĉo がいる...
 女性を物としてしか考えない、冷たい教授と、メグレの対決(尋問)がクライマックス。メグレが「教授、あなたを逮捕しなければならない」と言ったところへ、真犯人が登場する! メグレ、誤てり!

読書メモ:
・フランスならではなのか、一部の高所得者で有能な者は、超人として振る舞ってもいいと言わんばかりの、「性のモラル」が、根本的にわれわれのと違っている、ということからくる不快感をずっと抱きながら、しかし、それはそれで興味深いので一気に読み通した。日本語訳があれば参照しながら読みたかったが...(「メグレ間違う」(萩野訳)河出書房があるらしい)

・いわゆる「セクハラ」を受けたり、手術で親族が助けられたりした女性たち、門番、助手、そうじ女らが必死で、「高名な教授」に殺人の嫌疑がかからないように、証言を拒否したり、うそをついたりする姿に驚かされる。それぞれの社会的な階層意識がフランスでもかくも強烈。

・メグレは教授周辺の情報を自ら出向いて集め、最後に教授に強制される形で、高級マンションの一室で教授と対決する。お互い、人間のサガを知り尽くしているが、一方は高みから、メグレは同じレベルで。



面白い表現、単語など
・gracea …「(皮・布・紙などの)つやをつけた;つやのある」 viraj pantofloj el
glaceigita kapridledo
・「サンドイッチにビール」 … Sur la skribtablo de Maigret, estis pleto kun du
grandegaj sandviĉoj kaj du glasoj da biero
・postio …「まがい物」 Maigret staris, kun la dorso kontraŭ la kameno,
kie estis nur  postiĉaj ŝtipoj
・「たわいないこと」 … ”Ni babilis, mia fratino kaj mi." "Pri kio?" "Pri ĉio kaj
nenio."
・「いまのところ」 … "Vi ne plu havas demandojn por mi?" "Mi  momente
havas neniujn."
・「何か新しいことは?」 …”Nenio nova?"
・「わたしが払う番」 …”Kion vi trinkos? Estas mia  pagovico." "Unu brandon."
・inventaro …「財産目録」 "Ĉar nokte, dum mi ne endormiĝis, mi faris
la  inventaron de la vestaĵoj de la fraŭlino." 「このお嬢さんが持っている衣類を全部調べてみた」
・sukeri …「砂糖を入れる」 Ŝi verŝis kafon en bolvon,  sukeris ĝin kaj
kriis al sia edzo: "Mi venas!"
・メグレ警部には子供がいない?...
"Ĉu vi neniam havis infanon?"
"Ne, laŭ mia scio."
"Ĉu vi neniam deziris havi infanon?"
Lia respondo ŝokis Maigret-on, kiu dum tridek jaroj tre volis iĝi gatro.
"Pro kiu motivo?", demandis la profesoro. ...



2018. 1.14 読了

2018. 1, 15. 作成
 
Krokodilon oni povus paroli ne nur pri enigmo, sed eĉ pri nesolvebla o